Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

判ってしまえば何でもない事なのだが・・・

2012年06月20日 | ピュアオーディオ

オーディオ雑誌で新商品やそれらの組み合わせモデルの紹介がされているのを良く見かけます。最新の良い機器達が「最良の組み合わせ」として紹介されています。それらを全て購入して自室に組んでも、「高価な機器をただ繋いだだけの音」になりがちです。本当のオーディオはこの先に有ると思います。

それらの機器の性能を如何に発揮させるかがオーディオだと思います。その「如何に発揮させるか?」の技術は販売されている部分も有りますが、販売されていない部分でも有ります。

オーディオは電気の原理・法則や自然の法則からは逃れられません。如何にそれらの原理・原則・法則に則って使うかだと思います。仕事ではテーマに対して調査・解析・対策・チェック・再対策等の手順に従って考え、手順良く仕事を進められていると思いますが、オーディオの趣味になりますと、その様な手順をすっかり忘れて安直に機器の買い替えに走りがちです。

自分で考えて掴まなければならないノウハウがオーディオには必要です。その簡単な例として「セッティング」が有ります。セッティングと云ってもSPの場合、アンプの場合、CDPやアナログプレーヤーの場合と対象が異なり重さも大幅に違います。また忘れてならないのがラック類のセッティングです。

それらのセッティングが問題なのにその対策をせず、機器が悪い?と思いこんで機器の入れ替えをしても意味が有りません。意外とセッティングの弊害は大きなものが有ります。判ってしまえば何でもない事なのだが・・・。個人的にはさりげなく対策しています。


JBL #375用ホーンの特徴

2012年06月19日 | ピュアオーディオ

JBLの高級システムは「低域に38cmコーン型+中・高域にホーン型」を使ったシステムになります。その意味で云えば#4425辺りが最低ラインのシステムと思います。最近のJBLでは家庭志向が強まったのか「コンパクトにホーンをエンクロージャーに内蔵」したSPが多くなっている様です。

JBLの高級システムは低域にしろ高域にしろ「音が前に飛んでくる」のが特徴の様に云われています。確かにノーマルのJBL純正のSPではそういう傾向にある様に思います。実際に#375を使った私の3つのシステムでもその傾向でした。

自分で使った事の有る#375用ホーンは順にH93、ラフトクラフト製ウッドホーン、#2350、HL88、HL89、HL90と#2380。

まず初めにH93。このホーンはオリンパスにオリジナルで付いているホーン。ショートタイプのホーンで使い勝手は良いが、ホーンロードが短くストレートに音が飛んで来ます。音の拡散は期待できないホーンだと思う。何か無理やりオリンパスの箱の中に納める為に作られた様な感じです。1ヶ月使ってほとほと困りました。「むき身の刀のサウンドで耳を襲う」様な感じでした。エネルギー感がそのまま飛んで来ます。(at オリンパスシステム)

次に入手したのがラフトクラフト製ウッドホーン。結構厚みのある木製ホーンで、いやな音はしないのですが、音の拡散の面ではホーンの強度が高すぎて少なかった。コンパクトな大きさで扱い易かった点は良かったと思います。形状的にストレートに飛んでくる音が有り、このエネルギー感のコントロールが課題だと思いました。(at RCA箱システム)

その次に入手したのが#2350ホーン。このホーンはPAでバッフルにマウントして良く使われていました。私もまさにPA用のバッフルに組付けられたモノを入手したのですが、その箱が大きすぎて、ウーハーの箱の上に納まりきらないので、内部のホーンを取り出して、ノーバッフルで使いました。セッティングに非常に敏感で、ドライバーは中吊り、ホーン両側先端をピンポイントの「点受け」セッティングにして使っていました。この状態ですとホーン全体がストレスなく振動して、HL88(蜂の巣)の様な音の拡がり方をしました。ホーン開口面は広いのですが、ホーンの響きと相まって柔らかいサウンドが獲得できました。(at RCA箱システム)

#2350でサウンド的には不満はなかったのですが、全体のスタイルバランスの面で気に入らなかったので、HL90(お化けホーン)を購入して交換しました。

Rcabox4

HL90(黒色)。このホーンはプロ用で#2395(灰色)と云うモノも出ています。どちらも「お化けホーン」と呼ばれています。このホーンは大きなウィングが特徴で、ホーン部分はパラゴンのホーンと同じく「楕円形」になっています。個人的にHL90と#2395は同じとは考えていません。同じ様にHL89(ゴールドウィング)も古い型537-509(H5039)が有り、こちらで比較した所、明らかに古いH5039の方が良い音がする。だからわざわざHL90を探して使っています。

このHL90は音の深みが有り、しかもキレが素晴らしく、#375にはベストマッチのホーンだと思います。しかもメーカー指定のセッティングがベストですね。(前後に脚が付いている)指向性も鋭くないので誰でもこのサウンドを獲得できる処も素晴らしいと思います。

Hl88

これに対してHL88(蜂の巣ホーン)は、非常にコンパクトなホーンです。評論家のS氏さんの影響か?それとも特殊な形が受けるのか?設置スペース的に有利だからか? 一度は使われた諸兄も多いと思う。ただこのホーンはHL90程には誰にでも優しくはない。音の放射パターンは円形に広がって行くので一見良さそうに思われるかもしれないが、実際は「ショートホーン」の部類になると思う。安直に鳴らし出すと「ストレート」に音が飛んで来ます。耳に突き指す様なサウンドを出して来ます。アンプやケーブルで上手くコントロールしてやらないと安心しては使えません。上手く使えれば円形に広がる柔らかいサウンドにする事も出来ます。

Sp707j

HL90もHL88もヴァイオリンを苦にしません。HL89(H5039)ゴールドウィングは大きなアルミのウィングが特徴です。ハーツフィールドに使われた事で有名です。ハーツフィールドではゴールドウィングはバッフルに固定されてはいません。良くこのホーンをバッフルに取り付けられているのを見かけますが、ハーツフィールドの様に「ただ置いて有る」方がこのホーンから「響き」を音数として獲得できます。

3

私は自宅でこのホーンを使用していますが、#375+ホーンのセッティングはHL88、HL90と同じ原理でセッティングしています。一見するとバリバリのJAZZサウンドをイメージしがちですがゴールドウィングのアルミウィングはヴァイオリンが非常に良く鳴ります。


RCA箱システムのバランス調整

2012年06月18日 | ピュアオーディオ

Rcabox_system

私の持つシステムの中で一番ポテンシャルが高いと思っているRCA箱システムは、今までなかなか思う様なサウンドが出せなかった。その原因はおそらくチャンデバの性能不足に有るのだろうが、他に持っていないのでこのF-15Lを使って現在最良のサウンドに仕上げるしかない。

F15l1

これが昨日までのチャンデバのアッテネーターのポジションです。低域は-15、中・高域は0(MAX)の状態。どうしても低域が中域に被ってしまうので-16~-15のポジションでしか使えませんでした。この状態で3月~6月まで来ました。

F15l2

この頃はやや低域の音量が少ない様に思えて来て、再度調整をして見ました。低域のみの調整です。-15 → -12(3ステップ)に変更できそうです。以前はこの状態では低域が被って使えませんでしたが今回は大丈夫です。使うにつれてF-15Lの内部が活性化してくれて来ている様です。

Rcabox_system2

この状態で確認の為にマゼール/幻想交響曲(テラーク)を聴きました。軽く素早い低音を求めてD130×2発にしています。今までどうしても出せなかった質感が出始めたようです。グランカッサの音が他のシステムでは「ドカーン」と云う様な鳴り方に対し、「ドドドカーンン」と云う風に、非常に細かいサウンドが低域で聴けます。分解能と音量のバランスが取れて来ました。

元々RCA箱システムは、劇場で使う為に作られた様なSP本来の姿をしていますのでポテンシャルは相当に高いと思っていますし、ホーンもJBLでは最高クラスを組み合わせています。家庭用に作られたシステムと比べれば一線を画すサウンドを求めます。ALTECのA2、A4、A5、A7等のむき身のSP達のサウンドと相通じる部分と思います。「家庭用」と云う束縛のないSPシステムは、SP本来の機能美が見た目にもサウンドにも有ると思います。


コンビチュニューのブルックナー5番

2012年06月17日 | ピュアオーディオ

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フランツ・コンビチュニュー指揮のブルックナーの第5交響曲。この曲は20才くらいにブルックナーに酔っぱらっていた頃の思い出の曲です。当時はLPしか有りませんでしたが、今思えばノイズの中でこの曲の1楽章を良く聴いていました。

当時のシステムは、
アナログプレーヤー:マイクロ MR711+グレース8D
プリ:ケンソニック C-200 パワーアンプ:LUXMAN MB-88
SP:JBL L-100
で有ったと記憶しています。

当時はケーブル類に付いてのノウハウはなく、今思えばその辺に転がっている300円/mくらいのものだったと思います。C-200の透明感の有る音色とMB-88の分厚い音がL-100から地響きを立てて出ていました。

昨年同じ曲の入ったCDを見つけてやっと手に入れました。久しぶりにRCA箱システムで大音量で1~4楽章までを楽しみました。当時聴こえなかった音が沢山有ります。4楽章の主題が対位法で同時に出て来る全奏の部分、大音量でもへこたれずに出て来ます。当時はこの辺の分離が判らなかったですね。

この曲はダイナミックレンジが広いので自宅では満足出来る音量に出来ません。事務所でも大雨が降って周りを気にしないで良い時くらいしか聴けません。久しぶりに20才頃の元気を取り戻しました。


ウーハーの重要性

2012年06月16日 | ピュアオーディオ

40年ほど前のオーディオでは「38cmクラスウーハーを使ったものが1流品」との事が盛んに雑誌に書かれていた。実際に30cmクラスと38cmクラスでは低域の量感や最低域再生で大きな差が有る事を実感していた。

現在マルチアンプシステムを2セット組んで鳴らしているが、チャンデバで低域のみ、中域のみ、高域のみで音を出して見ると、全体のサウンドの約70%は500Hz以下の低域で出ている。約25%程が8000Hz以下の中域、8000Hz以上の高域は約5%くらいにしか聴こえない。高域の場合は聴こえない領域で「空気感」や「音色」、「定位」等に関係して来るので、聴こえないからとおろそかには出来ない。

最近のSPシステムは居住空間の関係か?AVとの同居でスペースの問題からか?トールボーイスタイルのSPが増えている。40年ほど前もトールボーイSPは有ったが、その頃は1級品とは認められてはいなかった様に思う。

実際に38cmウーハーを使ったシステムを5セット程鳴らしているが、20cmクラスのウーハーを2発使ったシステムとは「空気を振動させる」感覚が違う様に感じて、どうしてもトールボーイSPを使う気になれない。

38cmウーハーの振動板面積を100とした場合。
①20cmウーハー×2発の場合・・・55%の面積
②30cmウーハー×2発の場合・・・87%の面積
となり、数値上は振動板の面積では38cm×1発の面積に及ばない。

低域の量感が少なくなれば、中高域のユニットもバランスをとる為により小さなパワーにならざるを得ない。全体のパワーを稼ごうとするとアンプの出力を大きくしてやる方向になる。・・・なにか「悪循環」に入り込んだような印象を受けるのは私だけだろうか?


自宅システムではアナログ三昧

2012年06月15日 | ピュアオーディオ

Wadia#6を修理に出した関係で、自宅システムのCDP(EMT981)をRCA箱システムで使っています。当然自宅ではCDが聴けない状況です。幸いにもアナログ(LP)はキチンと整備した状態にしていましたので、しばらくはアナログ三昧をすれば楽しめます。

Bl101l_sme3012r

ターンテーブル:マイクロ BL-101L、アーム:SME3012R、カートリッジ:オルトフォンSPU-Reference G、昇圧トランス:パートリッジ、ケーブル類はシリウスフォノケーブル最高級仕様にしています。

一昨日夜から久しぶりにアナログを楽しんでいますが、今までは年に何回かしか使っていませんでした。前回聴いたのは何時だったか覚えていない有様です。(多分半年以上使っていない)その為に、ターンテーブルの回転も不安定、カートリッジも動きが硬い、プリのフォノ回路も馴染んでいないので、しばらくは通電して使ってやる事が日課になります。

そんな状態でも、LP1枚(表裏)をかけますとほぼ使える状態になります。従来のCDのサウンドよりもアナログが良いのはこの自宅システムだけです。アナログは「質感」がやはり良いですね。しばらくは本格的にアナログを聴いて見たいと思います。
 


オリンパスシステムにルビジウムクロック導入

2012年06月14日 | ピュアオーディオ

昨日RCAシステムに自宅のEMT981を持って来ましたが、同時に外部クロックの機器も一緒に持って来ました。こちらはオリンパスシステムの方に使っています。

Lucid_genx6961

今まで中国製の安モノクロックを使っていましたが、チョッとまともなクロックにして、更にルビジウムのワードクロックを追加しました。

Lucid_genx6962

サウンドは今までの印象と随分と変わりますね。よりシャープなサウンドになりました。うるささが更に少なく音の拡がり方も非常に良くなりました。音数の増加とキレの良さ、ヌケの良さがかなり良くなっています。まだ馴染みが必要ですのでしばらくはこのまま楽しんで行きたいと思っています。


RCAシステムへEMT981

2012年06月13日 | ピュアオーディオ

Emt9813

RCA箱システムのCDP(Wadia#6)を修理に出した関係で眠らせたRCA箱システム。たった3日程で「聴けない辛さ」が出て来ました。やむを得ず自宅のEMT981を持って来ました。

Emt9812

本当は612AシステムとTBの超小型SPで我慢できるはずでしたが、612AシステムもCDPをD732からSD-9500に格下げしたばかりだったので、とても我慢が出来なくなりました。今回のWadia#6の故障は予測できなかったので、CDPの買い替え計画が狂ってしまいました。

Emt9811

CDPのみを入れ替えたのですが、従来のWadia#6と今回のEMT981ではガラリと質感やサウンド全体が変わりました。
Wadia#6のサウンドは音のメリハリがしっかりしていてキレが有りましたが、EMTでは音の線が太く、おおらかに朗々と歌う様なサウンドになりました。

EMTも本来の117Vや外部クロックを使っていませんので、ややナローな感じに聴こえます。117V化や外部クロックを導入すれば更にサウンドが引き締まって来ると思います。


金管楽器はやはりホーン型が合う

2012年06月12日 | ピュアオーディオ

最近市販されているSPの中・高域にはドーム型のユニットが多いように思います。シベリウスの「カレルヤ組曲」やチャイコフスキーの「小ロシア」の冒頭に有るトランペットやトロンボーン、ホルンと言った「金管楽器」の音色はコーン型やドーム型に比べたら、ホーン型のユニットの方が質感は良い様に思います。構造的にホーン型は金管楽器に似た原理ですから当たり前かも知れません。

ホーン型ユニットは「こする」(弦楽器)音が不得意のように考えられがちですが、草創期のホーン型ユニットの技術者は、ディフィーザーやセッティングでカバーしてうまく出しています。オーディオ道場のアトリエに有るCN191の「こする音」の凄さは、多分誰でもビックリする質感だと思います。使い手の技量で大きく変化するのもホーン型SPシステムかも知れません。

私のシステムでは「成長」させて行くことが「完成度」を高める事だと思っていますので、ホーン型ユニットとパラレル接続で使うSPユニットを色々試しています。コーン型やドーム型のユニットとは質感が違いすぎる様でうまく行きません。色々なタイプのユニットを手に入れて実験をして行きたいと思っています。


ワディア#6 の修理発送

2012年06月11日 | ピュアオーディオ

故障したワディア#6を修理に出しました。もう20年前のCDPですので予備部品はメーカー(Wadia)には有りません。ピックアップはソニー製が使って有りますので、このピックアップさえ在庫が有れば何とかなります。

Wadia6

ワディア#6は過去に2台「ピックアップ交換修理」をしています。1台は専務宅のモノ、もう1台は福岡のお客様。今回で3台目の修理になります。

Wadia611_naibu

これまで修理でお世話になった処にメールで問い合せしましたら、まだピックアップの在庫が有るとの事で、早速修理を依頼しました。ただこのピックアップの相場が高く、(過去にヤフオクで物色しましたが高かった) 修理代もバカにならない金額と思います。頭が痛いですね。でも修理が終われば10年以上は安心して使えます。その内にCDPの交換か、CDPが要らなくなっているかも知れませんね。