事務所では、月に一度は勉強会をやっている。主に税法改正への対応が目的だが、会計や法務といった周辺知識の充実にも力を入れている。勉強会の後は、必ずお食事会をやるのが慣行になっている。
銀座界隈の美味しいお店が主だが、時々築地や有楽町にも足を運ぶ。日頃滅多にいかない、お高いお店でささやかに美味しい食事を事務所経費で頂いている。これは楽しい。
何店か定番のお店があるが、その一つに歌舞伎座近くのステーキハウスがある。私はいつもNYステーキのサーロイン12オンスをミディアムで頂いていた。味付けは胡椒をふりかけるだけ。他のスタッフは、少食の所長と同じ神戸牛のヒレを頼んでいた。こちらも柔らかくて、芳醇な味だった。私はこの店で、牛肉の美味しさを知ったと思っている。
私は手をかけて柔らかい肉質を実現した神戸牛に代表される、日本の牛肉の美味しさを否定はしない。でも、海外の少し固めで、噛むほどに肉汁がほとばしる牛肉の美味しさも評価している。歯が丈夫なうちは、この味を楽しみたいと考えている。
ところが、数年前のアメリカでの狂牛病さわぎで、メニューからNYステーキが消えた。これはいたし方ない。しかし、昨年ぐらいから神戸牛の名前も消えた。アラカルトのメニューには、単にヒレとサーロインがあるだけで、あとは量で表示しているだけだった。
おまけに肉にステーキ・ソースの下味が付けられていた。前はそんなこと、していなかった。決して不味くはない。美味しいのだが、以前の味を覚えているので、少々興ざめに思っていた。
しかしながら、今年に入って続出した食品偽装騒動を見ていると、あのステーキハウスはある意味、とても正直に商売をしていたのだと思い至った。近年の原材料(牛の飼料)の高騰や、官庁接待の減少で、飲食店は売上減少と利益低減に悩んでいることは知っている。高価格なブランドものの牛肉の仕入れを止めたのかもしれない。
以前の神戸牛との表示が偽装だったかどうかは知らない。美味しかったことだけは覚えている。私には神戸牛とそれ以外の牛との違いを判別する舌を持ち合わせていない。だから、店を信じるしかない。正直に神戸牛の看板をはずした決断を、私は良い方に解釈したいと思う。
赤福や船場吉兆は、おそらく氷山の一角に過ぎないなだろうと思う。その一方で、正直に商売をしている店があることを、私は非常にありがたいと思う。
でも・・・また食べたいな。あのお肉。
銀座界隈の美味しいお店が主だが、時々築地や有楽町にも足を運ぶ。日頃滅多にいかない、お高いお店でささやかに美味しい食事を事務所経費で頂いている。これは楽しい。
何店か定番のお店があるが、その一つに歌舞伎座近くのステーキハウスがある。私はいつもNYステーキのサーロイン12オンスをミディアムで頂いていた。味付けは胡椒をふりかけるだけ。他のスタッフは、少食の所長と同じ神戸牛のヒレを頼んでいた。こちらも柔らかくて、芳醇な味だった。私はこの店で、牛肉の美味しさを知ったと思っている。
私は手をかけて柔らかい肉質を実現した神戸牛に代表される、日本の牛肉の美味しさを否定はしない。でも、海外の少し固めで、噛むほどに肉汁がほとばしる牛肉の美味しさも評価している。歯が丈夫なうちは、この味を楽しみたいと考えている。
ところが、数年前のアメリカでの狂牛病さわぎで、メニューからNYステーキが消えた。これはいたし方ない。しかし、昨年ぐらいから神戸牛の名前も消えた。アラカルトのメニューには、単にヒレとサーロインがあるだけで、あとは量で表示しているだけだった。
おまけに肉にステーキ・ソースの下味が付けられていた。前はそんなこと、していなかった。決して不味くはない。美味しいのだが、以前の味を覚えているので、少々興ざめに思っていた。
しかしながら、今年に入って続出した食品偽装騒動を見ていると、あのステーキハウスはある意味、とても正直に商売をしていたのだと思い至った。近年の原材料(牛の飼料)の高騰や、官庁接待の減少で、飲食店は売上減少と利益低減に悩んでいることは知っている。高価格なブランドものの牛肉の仕入れを止めたのかもしれない。
以前の神戸牛との表示が偽装だったかどうかは知らない。美味しかったことだけは覚えている。私には神戸牛とそれ以外の牛との違いを判別する舌を持ち合わせていない。だから、店を信じるしかない。正直に神戸牛の看板をはずした決断を、私は良い方に解釈したいと思う。
赤福や船場吉兆は、おそらく氷山の一角に過ぎないなだろうと思う。その一方で、正直に商売をしている店があることを、私は非常にありがたいと思う。
でも・・・また食べたいな。あのお肉。