Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

JBLの3大ホーンについて

2021年03月12日 | ピュアオーディオ

JBLの2インチスロートコンプレッションドライバー#375を使うには、その先端に取り付ける「ホーン」が必要だ。#375は同社のハーツフィールド(ゴールドウィング)やパラゴン(楕円ストレートホーン)、オリンパス(ショートスランプホーン)等、最上級グレードのSPシステムに使用されている。パラゴンでは湾曲した反射板に向けて有り、ストレートホーンの「スッ飛んでくる音」を回避している。オリンパスS8システムではH93のショートホーンだが、これは理論的にも非常に難しい問題を抱えている。ストレートに音が飛んでくる。小さなディフィーザーでは拡散し切れない。

JBL#375を一番簡単に素直に鳴らせるホーンはHL90(#2395)だと思う。通称「お化けホーン」と呼ばれている。大きな鉄製のディフィーザーで簡単に#375が鳴ってくれる。問題はそのホーンの大きさだ。ホーンに見合うサイズのエンクロージャー(箱・BOX)が必要だ。


JBLオリンパスシステムにはHL88(蜂の巣ホーン)が良く似合う。ショートホーンなので取り扱いは非常に良いが、「スッ飛んでくる音」で5分も聴けば殺されそうなサウンドが出る。使い手に「スキル」を要求するホーンです。ど素人が簡単に扱える代物ではない事を理解して購入しないといけない。その代わり、うまく鳴らしてやると円形の放射パターンで非常にリアルなサウンドが出せる。


HL89(ゴールドウィング)はハーツフィールドに使われている様に、比較的に扱い易いホーンかも知れない。ただ、音量を上げてアルミのディフィーザーを鳴らしてしまうと「アルミ」臭いサウンドになる。このホーンからタンノイみたいな「弦楽器」の質感を出す事を目指して自宅システムで使っている。


#375自体は良く出来たユニットで性能も高い。一番の良さは「音の線の太さが原寸大」と云う事だろう。「生演奏」のリアル感とエネルギー感はこのユニットが一番だと思う。以前、ガウスHF-4000やJBLのプロ用#2440や2441とも比較した事が有るが、エネルギー感は一番であった。音数はHF-4000と互角だったが、HF-4000は奥行き方向のサウンドを出して来た。この辺にユニットの好みが出て来るだろう。#2440や#2441はプロ用ユニットと銘打っているが、音数が#375と比較するとガタ落ちで「コストダウン」を感じる。コンシュマー用の#375の方が優秀である。