入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「夏」(39)

2020年07月16日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 8月になって伊那市と富士見町の合同で行う企画があり、その下見ということで関係者とテイ沢まで同道する。地質に関連する催しらしいが、詳しいことは分からない。
 
 テイ沢も荒れた。倒木、大水、流木、自然のすることに加減などないことを、あそこへ行っても感ずる。放置されたままの渓に倒れ込んだ大木の枝や流木くらいは少し整理したいのだが、燃やすことがご法度である以上担ぎ出すしかなく、どうしたものか。簡単な作業ではない。
 あの沢の、特に丸太橋の、保守管理から森林管理署が一切の手を引いてしまったような現状においても、国有林内である以上管理権は同署にあり、仮に伊那市が観光目的の為に借用でき、その管理を代行できるようになったとしても、一体どの程度のことができるかは分からない。下手なことをするくらいなら、今のままにしておいた方がいいという声も聞こえてくる。
 美女なら女優にすればいい、といったような感覚で、何でもかんでも観光地にすることはないし、それで人が来さえすればいいというふうには考えたくない。それに入笠山は、今でも地域にも、訪れる人々にも、充分に貢献していると思っている。健気であるとさえ思うし、北から南まで多くの日本の観光地がそうだ。
 「インバウンド」などと片仮名語で、国外の富裕層を狙った観光策が持て囃されたけれども、そしてそのために今度は「オーヴァーツーリズム」などという弊害も言われるようになったけれども、わが国の観光収入全体に占める外国人の落とす金の割合は2割そこそこだとか。あれだけたくさんのデーターを羅列して、日本の観光政策に対する提言を載せたあの人の本にも、そんな数字はあっただろうか。それにしても「Go to キャンペーン」て、誰が考えた標語だろうか。
 
 鳥の声が聞こえる。雨催いの雲が流れていく。和牛がのんびりと草を食み、横臥して反芻しているホルスがそれを見るともなく眺めている。牧場(まきば)の一日がまた終わる。
 本日はこの辺で、また明日。きょうの写真は小入笠の頭の直下で。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする