’20年「夏」 （27）

　　　　　　　　夏の大三角形　　　　　　　　　　　　　　　　　Photo by かんと氏

　風が強い。雨も時折激しく降る。こんな天気だが、牛の様子を見ながら頭数確認をやり、電気牧柵の点検も済ませてきた。

　きょうから７月、まだ梅雨の時季は続くにしても、それでも真夏の感じが一段と強まる。太陽の焼けるような暑さがこの雨雲の上にはすでにあり、夏は来ている。
　その年にもよるが、梅雨明けが大体７月の20日前後と考えると、確かに信州の夏は思いのほか短い。8月17日に月遅れの盆が終われば、あれほど親しんだ天竜川の水の色が変わり、流れの音もよそよそしく聞こえ、秋風を思わせるような風が水面にさざ波をつくる。まだ小学生だったころ、天竜川の流れを眺めながら、耳の奥に水泳や水遊びに熱狂した遊び仲間の黄色い喧騒を聞きながら、短かった夏休みが終わるのを意識した。
　そうやって考えると、もっと長いと思っていた本格的な夏は、1ヶ月ほどの長さもないことに気付く。その短い夏の間、あのプールもなかった時代は、とにかく天竜川でひたすら泳ぐことに熱中した。セミやカブトムシの採集などは都会から来た、同じ年頃の子供たちのやることぐらいに考えていた。
　当時、田舎の子供と都会の子供ではその外見の違いは歴然としていて、実際は違っていただろうが、誰もが都会の子供は利発に見えて、子供心に愚かな敵愾心を燃やしたものだ。短い夏休みが終わって学校が始まっても、都会の子供の夏休みは続いていて、これも不公平感を煽ったものだった。
　とまれ、何を呟こうとしていたのか分からなくなってきた。やはり、死んだHALのことに触れざるを得ない。
　　　　　　　　　　　　　　　　お礼の言葉
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　HALの死につきましては、多くの人からいろいろな方法で有難い弔慰の言葉を頂戴し、深く感謝してます。中には対応が悪いと怒った人もいたようで、それもHALに対する愛情故のことと理解してます。本日、TDS君が立ち会ってくれ、かつてHALが一緒に過ごした小太郎の墓の隣に埋葬しました。多くの人に可愛がってもらい、飼い主の至らなさを充分過ぎるほど埋めていただきました。厚く御礼申し上げます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三沢拝
　本日はこの辺で。