ヌマンタの書斎

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闇へ降りゆく ディーン・クーンツ

2020-06-22 12:12:00 | 

これだけは言いたい。ディーン・R・クーンツは面白いと。

もっといえば、日本ではスティーブン・キングが突出していて、他のホラー作家への評価が低すぎる。キングの人気、評価が高い大きな原因は、その作品の映画化されたものが大ヒットしているからだ。

「キャリー」「ペットセメタリー」「クージョ」など世界的なヒット映画が数多くあることが、日本でのキングへの高い評価に大きく貢献している。

ところが、他の実力あるホラー作家たちの作品の映画化ときたら、良くてB級で、大概はC級映画のダメっぷりである。特にひどいのが、ディーン・R・クーンツだ。原作と比べると、映画化作品のC級ぶりが際立つ。

そのせいか、原作の小説までもが低く評価されてしまう観が否めない。私はそれが悔しくてならない。

実はクーンツ自身は自らをホラー作家とは呼ばない。あくまで小説家であり、それも読者を楽しませることに重点を置く作家だと自認している。

もしホラー小説に食わず嫌いの方がいるようでしたら、是非ともクーンツだけは読んで欲しい。なぜならば、クーンツは必ずハッピーエンドを用意している。クーンツは読者を浮ェらせることよりも、楽しませることに力を入れているのだ。

ただ長編小説が多く、クーンツ未読者には少し敷居が高いかもしれない。

そんな方にこそ表題の短編集をお薦めしたい。原作は「ストレンジ・ハイウェイ」という分厚い書なのだが、それを分冊して発刊されたのが表題の書だ。

怖すぎないホラー小説といったら言い過ぎかもしれないが、ホラー小説未体験者には最適の一冊だと思いますよ。

コメント
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