私はこの説について証明する知識はありません。ただ、無視は出来ないと思います。考えは多岐にわたった方が良いですからね。
っと言う事で、問題提起的に書きたいと思います。
瀬織津姫は人間であると発言しているお方がいます。某大學の神道の名誉教授です。神職となる者たちの先生です。神道の重鎮、第一人者でした。
大変残念ながら、30年ほど前に亡くなっていますが・・・・・・・・。
話の内容は次の通りです。
「元々人々は川の瀬を選び衣類を脱ぎ捨てて禊をしていた。その時に着衣を脱がせ禊の手伝いをする女性たちがいた。その女性たちは『禊の女』、更には『水の女』と呼ばれた。その女性たちが瀬織津姫であり、三途の川の奪衣婆のモデルとなった」っと言う事です。
瀬織津姫は悪魔とされるマガツヒ神とされています。そして奪衣婆は地獄の悪鬼の如く語られています。何故、禊の手伝いをする女性たちが瀬織津姫や奪衣婆のモデルとなったのか。
これは地蔵信仰、そして仏教との結びつきからだそうです。
つまり、地蔵信仰を浸透させるには、人々に恐怖心を植えつける必要があった。故に禊を手伝う女性たちを追い剥ぎの鬼婆の様な奪衣婆としたり、天照大神荒魂とする瀬織津姫を登場させたと言う事らしいです。
その目的は勿論、死者の衣類を奪う為ではなく禊・祓いをさせる為です。禊・祓いで生前に犯した罪を懺悔し祓い清め、新たに生まれ変わらせる為との事です。
また、地獄と言うペナルティを課して秩序ある生き方を指標させるのも目的だと思います。
因みに川の瀬にて祓い清めの介添えをする者は、女性だけでなく男性もいたようです。その男性は懸衣翁と言う事になります。゛
奪衣婆が死者の衣類を剥ぎ取り、その剥ぎ取った衣類を受け取った懸衣翁が木の枝に衣類を掛け、枝のしなり具合で罪の重さを測る。
これは閻魔大王と同じ役割と言えます。つまり「閻魔大王=奪衣婆・懸衣爺」。それが地蔵信仰へ繋がります。
何故、川の瀬で衣類を脱いで禊・祓いをするようになったのか。
それはイザナギ命が黄泉の国から逃げ帰り、衣類を全部脱いで禊・祓いをした事によります。黄泉の国で穢れた衣類は罪そのものです。その衣類を脱ぎ捨てて全裸になる事が祓い清めとなります。水で穢れを清める事ではなく、全裸になる事が禊・祓いと言う事です。
イザナギ命が脱いだ上着から和豆良比宇斯(ワズラヒウシ)と言う病原の神が生まれます。この神はイザナギ命の病気をイザナギ命に代わって引き受けた。
これは仏教での「代受苦」と言う事になります。人の罪を変わりに引き継ぐ事を意味します。
つまり日本の神道に仏教の思想が加わって、瀬織津姫が誕生したと言う事になります。つまり和豆良比宇斯は瀬織津姫と考えられます。
私はこの考え、ある程度当たっていると思いますが、まだまだ断言するまでは至っておりません。
この話の続きは、また考えをじっくりと練ってから語りたいと思います。
ではでは。