■連日スラグ報道が続く中、皆様いかがお過ごしでしょうか? ブラック佐藤建設工業のスラグ運搬車が9.11強制捜査の後も、何事も無かったかのように走りまわっていますが、スラグ報道の方は更にヒートアップしています。昨日も毎日新聞が渋川市のスラグ対応について報道していますので、見ていきましょう。
**********毎日新聞 2015年10月27日 地方版
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20151027ddlk10040024000c.html
鉄鋼スラグ問題:大同特殊鋼に対策費を請求へ 渋川市が方針転換 /群馬
大同特殊鋼渋川工場から有害物質を含む鉄鋼スラグが排出された問題で、渋川市は市発注工事に使われたスラグの対策費を大同側に請求する方針を固めた。阿久津貞司市長は毎日新聞の取材に「市民感情を考えれば応分の負担を求めざるを得ない」と説明した。
県によると、渋川市が施工した工事の72カ所でスラグ使用が確認されており、フッ素などが環境基準を超えたのは49カ所。国、県、市による連絡会議は11月にも第3回会合を開き、今後の方針を議論する。スラグの処理方法としては撤去のほか、盛り土やアスファルトで覆う方法が想定されている。
渋川市では約2年前に問題が表面化。公共施設の駐車場や公園でもスラグ使用が判明し、立ち入りが規制された。スラグがむき出しの現場も30カ所以上あり、健康への悪影響が懸念されてきた。
市議会は今年6月、措置計画の早期策定を市に求める決議を賛成多数で可決。市の担当者は「国や県との連絡会議で示された対応を取る」と繰り返したが、国土交通省は4月、大同に対策費用を全額負担させる方針を明らかにしている。国交省は既に八ッ場ダムの移転代替地や国道17号の一部でスラグ撤去に着手。前橋市も大同に撤去費用を出すよう求め、協議を重ねている。
渋川市は問題発覚直後に「大同側に対策費を請求しない」との方針を表明して市民に行政訴訟を起こされ、大同側が任意で撤去費用を市に支払ったこともあった。県警は9月、廃棄物処理法違反容疑で大同特殊鋼の本社や工場を家宅捜索し、強制捜査に乗り出している。県がスラグを「廃棄物」とみなし刑事告発したことで、渋川市は方針転換を余儀なくされた形だ。
【高橋努、尾崎修二】
**********
■今回も、この報道記事のポイントを整理してみましょう。
①阿久津貞司市長は毎日新聞の取材に「市民感情を考えれば応分の負担を求めざるを得ない」と県がスラグを廃棄物と判定したことを契機に方向転換し、スラグ対策費用を大同側に求める理由を説明したこと。
②渋川市では2年前から問題が表面化し、健康への悪影響が懸念されてきたこと。
③今年6月、渋川市議会の早期措置計画策定の決議に、市は不誠実な対応をしてきたこと。
◆ポイント①について
この報道では、「渋川市は問題発覚直後に『大同側に対策費を請求しない』との方針を表明して市民に行政訴訟を起こされ、大同側が任意で撤去費用を市に支払ったこともあった。」と、住民訴訟にも触れています。渋川市の及び腰の体たらくを見かねて、市民が行政訴訟まで起こし実質的に勝訴しているのですから、これが市民感情というものではないでしょうか?
この時渋川市は、この市民感情を“戦い”ました。市民からの行政訴訟に対して応訴したのです。結果は、スラグ撤去に要した費用を原因者の大同特殊鋼が負担することが提訴後、渋川市と大同との間で取り決められたため、前橋地裁の裁判長は、「訴えの理由がない」として原告住民の請求を棄却しました。結果的には、住民訴訟の提起が引き金となって、大同側が撤去費用の負担を渋川市に申し出たので、住民側の目的は達成されたのですが、裁判上は「敗訴」とされています。
○2015年2月3日:行政の腐敗・怠慢を監視するどころか増長させる前橋地裁・原道子裁判長の仰天判決!↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1522.html#readmore
こうした経緯を顧みることなく、渋川市はこの期に及んで「市民感情を考えれば応分の負担を求めざるを得ない」などと良く言えたものです。渋川市民としては、“住民感情など関係ない。あくまでも大同様の御為に戦いたい”というのが渋川市の本音ではないか、という不審感がぬぐいきれないでしょう。
「スラグ対策費用を大同側に求める」ようですが、どのような対策になるのか予断を許しません、なぜなら“大同様の御為、大同様の立場に立った、大同様ご機嫌おうかがい主義に基づいて、スラグ対策を画策しているのではないか?”と疑われるからです。事実、上記の記事においても「スラグの処理方法としては撤去のほか、盛り土やアスファルトで覆う方法が想定されている」として、安易な、“臭いものに蓋”的な対応策も視野に入れているからです。
まずは、速やかな撤去を今か今かと待ち望んでいる現場の一例です。
↑渋川市立古巻小学校の裏門の様子。↑
↑アスファルトにまじってサビ浮石が発見されています。有害スラグに間違いありません。住民感情の怒りは頂点を通り越しています。今すぐ、渋川市お得意の緊急性随意契約で有害スラグを袋詰めして撤去し、大同様の庭に仮置きしていただくよう、お願いします。お役人様は住民感情がお分かりなのですから、当然そうしますよね。↑
◆ポイント②について
毎日新聞の記事では、「渋川市では2年前から問題が表面化し健康への悪影響が懸念・・・」とだけ報道しています。「直ちに健康に影響をあたえるものではない」とする渋川市の対応に呆れ果てて、渋川市民に精神的苦痛を与えぬよう配慮しています。「直ちに・・」などといい加減な対応は迷惑千万、そこに暮らす市民にとって苦痛以外の何物でもありません。さすが全国紙と感心いたします。
◆ポイント③について
市民の代表である市会議員からなる渋川市議会が、今年6月、スラグ撤去の措置計画の早期策定を市に求める決議を、賛成多数で可決しています。しかし、市の担当者は、「国や県との連絡会議で示された対応を取る」と繰り返すだけで、何もしませんでした。
毎日新聞は、「国土交通省は4月、大同に対策費用を全額負担させる方針を明らかにしている。」、また、「国交省は既に八ッ場ダムの移転代替地や国道17号の一部でスラグ撤去に着手。前橋市も大同に撤去費用を出すよう求め、協議を重ねている。」と、国や前橋市は積極的に対策に向けて動き出しているのに、渋川市は「国や県」の対応待ち、として、口から出まかせで住民を欺き、何の対策も取っていない渋川市の対応を、きちんと指摘しています。
誰も目から見ても、渋川市の対応は「大同様ご機嫌おうかがい主義」にもとづく、誰もが呆れる対応です。上記の報道記事は、それを簡潔に表していると言えます。
■住民感情の結晶、スラグ住民訴訟についてはこちらをご参照ください
○2014年11月18日:大同有毒スラグ問題を斬る!…オンブズマン提訴で分かった渋川市の超法規的対応と大同特殊鋼との癒着↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1463.html
【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
**********毎日新聞 2015年10月27日 地方版
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20151027ddlk10040024000c.html
鉄鋼スラグ問題:大同特殊鋼に対策費を請求へ 渋川市が方針転換 /群馬
大同特殊鋼渋川工場から有害物質を含む鉄鋼スラグが排出された問題で、渋川市は市発注工事に使われたスラグの対策費を大同側に請求する方針を固めた。阿久津貞司市長は毎日新聞の取材に「市民感情を考えれば応分の負担を求めざるを得ない」と説明した。
県によると、渋川市が施工した工事の72カ所でスラグ使用が確認されており、フッ素などが環境基準を超えたのは49カ所。国、県、市による連絡会議は11月にも第3回会合を開き、今後の方針を議論する。スラグの処理方法としては撤去のほか、盛り土やアスファルトで覆う方法が想定されている。
渋川市では約2年前に問題が表面化。公共施設の駐車場や公園でもスラグ使用が判明し、立ち入りが規制された。スラグがむき出しの現場も30カ所以上あり、健康への悪影響が懸念されてきた。
市議会は今年6月、措置計画の早期策定を市に求める決議を賛成多数で可決。市の担当者は「国や県との連絡会議で示された対応を取る」と繰り返したが、国土交通省は4月、大同に対策費用を全額負担させる方針を明らかにしている。国交省は既に八ッ場ダムの移転代替地や国道17号の一部でスラグ撤去に着手。前橋市も大同に撤去費用を出すよう求め、協議を重ねている。
渋川市は問題発覚直後に「大同側に対策費を請求しない」との方針を表明して市民に行政訴訟を起こされ、大同側が任意で撤去費用を市に支払ったこともあった。県警は9月、廃棄物処理法違反容疑で大同特殊鋼の本社や工場を家宅捜索し、強制捜査に乗り出している。県がスラグを「廃棄物」とみなし刑事告発したことで、渋川市は方針転換を余儀なくされた形だ。
【高橋努、尾崎修二】
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■今回も、この報道記事のポイントを整理してみましょう。
①阿久津貞司市長は毎日新聞の取材に「市民感情を考えれば応分の負担を求めざるを得ない」と県がスラグを廃棄物と判定したことを契機に方向転換し、スラグ対策費用を大同側に求める理由を説明したこと。
②渋川市では2年前から問題が表面化し、健康への悪影響が懸念されてきたこと。
③今年6月、渋川市議会の早期措置計画策定の決議に、市は不誠実な対応をしてきたこと。
◆ポイント①について
この報道では、「渋川市は問題発覚直後に『大同側に対策費を請求しない』との方針を表明して市民に行政訴訟を起こされ、大同側が任意で撤去費用を市に支払ったこともあった。」と、住民訴訟にも触れています。渋川市の及び腰の体たらくを見かねて、市民が行政訴訟まで起こし実質的に勝訴しているのですから、これが市民感情というものではないでしょうか?
この時渋川市は、この市民感情を“戦い”ました。市民からの行政訴訟に対して応訴したのです。結果は、スラグ撤去に要した費用を原因者の大同特殊鋼が負担することが提訴後、渋川市と大同との間で取り決められたため、前橋地裁の裁判長は、「訴えの理由がない」として原告住民の請求を棄却しました。結果的には、住民訴訟の提起が引き金となって、大同側が撤去費用の負担を渋川市に申し出たので、住民側の目的は達成されたのですが、裁判上は「敗訴」とされています。
○2015年2月3日:行政の腐敗・怠慢を監視するどころか増長させる前橋地裁・原道子裁判長の仰天判決!↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1522.html#readmore
こうした経緯を顧みることなく、渋川市はこの期に及んで「市民感情を考えれば応分の負担を求めざるを得ない」などと良く言えたものです。渋川市民としては、“住民感情など関係ない。あくまでも大同様の御為に戦いたい”というのが渋川市の本音ではないか、という不審感がぬぐいきれないでしょう。
「スラグ対策費用を大同側に求める」ようですが、どのような対策になるのか予断を許しません、なぜなら“大同様の御為、大同様の立場に立った、大同様ご機嫌おうかがい主義に基づいて、スラグ対策を画策しているのではないか?”と疑われるからです。事実、上記の記事においても「スラグの処理方法としては撤去のほか、盛り土やアスファルトで覆う方法が想定されている」として、安易な、“臭いものに蓋”的な対応策も視野に入れているからです。
まずは、速やかな撤去を今か今かと待ち望んでいる現場の一例です。
↑渋川市立古巻小学校の裏門の様子。↑
↑アスファルトにまじってサビ浮石が発見されています。有害スラグに間違いありません。住民感情の怒りは頂点を通り越しています。今すぐ、渋川市お得意の緊急性随意契約で有害スラグを袋詰めして撤去し、大同様の庭に仮置きしていただくよう、お願いします。お役人様は住民感情がお分かりなのですから、当然そうしますよね。↑
◆ポイント②について
毎日新聞の記事では、「渋川市では2年前から問題が表面化し健康への悪影響が懸念・・・」とだけ報道しています。「直ちに健康に影響をあたえるものではない」とする渋川市の対応に呆れ果てて、渋川市民に精神的苦痛を与えぬよう配慮しています。「直ちに・・」などといい加減な対応は迷惑千万、そこに暮らす市民にとって苦痛以外の何物でもありません。さすが全国紙と感心いたします。
◆ポイント③について
市民の代表である市会議員からなる渋川市議会が、今年6月、スラグ撤去の措置計画の早期策定を市に求める決議を、賛成多数で可決しています。しかし、市の担当者は、「国や県との連絡会議で示された対応を取る」と繰り返すだけで、何もしませんでした。
毎日新聞は、「国土交通省は4月、大同に対策費用を全額負担させる方針を明らかにしている。」、また、「国交省は既に八ッ場ダムの移転代替地や国道17号の一部でスラグ撤去に着手。前橋市も大同に撤去費用を出すよう求め、協議を重ねている。」と、国や前橋市は積極的に対策に向けて動き出しているのに、渋川市は「国や県」の対応待ち、として、口から出まかせで住民を欺き、何の対策も取っていない渋川市の対応を、きちんと指摘しています。
誰も目から見ても、渋川市の対応は「大同様ご機嫌おうかがい主義」にもとづく、誰もが呆れる対応です。上記の報道記事は、それを簡潔に表していると言えます。
■住民感情の結晶、スラグ住民訴訟についてはこちらをご参照ください
○2014年11月18日:大同有毒スラグ問題を斬る!…オンブズマン提訴で分かった渋川市の超法規的対応と大同特殊鋼との癒着↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1463.html
【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】