入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’18年「冬」 (15)

2018年01月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日あんなことを書いたので、観光について気になることもあり、書店へ行ってみた。やっと1冊だけ見付けた本、タイトルは「世界一訪れたい日本のつくりかた(東洋経済新報社刊)」で、著者はデービッド・アトキンソンという元証券アナリスト。現在は国宝、重要文化財の補修を専門とする小西美術工芸藝社々長である。
 パラパラと見ただけで、求めているような本ではないと分かった。観光事業をいかに拡大発展させるか、それもどうやったら儲かるかということが中心で、高級ホテルをもっと建てろ、アジア人ではなく欧州人、とりわけドイツ人を呼び込め、「上客」は少しでも長く滞在させろ、上手に金を使わせるにはカジノがいい等々・・・。著者は、日本の貴重な文化遺産を相手の生業(なりわい)、にしてこれでは、さぞかし本業では高い料金を国や、寺社からふんだくるんだろうな、なんてことを時代遅れの山小屋の管理人に思わせた。
 視点があまりに違い過ぎる。ただ、真逆の立場に立つ人の意見も、何かの参考になるかも知れないと買ってだけはきた。
 
 美しい入笠牧場やその周辺の山域を、できるなら現状のままにしておきたいという、その思いは変わらない。しかし、入牧する牛の頭数がここまで落ち込んでしまえば、それを放置しておいて良いと、多くの人は考えまい。潜在的な観光資源である広大な牧場であれば、別の方法で、つまり観光で生かしたいと、行政であれ、民間であれ考えるのは同じだろう。
 そこまでは分かる。問題は、どのように、ということである。それが難しい。意見が割れる。そればかりかこの事業には、行政、農協、民間、どこが主体になるのかさえも、はっきりとしない。新しいトイレの設置や、小屋のトイレの改修についても、その必要は誰もが認めたが、話はいつの間にか立ち消えてしまった。関係者の打ち合わせの場でも意見集約でができず、方針も定まらず、このような現状に対しては立場の弱さを痛感している。
 ともかくも、今ここに在る自然や環境を守り、残すことに主眼が置けるか否かで、入笠の将来は大きく変わってしまう。後世にまで胸を張れるような入笠にすべきだと思うが、それができるだろうか。
 
 2月の3連休10、11、12日は、まだ充分に余裕があります。2月は3、4、5と日と17、18、19日予約あります。この間及びその前後でしたら、少人数でも受け付け可能です。お問い合わせください。

 冬季の営業については以下をクリックしてください。「冬季営業の案内(’17年度」は、前年のものを流用している部分もあって、段落や改行がおかしく、見苦しいかも知れませんが何卒ご容赦を。少人数の場合は一応ご相談ください。また他の団体と計画が合えば、少人数でも管理棟の予備の部屋10畳ふた間を利用することができます。

 
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