入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「夏」(8)

2021年06月09日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 
 
 遅い、そろそろ牛が来ないとおかしい。入牧にはきょうは申し分のない天気で、午前10時を過ぎると気温は上昇し、20度を超えた。牛はさて置き、これでコナシの開花に勢いが付くだろう。
 そんなことを呟いていたらようやく、トラックのやってくる音がして、間もなくテキサスゲートを通過する時の独特の金属音が聞こえてきた。



 現在、小黒川林道に通づる南門は通行止めになっていて森林管理署によって施錠もされている。その情報が広く伝わっているのか、オフロードバイクが来るのは大分減ったが、小黒川に釣りで入渓しようとして、このゲートの前に車を放置する人が増えた。きょうも「伊豆」ナンバーの車が、入牧の際に車寄せとして使う場所に不法駐車されていて、やむなく別の場所に変えざるを得なかった。もし明日だったら、大型トラックが来るからそういうわけにはいかない。
 トラックから牛を引き摺り出し、検査場のパドックに追い込む前にいったん導入用の囲いの中に入れるのだが、この際に牛が暴れて走り出すことがある。そうした場合、そこらに放置された車に被害が及びかねず、後にややこしい問題に発展しかねない。駐車禁止の立て札を出せばと思うかも知れないが、それを見て、とんでもない場所やキャンプ場に車を乗り捨てて行ってしまう人もいる。頭が痛い。

 きょうと明日の二日間で予定頭数の約半数の牛が上がってくるが、きょうの11頭は下で必要な検査を済ませている。簡単な防疫対策を施し、牛の個体識別に使われる耳標に重ねて、牧場での管理用の耳標を付けてから馴化のために大型の囲い罠の中に放牧した。



 ジャージー牛が2頭いる。この牛の顔はどれも本当に可愛いくて、不細工な顔の和牛と比べると特にそう感じる。もっとも、あくまでも「不細工な」と断ったように、和牛が全てそうだというわけではない。可愛い和牛も要れば、ホルスもいる。これから4か月の付き合いになるのだから、あまり偏見を持たず、可愛いのも不細工なのも等しく大切に扱ってやらねば。
 まだ入牧したばかりで牛たちは落ち着かない。ちょっとご機嫌を伺いに囲いの中に行ってみよう。どういう反応を見せるだろうか。

 本日はこの辺で。
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