入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「夏」(49)

2020年07月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 雨は止もうとしない。今朝はここに着く少し手前、10頭ほどのホルスの一群が塩場の隣の放牧地に来ていて、そうなると着いたばかりでも、耳標確認をしないではいられなくなる。とるものもとりあえず、雨支度だけはして放牧地へ向かおうとしたら、その群れが塩場へ移動してくるところだった。それで急いで今度は、管理棟へ塩を取りに戻り、雨は降っていたが、その雨のせいで給塩が思うようにできない日が続いていたから、多少の無駄は仕方ないとして牛たちに塩を与えることにした。雨に溶けた塩は鉢から流れ出て、鹿へのおこぼれとなってしまうだろうが、この際これは目をつぶるしかなかった。
 とにかく、来る日もくるひも、雨が降ろうが槍が降ろうが、全頭の牛の無事を確認しておかなければ何事も始まらない。13頭を確認して、そのまま中段で和牛を3頭確認してからいつものように小入笠の頭まで登り、さらに下って、塩鉢に集まっていた群れの1段上の放牧地で10頭を確認。塩場へそのまま誘導した。
 迷ったがこの後、電牧のリボンワイヤーの一部取り換えを行う。水道管に詰まった水のように、1メートル足らずの間で電圧が何千ボルトも落ちてしまう状態が1日前から続いていた。原因をいろいろ考えた結果、結線に問題があると分かり、これは解決した。午後は大雨の中、急遽ロケハンが入り、その対応をする。なお、この日予定されていた収録は、またしても延期となった。(7月27日記)

 雨は今少し治まっている。霧が深い。こんな天気でも、広い放牧地の濡れた草の上を歩くのは気持ちがスッキリとしてくる。小入笠の頭の手前は急登になり、ここでは歩幅を狭めてゆっくりと歩く。噛めばかむほど味の出る良質のスルメ、というほどの域には達していないが、それでもこの斜面の小刻みの登行はそれなりの味がある。それにきょうは風もあまり強くないのに奔放な霧の流れ、しめやかな大気が味方になって、ささやかな労を励ましてくれる。
 この小さな頂きに一体これまで幾度登ったことになるのだろう。ここを目指して三角形の2辺、右は通常の牧柵、左は電気牧柵、を幾日もかけて全て張り直したこともあった。たまにはここで、牧場管理人としての悲喜こもごもの感慨に更けることもある。

 先日、TDS君に手伝ってもらい行った草刈りの取っ掛かりのクマササと、下から9番目の丸太橋近くの倒木が気になる。雨は降り止まず、霧はさらに深くなってきたが、行くべきか・・・。
 本日はこの辺で。

 
コメント
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