市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

自らの言葉による説明責任の場となる「姫」の説明会で後援会がオンブズマンの傍聴参加を拒否

2015-10-20 22:48:00 | 政治とカネ
■本日10月20日午後3時から、渋川市内の渋川ホワイトパーク(〒377-0007 群馬県渋川市石原1600-1、TEL 0279-23-4122、URL http://www.okashinoshiro.jp/)で、小渕優子後援会によるイベントが開かれました。目的は、小渕優子・元経産相の政治資金に関する不正会計問題発覚から1年目のこの日に、後援会関係者を対象に説明するというものです。

ホワイトパーク周辺に大挙集まった報道陣ら。

正面玄関を入ると目前にあるInformationカウンター。

 市民オンブズマン群馬では、開催場所と時間に関する情報を八方手を尽くして調べた結果、上記の日時、場所で開催することを突き止め、代表、副代表、事務局長の3名で現地に向かいました。

 午後2時半ごろ現地に到着すると、既に30人前後のマスコミ関係者が詰めかけていました。聞いてみると、既に小渕代議士は到着済みで、現在、後援会幹部らが三々五々来場している状況だという事です。

 しばし玄関前で様子を見ていると、正面玄関の右手から一人の参加者が歩いてきました。そこで、その男性のあとについて、中に入ってみました。





■正面にInformationと書かれたカウンターがありましたが、その前に数人の男性が並んで、こちらにどうぞと誘導され、記帳台に案内されました。「後援会関係ですか?
」と聞かれたので、「いえ、市民団体の者です」と答えると、「えっ、どのような?」というので、「地元のオンブズマンですけど」と言った途端、「警護!警護!」という声がロビーに響きました。すると、2名の大柄な男がやってきました。聞いてみると警察官だと名乗りました。

 来客を仕切っていた後援会の小暮という担当者が「本日は、後援会関係者か党関係者だけに限らせていただいてます」というので、「えっ、有権者で一般市民でも参加できるのではないのですか?新聞記事で説明会があるから、わざわざ出かけて来たので、ぜひ出席させてくれませんか?」とお願いしました。

 しかし、何度もお願いしても出席させてもらえないことがわかったため、やむを得ず、「実際に本人からこれまでの経緯や我々の疑問点を説明してもらいたかったのですが、それが出来ないとなると、公開質問状を作ってきたので、それを本人に渡してもらえませんか?」と切り出しました。すると、小暮と名乗る担当者は「そういうことは外で話してください」と言って、当方を外に押し出そうとしました。

 当方は、「ちょっと待ってください。別にここで皆さんに迷惑をかけようというつもりはありませんので・・・」と言って、脇にある椅子に持ってきた鞄をおくと、中からファイルを取出し、あらかじめ準備してきた公開質問状を取り出し、「いくつか質問があるので、それらを列挙したものです」と質問内容を簡単に説明しました。

小暮氏は「ちょっと上に聞いてくる」と言って、中に入っていったので、当方はそこで5分ほど待っていました。すぐ前には警察関係者が2名見張っています。次々に、後援会関係者らが入ってきます。隣のテーブルには灰皿が置いてあったので、受付を済ませた男性がやってきて、タバコを吸い始めました。

 「ご苦労さんですね」と声をかけたところ、その男性は「なんか、永田町みたいだねえ」と感想を言いました。「たしかに、こんなにマスコミが集まっているとは思いませんでした」というと、その男性は「やはり小渕の事件で、良くも悪くもこんなふうに注目されるんだねえ」と語りました。

 まもなく小暮担当が戻ってきて、「やはりこれはここでは預かれません」というので、では「この後、前橋市内で記者会見をする予定だと聞いていますが、いつどこでやるのですか?」と聞きました。すると同担当は「自民党県連本部の県政会館の予定だが、時間はまだ分からない」と言いました。

 そこで「では、このあと県連に行って、幹事長か、事務局長に渡せばよいでしょうか?」と提案しましたが、「預かっても、関係者は多忙なので、紛失すると困るので、郵送で事務所あてに送ればよい」ということで、やはり公開質問状を受け取ってもらえませんでした。

 しかたがないので、正面玄関から外に出ると、マスコミ関係者らが、興味深そうに近寄ってきました。そこで、さきほどの顛末を話し始めたところ、またたく間にテレビカメラと記者らに取り囲まれ、インタビューを受けました。その要旨は、公開質問状に記載の事項を要約したものです。

 マスコミ関係者は、皆さん、公開質問状の内容に関心がある様子だったので、地元の幹事社に原稿を渡し、それをコピーして各社に配布することになりました。

■ちなみに公開質問状の内容は、次の通りです。

*********
                          2015年10月20日
〒370-3521 群馬県高崎市棟高町439-1
小渕優子 高崎後援会事務所 気付
衆議院議員 小 渕 優 子 様
                    市民オンブズマン群馬
                     代表 小川 賢
        公 開 質 問 状
 拝啓、貴殿ますますご清栄のこととお慶び申しあげます。
 当会は、群馬県において、行政を外部から監視し、行政による税金の無駄遣いや関連する権限を不当に行使することによる住民・関係者の権利・利益の侵害に対する調査及び救済の勧告を図る活動をしているボランティア団体です。
 さて、貴殿の政治資金を巡る不正会計処理にかかる今回の不祥事について、当会はこれまで公職選挙法及び政治資金規正法等の違反容疑で、東京地検に告発をしてまいりましたが、最終的には現在、旅行業法違反を除き、既に貴殿に対する不起訴処分が下され、東京第6検察審査会によっても、当会の審査申立ての結果、不起訴処分相当の議決が下されております。
一方、貴殿の元秘書2人は在宅起訴をされ、政治資金規正法による違反行為を法廷で全て認め、先日10月9日の東京地裁の判決言渡しで、執行猶予付き有罪判決が下されました。
そして、本日、貴殿は地元群馬で、今回の不祥事に関する説明を始めて行う機会を持たれるそうですが、貴殿を告発してきた当会として、この不祥事についての事実関係の確認を行う必要があると考えております。
 つきましては今回、本日の貴殿の説明の中で触れる予定の事項と重複するものもあるかもしれませんが、次の質問をさせていただきます。

1.公職選挙法違反容疑について

質問1-1
 今回貴殿がメディアや国会で追及された中には、貴殿の後援会が毎年行っている観劇会の収支が2000万円以上も政治団体の持ち出しになっていることが挙げられました。観劇会費用の肩代わりは公職選挙法で禁じている「有権者への寄付」に当たり、直ちに刑事事件に関わり、秘書が貴殿の名義のもとに実行したとしても、畢竟、連座制の適用を受け、貴殿の議員資格に関わってきます。貴殿はこの問題について、国会の答弁で、詳細を把握していなかったことを認め、「事実を調べる」としていましたが、「知らないで済む問題ではない」とも述べていました。また、昨年10月20日の辞任会見で貴殿は、それまでの調査の結果だとして、観劇会に参加した人からは1人1万2000円の参加費を徴収していたという銀行預金の通帳のコピーを示して、報告書の記載が正しくなかったと話し、寄付行為や買収ではないと強調しました。結局、この件は、司直によって、秘書による収支報告書への虚偽記載・不記載として片づけられてしまいましたが、実際の収支はどうだったのでしょうか? 参加者への寄付行為はあったのでしょうか? それとも、黒字で参加者から寄付を受けた形になっているのでしょうか? 領収書などの証拠とともに、昨年10月に開催した観劇会を含め、できるだけ過去に遡って、毎回開催毎の詳しい収支の内訳を明らかにしてくださいますか?

質問1-2
 貴殿の写真をラベルにした、いわゆるオブチワインのセットを選挙区民に送った疑惑について、貴殿は、辞任会見でこの件に触れて、当該ワインの存在は知っているが、選挙区内にワインを配ったことはないと否定しています。一方でマスコミ報道もされているように、地元選挙区内の有権者、それも複数の者に配布したことが確認されています。この食い違いを含め、ワインの作成の目的、製造、配布の経緯について説明して頂けますか?

質問1-3
 貴殿の元秘書らの判決では、裏金捻出について触れています。3億円を超える巨額の簿外支出の使途はいったい何だったのでしょうか? 貴殿には詳細をあきらかにする義務があると思いますがいかがでしょうか?

質問1-4
 貴殿はそうした巨額の簿外支出のことは知らなかった、司直に説明しているのでしょうか。もしそうであれば、終始報告書に目を通し、秘書たちを指導・監督する政治家としての役割をなぜ放棄してきたのでしょうか?

2.その他、政治的あるいは道義的責任について

質問2-1
 貴殿の政治団体が支払った贈品のなかにベビー用品、化粧品、下仁田ねぎなどが含まれていました。さらに親族の企業からの物品購入のための支出もありました。例えば、昨年11月28日に公表された平成25年分の政治資金収支報告書で、貴殿の資金管理団体「未来産業研究会」が、25年分も親族企業への支出や「ネギ代」として計186万282円を計上していました。24年分以前の報告書でも同様の記載がありました。
 未来産業研究会の25年分報告書によると、貴殿の実姉夫妻が経営するブティック「コンセプション」(東京都港区)へ、組織活動費で「品代」として10回にわたり、計62万4382円、また、地元農家へネギ代として2回、計123万5900円を支出していました。
 貴殿は当時、「県外の人への贈答用。公私の区別は付けている」と説明していましたが、同時に貴殿の事務所は「刑事告発を受けている関係で、コメントは控えさせていただく」と述べていましたが、あらためて質問します。こうしたネギや私的物品の購入については、政治資金で賄うべきものなのでしょうか?また、こうしたネギや私的物品の購入について、選挙区民への贈答用は含まれていたのでしょうか?

質問2-2
 貴殿の昨年10月20日の辞任会見後、東京地検特捜部が10月30日以降、政治資金規正法違反の疑いで、貴殿の後援会の事務所や元秘書の自宅や町役場などを家宅捜索した際、パソコンのデータなどを保存するハードディスク(HD)が捜索以前に破壊されていたことが後日判明して報道されました。貴殿の辞任会見の前後から、10月30日の捜索着手までの間にパソコンが破壊された可能性がありますが、このことについて、貴殿は元秘書らからいつ報告をうけていましたか? また、このパソコン破壊により、簿外支出の詳細情報等はすべて失われたことになりましたが、貴殿は、事務所のパソコンのHDがドリルで穴を変えられて破壊されたことを聞いて、どのような感想を持ちましたか?

質問2-3
 貴殿の昨年10月20日の辞任会見とほぼ同じころ、貴殿の元秘書だった中之条町長(当時)が突然、町議会議長に辞表を出して、その日の午後からしばらく行方が分からなくなりました。そこで質問があります。一部の報道によると、貴殿の元秘書は、貴殿の拠点でもある議員会館からほど近い東京都内のホテルに向かったということです。当然、貴殿にも連絡があって、その日に元秘書と面談したと思われますが、その時、他に誰が同席して、どのような話をしたのでしょうか?

質問2-4
 貴殿は昨年まで、毎年秋に、後援会名義で観劇会を開催してきました。その際、旅行業法に基づく登録など、必要な手続きを済ませていましたか?

なお、貴殿のご回答を得た上で、あるいは得られなかったときに、記者会見で回答の有無及び内容を明らかにしてまいりたいと考えます。同時に当市民オンブズマン群馬のホームページ上でも明らかにし広く群馬県民に広報してまいる所存です。つきましては、平成27年10月27日(火)限り、下記にFAXにてご回答いただきますよう、お願い申し上げます。
          記
市民オンブズマン群馬  事務局長 鈴木 庸
〒371-0801 群馬県前橋市文京町1-15-10
電話027-224-8567  FAX027-224-6624
                    敬具
**********

■その後も、ポツリポツリと参加者が正面玄関から中に入っていきました。なかには、安中市の滝本夏代・元市議らや、同じく安中市区選出の岩井県議が議長として参加していました。

岩井県議会議長の公用車。運転手は議会事務局の職員。

 午後3時から後援会主催の会議が始まりましたが、中でどのような話がされているのかどうかは、皆目わかりませんでした。


第三者委員会の関係者を乗せて来た世田谷ナンバー車。窓には二重に遮光フィルムが貼ってあり、内部が見えない。それほどまでに人目に見られたくない職業なのだろうか。


姫を乗せて来た品川ナンバー車。これも窓に遮光フィルムが貼ってある。

 テレビ局のスタッフは、ときどき、会場のホワイトパークの建物をバックに、今回の事件と後援会の会議について解説をしたりしていました。

 我々も記者の質問に答えたり、あるいは、記者らと雑談をしたりして、会議の終わるのを今や遅しと待っていました。

 テレビ局の関係者は、なんとか小渕代議士の映像をものにしようと、強い使命感に燃えている様子がうかがえました。


会議の終わるのを待つ報道陣。

■結局、会議が終わったのは4時半過ぎらしく、安中の滝本・元市議らは割合早く外に出てきました。

午後4時30分になり、玄関に横付けされた品川ナンバー車。

早くも4時32分に会場を後にした元安中市議ら(画面中央奥)。

報道陣に集会の様子を話す平田幹事長。

 小渕代議士がようやく出てきたのは4時45分でした。無言のまま、待機するマスコミのカメラの放列やぶら下がり取材を試みる記者らをかいくぐって、正面玄関先の横付けされたワゴン車に、飛び込むように乗り込みました。

集会が終わり、飛び込むように車に乗り込んだ姫。午後4時45分。渋川ホワイトパークにて。

姫を乗せるや否や、次の会見場である自民党群馬県連の県政会館に向けてスタートする品川ナンバー車。

 その後、後援会の幹部らが正面玄関周辺で、マスコミ陣に取り囲まれてインタビューを受けていました。それらから、漏れ聞こえるところでは、小渕代議士は「身を賭して代議士を続ける」と宣言したようです。質疑応答では、第三者委員会の委員長の弁護士がこの事件の概要を説明したそうです。その内容は、昨日東京で行った第三者委員会の調査報告と同じようなものだったそうです。また、質問では、小渕代議士に対する厳しい言葉は皆無で、批判めいたことを聞いたものは一人もいなかったそうです。


高齢にもかかわらず、記者らのぶら下がり取材に応じる柳澤本次会長ほか。

本日の式次第。平田幹事長が司会として使用したもの。
〔小渕優子後援会幹部役員県議団合同会議次第(案)〕
                    H27.10.20(火)15時
                    於)ホワイトパーク
             司会 平田英勝総連合会幹事長
1.開会のことば          司会
1.挨拶                柳澤本次総連合会長
                    小渕優子
1.報告               第三者委員会
     ― 質 疑 ―
1. 挨拶               南波和憲県議団長
                    眞塩光枝総連合会女性部長
                    小渕優子
1.閉会のことば          司会


■小渕優子後援会の幹部らの話によれば、午後5時前に、ホワイトパーク正面玄関を車で出発した小渕代議士は、午後5時半ごろ群馬県自民党県連の本拠地にある県政会館で、マスコミ対象に記者会見を行う予定とのことでした。

 参加した関係者らの話をきいた感想としては、本日の小渕優子後援会の会合は、委員会のような、本来、中立性を最重要視すべき組織でさえも、小渕優子のイメージを悪くしないことを一義的に考えている組織であることがうかがえました。

 したがって、小渕優子代議士にとっては、居心地の良い集会だったに違いありません。また、前橋市内の自民党県連の県政会館でも記者会見を行うというので、初めは代議士本人が今回の不祥事件に関する説明責任をどう果たすのか、本人の肉声を聞きたいと思っていましたが、どうやら自民党県連での記者会見は、永田町のマスコミ各社の幹事社がしきるのではなくて、地元のマスコミ各社の幹事社が仕切るという事で、入場できる者を永田町レベルよりもさらに厳しく制限するようなので、当会としては出席をあきらめざるをえませんでした。

 こうして、主目的である小渕代議士から直接、今回の事件に関する説明責任の果たし振りを話してもらいたかったのでしたが、残念ながら、それは叶いませんでした。

 帰宅後、自民党県連で記者会見する小渕代議士の姿が放映されているのをテレビで見ました。おそらくこれで、マスコミも含めて、今回の一連の問題の幕引きがシナリオどおり、完結することになると思われます。


さっそく報じた首都圏ニュースでの姫の会見風景。

 しかし、そのままにしておけば、再発防止になりません。そのため、当会では、本日午後7時ごろ、前橋市中央郵便局から、小渕代議士宛に前述の公開質問状を提出したのでした。

■なお、本日の集会で、確認しておくべき次の事項が見つかりました。

①大臣でもない、いち国会議員を、地元群馬県警が警備(警護)した「サービス警護」。これは、警察庁に聞こえたら重大なミスになる筈であること。ちなみに本日の小渕後援会の集会には、ロビーに2名、建物の前の道路に2名の警察官が警護にあたっていた。

②小渕代議士の個人的な後援会行事に、「群馬県議会議長が公用車で、群馬県庁職員を運転者に添えて同席した」こと。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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大同スラグ問題を斬る!…スラグ不法投棄撲滅を目指すリットン調査団の目(その3)

2015-10-20 01:34:00 | スラグ不法投棄問題
■引き続き、毎日新聞の記者の目で取り上げられた大同特殊鋼の内部資料を、当会の視点で考察していきましょう。今回は次の内部文書をご覧ください。



 この文書は、「三者 定例製造/販売管理会議 実施記録」と銘打たれています。

 会議場所は、「佐ト建設打合せ場」とあり、佐藤建設工業で行われていたことがわかります。会議の始まりは13:30ですが、時間的にみて、その前に佐藤から昼食が提供されたかもしれません。とすれば、スラグマネーで佐藤が準備した、我々庶民が決して味わえない豪華昼食・お弁当に舌鼓を打って、大同様はさぞかしご満悦であったことでしょう。

 これはホンの一例にすぎません。お昼のお弁当に留まらず、スラグマネーは循環して大同社員にも還元されていたのではないのでしょうか?

 この会議の出席者として、佐藤建設工業・山田部長の名前が見えます。この期に及んでも、ブラック佐藤は、「知らない。大同の指示に従っただけ」と言うのでしょうが、そんなに世の中を甘くみているのでしょうか?大同スラグにフッ素や六価クロムなど有害物質が含まれていることを知っている佐藤建設工業だからこそ、平気な顔でそう言い放てるのかもしれません。

■前回の“リットン調査団の目(その2)”で、フッ素だけでなく、発がん性物質である猛毒六価クロム入りの有毒スラグが、佐藤建設工業により、ぞんざい(=いい加減)に県土にバラ撒かれてしまったことをお伝えしました。

 そのことを指摘した毎日新聞のインタビューに対して、ブラック佐藤建設工業社長は、「混入がわずかであれば有害物質の影響は低いから障害はない」などと、独自の見解を平然と言いのけていました。

 このように自分勝手なブラック企業に、危険な六価クロムやフッ素を含む有害物質を取り扱わせてはいけません。佐藤建設工業は何度も、大同、大同エコメットとの三者会議に参加し、F値などをコントロールする説明を大同側から受けています。有毒物質がスラグに含まれていることを承知で砕石に混入し、県土にバラまいてしまったのです。

「六価クロムはどこへ行ってしまったのか?」、ブラック佐藤にこう訊ねても、お決まりの「わからない」という答えしか返ってこないのでは、我々住民の不安はますます募ります。ブラック佐藤社長の勝手発言については、次のブログを参照してください。
○2014年12月26日:大同有毒スラグ問題を斬る!…サンパイ不法投棄で刑事告発をしない群馬県行政の不思議
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1493.html
 
■もう少し大同の内部文書を見ていきましょう。次の手書きのキーワードが読み取れます。

「RCコンクリートを念頭」
「来春に間に合うよう名称から見直す」
「赤本に入れてもらう(何度でも通う)」


 これらは、砕石会社と建設会社を両方経営し、公共工事のしくみを熟知した佐藤建設工業の入れ知恵によるメモ書きであると想像されます。毎日新聞の報道では、ブラック佐藤は県職員の天下りも受け入れているようなので、この疑惑は真実性を帯びてきます。

 建設リサイクル法が施工され、公共事業から発生する建設廃材を適正に処分するために、公共事業で使用する再生砕石は「コンクリート・アスファルト等」に分類されています。しかも、「経済性にかかわらず実施する」と定められており、コンクリート・アスファルト再生砕石の優先使用が決められているのです。そのことを佐藤に入れ知恵され、大同が「RCコンクリートを念頭」とメモ書きを加えたのでしょう。

 群馬県の公共工事は、「群馬県建設工事必携」に従って施工されます。だから、佐藤の入れ知恵で、この通称“赤本”と呼ばれる工事必携に、スラグ混合砕石をいれてもらうよう、つまり、「赤本に入れてもらう(何度でも通う)」とメモ書きされたのでしょう。

 偽装の再生砕石では、いつか、だれかに不法投棄疑惑を指摘されかねません。だから、大同の担当者により、「来春に間に合うよう名称から見直す」ことにしたのでしょう。「名称を見直す」ということは、「スラグ混合再生砕石」から「再生」の文字を取る事を指していることと考えられます。ですが、ブラック佐藤は、「再生」の文字を取ってしまうと、公共事業では売りづらくなる事を知っていたのです。

■このように、ブラック佐藤建設工業は会議場所を自社内に用意し、山田部長を参加させるなどして、積極的に大同と会議を重ね、豊富なスラグマネーを大同社員にも還元することにより、次第に大同社内における自社の地位を高めていったと推察されます。そして、その努力が報われ、「ブラックで自分勝手ではあるが、佐藤の都合がよいように取り計らわねば・・・」というふうに、大同を誘導していったのではないのでしょうか?

 その証拠に、途中から逆有償取引に関わる運賃補助が、爆発的に多額になったことからも、スラグマネーの循環工作が功を奏したことが、うかがい知れます。佐藤建設工業は、ブラック企業としてのお決まり文句である、「大同の指示に従っただけ」、とか「わからない」などと、毎日新聞の取材に答えています。しかし、この内部資料は、「それらは真っ赤な嘘だ」と、雄弁に語っているのでは、ないのでしょうか?

■このように佐藤建設工業は、大同の有害スラグの不法投棄に、カネ目的で積極的に関わってきたのです。しかも、県警による強制捜査を受けた後も、「事なかれ主義」、あるいは「隠蔽体質」の国土交通省の対応をこれ幸いに、ブラック佐藤建設工業のスラグ運搬車が、何事もなかったかのように、国土交通省の上武道路工事現場で、我が物顔で走り回っています。

 有害スラグは、「大量に行方不明」と報道されています。「隠していた有害スラグを少しずつ分からないように処分しているのではないか」・・・得体の知れないブラック佐藤建設工業の建設資材による環境への影響を心配する住民の不安は募るばかりです。


↑9.11強制捜査当日。この日も何事もなかったかのように、盛り土を納入する佐藤建設工業のスラグ運搬車。白だけでなく、佐藤を象徴するブラック色のスラグ運搬車もあるようだ。お近くの建設現場で見かけた記憶があるかたは、大同の有害スラグ不法投棄ダイアルに電話をかけて調査してもらおう。
大同特殊鋼株式会社 総務部広報室TEL:0120-170-030 (フリーダイヤル)



↑瞬くうちに積み上げられた補強土壁。その向こう側に、ブラック佐藤の盛り土が大量に盛り上げられている。この下には大量の有害スラグが不法投棄されていたが、キチンと撤去したのだろうか?直下の土壌も調査の上、撤去されたのであろうか?↑

■佐藤建設工業は、その販売する全ての資材に有害スラグを違法に混入させていました。ルール上、天然石であるべきところ有害スラグを混入させてしまった納入業者は、納入した不良建設資材を全て撤去し、施主に対してペナルティーを払わなければなりません。それが“ジョーシキ”というものです。きちんとケジメをつけない限り、新たな建設資材の納入など認められるはずがないのです。

 ところが、上記の通り、上武道路工事の施主である国土交通省は、不法投棄の実行者であるブラック企業に、引き続き建設資材の納入を許しています。この国土交通省の方針は“ジョーシキ”とかけ離れています。つまり、狂っていると言わざるを得ないのです。

 昨年夏、一瞬ですが、国土交通省も佐藤建設工業の盛り土を使うのを止めたことがありました。しかし、同年秋には再開し、今年9月11日に、大同や佐藤に対する県警による強制捜査があってからも、佐藤からの納入が続いています。このことは一体何を意味するのでしょうか?まさか、国土交通省にもスラグマネーが回っている、なんていうことはないでしょうね?

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

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