入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「夏」(43)

2020年07月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 12日の日曜日、牧場へ上がってくる途中、荊口の集落の人々が何人も出て道路沿いの草刈りをしていた。何人と言っても精々10数人だろうか。帰る時に見たら、集落を中心に1,2キロくらいの範囲を結構刈りにくそうな場所にも草刈機を入れ、綺麗にしてあった。ご苦労が偲ばれた。
 そんな話を北原のお師匠にしたら、芝平の元住人は集団離村後も「芝平管理委員会」を立ち上げて生まれ育った集落の道路管理をずっと続けていると言い返され、結構芝平と荊口はいまだに対抗意識があるようで可笑しかったが、それはともかく、確かにそういった意味の看板が設置されているのは知っている。
 これまで、自分たちが住んでいる地域の「村作業」とか「村人足」と言われる共同作業は当たり前とされてきたことだが、人口減少と高齢化でそれも先行きが不安になってきた。またそればかりか、新たに移住してくる人の中にはこうした旧来から続いてきた慣習に従いたくない人も出てきた。伊那市は幾つかの区によって構成されているが、どこの区にも区費という制度があって、行政の手の届かない部分などにその金が利用されている。しかし、これを拒否する人もいる。
 ウサギを追い、コブナを釣った記憶のない土地に、そこで生まれて大きくなった者と同じ郷土愛を求めることは難しいかも知れない。それに、荊口にしても、芝平にしても、今の代が変わった後も、休日をさいてまで自分らが住んだことが無かったり、あるいはあってもその記憶の薄い人たちが、わざわざ山奥の集落の道路管理に汗を流しに来るだろうか。村落共同体の古き良き時代も、変わっていくような気がする。
 
 今度の新型コロナウイルスの流行を機に、大分働き方が変わりつつあるように聞いている。あの東京の炎暑の夏や、繁華街の雑踏、雨の日の混雑した通勤などあまり思い出したくないが、災い転じて福となるよう、東京の一極集中解消に取り組み、過疎化の進む老人ばかりの暮らす田舎を変えていくことは、伝説を欲する政治家にとって良い課題となりはしないだろうか。

 本日はこの辺で、また明日。かんとさん、承りました。梅雨も大分衰えてきたと思います。

 
コメント
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