こういう傾向は、今後も続くだろうと思っていた。世界遺産と観光、そしてそれを地域の活性化につなげようとする考えである。ところが一昨日、ユネスコは「むやみやたらに(世界遺産に)登録しないほうがいいと思っている」と言い出した人を新聞で知った。15日付の毎日新聞のオピニオン欄で発言した、屋久島町の町長である。屋久島も25年前に初めて登録されている。
町長の考えに同感である。世界遺産の趣旨は、「守り、残す」ということであって、それを利用した観光開発が目的ではない。「いま島にあるものを体験するために来てくれる人こそ屋久島の本当の魅力を分かってくれる人だ」と言って、島の宣伝活動をより活発化させることや、有名な縄文杉までの「往復約10時間かかる」登山路についても、現状を変える考えはないようだ。「私は時間がかかるからいいと思っている」と発言して憚らない。これまた同感である。地域の活性化などという掛け声に浮かれ、観光客目当てに何事か目論んでいるどこかの〝畑違いの人たち"にも、是非聞かせてやりたい。
ユネスコなどという国連機関の肝いりで人が来るようになって、守るどころか、自然や文化遺産が傷付けられ、犠牲にされてまでも観光や経済を活発化させようとするなら、それは本末転倒ということにならないか。外国人観光客が4兆円を落としてくれても、それを手放しで喜んでばかりいないで、「おもてなし」もいいが、この先の対策も必要になるだろう。
そもそも彼らはいったい、日本の何に惹かれて来るのか、それさえもよく分からない。充分な調査がされているのだろうか。ここにきて、急に日本の人気が高まった理由を充分に分析・検討し、その影響についても注視していくべきだと強く思う。また、ユネスコなぞの各種の規制で、古くから地元で暮らす人たちが窮屈で、不便な思いを余儀なくされ、ある登録地なぞ、トイレ、ゴミ、車だけでも大問題で、人々の暮らしからとっくに静穏が消えてしまったと聞く。
世界遺産に登録されたというだけで、その価値や保護について考えもせずにゾロゾロと押し寄せるような人たちを迎え、貴重な自然や文化遺産が安泰であるはずがない、などと言ったら言い過ぎだろうか。
明日、もう少し。
2月の3連休10、11、12日は、まだ充分に余裕があります。2月は3、4、5と日と17、18、19日予約あります。この間及びその前後でしたら、少人数でも受け付け可能です。お問い合わせください。
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