■本日10月28日の上毛新聞に「産業廃棄物の疑いを否定」という、ちょっと変わったタイトルの記事が掲載されました。渋川市のことですからスラグ問題なのでしょうか?見ていきましょう。
**********2015年10月29日上毛新聞
2015n1029v.pdf
産業廃棄物の疑いを否定
渋川市、北橘運動場工事で
渋川市は28日の定例会見で、建設中の北橘運動場(北橘町)造成工事に関し、産業廃棄物とみられる大量のコンクリート片が出たとの一部報道を否定し「見つかったのは石で、造成に伴い持ち込まれたもの」との見解を示した。
ただ市の聞き取りに対し、業者は本来周辺の土砂で造成すべき所を、量が不足したため市と協議を行わずに外部の土砂で施工したなどと説明。市は工事が不適切だったとして、石を搬出した上で造成工事をやり直すよう業者に指示する。来年9月の完成工事予定時期は変わらないとしている。29日に議会に対して説明する。
**********
■この北橘運動場における擁壁崩壊災害については、以前、スラグの不法投棄ではないか、として当会でも注目し、調査検討を行いました。その結果、どうやらコンクリートの不法投棄の疑惑であることが分かりました。こちらを参照してください↓
○2015年10月11日:大同スラグ問題を斬る!・・・渋川市の対応「ここが変だよ」番外編その1↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1755.html#readmore
前述の上毛新聞記事では「産業廃棄物の疑いを否定」と題しているので、不法投棄を否定したいという渋川市の思惑が感じられますが、この報道のポイントを整理してみましょう。
①渋川市は定例会見で北橘運動場のコンクリート不法投棄疑惑を「見つかったのは石で、造成に伴い持ち込まれた」との見解を示し、産業廃棄物ではないと朝日新聞の報道を否定したこと。
②この工事を施工した業者は、市と協議を行わず外部から土砂を運び入れたこと。
◆ポイント①について
建設中の北橘運動場造成工事に関し、産業廃棄物とみられる大量のコンクリート片が発見されたとの10月10日付の朝日新聞の報道を、渋川市は全面否定し、「見つかったのは石」との独自の見解を示しています。ここでまず問題となるのは、例え「石」であろうと、不要になったものを廃棄すれば、がれき類という分類の産業廃棄物となることがあるのです。「造成に伴い持ち込まれた」のですから、処分に困り投棄された可能性もあり、その場合には産業廃棄物にあたります。この点、渋川市の産業廃棄物に対する認識は甘すぎます。ですからブラック佐藤建設工業などに侮られ、市内のあちこちに有害スラグを不法投棄されてしまったのです。
全国紙である朝日新聞が、不法投棄されたものが石ではなくコンクリートであることについて、憶測や思い込みで記事を書くでしょうか?基本的な取材のルールとして、そこには風評にたよらず、記者自身の目で確かめ、更に要所となる情報源のところへ取材をして、やっと記事として仕上がるのではないでしょうか?この問題でいえば、記者は市職員に事情を取材し、「見つかったのはコンクリート」であることを確認したうえで、報道しているのが通常の取材ルールのハズです。
本日の上毛新聞の報道をみて、疑問に思った渋川市民のかたが、当会に写真と情報を投稿してくださいました。さっそく見ていきましょう。この場を借りて、情報提供に対し、厚く御礼申し上げます。なお、当会ではメールにて情報を受け付けています。このブログの左下に「メッセージBOX」として、メール受付がありますので、コメントを寄せていただければ、ご案内メールを差し上げます。
↑サイズが1メートルを超えるコンクリート状のものが写真に写っています。20個以上掘り出され、今も現場で見ることができるそうです。ブルーシートに覆われているのが、梅雨時期に円弧滑りを起こしたコンクリートブロックだそうです。↑
↑そのうちの一つをアップで撮影した写真です。赤紫色に写っているのはアルカリに反応する試薬をかけたところ、見事に反応し、たちどころに赤く変色した箇所だそうです。コンクリートに間違いありません。試薬をかけなくたって、誰が見てもコンクリート片に見えるのではないのでしょうか?↑
↑この写真は、市職員による調査時にたまたま撮影された一枚だそうです。1メートルくらい掘り下げたところからコンクリート片が発見された様子がよく見えます。青い鞄をもった男性の足元がコンクリート片の一部です。またあちこちコンクリート片が散乱している様子も見えます。市職員もこうして実地で見ているのに、なぜ「石」だと強引に決めつけて、幕引きを図ろうとするのでしょうか?↑
◆ポイント②について
上毛新聞の記事によれば、渋川市の聞き取りに対し、建設業者は本来現場のなかの土砂を掘削・移動し造成工事を行うところを、量が不足したため、市と協議を行わず外部の土砂で施工したなどと説明した、と報道されています。
一方、朝日新聞の記事は「計画では、敷地外から土を持ち込むことはなく、傾斜地の高い場所の土を低い場所に移し替える工事だったといい、工事を請け負った建設会社は市の調べに、『なぜコンクリート片が混入したのかはわからない』と話しているという。」と報道しています。“傾斜地の高い場所の土を低い場所に移し替える工事”で、もし土砂の量が足りなった場合は、市と協議して必要量を市の予算で施工すればよいのです。
市と協議をせずに、請負業者が外部の土砂を持ち込むことをしたのは、そこに何か別な疑惑が隠されているのではないでしょうか?コンクリートの不法投棄疑惑だけでなく、良質な土砂の横流し・不法売却が隠されているように思えてなりません。
※補足情報:この盛り土は高さ3メートルほどあるそうです。コンクリート片は1メートル掘削したところから発見されたそうなので「造成に伴い持ち込まれたもの」と判断されたそうです。
■今回報道された事件は、有害スラグ問題ではなさそうですが、スラグ問題の発端の舞台となった渋川市ならではの象徴的な事件といえます。
10月28日付の上毛新聞の記事の結びも、10月10日付の朝日新聞記事の結びと同じく「議会に対して説明する」となっています。強引に議会において多数決で押し切ってしまおうと画策している渋川市の思惑が、このように報じられているのです。犯罪性のある事案であっても、渋川市では多数決で幕引きすればいいや、と考えていることがうかがえるのです。
■それにしても呆れ果てるのは、写真越しに誰が見ても、土木に不慣れな記者であっても、「コンクリート片」と見なせるモノを、渋川市は、強引に「石」だとする見解を定例会見で示しました。これは渋川市が、“見解の相違”として問題解決を図ろうとしている姿勢の表れだと思われます。
記者が慎重に取材を重ね、捨てられていた物体をコンクリートだと報道したのに、渋川市が、見解の相違でケリを付けようとするとは、何とも愚かな思考です。当会に写真を提供していただいた市民のように、試薬でコンクリートかどうかを確認するという姿勢が基本です。渋川市は、誰もが納得する方法を用いて、捨てられていた物質が何であるのかをきちんと証明するなどして、投棄された物体の材質の根拠を示して、問題の解決を図るという姿勢を市民に示さなければなりません。
■今回の事案は不法投棄問題です。脱税問題などではないのですから、“見解の相違”は筋違いです。なぜこのような愚かな解決方しか思い浮かばないのでしょうか?
渋川市は、市民の安全・健康よりも、高額納税者の立場を守ろうとばかり考えているのではないでしょうか?今回は建設業者のための取り計らいですが、究極は高額納税者・大同特殊鋼様の御為の取り計らい、という市行政の体質が透けて見えます。「大同様のご機嫌おうかがい主義」に基づいて、市の公有地を、有害スラグの不法投棄場所として、何のためらいもなく提供してしまう渋川市の体質が、今回の事件の下地にあるのです。
ここでまた、声高に叫んでみたいと思います。
「ここが変だよ、渋川市!」
【市民オンブズマン群馬・大同スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
**********2015年10月29日上毛新聞
2015n1029v.pdf
産業廃棄物の疑いを否定
渋川市、北橘運動場工事で
渋川市は28日の定例会見で、建設中の北橘運動場(北橘町)造成工事に関し、産業廃棄物とみられる大量のコンクリート片が出たとの一部報道を否定し「見つかったのは石で、造成に伴い持ち込まれたもの」との見解を示した。
ただ市の聞き取りに対し、業者は本来周辺の土砂で造成すべき所を、量が不足したため市と協議を行わずに外部の土砂で施工したなどと説明。市は工事が不適切だったとして、石を搬出した上で造成工事をやり直すよう業者に指示する。来年9月の完成工事予定時期は変わらないとしている。29日に議会に対して説明する。
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■この北橘運動場における擁壁崩壊災害については、以前、スラグの不法投棄ではないか、として当会でも注目し、調査検討を行いました。その結果、どうやらコンクリートの不法投棄の疑惑であることが分かりました。こちらを参照してください↓
○2015年10月11日:大同スラグ問題を斬る!・・・渋川市の対応「ここが変だよ」番外編その1↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1755.html#readmore
前述の上毛新聞記事では「産業廃棄物の疑いを否定」と題しているので、不法投棄を否定したいという渋川市の思惑が感じられますが、この報道のポイントを整理してみましょう。
①渋川市は定例会見で北橘運動場のコンクリート不法投棄疑惑を「見つかったのは石で、造成に伴い持ち込まれた」との見解を示し、産業廃棄物ではないと朝日新聞の報道を否定したこと。
②この工事を施工した業者は、市と協議を行わず外部から土砂を運び入れたこと。
◆ポイント①について
建設中の北橘運動場造成工事に関し、産業廃棄物とみられる大量のコンクリート片が発見されたとの10月10日付の朝日新聞の報道を、渋川市は全面否定し、「見つかったのは石」との独自の見解を示しています。ここでまず問題となるのは、例え「石」であろうと、不要になったものを廃棄すれば、がれき類という分類の産業廃棄物となることがあるのです。「造成に伴い持ち込まれた」のですから、処分に困り投棄された可能性もあり、その場合には産業廃棄物にあたります。この点、渋川市の産業廃棄物に対する認識は甘すぎます。ですからブラック佐藤建設工業などに侮られ、市内のあちこちに有害スラグを不法投棄されてしまったのです。
全国紙である朝日新聞が、不法投棄されたものが石ではなくコンクリートであることについて、憶測や思い込みで記事を書くでしょうか?基本的な取材のルールとして、そこには風評にたよらず、記者自身の目で確かめ、更に要所となる情報源のところへ取材をして、やっと記事として仕上がるのではないでしょうか?この問題でいえば、記者は市職員に事情を取材し、「見つかったのはコンクリート」であることを確認したうえで、報道しているのが通常の取材ルールのハズです。
本日の上毛新聞の報道をみて、疑問に思った渋川市民のかたが、当会に写真と情報を投稿してくださいました。さっそく見ていきましょう。この場を借りて、情報提供に対し、厚く御礼申し上げます。なお、当会ではメールにて情報を受け付けています。このブログの左下に「メッセージBOX」として、メール受付がありますので、コメントを寄せていただければ、ご案内メールを差し上げます。
↑サイズが1メートルを超えるコンクリート状のものが写真に写っています。20個以上掘り出され、今も現場で見ることができるそうです。ブルーシートに覆われているのが、梅雨時期に円弧滑りを起こしたコンクリートブロックだそうです。↑
↑そのうちの一つをアップで撮影した写真です。赤紫色に写っているのはアルカリに反応する試薬をかけたところ、見事に反応し、たちどころに赤く変色した箇所だそうです。コンクリートに間違いありません。試薬をかけなくたって、誰が見てもコンクリート片に見えるのではないのでしょうか?↑
↑この写真は、市職員による調査時にたまたま撮影された一枚だそうです。1メートルくらい掘り下げたところからコンクリート片が発見された様子がよく見えます。青い鞄をもった男性の足元がコンクリート片の一部です。またあちこちコンクリート片が散乱している様子も見えます。市職員もこうして実地で見ているのに、なぜ「石」だと強引に決めつけて、幕引きを図ろうとするのでしょうか?↑
◆ポイント②について
上毛新聞の記事によれば、渋川市の聞き取りに対し、建設業者は本来現場のなかの土砂を掘削・移動し造成工事を行うところを、量が不足したため、市と協議を行わず外部の土砂で施工したなどと説明した、と報道されています。
一方、朝日新聞の記事は「計画では、敷地外から土を持ち込むことはなく、傾斜地の高い場所の土を低い場所に移し替える工事だったといい、工事を請け負った建設会社は市の調べに、『なぜコンクリート片が混入したのかはわからない』と話しているという。」と報道しています。“傾斜地の高い場所の土を低い場所に移し替える工事”で、もし土砂の量が足りなった場合は、市と協議して必要量を市の予算で施工すればよいのです。
市と協議をせずに、請負業者が外部の土砂を持ち込むことをしたのは、そこに何か別な疑惑が隠されているのではないでしょうか?コンクリートの不法投棄疑惑だけでなく、良質な土砂の横流し・不法売却が隠されているように思えてなりません。
※補足情報:この盛り土は高さ3メートルほどあるそうです。コンクリート片は1メートル掘削したところから発見されたそうなので「造成に伴い持ち込まれたもの」と判断されたそうです。
■今回報道された事件は、有害スラグ問題ではなさそうですが、スラグ問題の発端の舞台となった渋川市ならではの象徴的な事件といえます。
10月28日付の上毛新聞の記事の結びも、10月10日付の朝日新聞記事の結びと同じく「議会に対して説明する」となっています。強引に議会において多数決で押し切ってしまおうと画策している渋川市の思惑が、このように報じられているのです。犯罪性のある事案であっても、渋川市では多数決で幕引きすればいいや、と考えていることがうかがえるのです。
■それにしても呆れ果てるのは、写真越しに誰が見ても、土木に不慣れな記者であっても、「コンクリート片」と見なせるモノを、渋川市は、強引に「石」だとする見解を定例会見で示しました。これは渋川市が、“見解の相違”として問題解決を図ろうとしている姿勢の表れだと思われます。
記者が慎重に取材を重ね、捨てられていた物体をコンクリートだと報道したのに、渋川市が、見解の相違でケリを付けようとするとは、何とも愚かな思考です。当会に写真を提供していただいた市民のように、試薬でコンクリートかどうかを確認するという姿勢が基本です。渋川市は、誰もが納得する方法を用いて、捨てられていた物質が何であるのかをきちんと証明するなどして、投棄された物体の材質の根拠を示して、問題の解決を図るという姿勢を市民に示さなければなりません。
■今回の事案は不法投棄問題です。脱税問題などではないのですから、“見解の相違”は筋違いです。なぜこのような愚かな解決方しか思い浮かばないのでしょうか?
渋川市は、市民の安全・健康よりも、高額納税者の立場を守ろうとばかり考えているのではないでしょうか?今回は建設業者のための取り計らいですが、究極は高額納税者・大同特殊鋼様の御為の取り計らい、という市行政の体質が透けて見えます。「大同様のご機嫌おうかがい主義」に基づいて、市の公有地を、有害スラグの不法投棄場所として、何のためらいもなく提供してしまう渋川市の体質が、今回の事件の下地にあるのです。
ここでまた、声高に叫んでみたいと思います。
「ここが変だよ、渋川市!」
【市民オンブズマン群馬・大同スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】