「質感」と「音色」は似たような意味に取られる事が有るが、個人的には使い分けている。
「質感」は「音の粒子を以下に細かく出来るか?」の指標として使っている。大きな部屋では、2次反射や3次反射等の反射音が載って来るので判り辛いが、SPユニットの30cm前で聴けば音の粒子がどの程度か簡単に判ると思う。「音の粒子を細かく」と云う事はかなりの「音数」を要求される。音数で全ての帯域を埋める事が出来れば、ニアフィールドで大音量再生(100db以上)しても「耳がびり付かない」音に出来るはずだと思っている。(耳にキーンと来る音が無い)
一般にコーン型やドーム型のSPはナローな性質が有るので、「耳にキーンと来る音」が出難い。しかし、「音数」や「反応の速さ」が追いつかないで破たんして来るので聴き分けられる。
ハーツフィールドやパラゴン、オリンパス、ソブリン等、JBLのフラッグシップモデルに使われている様な2インチスロート(4インチダイアフラム)のドライバー 高能率、高効率変換、高反応のユニットでは、システムメイクが悪いと「耳にキーンと来る音」が出てき易い。大概の所では、大音量にするとこの「キーンと来る音」が出て来るので、音量の位置に敏感になっている。
「キーンと来る音」をなくすには、音数を最大限に増加させる事が必要になって来ると考えて挑戦して来た。その具体的手段は「ケーブル」と「機器」の性能に有る。機器ばかりに投資しても無意味とは云わないが、その分だけケーブルにも投資しないとたどり着けない境地と思う。
「音色」は機器自体が持つモノで、好みの音色の機器を組み合わせる事でしか得られない。部品(例えばコンデンサーやボリューム、整流器等)でも合わせる事が出来るが、スペースや作業の出来不出来が出て来るので、慣れた方以外は挑戦しないだろう。
特に「弦楽器」の音色と「打楽器」の音色になって来ると思うが、「質感」や「反応性」とも絡んで来るところなので、自分の好みをちゃんと理解しておかないとあらぬ方向に行ってしまう。
「弦楽器」ではトレモロの再現性や弓でこする音色に注視している。打楽器では「革の張り具合」に注視している。「音色」と「質感」は微妙に絡み合っているし、その獲得時期もズレて来る事が有る。ただ合わさった時がシステムの完成のポイントではないだろうか?チョッと大雑把に書きすぎたかな?