
Photo by かんと氏
星座には詳しくないが、冬の大三角形くらいなら分かる。その一角、ベテルギウスの属するオリオン座やその右手の昴(プレアデス星団)、下方のシリウスなどは見分けやすいが、「冬のダイヤモンド」となるといけない。ふたご座のポルックスとぎょしゃ座のカペラの位置関係は分かっていても、実際の夜空を眺めているとこの二つの星座にまごつき、広大無辺の星の海で溺れかけてしまう。
今月の中旬にはふたご座流星群の観測が期待されていて、天気さえよければ極大日の14日を入れて2泊だか3泊だかの予定でかんとさんも来ることになっている。となれば、ここが営業の上では一番の関心事だがこの夜の天気次第で、かんとさんが本当の晴れ男になってくれたかどうかの正念場だろうと、そのように勝手に決めている。牧場の星の狩場に一番足繁く来てくれ(ようとしてい)る狩人がかんとさんであるだけに、どうかそうなって欲しい。クク。
冗談はさておき、プエルトリコにあるアレシボ天文台の主要部が落下し、かつて世界一の規模を誇った電波望遠鏡は思わぬ形でその役割を終えることになった。そのように最近の報道で知った。この電波望遠鏡のことは名著「コスモス」の著者、カールセーガンがたびたび彼の著作でも触れていて、生前に彼が強い関心を持っていた地球外知的生命体探査に利用されたことは知っていた。彼はその夢が高じてかSF小説「コンタクト」まで残し映画化された。
ところが、この世界の電波天文学を牽引してきた施設は老朽化していて、取り壊しの計画があったことまでは知るよしもなかった。1963年の建設だというから57年、半世紀以上にもなる、無理ないことだろう。
これもセーガン博士の非常に思い入れの強かったボイジャー1号2号が1977年に打ち上げられ、その後2010年代になって、ヘリオポーズを超えた、イヤまだだ、の論争が沸き起こった。その終止符が打たれ、以来ほとんど話題にはならなくなったが、今も深宇宙を飛行し続けているはずだ。愛しい。
頭上の暗黒、無窮の遠(おち)を眺めながら、時にはこの宇宙のことについて思いを馳せるのも悪くないだろう。前述の「コスモス」もその最終、「時間的には永遠、空間的には無限の、その宇宙から私たちは生まれてきたのだから・・・・・。(「ancient and vast, from which we spring.」)と、感動的な言葉で締めくくっている(朝日新聞社発行「コスモス」木村繁訳)。
そういえば、そろそろ玉手箱を携えて「ハヤブサ2」が帰ってくる。
本日はこの辺で。O澤さん、落手しました。大多謝。計画を立ててください。