ヌマンタの書斎

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構造寿命

2020-06-17 13:45:00 | 社会・政治・一般

既に日本とシナとの戦いは始まっている。

今年に入り新型コロナウィルスにより企業のみならず、役所までもが人員を減らして活動を自粛していた。でも、それは民間でのこと。空の上では、自粛とは無関係に地味な戦いが今も続いていることをご存じだろうか。

日本のマスコミは軍事音痴なので、事実を目にしてもその意味を分かっていない。また防衛省など軍関係者は、平和愛好市民を無駄に刺激する必要がないとばかりに説明をしない。

だから、地味な戦いが続いていることを国民が知らないのも無理はない。

近年、航空自衛隊のスクランブル発進が増えていることをご存じだろうか。冷戦の最中は、主に北海道から本州周辺を旧・ソ連軍の軍用機が日本の領空を侵犯し、それに対してF4ファントムが緊急発進して、ソ連機を追い払うことが頻発していた。

ソ連崩壊後、このような領空侵犯を大きく減ったが、代わって日本領空を侵犯するようになったのが、共産シナの空軍機である。目的はソ連と同じく、日本軍およびアメリカ軍のレーダー防空網の確認、迎撃体制の確認、使用される通信波や、暗号などの解読など多彩な内容である。

それだけではない。

戦闘機に限らないが、稼働する機械である以上、そこには寿命というか使用可能期間(耐用年数)がある。例えば自衛隊の主力機であるF15Jは、構造寿命が8000時間と規定されている。

この構造寿命を過ぎたら、新しい機体と交替するか、大幅な改良工事が必要となる。つまり、敵性国家の軍用機が日本の領空を侵犯し、それに対応してスクランブル発進をするたびに、この構造寿命はすり減っていく。

一度のスクランブル発進で、対応するF15が二機で、飛行時間が6時間だとすると、その分だけ構造寿命は減っていく。消耗する燃料もさることながら、磨滅する機器のコスト、交換する部品などを考えると、過酷な任務であるスクランブル発進による軍事力の低減は、決して無視して良い問題ではない。

実際、日本同様にシナの領空侵犯に悩む南コリアの空軍は、主力戦闘機であるF15Kの交換部品が足らず、僚機から使いまわして任務をこなす、いわば共食い整備に陥っている。遂には飛ばすことが出来ず、制空戦闘機ではない攻撃機であるF16をスクランブル発進させる事態も生じている。

いくら整備能力の低い南コリアでも、これは酷いと思う。だが他人事ではない。整備能力の高い日本の航空自衛隊でさえ、主力戦闘機の摩耗は著しく、そのせいで旧世代機であるF4ファントムを引退できずにいる始末である。

この機体の整備、新型機の導入は、その国の経済力に大きく依存する。既に日本のGDPを超えている上に、大規模な軍事費を投入しているシナに比して、日本の軍事費用の規模はシナほどは大きくない。この違いが地味ではあるが、じわじわと日本の軍事力の低下に影響している。

まして、次世代の主力戦闘機であるF35となれば、その整備費用はF15の数倍になる。これが度重なるスクランブル発進で摩耗する戦闘機の整備に充てられるのだ。

敵性国家からの領空侵犯は、かくも地味ではあるが、確実に我が国の軍事力を削ぐ効能を有する。馬鹿なマスコミが、安倍政権がトランプに媚売って、超高額なF35を爆買いしたなどと与太記事を書いている。

馬鹿も休み休み書いて欲しい。F4及びF15の構造寿命が終わりに近くなったので、F35へ買い替えることは安倍政権以前から予定されていたこと。それが早まったとしたら、それは領空侵犯を繰り返すシナの軍用機に対するスクランブル発進の増加が原因なのです。

日本の軍事費は、国民の税金により賄われていることを改めて指摘しておきたい。現在の表面的な平和の姿の裏では、今も地味に軍事力の削ぎ合いが行われている。これが平和な日本の、もう一つの事実だということを、よくよく銘記しておきたいものである。

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