入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’18年「冬」 (2)

2018年01月02日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 最近の山の夜は長い。それが小屋であっても。山岳写真家田淵行男の写した野麦峠の写真を眺め、それについて書いている文を読む。峠や山村には惹かれるが、本はそれ以上に無聊を癒してはくれない。
 昔、単独の冬の山では決まって紅茶を沸かし、それにウイスキーをドボドボと入れて飲んだものだ。ラジオを聞き、その日の行動を記録しながら長い夜を過ごした。しかし、そうしていたのは、退屈だったからだろうか。もう今ではよく思い出せないが、そうではなかった気がする。あれはあれで結構、そういう時間を過ごすことを受け入れていたようにも思う。その後の寒さは強烈だったから、味わう、というほどの余裕があったかは忘れたが。
 それから長い年月が過ぎた。冬の入笠の小屋にいればもう、寒さを気にすることはない。しかし、なかなか過ぎていかない無為の時間は長く、味気ない。他人には趣味だと言われ、そう思われているようだが、それは違う。多くは言わない、ここにきて同じことをしてみれば分かる。
 ようやく、ふと手にした1冊の本がまたアラスカに連れていってくれた。その地を"永遠の臥床"としてしまったChristopher Johnson McCandlessの最後、終章のその家族の悲痛な思いを読み返していたら、酔いと眠気のしまりのない朦朧の中に、哀切な思いが融け込み、沈み、少しづつ惜しむように、2017年の大晦日の夜が更けていった。(つづく)

 続きには、勢いが要る。しかし、言われて「平成20年」とか、「清透」が青い透になっているのを見ると、気が萎えてくる。PCとボケのアンサンブル、とし言いようがない。新年から、ムーン。この状態で訂正すると、この(2)の独り言が消えてしまう。メモする手もあるが、ならば明日の独り言も一緒に、イケーッ。明日は山スキーについても少々。
 
 冬季の営業については以下をクリックしてください。
「冬季営業の案内(’17年度」は、前年のものを流用している部分もあって、段落や改行がおかしく、見苦しいかも知れませんが何卒ご容赦を。少人数の場合は一応ご相談ください。また他の団体と計画が合えば、少人数でも管理棟の予備の部屋10畳ふた間を利用することができます。
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    ’18年「冬」 (1)

2018年01月02日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 明けましておめでとうございます。本年も入笠、そしてこの独り言「入笠牧場その日その時」をよろしくお願いいたします。戌年だそうだから、HAL,おまえも皆さんにご挨拶しろ。




    雪洞を作り、無邪気に笑う彼ら

 というわけで2018年、平成30年が始まった。夜中の降雪で落葉松の林が白く化粧され、権兵衛山にが昇ってきた初日がさらにそれを磨き、輝かす。清透な大気、大晦日は午前7時の気温がマイナス5度だったが、元旦の同時刻はさらに2度下がり、マイナス7度だった。

 30日は小屋の掃除で半日が過ぎ、夜は柳田国男を読むも集中できずビールを飲む。酒とウイスキーも足し、呆けたままひたすら夜の更けるのを待った。31日は取水場からドリルポンプを使って近くに水を汲みだすための作業。小屋と取水場を何往復したことか。苦手な機械いじりは何とか済むも、それでどれほどの効果があるのか、終えてみて疑問。有難いことに水は凍結せず、ゴボゴボと豊富。この快感、孤軍奮闘の成果、誰も知らない。山スキーでマナスル山荘へ昼飯を食べに出発するも、厭きて疲れて途中で引き返す。シールを外して滑り下る心地良さ。再度車で攻め、満腹。同山荘、越年客30名とか。行政は民間を圧迫するようなことをせず、支援するようであってくれればと、小屋主の山口氏と話す。小屋に戻り、うつらうつらしていたら窓に人の顔。1名減り、5名とか。一昨年のゼロ名を思えば、それでも充分!今に見ていろ。(つづく)

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