40年前と現在ではSPメーカーも変わってしまった。JBLやタンノイは生き残っているが、往年の面影はない様に見える。B&WやB&Oやソナス、アバンギャルド等新しいメーカーの流れになっているが、本当に良いSPなのだろうか?20cmクラスのウーハーで本当に良いサウンドが出るのか?疑問を持っている。実際にオーディオショー等で聴く機会も有るが、コーン型やドーム型で本当に満足できるモノなのか?ユニットの「質感」については40年前の名器達の方が自分の好みに合う様だと思う。
アルテックのA7や604系のモニター(#612、#620A等)やタンノイ レクタンギュラーヨーク、アーデンも使って見たが、自分にはJBLのSPが一番好みに近い。自分の好みは家庭用で「性能が高い」事だ。アルテックも良い音質を持っているが、狭い家庭で使う様には設計されていない。ユニットの「おいしい部分」を聴きたければ120dbサウンドが必要になる。
タンノイでは「いぶし銀のサウンド」とか評されているが、音のキレ・ヌケ・ノビとエネルギー感がまったく足りない。タンノイの他の38cmシステムも聴いた事が有るが、同じ様なイメージを受けた。オートグラフはオーケストラを聴くには良いが、小編成でもJAZZでも同じ質感で鳴らしてしまう。箱を鳴らす様にして作られているので、箱の鳴り方の癖がいつも付きまとう。その癖が好きな方にはたまらない質感かもしれない。そんな方はどんな音楽もその癖で満足出来るのかもしれない。
アルテックもタンノイ・バイタボックスも2インチスロートのドライバーを持っていない。ガウスやTADは元JBLに居たロカンシー氏によって作られたから、JBLの#375とは兄弟なのかもしれない。WEの#555ドライバーは語り草になる程「伝説化」されているが、残念な事に未だ聴いた事が無い。ホーンとの組み合わせの妙見が有るのかも知れない。
「質感」について、コーン型やドーム型しか知らない方が増えている事は、将来のオーディオファイルのレベル低下に危惧を覚える。