ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

今年のJリーグ

2007-12-07 09:29:45 | スポーツ
今年のシーズンは、鹿島アントラーズの逆転優勝で終わったJリーグだが、少し文句がある。

選手ではなく、チームの経営陣に対してだ。フロントしかり、監督しかり。このままでいいのか?

優勝候補の筆頭だったはずのガンバ大阪。レッズとフロンターレがACLとの鰍ッ持ちで、厳しいシーズンとなるのだから、本来は断トツの優勝候補であったはずだ。選手層も決して薄くない。若手を北京五輪のチームにとられ、また遠藤、加地らを代表に取られる苦労は分らないでもない。でも、それは事前に分っていたはず。第一、それはレッズもフロンターレも同じこと。

バレーという優秀なFWを獲得したのはいい。マグノ・アウベスとの2トップはJ屈指の攻撃力を誇る。控えの播戸も決して劣らない。ゲームを作る遠藤、二川は相変わらずの冴えだし、シジクレイを中心としたDFだって実に固い。何故に勝てない。

おそらくは西野監督の采配がマンネリ化しているのだと思う。前半戦、あれほどの攻撃力を誇ったガンバだが、後半じわじわと失速したのは、他のチームのガンバへの分析と対応が進んだためだと思われる。西野采配は後手後手に回っていた。これは監督一人の問題ではない。偵察と他チームの戦力分析等のフロントを含めた対応力の低さが原因なはずだ。

現在のJリーグは選手だけではなく、フロント陣も含めて高い能力が求められる。ガンバのフロントは優秀だったはずだ。下部組織から稲本、宮本、大黒、家長と次々優秀な選手を育てる力は、Jリーグでも指折りの素晴らしさだ。外国人獲得もあまりはずれを引かなくなった。時間をかけて中盤でパスをつなぐ西野サッカーは、それなりに成績を残している。でも、リーグ優勝できていない。ちなみに、ナビスコ杯での優勝は、加地を守りに専念させて、安田に攻め上がらせる奇策が功を奏したからだ。

同じ問題を抱えているのはグランパス。ベンゲルとピクシーが抜けて以降、優勝戦線から遠ざかって久しい。あれだけ優秀な選手を揃えながら、勝ててない。選手、監督だけの問題ではなく、むしろ経営陣にこそ問題があると思われる。ピクシーの監督就任が吉と出れば良いのですが、フロントがあのままでは厳しいと思う。

それとJリーグが始まって以来、最速で降格が決まった横浜FC。このチームのフロントこそ、最も失敗したと評していい。J2では堅守を誇り、断トツで勝ち抜けたのに、終わってみれば最悪の結果だ。シーズンを通じて活躍できない久保を攻撃の要とした高木・前監督の失策はともかく、レンタルで獲得した外国人選手はシーズン途中で全員解雇。勝つための補強がまるでなされず、J1経験者を集めたベテランは故障が多く不安定。一方、経験不足の若手はミスが多すぎる。

率直に言って、J2時代のほうが強かった。これはチーム造りの失敗以外の何者でもない。謝って済む問題ではなかろう。奥寺GMをはじめフロント陣には猛省を促したい。

期待はずれはFC東京の原監督(既に解任決定)。レッズの時の同じ過ちはしないと思ったが、これはヒドイ。期待していたのに、こりゃアンマリだ。ワンチョペは確かに合わなかったが、他の補強策を打たなかったのが痛い。なお、平山に少しは可能性が見えたが、まだまだ未知数だと思う。だからオシムは呼ばなかった。

微妙なのがフロンターレの関塚監督。選手がほとんど変わらず、ACLの負担と主力の憲剛を代表に取られるハンデはあったが、終わってみれば上位を維持している。予想よりも健闘だけど、この先の進展が見込めない。シーズン中は無敗を誇った対ガンバ戦も、ナビスコでは勝利を逃した。来期が少々不安。

終盤の追い上げが目立ったアントラーズは、ようやく新チームが固まってきた。やはり小笠原の復帰は大きいが、野沢らの若手の成長も無視できない。日本のサッカーに合わせてきたオリベイラ監督の采配は、来期に期待を抱かせるものがあったと思う。

そして、リーグ優勝を逃したレッズ。ACLで力を使い果たしたか。あまり責める気にはなれないが、主力選手の高齢化がじわじわ響いてきたかもしれない。天皇杯でも、まさかの敗退だしね。ま、ここはサメ[ターがしっかりしているので、大丈夫でしょう。彼らがこのまま許すわけがない。

Jリーグも次第に成長してきて、アジアでは間違いなくトップレベルに近づいてきたと思う。でも、まだまだ成長の余地はある。ACLを観ても、韓国、イラン、サウジ、カタールのリーグは無視し得ないレベルにあると感じている。サッカーファンの一人として、期待はしているが、厳しい視線も持ち続けたいと思う今シーズンでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする