刺激的なタイトルだが、内容は冷静な分析に終始する。東西ドイツの統一を見て、我がコリアも南北統一をと熱狂する様に危機感を抱き、冷静になることを促すソウル大学の教授が著者だ。
同じ民族であるドイツ人だが、いざ統一してみると、まるで違う社会行動をとる。とりわけ東ドイツの人たちは働かず、怠けることが多く、その癖望みは多い。それを非難すると、西ドイツの人こそ冷淡で、金儲けにあくせくする非道ぶりだと反論する。
統一の結果、東ドイツは発展途上国に落ちぶれた。鬱屈した感情は排外主義とネオナチの横行を招き、いくら援助を重ねても成果が出ないことから、統一は失敗であったとの社会的合意が形成されている。
このことを鑑みて、民族が同じでも、体制の異なる社会で育った国民は、まるで違ってしまうことを指摘して、南北コリアの統一の危険性を、冷静に指摘している。
おそらく少数派の意見だとは思うが、私も概ね同意できる内容であった。仮に南北コリアが統一された場合、統一ドイツ以上の対立が起こりうるのは必然だと思う。その場合、その不満と対立を逸らすため、外に向けての行動を起こす可能性は高いと思う。要するに内政の失敗を外交で補うってやつだ。
著者は触れていなかったが、その場合アメリカ及び日本をターゲットにしたものとなる可能性は高いと思う。かつて50年代に韓国の李承晩大統領が、内政の混乱から対日戦争を意図したことがあったが、アメリカに察知されて断念したことがある。統一コリアが同様の行動をとらないといった保証はないと思う。
もっとも、現実的には韓国軍にも北朝鮮軍にも渡海能力はなく、ミサイルと航空機による軍事行動が限界だと思う。日本としては日米安保と在日米軍がある限り、負ける可能性は低いが原発などを攻撃目標とされれば、大きな被害は免れ得ないと思う。憲法9条がまるで役に立たないのは言うまでもない。
ただ、私自身は当面、統一コリアはないだろうと考えている。今の金成日体制は現状維持が望みだし、その後の政権は共産中国の傀儡政権となる可能性があると疑っている。平和ぼけの日本と異なり、共産中国は今も国防意識は高い。朝鮮半島に強力な統一国家(見かけ上だと思うが)が樹立することを黙ってみているとは思えない。
過去、何度も朝鮮半島を直接、間接に支配してきた中国が、再びその野心を甦らせる可能性は低くないはずだ。もっとも、その野心をロシアが黙って見過ごすかどうかの問題もある。元をただせば、北朝鮮はソ連の傀儡国家としてスタートしているのだから、当然に関与を求めてくることが予想できる。
アメリカも黙っているはずもなく、3すくみ状態になることも予想できる。当然に韓国は、大国の干渉に感情的に燃え上がるだろう。いずれにせよ、朝鮮半島の将来は、きわめて不安定なものとならざる得ない。
インド洋での補給中止で、騒いでいる日本政界の間抜けぶりには、どうも好感が持てません。
同じ民族であるドイツ人だが、いざ統一してみると、まるで違う社会行動をとる。とりわけ東ドイツの人たちは働かず、怠けることが多く、その癖望みは多い。それを非難すると、西ドイツの人こそ冷淡で、金儲けにあくせくする非道ぶりだと反論する。
統一の結果、東ドイツは発展途上国に落ちぶれた。鬱屈した感情は排外主義とネオナチの横行を招き、いくら援助を重ねても成果が出ないことから、統一は失敗であったとの社会的合意が形成されている。
このことを鑑みて、民族が同じでも、体制の異なる社会で育った国民は、まるで違ってしまうことを指摘して、南北コリアの統一の危険性を、冷静に指摘している。
おそらく少数派の意見だとは思うが、私も概ね同意できる内容であった。仮に南北コリアが統一された場合、統一ドイツ以上の対立が起こりうるのは必然だと思う。その場合、その不満と対立を逸らすため、外に向けての行動を起こす可能性は高いと思う。要するに内政の失敗を外交で補うってやつだ。
著者は触れていなかったが、その場合アメリカ及び日本をターゲットにしたものとなる可能性は高いと思う。かつて50年代に韓国の李承晩大統領が、内政の混乱から対日戦争を意図したことがあったが、アメリカに察知されて断念したことがある。統一コリアが同様の行動をとらないといった保証はないと思う。
もっとも、現実的には韓国軍にも北朝鮮軍にも渡海能力はなく、ミサイルと航空機による軍事行動が限界だと思う。日本としては日米安保と在日米軍がある限り、負ける可能性は低いが原発などを攻撃目標とされれば、大きな被害は免れ得ないと思う。憲法9条がまるで役に立たないのは言うまでもない。
ただ、私自身は当面、統一コリアはないだろうと考えている。今の金成日体制は現状維持が望みだし、その後の政権は共産中国の傀儡政権となる可能性があると疑っている。平和ぼけの日本と異なり、共産中国は今も国防意識は高い。朝鮮半島に強力な統一国家(見かけ上だと思うが)が樹立することを黙ってみているとは思えない。
過去、何度も朝鮮半島を直接、間接に支配してきた中国が、再びその野心を甦らせる可能性は低くないはずだ。もっとも、その野心をロシアが黙って見過ごすかどうかの問題もある。元をただせば、北朝鮮はソ連の傀儡国家としてスタートしているのだから、当然に関与を求めてくることが予想できる。
アメリカも黙っているはずもなく、3すくみ状態になることも予想できる。当然に韓国は、大国の干渉に感情的に燃え上がるだろう。いずれにせよ、朝鮮半島の将来は、きわめて不安定なものとならざる得ない。
インド洋での補給中止で、騒いでいる日本政界の間抜けぶりには、どうも好感が持てません。