市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

10月20日の姫の後援会幹部会議と謝罪記者会見を報じたマスコミの報道ぶり

2015-10-21 23:12:00 | 政治とカネ
■1年前に週刊新潮のスクープ記事で発覚した「姫」こと小渕優子元経産相の政治資金の不正会計を巡る諸問題で、10月9日(金)の国家老こと元秘書ら2人の刑事判決をきっかけに、10月19日(月)の第三者委員会の報告に続き、10月20日(火)の姫の後援会幹部会議及び謝罪会見と、明らかにシナリオを感じされるタイミングで立て続けに幕引きのイベントが続きました。このうち、当会は10月9日と20日のイベントに関与することができました。10月20日は、姫の後援会幹部会議が渋川市内で開催され傍聴参加を希望しましたが、残念ながらオンブズマンはシャットアウトされてしまい、謝罪記者会見もマスコミのみが対象でした。この模様を報じた10月20日午後から21日にかけての報道内容を時系列順に見てみましょう。

**********NHK NEWS Web 10月20日 17時57分
小渕氏「心からおわび」 議員辞職はせず

 小渕元経済産業大臣の政治資金を巡る事件で、小渕氏は20日夕方、前橋市内で記者会見し、「多くの皆様にご心配とご迷惑をかけた。心からおわび申し上げる」と謝罪したうえで、議員辞職する考えはないことを明らかにしました。
 小渕元経済産業大臣は政治資金を巡る事件について、20日午後、群馬県渋川市内で後援会の関係者に説明を行ったあと、午後5時45分すぎから前橋市内で記者会見しました。この中で、小渕氏は「今回の私の一連の事件で多くの皆様にご心配とご迷惑をかけた。改めて心からおわび申し上げる。特に後援会主催の行事で参加費をいただいたにもかかわらず、収支報告書に一部または全部を計上しなかったことでご迷惑をかけ、深くおわびする」と謝罪しました。
 また、小渕氏は、東京地方裁判所が、先に小渕氏の資金管理団体などの収支報告書にうその記載をしたなどとして元秘書2人に対し有罪判決を言い渡したことについて、「元秘書の有罪判決を重く受け止めている。私の責任も大変重いものと思っている。二度とこのようなことがないようにすることが私に課せられた責任だ」と述べました。
 そのうえで小渕氏は、みずからの進退について「先ほど後援会の総意で『地元・群馬のために頑張っていけ』と決議いただいた。身が引き締まるが思いで、誠心誠意、身を粉にして働いていきたい」と述べ、議員辞職する考えはないことを明らかにしました。
 さらに小渕氏は、監督責任について「収支報告書は、秘書が持ってくると表紙を見たり、パラパラめくる程度で返していた。収支報告書の責任は会計責任者にあるが、だからといって代表である私にないわけではない。今後はこのようなことがないよう監督責任を果たしていきたい」と述べました。

**********時事通信2015年10月20日21:01
小渕元経産相、議員辞職を否定=虚偽記載事件「心からおわび」

自身の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件に関する第三者委員会の報告書公表を受け、記者会見する小渕優子元経済産業相=20日午後、前橋市
 自身の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、小渕優子元経済産業相は20日、第三者委員会が調査報告書を公表したことを受け前橋市内で記者会見した。小渕氏は「一連の事件について多くのみなさま方にご心配とご迷惑をお掛けし、心からおわび申し上げる」と謝罪する一方、議員辞職は否定した。
 小渕氏は会見に先立ち、後援会関係者に調査報告書の内容を説明。会見では「後援会から今後も地元のために頑張れとの決議をいただいた。期待に応えられるよう身を粉にして働きたい」と述べ、議員活動を続ける意向を示した。
 収支報告書の虚偽記載については「事務所のスタッフに任せきりだった」と釈明。第三者委が小渕氏の監督責任を「政治上、道義上も検討する必要がある」と指摘したことなどを受け、「指摘を踏まえ、二度とこのようなことが起きないようにすることが私の責任だ。今後は専門家に経理を見てもらい、相談しながら監督責任を果たしていきたい」と述べた。

**********毎日新聞 2015年10月20日 21時24分(最終更新 10月20日 23時19分)
政治資金規正法違反:小渕議員、辞職の考えなし

第三者委員会の報告書提出を受けた記者会見で厳しい表情を見せる小渕優子衆院議員=前橋市で2015年10月20日午後6時16分、猪飼健史撮影
 ◇記者会見 事件関与を改めて否定 不明点の調査も終了へ
 小渕優子衆院議員(41)=群馬5区=の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、小渕氏が20日、前橋市で記者会見して事件への関与を改めて否定し、議員辞職の考えはないことを明らかにした。自身が調査を依頼した「第三者委員会」の報告書に沿って説明し、不明点についてもこれ以上は調査しない方針を示した。
 小渕氏は会見で「多くの皆さんに心配やご迷惑をかけた。改めておわび申し上げる」と謝罪。監督責任を認めたが、「渡された収支報告書の表紙や中身をぱらぱらめくり、『ご苦労様』と返していた。秘書を信頼していた」と自身の関与を否定した。
 2006年末時点で資金管理団体の預金残高は収支報告書より約1億円も少なかった。ズレを解消するため、元秘書らは09年から虚偽記載による「つじつま合わせ」を始めたとされる。このズレについて小渕氏は「慶弔費や陣中見舞いなど記載をはばかられる支出の不記載があったようだが、十分に分からない。地検の捜査や第三者委の調査でも分からず限界。資料が乏しく、亡くなっている関係者もいる」と述べ、追加調査はしない考えを示した。
 「今回の問題を受け『知らなかった』と言い逃れすれば刑事責任を回避できると考える人が出てくるのでは」との質問には「なんと答えたらよいか分からない。制度は私が決めるものではない」と答えた
 小渕氏は問題が発覚した昨年10月に経済産業相を辞任し、「第三者による調査後、政治家として説明責任を果たしたい」と述べてこれまで説明をしてこなかった。
 東京地裁は今月9日、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で元秘書2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。これを受け、「第三者委員会」が19日に「小渕氏は関与しておらず、法律上の責任はない」との調査結果報告書を公表していた。【尾崎修二、高橋努】

**********産経ニュース2015年10月20日21:33
小渕優子元経産相「身を粉にして…」 第三者委の報告書公表受け会見、議員辞職は否定

関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件に関し、記者会見で謝罪する小渕元経産相=20日午後、前橋市
 小渕優子元経済産業相(41)の関連団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、第三者委員会が報告書をまとめたことを受け、小渕氏は20日、地元の前橋市で会見した。小渕氏は謝罪した上で、「会見前に後援会から、『群馬のためにがんばれ』と決議をいただいた。身を粉にして働いてまいりたい」と述べ、議員辞職を否定した。
 東京地裁は今月9日、同法違反罪で元秘書2人に有罪判決を言い渡し、政治資金収支報告書の虚偽記載について、「裏金捻出を目的としていた」と指摘した。この点について小渕氏は「判決内容はショックだった。今後、収支報告書を訂正する中で、裏金の存在の有無を確認していきたい」と釈明した。
 小渕氏は虚偽記載の原因について、「(父の小渕恵三元首相と比べて)集金力がなくなった。私の力や人気がないとみられるのを恐れたのではないか」と分析。「今回のことを胸に刻み、二度と起こらないように努めたい」と述べた。
 判決によると、元秘書らは小渕氏の関連4団体の平成21~25年分の収支報告書に3億2000万円の虚偽記載をしたとされる。小渕氏については東京地検特捜部が4月、不起訴処分とした。

**********読売テレビ2015年10月20日22:05
小渕優子衆院議員「心からおわびします」

 政治資金をめぐる事件で、元秘書2人が有罪判決を受けた自民党の小渕優子衆議院議員が20日、地元群馬で会見し、「心からおわびします」と謝罪する一方、議員辞職する考えはない事を明らかにした。
 小渕議員「私が先頭に立って適切に対応し、2度とこのような事がないように努めたい。一連の事件に対して多大なる心配迷惑をかけた大勢の皆様方に、心から心から、おわびを申し上げます」
 会見で小渕氏は謝罪をするとともに、再発防止に向けてチェック体制の強化などに努めると述べた。
 一方で、不正な会計処理を見抜けなかった事については、次のように話した。
 小渕議員「信頼できる秘書ですので(収支報告書の)表紙を見る、あるいはパラパラめくる、その程度でご苦労さまと渡し返していた」
 小渕氏は、「いまだ、十分に説明できない事にじくじたる思いはあるが、調査・捜査の限界だ」と話した。
 一方で、「私の責任も大変重い。2度とこのような事がないようにする事が、私に課せられた責任だ」「今後も期待に応えられるよう誠心誠意、働いていきたい」などと述べ、議員辞職する考えはない事を明らかにした。

**********読売2015年10月20日 22時59分
小渕優子氏、議員辞職せず…監督責任認め謝罪

関連政治団体の政治資金規正法違反事件についての記者会見で謝罪する小渕優子・元経済産業相(20日午後5時48分、前橋市で)=三輪洋子撮影
 小渕優子・元経済産業相(41)の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、小渕氏は20日、前橋市内で記者会見した。
 政治資金収支報告書の作成は秘書任せにしていたとした上で、「監督責任は生じる。責任がないとは全く思っていない」と述べ、謝罪した。一方、後援会幹部らが同日、政治活動を続けるよう決議したことを理由に、議員辞職の考えはないと強調した。
 小渕氏は、事件の調査のために設置した第三者委員会(委員長・佐々木善三弁護士)の3人と会見に臨んだ。冒頭、「多くの皆さまに大変なご迷惑をおかけした。心からおわび申し上げたい」と深々と頭を下げた。
 第三者委は19日、「監督責任は軽微ではないが法的責任はない」として、政治資金収支報告書の訂正や会計責任者の交代、政治資金管理にあたり専門家と相談する体制作りなどを提言する報告書を発表。小渕氏はこれを踏まえ、「二度とこうしたことがないよう努めたい」と述べた。

*********TBS2015年10月20日23:19
小渕議員が会見で謝罪「秘書を信頼していた」
 政治資金をめぐる事件で、小渕優子衆院議員が地元の群馬県で会見を行い、「秘書を信頼していた」「今後は監督責任を果たしていきたい」などと述べ、謝罪しました。
 「心から心から、おわびを申し上げます」(小渕優子衆院議員)
 小渕氏はちょうど1年前、関連する政治団体での不透明な資金処理をめぐり経済産業大臣を辞任。今月、元秘書2人が政治資金規正法違反の罪で執行猶予付きの有罪判決を受けました。
 「秘書が収支報告書ができますと、こんな感じですと持ってきますので、表紙を見る、あるいはパラパラめくる、その程度で、信頼できる秘書でしたので、御苦労さまということで渡し返していた」(小渕優子衆院議員)
 小渕氏は「元秘書の有罪判決を重く受け止めている」「今後は監督責任を果たしていきたい」とした上で、「国会議員として、地元群馬の期待や思いに応えられるよう働いていきたい」などと述べました。(20日23:19)

**********上毛新聞2015年10月21日一面

20151021lij.pdf
政治資金問題 小渕氏謝罪「責任重い」
前橋で会見 議員辞職は否定

 小渕優子元経済産業相は20日、関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件について、前橋市内で記者会見し、自身の関与を否定した一方、監督責任は認め、「多くの皆さんに心配やご迷惑を掛け、あらためておわび申し上げる」と謝罪した。議員辞職する考えはないことを強調し、今後は政治資金のチェック体制を強化するなど再発防止に努める考えを明らかにした。
 小渕氏は会見で、虚偽記入や不記載などがあった政治資金収支報告書については「秘書が持ってきたら表紙を見たり、パラパラめくったりするぐらいで返していた」と説明した。
 問題を検証するために小渕氏側が設置した弁護士らで構成する第三者委員会の調査報告を基に、元秘書による収支報告書の虚偽記入が始まった経緯などを説明したが、詳細には不明な点が残るとした。
 関係者が死亡していたり資料がなくなったりしており、「検察にも第三者委にも時間をかけて調べてもらったが、限界があり、十分に分からない。説明が果たせず、悔しい思いでいる」と述べ、再調査はしない意向を示した。
 自身の責任については、「元秘書2人の有罪判決を重く受け止める。責任は重い」とする一方で、議員辞職は「これからも身を粉にして働きたい」と否定した。第三者委の提言に沿い、収支報告書の修正に当たるほか、専門的な第三者によるチェックを入れるなど再発防止に努めることで監督責任を果たしていくとした。
 小渕氏は会見に先立ち、渋川市で開かれた後援会幹部の会合で経緯を説明し、謝罪した。後援会からは引き続き議員として活動するよう決議を受けたという。今後、各地区の後援会に対しても一連の問題を説明し理解を求めていく考え。
 小渕氏は昨年10月20日に経産相を辞任し、「政治家としての説明責任を果たす」などと述べていた。同12月の衆院選でも有権者に謝罪を繰り返したが、事件の詳細については語っていなかった。
 事件では東京地裁が今月9日、政治資金規正法違反(虚偽記入、不記載)の罪で前中之条町長の折田謙一郎被告(67)ら元秘書2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。19日には小渕側が設置した第三者委が「小渕氏は不正に関与しておらず、法律上の責任はない。監督責任は軽いと言えないが、強く問うことにはためらいを感じる」との調査結果を公表した。
★調査限界に違和感
小竹裕人・群馬大准教授(公共政策論)の話
 調査に限界があるという発言に違和感を覚える。監督責任があると言うなら、最後まで調査を続けるという姿勢が求められるのではないか。それが国民への説明責任にもつながるだろう。選挙は日頃からの有権者との関係性ではなく、掲げる政策で競うべきだ。政治資金規正法にも、候補者と一定の関係にある者の刑が確定した場合、当選が無効になる連座制のような仕組みが必要だと考える。

〔三山春秋〕
 「政治活動に対する国民の監視と批判の機会をないがしろにする悪質な犯行」「政治資金の収支をその通り収支報告書に記載しない実態を半ば当然視し、違法な手段を使ってでも、政治資金の収受について国民の疑惑を回避できさえすればよいという、法の目的とは正反対の姿勢が垣間見える。
▼小渕優子元建材産業相の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、ともに元秘書の前中之条町長と資金管理団体元会計責任者に東京地裁が下した有罪判決はその悪質さを厳しく指弾した。
▼それから10日。この事件で問題を検証するため、小渕氏側が設置した「第三者委員会」が調査結果を公表し、不正処理について本人の関与はないとして、法律上の責任を否定した。
▼その上で「監督責任があることは当然で、その責任は警備とはいえない」と指摘しながらも、関係資料の押収などを理由に調査に限界があったことを繰り返した。
▼これを受け、当の小渕氏がようやく口を開いたのは経産相辞任からちょうど1年のきのう。事件について「多くの皆さんに心配やご迷惑をかけた」と謝罪、引き続き国政に携わる意欲を表明した。
▼本人の関与がなかったとしても、法律をないがしろにした関連団体の活動などで国会議員となった事実は消えない。小渕氏はこれから何本の法律づくりに関わるのだろう。
                  2015・10・21

**********上毛新聞2015年10月21日社会面P22

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説明できず悔い 政治資金問題で一問一答
 小渕優子元経済産業相は20日、前橋市大手町の県政会館で記者会見を開いた。主なやり取りは次の通り。
★議員継続、後援会が「決議」
 ―収支報告書の残高と実際の現金のずれの原因は、新たに調査をするか。
 今回の事件の発端となったのは未来産業研究会の1億円の乖離。私自身、疑問に思うし、皆さんが持つ疑念も当然と思う。しかし、捜査や裁判で十分に分からないというところがある。平成20年より前は関係者が亡くなっている、関連する資料がないこともある。十分に説明できないことにじくじたる思いがあるが、調査、また捜査の限界というものではないか。
 ―責任をどう取るか。
 元秘書2人の有罪判決は大変重く受け止めている。当然、私の責任も大変重い。第三者委員会の提言を踏まえ、改善できることをすべて改善し、二度とこのようなことが無いようにしていくのが私に課せられた責任だと思う。
 ―議員辞職する考えは。
 自分の身の処し方について、この1年、随分考え、悩んだ。昨年12月の選挙は疑念が晴れていない中での選挙戦だったが、当選させていただいた。その時、預かりしている議席は私1人で決められるものではないと実感した。後援会の説明会で、今後についてお預けすると申し上げた。結果、後援会の総意として地元群馬のために頑張っていけと決議をいただいた。誠心誠意、身を粉にして働いていきたい。
 ―監督責任をどう捉えていたのか。
 秘書が持ってきた収支報告書は、表紙を見る、パラパラめくる、その程度で「ご苦労さま」と渡し返していた。収支報告書の作成、提出の義務は会計責任者にあるが、代表の私に責任がないという訳ではない。このような問題が起これば、代表である私にも大きく降り掛かってくる。今後はこのようなことが起こらないように私自身もしっかり監督責任を果たしていきたい。
 ―今回の会見で説明を果たしたと考えるのか。国民へのおわびは。
 これ以上の説明ができないという状況にある中、次、またその次の説明を考えているわけではない。国民の皆様には、「政治とカネ」の問題や、政治家に対する信頼、不信感を持たせたことには責任を十分に感じている。
 ―第三者委の報告書はお手盛りとの批判がある。
 個人的に相談していた弁護士を経由して、第三者委をつくってもらった先生は公平公正な立場で懸命に仕事をしてきた方。私にお手盛りの報告をする必要はないと思う。
 ―折田謙一郎被告が今後、政策や事務所運営に関わりを持つのか。
 元秘書は2人とも定年を迎え、事務所スタッフの一員ではなくなっている。2人は責任を感じているので、私の仕事に関わってくることはない
と思う。

**********上毛新聞2015年10月21日社会面P23

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小渕氏謝罪 「いい勉強」「説明遅い」 有権者反応別れる
 「ご心配をお掛けして申し訳ない」。関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件について、小渕優子元経済産業相は20日、渋川市内で開かれた会合で、支援者に直接謝罪した。小渕氏側が設置した第三者委員会の調査結果が報告され、出席者は説明に理解を示し、国政での活躍を願う声が相次いだ。一方、小渕氏の選挙区の有権者からは「説明が遅すぎる」「幕引きはおかしい」と厳しい意見もあった。
 会合は同市内の結婚式場で開かれ、小渕氏は開始1時間以上前の午後2時前、会場に到着。黒のスーツ姿で、足早に会場に入った。会合は非公開で行われ、後援会幹部や自民県議計50人が出席した。
 出席者によると、小渕氏は冒頭で事件について謝罪。その後、小渕氏に法的責任はないとした第三者委の調査結果が報告された。年内に選挙区内の後援会8支部を回り、説明と謝罪をすることも決まった。出席者から激励が相次ぎ、小渕氏が感極まって涙ぐむ場面もあったという。
 後援会総連合会の柳沢本次会長は「(第三者委で)一つ一つよく調べてあり、皆説明に納得していた。逆に結束が強まった」とし、小渕氏を支援していく姿勢を強調した。出席した下仁田町の男性(72)は「今回の件は彼女にとっていい勉強。大きく飛躍できる人になるだろう」と話した。
 事件発覚から1年。地元選挙区の有権者は小渕氏の説明をさまざまな思いで受け止めた。
 甘楽町の無職、小金沢宏さん(64)は「説明責任は果たされた」と評価。中之条町の農業男性(67)も「心機一転、国のために頑張ってほしい」と期待した。富岡市の自営業男性(57)は「国政で再び頑張るのも責任の取り方だ」と前向きに受け止めた。
 一方、高崎市の無職、中島崇之さん(74)は「説明が遅すぎる。監督責任の重さを指摘されたのに『おわび』を繰り返すことで済まそうとするのは納得がいかない」と厳しく批判。吉岡町の無職、猪俣智子さん(73)は「辞職の道を選ばなかったのは残念」と話した。
 小渕氏を刑事告発(不起訴処分)した市民オンブズマン群馬の小川賢代表は渋川市の会合の会場に訪れ、「小渕氏の刑事責任が問われないのはおかしい。日本の政治の悪い前例になる」とあらためて指摘した。小渕氏に対し、事件への説明を求める公開質問状を送るとした

**********東京新聞2015年10月21日 朝刊
小渕氏、会見し謝罪 議員辞職は否定 規正法違反事件

記者会見で頭を下げる小渕元経産相
 小渕優子元経済産業相は自身の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件を受け二十日、前橋市で記者会見し「政治とカネの問題で国民に不信感を持たせた。多くの皆さんに心配と迷惑を掛けたことをおわび申し上げる」と謝罪した。事件に関与した元秘書二人の監督責任を認めた一方、地元後援会に理解を得られたとして議員辞職しない考えを示した。
 問題発覚を受け、昨年十月、経産相を辞任する会見を開いて以降、本人が説明するのは初めて。
 事件では、東京地裁が今月九日、政治資金規正法違反(虚偽記入など)の罪で元秘書の折田謙一郎被告(67)ら二人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
 判決が、東京・明治座での観劇会収支の虚偽記入と不記載は「裏金捻出も目的としていた」と認定した点について、小渕氏は「ショックを受けた」と明かした。
 今後、収支報告書を訂正していく中で「裏金という部類に入るかどうか調べていくことになる」と説明。自身が先頭に立って再発防止に努めることが大事だと強調した。
 小渕氏は会見に先立ち、群馬県渋川市で後援会に説明会を行っており「後援会の総意で今後も地元群馬のために頑張っていけという決議をもらった。その期待に応えられるよう身を粉にして働きたい」と述べた。

**********東京新聞2015年10月21日群馬版
規正法違反事件 「今後の調査に限界」 小渕氏、弁明に終始
 小渕優子元経済産業相の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、小渕氏が依頼した第三者委員会が調査結果を公表したのを受け、二十日に前橋市で記者会見した小渕氏。「おわびしたい」と何度も頭を深く下げたが、「すっかり秘書に任せていた」「今後の調査には限界がある」などと、どこか他人事とも受け止められるような弁明に終始した。(菅原洋)
 調査結果では、二〇〇六年末の時点で収支報告書の残高よりも実際にある現金が約一億円少なく、「実態は不明」と指摘。九日に東京地裁であったこの事件の判決は、元秘書の犯行の一部は「裏金の捻出を目的としていた」とも指摘した。
 会見で、こうした点を追及された小渕氏は当初、「この乖離は大変な疑問。なんとしても知りたいと思う」と明言。しかし、その後の発言では「捜査や(第三者委の)調査に限界があると聞いた」「私に監督責任はあり、全く責任がないとは言わない」とトーンダウンした。
 捜査で押収された資料が今後返却されたから第三者委などが調査することについては、「でき得ることならと思うが、調査には限界がある」「既に亡くなった関係者もいる」などと後ろ向きな発言を繰り返した。小渕氏は今後、判明した点があれば、収支報告書を訂正する意向は示した。
 また、第三者委の調査結果では、秘書がまとめた収支報告書の内容を全く確認したことがなく、「監査責任は軽微とは言えない」と指摘された。
 この点に、小渕氏は「収支報告書の表紙を見て、パラパラとめくる程度だった。報告書の責任は(規正法上では主に)会計責任者にあるが、(政治団体の)代表である私にも降り掛かる。今後は監督責任を果たしたい」と釈明した。
 小渕氏は年内をめどに、後援会などの地区別組織で事件について説明会を開く見通し。

=市民オンブズマン群馬 小渕氏に公開質問状=
 市民オンブズマン群馬(小川賢代表)は二十日、小渕氏に事件の事実関係などを問う公開質問状を送った。
 質問は、後援会が開いた観劇会の実際の収支や、小渕氏の顔写真をラベルにしたワインセット作成の目的や製造、配布の経緯など八項目。
 鈴木事務局長は取材に「小渕氏に対しまだまだ詳細に追及する必要がある」と話した。
 回答期限は二十七日までとし、回答の有無や内容を記者会見や市民オンブズマン群馬のホームページで公表するという。(原田晋也)


**********毎日新聞 2015年10月21日 東京朝刊
小渕衆院議員:政治資金問題 議員辞職否定 監督責任認め謝罪

第三者委員会の報告書提出を受け、記者会見する小渕優子衆院議員=前橋市で2015年10月20日午後6時28分、猪飼健史撮影
 小渕優子衆院議員(41)=群馬5区=の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、小渕氏が20日、前橋市で記者会見して事件への関与を改めて否定し、議員辞職の考えはないことを明らかにした。自身が調査を依頼した「第三者委員会」の報告書に沿って説明し、不明点についてもこれ以上は調査しない方針を示した。
 小渕氏は会見で「皆さんに心配やご迷惑をかけた。改めておわび申し上げる」と謝罪。監督責任を認めたが、「渡された収支報告書の表紙や中身をぱらぱらめくり、『ご苦労様』と返していた。秘書を信頼していた」と自身の関与を否定した。
 2006年末時点で資金管理団体の預金残高は収支報告書より約1億円も少なかった。ズレを解消するため、元秘書らは09年から虚偽記載による「つじつま合わせ」を始めたとされる。ズレについて小渕氏は「慶弔費や陣中見舞いなど記載をはばかられる支出の不記載があったようだが、十分に分からない。地検の捜査や第三者委の調査でも分からず限界。資料が乏しく、亡くなっている関係者もいる」と述べ、追加調査はしない考えを示した。
 「問題を受け『知らなかった』と言い逃れすれば刑事責任を回避できると考える人が出てくるのでは」との質問には「なんと答えたらよいか分からない。制度は私が決めるものではない」と答えた。
 小渕氏は問題が発覚した昨年10月に経済産業相を辞任し、「第三者による調査後、政治家として説明責任を果たしたい」と述べてこれまで説明をしてこなかった。東京地裁は今月9日、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で元秘書2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。これを受け、「第三者委員会」が19日に「小渕氏は関与しておらず、法律上の責任はない」との報告書を公表していた。【尾崎修二、高橋努】
 ◇報告書「ワイン欲しがった」 支援者は「酒飲めない」

衆院群馬5区の選挙区内で有権者に贈られた「おぶち優子ワイン」
 小渕氏の設置した第三者委員会が19日に公表した調査報告書は、著名洋服店や親族経営の服飾雑貨店への政治資金からの支出について、本人や秘書が私的に購入した際の領収書を流用したことも認め、政治資金収支報告書の修正を求めた。
 小渕氏の資金管理団体「未来産業研究会」の収支報告書には著名デザイナーズブランドなどへの支出が計上され「政治資金ではなく個人的な支出では」と指摘されていた。デザイナーズブランドについて調査報告書は「小渕氏が購入し、領収書を預かった秘書が未来研の領収書と混在してしまい、支出として流用して記載された」と指摘。親族経営の服飾雑貨店への支出なども「秘書らの個人支出について、たまたま手元にあった領収書を記載したものが散見される」などと問題視した。
 群馬県の選挙区内で小渕氏の写真を貼ったワインを贈った問題では「選挙区外で贈っていたが、区内の支援者も欲しがるなどしたため秘書の独断で贈った」と指摘。しかし、ワインの受領を最初に認めて毎日新聞が報じた男性は「酒が飲めないので欲しがるはずはない」と証言した。
 一方、家宅捜索前に事務所のパソコンが壊されたことについては、故障したため業者に処分を依頼し、業者がドリルで穴を開けたもので問題はないとした。【杉本修作】

**********読売2015年10月21日
小渕氏「地元のため頑張る」

記者会見を行う小渕氏(20日午後6時25分、前橋市で)=三輪洋子撮影
 ◆野党から政治責任問う声
 経済産業相の辞任から1年。自らの関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、小渕優子氏(41)は20日の記者会見で監督責任を認め、謝罪した。会見前に開いた後援会幹部の会合では、小渕氏を引き続き支援する決議が行われ、小渕氏は「地元のために頑張りたい」と衆院議員にとどまり、議員活動を続ける考えを示した。野党からは「政治家は結果責任を取るべきだ」と批判の声が上がった。
 後援会幹部役員と地元の自民党県議の合同会議は午後3時頃から、渋川市内で開かれた。小渕氏は午後1時50分頃、緊張した様子で会場に入った。会議には約50人が出席し、非公開で約1時間半行われた。
 関係者によると、小渕氏があいさつした後、小渕氏の依頼で事件を調査した第三者委員会から調査結果が報告された。
 出席者の関心が高かったのは、後援会女性部の明治座への観劇会を巡る虚偽記入についてだった。収入と支出が一致しないが、関連政治団体のいずれかの収支報告書に支出として計上されており、第三者委は「虚偽記入であることは明らかだが、明治座への支払い自体を隠蔽する意図ではない」と説明。出席者のうち5人が質問したが、批判はなかったという。
 その後、後援会として小渕氏を引き続き支えるとともに、小渕氏に政治活動を続けるよう求める決議を行った。小渕氏は「重い責任がある。地元のために、国政のために頑張りたい」などと、涙を浮かべながら語ったという。会議後は、午後5時半から前橋市内で開く記者会見の会場へ向かった。
 柳沢本次・後援会総連合会長は会議後、「本人から説明を受けるまで、一日千秋の思いだった。一致団結して応援していくことを決めた」と述べた。南波和憲県議も「明治座の件について疑念がはれ、よく分かって良かったとの声が多かった」と話した。女性支持者は「支持者も小渕氏も、大変な1年だった」と、すっきりした表情で語った。
 事件では、いずれも小渕氏の元秘書で、前中之条町長の折田謙一郎被告(67)、加辺守喜被告(62)が今月9日、政治資金規正法違反(虚偽記入)で執行猶予付きの有罪判決を受けた。
 民主党県連の黒沢孝行会長は20日、「政治家は結果で責任を取らないといけない。この説明で第三者の批判に耐えうるのか疑問だ。1年経てからの説明も有権者をバカにしている」と、小渕氏を批判した。
 小渕氏や折田被告を同法違反容疑などで告発した市民オンブズマン群馬の小川賢代表は「観劇会へ有権者を連れて行くことは、公職選挙法で禁止する有権者への寄付にあたるのではないか」として、政治的、道義的責任も問う8項目の公開質問状を小渕氏側に提出した。←※(当会注:支出と収入の乖離の実態が解明されていないことから、赤字で有れば補填=寄付にあたり、黒字であれば利益=裏金にあたるということを説明したもの)

**********Reuters共同 2015年 10月 21日 00:12 JST
小渕優子氏が謝罪、「責任重い」
小渕優子元経産相、会見し謝罪


 小渕優子元経済産業相が20日、関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件に関して前橋市で記者会見し「多くの皆さんに心配やご迷惑を掛けた。あらためておわび申し上げる」と謝罪した。自身の責任については「秘書を信頼し任せきりにしていた。私の責任は大変重い。二度と起こらないよう今後は監督責任を果たしたい」と述べた。
 議員辞職は「これからも身を粉にして働く」と否定した。記者会見に先立ち、群馬県渋川市で後援会幹部らに経緯を説明し、理解が得られたという。

**********テレ朝News 2015年10月21日 00:45
元秘書2人が有罪の小渕氏謝罪 議員辞職は否定

 小渕優子元経済産業大臣が自身の政治団体を巡る政治資金規正法違反事件について会見し、責任を認めたうえで謝罪しました。一方で、議員辞職については否定しました。
 小渕氏は元秘書2人が有罪判決を受けたことについて、「収支については全く分からなかった」としたうえで、「私の責任も重いものと思っている」と謝罪しました。一方で、進退については「後援会総意で『今後も群馬のために頑張っていけ』という決議をもらった」と議員辞職を否定しました。また、大臣辞任後、事件に関する説明が1年後になったことについて「私としても早く説明したかったが、十分に内容が分からず、検察の捜査や裁判があったため」と述べました。

**********日経2015年10月21日1:33
小渕元経産相が謝罪 元秘書に有罪判決、議員辞職はせず
 小渕優子元経済産業相が20日、関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件に関して前橋市内で記者会見し「多くの皆様にご心配、ご迷惑をおかけし心からおわびする」と謝罪した。一方で「皆さまの期待に応えられるよう働く」と、議員辞職しない考えも示した。
 小渕氏が事件について公の場で説明するのは経産相を辞任した昨年10月以来、約1年ぶり。これまで発言を控えていた理由を「私自身、事件について何も知らなかった」などと釈明した。
 小渕氏の関連政治団体の収支報告書に架空の寄付金を計上したり、観劇会の収入を過少に計上したりして規正法違反罪に問われた元秘書の折田謙一郎被告(67)ら2人が今月9日、東京地裁で有罪判決を受けた。19日には小渕氏側が設置した第三者委員会が「小渕氏の監督責任は軽いと言えない」などとする調査結果を公表した。
 小渕氏は元秘書の有罪判決について「大変重く受け止めている」と述べた上で「今後は私自身がしっかり監督責任を果たしていきたい」と話した。

**********FNN News 2015年10月21日04:43
小渕元経産相、関連政治団体めぐる事件で謝罪 議員辞職はせず
 大臣を辞任してから、ちょうど1年を迎えた20日、小渕元経済産業相は、自らの関連政治団体をめぐる事件について謝罪した。
 小渕元経産相は「あらためて、心からおわび申し上げます」と謝罪した。
 この事件では、元秘書2人が有罪判決を言い渡されたが、小渕氏側が設置した第3者委員会は、「小渕氏は不正に関与していない」との調査結果を公表している。
 小渕氏は、会見で、「二度と起きないよう、監督責任を果たしたい」として、再発防止に努める考えを強調した。
 一方、自らの進退については、「これからも身を粉にして働く」と述べ、議員辞職する考えがないことを明らかにした。

**********日刊スポーツ[2015年10月21日9時45分 紙面から]
小渕氏おわび涙会見も逃げる政治家の完全払拭ならず
 小渕優子元経産相(41)は20日、地元の群馬県前橋市で会見し、自身の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件について「心からおわびします」と謝罪した。経産相辞任から丸1年の節目。「親・優子」の後援会幹部に「もう1度頑張れ」と後押しされたことを理由に、議員辞職は否定した。ただ、元秘書に任せきりだった政治資金の全容に関し、十分説明できない場面も。説明責任を果たすタイミングも遅れ、真の信頼回復には時間がかかりそうだ。
 経産相の電撃辞任から丸1年。小渕氏が自身の政治資金問題を、初めて詳細に語った。自民党県連で会見し「多くの皆さんに心配やご迷惑を掛けた。心からおわびしたい」と謝罪した。
 19日に公表された第三者委員会の調査報告書は、執行猶予付き有罪判決を受けた元秘書ら2人が収支報告書の不正処理を「主導」したと指摘。小渕氏は「法律上の責任はない」とした。
 小渕氏は「彼らのおかげで政治家としてまい進できた」とした上で、「当然私自身の責任は重い。2度とないようにしたい」「2人は今後私の仕事にかかわることはない」と強調。「何も知らなくていいということは、なかった。すっかり任せきりだった」の言葉通り、収支報告書記載の金額のズレについて質問され、「十分分からないことが大変悔しい」と、説明に窮する場面もあった。
 議員辞職ははっきり否定した。「この1年、身の処し方を考え悩んできたが、私1人で決められることではない」。後援会の「続投要請」を理由に挙げた。
 会見に先立ち、小渕氏は渋川市で後援会幹部50人との会合に臨んだ。今回の問題を正式に説明したのは初めて。父の故小渕恵三元首相時代からの支援者も多い「親・優子派」だ。出席者によると、小渕氏の謝罪を受けて行われた約1時間半の会合の大半は、第三者委員会の報告書の説明に費やされた。批判は出ず「説明を聞き、みんな納得した」(出席者の1人)という。
 この場で「もう1度群馬のために頑張れ」の声を受け、小渕氏は涙ぐみ「地元のためにこれからも頑張ります」と表明。続投は、有権者の一部である有力支援者の声で決まった。会合後は「将来は、先代のように」と、小渕氏を父恵三氏に重ねる支援者もいた。
 会見では、一部メディアの出席を拒否した。「早く報告したかったが、報告書を待っていた」と釈明したが、説明責任のタイミングも遅れた。「逃げる政治家」のイメージは、完全に消えていない。【中山知子】

**********毎日新聞 2015年10月21日 13時18分
<小渕衆院議員>記者会見、おわびに終始 「今後も説明続ける」 /群馬
 問題発覚から1年、自らの政治団体の不明朗会計から閣僚辞任、元秘書2人の有罪判決にいたった小渕優子衆院議員が20日、初めて公の場での説明に臨んだ。1時間余りの記者会見は何度も頭を下げ、おわびに終始。求められ続けてきた「説明責任」に対する回答は、自らが設置した「第三者委員会」の報告内容を繰り返すにとどまった。【高橋努、尾崎修二】
 「一連の事件に関し、後援会や支持者など多くの皆さんにご心配、ご迷惑をかけた。心からおわび申し上げたい」。小渕氏は昨年10月の問題発覚以来、さまざまな場で繰り返した言葉とともに平身低頭して記者会見の口火を切った。しかし、議員としての責任のあり方を問われると、後援会の意向や「第三者委員会」の報告内容を盾に、強気の姿勢を貫いた
 「議席をどうしていくかは私が決めることではない。(記者会見に先立つ)渋川市での後援会との会合で、今後も群馬のために頑張れとの激励をいただいた。身を粉にして働いていく」。用意した書面から目を上げ、背筋を伸ばして断言した。
 一方、昨年末の衆院選については「当選はしたが、(問題について)説明もできぬままの選挙だった。理解してもらっての当選とは考えていない」と述べ、今後も謝罪と説明を続けていくと弁明した。
 それでも、「第三者委員会」について「議員本人に寛容過ぎる。お手盛りとの批判もあるが」と問われると、「3人の委員とは面識もなく、公平公正な立場で仕事をしてきた方々。お手盛りをする必要もない。これ以上できないほど調査していただいた」と述べ、調査は終了したとの認識を強く打ち出した
 ◇支援者「全力で応援」 渋川で説明会、オンブズは質問状
 渋川市での会合は非公開。出席した支援者らによると、小渕氏は冒頭、「1年間、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と謝罪し、「第三者委員会」の弁護士が事件の経緯を説明した。出席者から「誤解が解けてよかった」「これからも頑張って」と声が上がり、小渕氏は「地元住民のために一生懸命頑張ります」と述べ、涙ながらにお辞儀したという。
 父の小渕恵三元首相の時代から選挙運動を支えてきた自民党の南波和憲県議(吾妻郡区)は会合後、「これからも今まで通り全力で応援していく」と話した。
 一方、小渕氏を東京地検特捜部に刑事告発した「市民オンブズマン群馬」は20日、「第三者委員会」の調査結果報告書には疑問点が多いとして、小渕氏に公開質問状を出したことを明らかにした。「3億円を超える巨額の簿外支出の使途について詳細を明らかにする義務がある」「収支報告書に目を通し、秘書たちを指導・監督する政治家としての役割をなぜ放棄してきたのか」と質問している。鈴木庸事務局長は「疑念が全く晴れない。堂々と公開の場で説明すべきだ」と話した。【杉直樹】
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■注目すべき報道ポイントを赤色で示してあります。1年間の沈黙のあと、自分の後援会に対して説明したら理解が得られたとして、続投を正当化する今回の姫の記者会見に関する報道を見る限り、疑惑が解消されたとは到底言えません。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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