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Photo by Ume氏
昨日、いろいろと考えあぐねた末、やはり上に行ってきた。今回も、小屋の修理しておきたい場所があり、山奥氏の隠れ家に立ち寄り、氏にも同道してもらった。天気は文句なかったものの、ただ「ど日陰の大曲」など、日陰の山道は薄っすらと白くなっていて、この辺りは日中も気温が低く、このまま来年の4月末ごろまでは雪が残るだろう。今年の仕事始め、4月20日は雪ばかりか多数の倒木に阻まれて、しばらくは焼き合わせから唯一通行可能の入笠湿原を迂回して行くしかなかった。
罠のゲートが落ちていた。ところが鹿の姿が見えない。いつもなら、車の通るたびに立てるテキサスゲートの激しい金属音を鹿は聞き付けて、下からは見えない上部の場所にいてもかならず姿を見せる。こういう、ゲートが落ちても捕獲できない場合を、いつからともなく「空打ち」と呼ぶようになって、てっきりその空打ちだと思った。ところが、小屋で用事をしていたら山奥氏が何か叫ぶ声がし、外に出てみると、やはり5頭の鹿が罠に入っていた。
その後第1牧区を見回ったら、御所平に何組もの鹿の群れがいて、芝刈り機で丹念に刈られたように牧草は食べ尽くされていた。そこに残る夥しい落とし物といい、こういう放牧地を見ると力が抜けてくる。
山奥氏と別れ荊口の集落を走っていたら、メールが入った。IT関連のことについてNTTファイナンスへ至急電をよこせとのこと、電話番号も記してあった。急いで車を停め、言われたようにすると、利用契約を結んでいるナントカの支払いが滞っていると言われ、大いに驚く。これを振り込め詐欺と疑うまでには、イヤー敵ながら実に巧妙。後で考えれば不自然、無茶と分かるが、つい本気にしてしまう。
ITに関して、小難しいカタカナ語を言われても理解できないことが多い。自動車の最高速度が200キロ以上だとしても、実際にはそんな速度で走ることはない。同様に、どれほどITが進歩するのか知らないが、一般利用者の求めている機能と、ますます掛け離れていくような気がする。時速60キロ、100キロ・・・、と段階を設け、必要に応じて速度ならぬ機能のレベルを切り替える、などと言うことができないだろうか。
え、請求額、30万弱でござる。それで振り込んだか、イヤイヤ。
昨日も澄んだ大きな空の下、銀嶺が遠くまでよく見えていた。登山者は入笠湿原の近くで1組3名を見掛けたに過ぎず、山はいかにも冬らしく、本当に静かだった。
本日はこの辺で、お気を付けくだされ。