これだけ「法華道」について書いていても、ほとんどこの古道を訪れる人のいないのが不思議だ。それも冬だけのことではない。あれほど北原のお師匠が〝老いの情熱"を注ぎ、立て札を各所に立てて整備を続け、登山者の安全を祈り「本家・御所平峠」に石地蔵まで建てたというのに。また、その跡を継ぐかのように種平小屋も、法華道の赤坂口だけでなく、幾つもの沢を踏査し、登山道を整備し、入笠伊那側の旧来とは一味違った魅力を引き出してくれつつある。どれをとっても皆、個人レベルでのことだ。そこが、行政が主導する富士見側と大きく異なる点だが、それは措く。
入笠山の山頂に登るのなら、富士見からゴンドラを利用するのが最も手軽で、安全である。山頂駅から早ければ1時間を要さずに頂上に立つことができ、天気が良ければ富士山を筆頭に、眼前には八ヶ岳が迫り、秩父はもちろん北、中央、南の各アルプスその他の、日本を代表する山々を見渡すことができる。
しかしこれを、「登山」と呼ぶに値するかは疑問だ。身に着けている格好は登山者だが、登山に来ているというよりか行楽で、幼稚園児の集団が来るかと思えば、高齢者ばかりの団体の姿もある。ほとんどが、各地の観光地と同じく日帰りである。それに、異議を唱えているわけではない。昨今の山の様変わりを言っているだけで、それはゴンドラのお蔭といえるだろう。ともかく入笠山は花が咲き、鳥が囀り、美しい風景が訪れた人を喜ばせ、満足させている。美ヶ原や、霧ヶ峰にも負けない人気である。
その人気、冬季でも高い。スノーシューズや中にはアイゼン、ピッケルで身を固めた人たちも多数いる。ただ残念ながら、その人たちは恐らく伊那側のことは知らない。折角立派な装備を手にし、身繕いも決めているのだから、その人たちの中から、決して多くの人とは言わないにしても、今度は是非とも冬の法華道を訪れてほしいと思う。もっと、もっと体験できることがある。
明日、もう少し。
2月の3連休10、11、12日は、まだ充分に余裕があります。2月は3、4、5と日と17、18、19日予約あります。この間及びその前後でしたら、少人数でも受け付け可能です。お問い合わせください。
冬季の営業については以下をクリックしてください。「冬季営業の案内(’17年度」は、前年のものを流用している部分もあって、段落や改行がおかしく、見苦しいかも知れませんが何卒ご容赦を。少人数の場合は一応ご相談ください。また他の団体と計画が合えば、少人数でも管理棟の予備の部屋10畳ふた間を利用することができます。