STC製3B252Bシングルアンプを自宅に持って帰って食事をし、いつものTVコースを見終わって9時から交換作業を始めました。交換作業は30分くらいで終わりました。音出し確認をして風呂に入り、やっとユックリ聴ける時間になりました。
聴き始めはチョッと違和感のような所も有りましたが、プラグが馴染みだしたのでしょう30分以上経ちますとしっかりしたサウンドになって来ています。
従来のEL34ppモノアンプとは随分と違います。音が前に出てきます。音数もこちらの方が多いようです。重心が下がった分高域の伸びはEL34ppに及びませんが十分なレンジを持っています。
このアンプのサウンドは「暖かいぬくもり」のサウンドに聴こえます。音楽性は非常に高いです。特に中・低域の量感が豊かで有りながら凝縮した音の粒子をさりげなく出してきます。ビロードの質感を予想させます。交換してレベルダウンはないようです。ホッとしました。
EL34ppモノラルアンプの音質に不満が有った訳では有りませんが、スペースの問題とシンプル化の希望で作り上げたアンプです。
EL34ppモノアンプのサウンドは何処までも「フラット」なサウンドで時折「もう少し肉付きが良くても良いのに・・・・」と思ったりもしましたが、ご飯のように「飽き」の来ないサウンドでした。決して押し付けがましいところがなく、それでいて十分に音楽を聞かせてくれます。これはこれですごいことだと思っています。実力は間違いなく1番かもしれませんが、あまりにも透明性が高く、質感もしなやかで聴き易さも併せ持ったアンプです。決して他人に手放すことはないと思います。
今回のアンプは「球の力」でEL34ppモノアンプの上を行っているようです。STCのパワー管やムラードの初段、オスラムの次段管と全てが1940年以前の、「本物の真空管」時代の品物です。確かにこの頃の真空管の力は(サウンドは)すごいと思います。コストダウンされたトランジスターでは絶対に出ない、出せないサウンドです。姿も柔らかくて作りも手の込んだつくりをしています。
ノイズの心配を相当していましたが、対策が功を奏してほとんどノイズを感じません。バランス化していますのでXLRのルシファーで接続しています。
しばらくはこちらも病み付きになりそうです。良いサウンドになりました。EL34ppモノラルアンプ×2台の音質を越えてくれそうです。