QUAD(クォード) ESL-57 と云うSPを初めて聴いたのは20歳の時。オーディオショップの店員さんと仲良くなり、彼の装置を聴かせていただいた。音の出方が一般のSPとはまるで違う。まさに「面」で「波」となって音が伝わってくる感じだった。弦楽四重奏などは非常にリアルに感じた。ただピアノ曲は独特の音色でよいのだが、音の歯切れの面でイマイチの様な・・・。ただ黄金色のゴージャスな姿は忘れない。
当時はJBL:L-100を使って、オールマイティな音楽を聴くようにしていたので食指までは動かなかった。でも傍に置いて置きたいと思わせるスピーカーだった。
そうこうしてる内にESL-57はいなくなり、ESL-63に代わっていった。このSPも非常に印象の良いサウンドだった。
コンデンサー型のSPは他にもKLHやスタックス、アポジー等々色々あるが、とうとうコンデンサー型フルレンジSPは手に入れずじまい。ESL-57×2台のWスタックのSPが本当に欲しかった。ESL-57×2台のダブルスタックはM・レビンソン氏の「HQDシステム」の中音を受け持っていた。手持ちのDECCA:SW-8 リボンツィーターと合わせれば、かなり近いサウンドが出せると真剣に考えたものだ。
コンデンサー型SPの購入を考えるといつも気になるのが「耐用年数」と「メンテナンス」の事。維持管理が出来そうにないのでいつも最終的には決心が出来なかった。