入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’18年「冬」 (23)

2018年01月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうも風の冷たい一日だった。どうやら1月は、越年組の他は、OZWさん夫妻が訪れただけで終わるようだ。しかし、2月は最初の週末、3組20名ほどが来る。そのうち8名は幕営を試みる予定だという。また次の週3連休にも予約があり、こちらは最低受け入れ人数である10名には満たないが、相乗りしてくる人がいるだろうと見込んで、受けることにした。そして、第3週日曜から「みろく山の会」がやって来る。
 3月の最初の週末も、人数はまだ不明ながら一応受けた格好になっている。N氏からは雪中幕営やスノーシューズ、それに山スキーの講習も頼まれている。
 このころになれば光の明度が上がり、春山の雰囲気が少しづつ感じられるようになる。雪融けの沢に下り、陽だまりに湯を沸かして茶を飲む。このときばかりはさすがに、酒よりも紅茶かコーヒーにした方がいいだろう。耳を澄まして、眠っていた自然の、そのかすかな目覚めの声を聞くのだから。止まれ、つい、気の早いことを書いた。
 
 こうしてみると、2月は3週連続で上に行くことになる。雪の入笠牧場や中級山岳を味わってもらおうと始めた冬期営業だが、この独り言も含めて、そうしたことがまだ独り相撲のまま続く。

 1月24日、伊那市のプロモーション動画「イナムービーズ 森の声」が無料動画サイトで公開された。この撮影には、入笠牧場や周辺の自然も協力している。森の精、水の精、火の精、土の精が登場し、バックに流れる歌声は、ふる里の伊那を流れる川の瀬音のようであり、また野を渡る風のようでもある。
 ご覧ください。

 冬季の営業については以下をクリックしてください。「冬季営業の案内(’17年度」は、前年のものを流用している部分もあって、段落や改行がおかしく、見苦しいかも知れませんが何卒ご容赦を。




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    ’18年「冬」 (22)

2018年01月25日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 寒気が戻ってきた。今朝7時、陋屋寝所の気温はついにマイナ4度。入笠の牧場や周辺を根城にしている動物たちは、どうしているのか。この寒さで、冬眠をしなくなったあのクマはまた古い穴蔵にでも潜り込み、浅い眠りで長い冬をやり過ごそうとしているのだろうか。キツネ、タヌキ、アナグマ、鹿・・・そして人も、越冬の苦労はまだまだ続く、終わらない。
 そうかと思えば黒姫のあの人は、到来物のイノシシの肉に舌鼓を打ち、鹿肉の煮込みに脂肪を増やしているらしい。氏によれば、鹿のレバーと薄切りにした心臓を一緒くたにしてタマネギと煮込むと、「歯ごたえもあるとびきりのごちそうが出来上がる」そうだ。窓の外は雪、暖炉の火を豪勢に燃やし、顔を真っ赤にしながらスコッチウイスキーをストレートで飲む。ウーン、あの人の満足そうな油だらけの口が目に浮かぶ。いや、これは全くの想像である。
 それはともかく、この辺りの猟師は、鹿の心臓やレバーにはあまり手を出さない。料理方法を知らないのか、それとも口にするほどの物ではないと決めているのか。大体が背ロースと腿肉だけで、ただ今小屋の来訪者にサービスするために冷凍してある鹿肉も、それらの部位だけだ。その味については、以前に食べたことがありおよそ知っているつもりだが、罠の免許を取って以来、捕獲した鹿の数は数百頭を越えても、食べない主義を通している。
 ただ煮込み料理にするなら、あの人には負けない旨いやり方が頭の中にある。が、それでも、子供の頃に本で読んだ鹿肉の塩漬け、あの時に想像した飛びっきりの味、あれだけはきっと超えられないだろう。それでいい。

 1月24日、伊那市のプロモーション動画「イナムービーズ 森の声」が無料動画サイトで公開された。この撮影には、入笠牧場や周辺の自然も協力している。森の精、水の精、火の精、土の精が登場し、バックに流れる歌声は、ふる里の伊那を流れる川の瀬音のようであり、また野を渡る風のようでもある。

 冬季の営業については以下をクリックしてください。「冬季営業の案内(’17年度」は、前年のものを流用している部分もあって、段落や改行がおかしく、見苦しいかも知れませんが何卒ご容赦を。

 
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    ’18年「冬」 (21)

2018年01月24日 | 法華道と北原師


 昨日よりもきょうの方が、日の射さない寒々とした天気だ。昼が過ぎても雪は降ってこないが、それでも、西山(中ア)は終日雪雲の中。
 きょうの写真は今月の11日に上に行った時に撮った。そして下の写真は再々録だが、晴天の日の牧場管理棟周辺の景色。上の写真では寒そうで行く気のしない人でも、この銀世界を見ればまた違った感想を持つのではないだろうか。



 雪の森の中のひっそりとした「御所が池」がどんなふうになっているかと空想している。有名なTVドラマの撮影候補地になったこともあったが、まだ残雪の多い時期のことで、断念してもらうしかなかった。
 昨日は、山椒小屋を過ぎて、古い林道に出てから先のことは「根気の要る曲がりの多い緩やかな登りが続く」と書いただけだが、さらに行って、林道の途中を表示に従い右に下っていけば、分かりずらいがこの御所が池が雪の中に眠っている。
 そうせずにそのまま1キロ近くも進めば、左手の小さな池のそばに「御所平」の道標があって、この辺りが口碑によれば後醍醐天皇の皇子、宗良親王がいたとされる場所だ。そしてもう少し進めば「本家・御所平峠」に至る。小黒川林道へ下れば、牧場は指呼の間、左方向に南ゲートが見えるはずだ。
 入笠山の裏側を下った「仏平」の道標を加えると、法華道の伊那側には10箇所にこうした地名が残る。日蓮宗が信濃に入り、人々が身延詣でにこので山道を行き来するようになったのは、南朝の皇子がいたとされる頃よりさらに100年以上も下る。それでも、この山道を往来する旅人の間に、不遇な皇子のことが忘れられずに語り継がれていったのだろう。
 なお、またしても同じことを独り言ちるが、宗良親王も一時はここにいたかもしれないが、人の目に触れたのは恐らく、鎌倉幕府執権北条高時の遺児時行の一党だろうと思っている。1335年の中先代の乱は、ここで端緒が開かれたと。

 冬季の営業については以下をクリックしてください。「冬季営業の案内(’17年度」は、前年のものを流用している部分もあって、段落や改行がおかしく、見苦しいかも知れませんが何卒ご容赦を。

 

 

 


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    ’18年「冬」 (20)

2018年01月23日 | 法華道と北原師


 雪が降った。都会は大騒ぎのようだが、この辺りはそれほどのことはない。時折、薄日さえ射し、それでも天気予報を慮るかのように大きな牡丹雪が舞ったりしている。里では3センチほどだが、上はかなりの積雪になっただろう。
 雪の法華道、きょうのような曇天の方が静まり返った古道を登るには相応しい。和装の佳人とA lady in Bikiniを比較するようなもので、などと雪見酒の炬燵の中で埒もない譬えをしてみたが、今冬はまだ行ってない。「万灯」、「爺婆の岩」、「厩の平」、「脛巾当(はばきあて)」、「山椒小屋」などなど、この古い山道には幾つもの名前が付いていて、そういう場所には、人々に忘れられないようにと北原のお師匠が立てた道標がある。
 大体いつもHALを連れた単独で、出発点の諏訪神社からは牧場の小屋まで4時間くらいを見ている。山椒小屋を過ぎると登ってきた尾根は消え、落葉松林のゆるやかな登りを続けていけば、今は使われていない古い林道跡に出る。まだそういう目に遭ったことはないが、ここまで来れば、まず引き返すことはしないと決めている。引き返し点は「脛巾当」付近で、出発点から1時間半くらいか。ただしこれも牧場の小屋でなく、入笠山の登山口や、ゴンドラ駅までとなると状況にもよるが、林道からでも下った方が早く、無難だと思う。林道へ出てからも峠まで、根気の要る曲がりの多い緩やかな登りが続く。一度だけだが、日帰りをしたこともある。
 きのうも書いたように、ここを訪れる人は稀で、冬季などはいつも真っ白な雪道に踏み跡を付け、帰りは自分の残した足跡をなぞるように下るのが常だ。昨年初めて、他人の足跡を追ったが、この山道の味わいの深さは貴重で、ずっと残しておきたい。
 なお、本家・御所平峠辺りには人の足跡があったりするが、これらには猟師のものが含まれていたりして当てにならず、注意が必要。雪崩の心配もなく、牧場の小屋を利用すれば「冬山入門の教科書」のような山道だが、こういう宣伝めいた独り言が、さて、この古道のためになるのかどうか・・・。

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    ’18年「冬」 (19)

2018年01月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 これだけ「法華道」について書いていても、ほとんどこの古道を訪れる人のいないのが不思議だ。それも冬だけのことではない。あれほど北原のお師匠が〝老いの情熱"を注ぎ、立て札を各所に立てて整備を続け、登山者の安全を祈り「本家・御所平峠」に石地蔵まで建てたというのに。また、その跡を継ぐかのように種平小屋も、法華道の赤坂口だけでなく、幾つもの沢を踏査し、登山道を整備し、入笠伊那側の旧来とは一味違った魅力を引き出してくれつつある。どれをとっても皆、個人レベルでのことだ。そこが、行政が主導する富士見側と大きく異なる点だが、それは措く。
 入笠山の山頂に登るのなら、富士見からゴンドラを利用するのが最も手軽で、安全である。山頂駅から早ければ1時間を要さずに頂上に立つことができ、天気が良ければ富士山を筆頭に、眼前には八ヶ岳が迫り、秩父はもちろん北、中央、南の各アルプスその他の、日本を代表する山々を見渡すことができる。
 しかしこれを、「登山」と呼ぶに値するかは疑問だ。身に着けている格好は登山者だが、登山に来ているというよりか行楽で、幼稚園児の集団が来るかと思えば、高齢者ばかりの団体の姿もある。ほとんどが、各地の観光地と同じく日帰りである。それに、異議を唱えているわけではない。昨今の山の様変わりを言っているだけで、それはゴンドラのお蔭といえるだろう。ともかく入笠山は花が咲き、鳥が囀り、美しい風景が訪れた人を喜ばせ、満足させている。美ヶ原や、霧ヶ峰にも負けない人気である。
 その人気、冬季でも高い。スノーシューズや中にはアイゼン、ピッケルで身を固めた人たちも多数いる。ただ残念ながら、その人たちは恐らく伊那側のことは知らない。折角立派な装備を手にし、身繕いも決めているのだから、その人たちの中から、決して多くの人とは言わないにしても、今度は是非とも冬の法華道を訪れてほしいと思う。もっと、もっと体験できることがある。
 明日、もう少し。

 2月の3連休10、11、12日は、まだ充分に余裕があります。2月は3、4、5と日と17、18、19日予約あります。この間及びその前後でしたら、少人数でも受け付け可能です。お問い合わせください。
 冬季の営業については以下をクリックしてください。「冬季営業の案内(’17年度」は、前年のものを流用している部分もあって、段落や改行がおかしく、見苦しいかも知れませんが何卒ご容赦を。少人数の場合は一応ご相談ください。また他の団体と計画が合えば、少人数でも管理棟の予備の部屋10畳ふた間を利用することができます。


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