市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

2015年10月20日に群馬県渋川市内で「姫」の後援会会合において群馬県警が行った「警護」についての考察

2016-01-09 23:58:00 | 政治とカネ
■2015年10月20日に群馬県渋川市内のレストランで開催された小渕「姫」の後援会の会合で、群馬県警による警護が為された件で、「警護」の定義について考えてみました。

昨年の2015年10月20日、オンブズマンの来訪を知らせるため姫の後援会スタッフらの「警護!警護!」の声が響き渡った会場ロビー。
 国語辞典で「警護」の意味を調べると――[名詞](スル)人・物などについて事故を防ぐため、警戒して守ること。また、その役の人。護衛。「身辺を―する」――とあります。

 警護には、国家機関が行う「公的」なものと、民間警備会社等が行う「私的」なものがあります。

 公的警護の本旨は、警護要則(国家公安委員会規則)において、
 ① 警護は、警護対象者の安全を確保することを本旨とする。
 ② 警護の実施に当たっては、警護対象者の意向を考慮しながら諸般の情勢を総合的に判断し、形式に流れることなく、効果的かつ計画的に行わなければならない、

と定められています。

 他方、私的警護は警備業法という法律により、「他人の需要に応じて行うものであり、人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務」となっています。

 どちらも、「人が人を護る」という行為ですが、民間会社等の行う私的警護は、当然のことですが「他人の需要に応じて」行われるものです。つまり、顧客が警護依頼をしてきてそれを民間会社等が受け入れるものです。

■では「公的警護と私的警護」は全くやり方が違うのでしょうか。確かに公的警護のイメージとして一般住民がまず思い浮かべるのは、総理大臣や来日外国要人などの大規模な警護活動ですが、そういった大規模警護活動は民間では殆ど有り得ません。

 今回の場合は「姫」個人への身辺警護というかたちなので、見た目には私的警護と全く同じ格好です。実際に、当会の代表も、小渕「姫」の後援会の受付職員が「警護!警護!」と大声を上げたときも、まさか警察官が2名も現れるとは思ってもいませんでした。

 もちろん、個人の生命身体を守ることは、警察の役目の主要業務のひとつですから、一般市民が暴力団に襲われる恐れがあれば刑事二課が担当します。別れた相手から暴力を振るわれる恐れがあれば、担当するのは生活安全課となります。

 ところが今回、渋川市内での「姫」の警護は、警備二課が担当しています。

 既述のとおり、公的警護の本旨は、警護要則(国家公安委員会規則)において、

 ① 警護は、警護対象者の安全を確保することを本旨とする。
 ② 警護の実施に当たっては、警護対象者の意向を考慮しながら諸般の情勢を総合的に判断し、形式に流れることなく、効果的かつ計画的に行わなければならない、

と定められています。

 前述のように、公的警護の場合には、警護要則(国家公安委員会規則)による定めがあります。警護要則では公的警護の対象として、内閣総理大臣、衆・参議員議長、国務大臣、その他外交の要人となっており、その他にも影響力を持っていた田中角栄、福田赳夫、中曽根康弘ら元首相らも、現役をリタイヤした後も引き続きサービスでSPをつけていた(る)。

 そのような警護サービスに関しては、ランク付をされていて、その情報は公表されています。ところが、今回のような元首相でも国務大臣でもない、一代議士の「姫」に、県警が“闇”警護サービスを付けたことは、県警本部長が群馬での任期を終えて東京の霞が関に戻ったら国会議員の力を借りて厚遇を受けるためにやっているのではないか、と思えてしまうわけです。

 こうしたことを警察庁長官が知ったら、果たしでどのようなことを言うでしょうか?「公金をつかって自分の保身のために政治家の“闇”警護サービスをするのはまかりならん!」というでしょうか?それとも「地方の県警本部長は出世階段のひとつであり、誰でもやっているのだから、目くじらを立てる必要な無いのではないか!」というのか、定かではありませんが、本来、警察庁がこのような血税のムダ遣いを知れば、お灸をすえるはずだと思うのが我々一般住民納税者です。

■2015年10月20日に渋川市内における「姫」の警護では、「姫」の後援会の幹部が、渋川市とナアナアで、行政を通じて県警に警護の打診をした際に、県警側が気を利かせて、「ではサービスで警護をやってやるよ」と二つ返事でOKしたという経緯があったのやもしれません。

 警護要則にはっきり載っていない例として有名なのは、大阪の橋下市長のケースです。彼にはいつも大阪府警の警護が後ろについているようすが、テレビのニュース画像でよく見かけます。しかも、自宅周辺を含め、かなり範囲を拡げて警護を付けているようです。

 この橋下市長の場合の2011年11月の大阪府知事と大阪市長の同時選挙当時のネット情報によると、取材者が大阪府警に話を聞いたところでは、「警護対象者は国家公安委員会規則の警護要則に基づき、警察庁が指定するのだ」そうです。では、どのような基準で警護をつけるのか、また、私人でも警護をつけるのはどういった場合かを尋ねてみたところ、「両候補者に警護をつけているかどうかも含め、誰に警護をつけているかは明かせない。警察が必要と感じる人物には、必要な警戒、警備を行っている」としか答えてもらえなかったそうです。

 この背景としては、過激発言が持ち味の橋下候補の場合、殺人予告など脅迫行為が頻繁に起きていて、実際に命の危険にさらされているということのようです。となると、「姫」は、当会代表が、身分を聞かれた際に、「オンブズマンです。」と答えた途端、「警護!警護!」と大きな叫び声があがり、それを聞きつけて、押っ取り刀で警察官が当会代表の前に立ちふさがったところを見れば、当会のことが“暴力団”と同様「反社会的勢力」扱いされているのかもしれません。どっちにしても、小渕「姫」問題で、後援会関係者から当会の存在が注目されているのは確かなようです。

■もうひとつ、2015年10月20日の「姫」の後援会会合開催時に象徴的な出来事がありました。それは、会合が終わり、いつ「姫」が現れるのかと、今や遅しと待ち構えていたマスコミ記者らが会場出口の玄関先でひしめき合っていた最中に、突然、小渕「姫」が現れ、インタビューを迫ろうと押し寄せるマスコミにもみくちゃにされながら、必死で通路を開けようとした後援会スタッフらの間をようやくすり抜けて、「姫」が東京ナンバーの車に乗り込む際のことです。

 この時不思議な現象が起きました。それは、なぜか警察の警護担当SPらは、「姫」の通路を確保するためにまったく会場の外に出てこなかったことです。

 あれほど酷い、マスコミなど第三者との最も厳しい接点である“最大リスク”のはずの瞬間に、なぜか「姫」を警護するはずのSPらはなにもしなかったのです。

 あるいは、中にいたSP2名でなくて、そとで道路交通整理をしていた別の2名の警察官が先に玄関先に待機して、マスコミ記者らを払いのけ、「姫」を載せてきた車のドアの両サイドに立ち、「姫」のために、スムースに乗車できるようにして、「姫」がスパッと車に駆け込めるように配慮するのが本来のやり方です。

 でも、県警の警護担当警察官はそれをやりませんでした。ということは、「姫」の後援会そのものを警備したのかどうか、あるいは、渋川市内の会場から県警に防護依頼があって施設経営者から警備への依頼があったのかもしれません。

■事情はどうあれ、実際の出来事は全部把握しきれておらず判断することはできませんが、常識的に見ても、公人が一代議士の後援会のために、あるいは、会場を提供した一企業のために警護に付くべきではない、というのが当会の考え方です。

 これらの状況は当会代表、副代表、事務局長がビデオやデジタルカメラ、携帯電話のカメラ等で可能な限り撮影させてもらいました。 

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※写真集



群馬県議会の誇る議長用公用車がこれ。岩井均県会議長を載せてきた県議会事務局職員運転のレクサスLS600hL EXECUTIVE Package仕様車だ。トヨタレクサスのHPによるとメーカー希望小売価格は15,954,000円(税込)。勿論、群馬県民からの血税が全額投入されている。ちなみに10月20日に渋川市内の現場に乗りつけた筆者の愛車スバル4WD軽トラ〈21年前、新古車を75万円で購入〉の20台分だ。※レクサスHP→ http://lexus.jp/models/ls/price/price/ ↑



会場の外で、会合の終了を待ち続けるマスコミ陣。


第三者委員会関係者がのってきたとみられるトヨタESTIMA世田谷ナンバー車。新車価格は約300万円か。


姫が載ってきた品川ナンバーのトヨタALPHARD車。価格は400~424万円か。


2台併せて700万円はくだらない。


会合が終わるまでの間、現場から中継するテレビ局のクルー。



通用口から出てくるかもしれないと待機するマスコミ陣。取材対象者を逃さないぞ、という強い気迫が感じられる。


↑こちらの裏口も要監視だったが空振りだった。


次第に日が暮れる会場の建物。


第3者委員会関係者の車と思われるESTIMAが逸早く動き出したのでマスコミ陣慌てる。運転手がコンビニに買い物に行ってきたらしい。


中央奥に車道にはみ出て駐車中なのが議長公用車のレクサス。左端億に見えるのが交通整理担当の私服警察官とおぼしき人物。


まだかまだかと気をもむマスコミ陣。


報道陣をかわし裏口から退出する後援会会員参加者らも。


姫の登場を今や遅しと待ち受けるマスコミ陣。


会合の様子について記者団から聞かれる元群馬県議の平田英勝選対幹事長(旧群馬町出身)。この直後に姫が不意に登場。


不意を突かれたマスコミ陣はひしめき合って姫が車に入り込む僅かの瞬間に撮影やインタビューを試みる。当会も必死でシャッターボタンと押したが揉みくちゃでこのとおり。


姫を載せた途端に脱兎のごとく走り出した姫のALPHARD車。


元群馬県議の平田英勝選対幹事長が持っていた式次第。会合の正式名称は「小渕優子後援会幹部役員県議団合同会議」。

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「姫」の後援会集会に係るオンブズマン公開質問状の扱いに関する情報公開請求で判った県議会と県警の対応

2016-01-09 01:05:00 | 政治とカネ
■2015年10月20日に小渕優子元経産相の後援会会合が群馬県渋川市内で開催されましたが、市民オンブズマン群馬としても小渕「姫」本人に、公開質問状を渡そうとすべく、代表、副代表、事務局長の3名で、開催場所を訪れたことは既に報告の通りです。その際、「姫」には当会の公開質問状を直接手渡すことはできませんでしたが、後援会関係者から「別途郵送で送ってほしい」と指示されたので、指示通り「姫」の後援会事務所宛に公開質問状を郵送しましたが、未だに回答が来ていません。経緯は次のブログ記事を参照ください↓
○2015年10月28日:オンブズマンの公開質問状に対して期限日までに回答してこない姫こと元経産相
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1776.html
○2015年10月27日:政治資金不正会計に揺れる姫の後援会活動に出席した理由と根拠について県議会議長に公開質問状
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1775.html
○2015年10月27日:政治資金不正会計に揺れる姫へのサービス警護の理由と根拠について県警本部長に公開質問状
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1774.html
○2015年10月21日:10月20日の姫の後援会幹部会議と謝罪記者会見を報じたマスコミの報道ぶり
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1765.html
○2015年10月20日:自らの言葉による説明責任の場となる「姫」の説明会で後援会がオンブズマンの傍聴参加を拒否
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1764.html

 その日「姫」の集会場所に、群馬県警の私服警察官が少なくとも4名配置されていて、当会の代表が会場に入ろうとして「オンブズマンです」と告げた途端、会場のロビーに「ケイゴ!ケイゴ!」という声が響き渡り、「警察の者だ」という2名が、当会代表の前に現れ、外に出るように促しました。あとの2名は外で交通整理がてら、会場周囲を見張っていました。

 その後、「姫」の集会開始前に、今度は群馬県議会の岩井均議長が、公用車で乗り付けて会場に入っていくのを目の当たりにしました。しかも、乗ってきた公用車を運転していたのは群馬県議会事務局の職員でした。

 このため、当会ではさっそく群馬県議会議長と群馬県警本部長あてにそれぞれ2015年10月26日付で公開質問状を提出し、なぜ、一代議士である「姫」の後援会の集会に議長が平日、議会事務局職員の運転する議長公用車で駆けつけることができるのか?また、なぜ一代議士に過ぎない「姫」の後援会の集会に、群馬県警が警護、つまりSPをつけることができるのか?これらの理由を質そうとしました。

 当会がこのとき公開質問状を出したことは、新聞でも報道されました。

 ところが、驚くべきことに、双方とも示し合わせたかのように、現時点に至るまで、一向に回答をよこしません。

■回答期日が過ぎても、全く回答の届く気配がないため、当会の出した公開質問状がどのような取り扱いをされたのか、確認する必要があると考えて、当会副代表の名前で、県議会議長と県警本部に公開質問状の処理状況等について先日情報開示請求(公文書開示請求)をしました。

 その結果、2015年12月21日(月)午前10時に、群馬県知事から情報開示がありました。開示された情報は次のとおりです。

*****【議会事務局が受理した後の当会の公開質問状】*****
iu151223ccj.pdf


 これはご覧の通り、当会の代表名で岩井均県議会議長あてに提出した公開質問状です。

 一見しておわかりのように、県議会事務局は、岩井議長に当会の公開質問状を届けずに、結果的に握り潰したものと見られます。

 一番上に押してある議会事務局の5名のハンコを見ても分かる通り、10月26日に「山本」という課員、続いて次長の「高田」、秘書室長の「山崎」、総務課長の「小宮」、局長の「根岸」という名前が並んでいます。

 議会事務局は10月26日に受付の収受印を押しており、受理は一応した形となっています。ところが、これだけの議会事務局関係者がハンコを押しただけで何の処理もしていません。この形跡から見るに、議長までこの文書が届いたことは確認できません。何の処理結果も、メモ書きも見当たりません。当会の公開質問状は、このように放ったらかしにされている様子がお分かりだと思います。

*****【県警が受理した当会の公開質問状にかかる相談業務報告書】*****iu151223xk.pdf


 これは、群馬県警本部長宛の当会の公開質問状を受理したことを報告した文書です。

 上の方に大書してあるとおり「相談業務報告書」です。これは群馬県警察に寄せられた全ての相談、すなわち電話相談、文書相談でもなんでも、それらを窓口で受けたり、あるいは各部署で受けとったりした人は必ずこの文書を作らねばならない、という文書です。

 この報告書を見ると、当会の公開質問状をおそらく「苦情」として見なし、報告書の中央部の「相談概要」の欄に「10月26日午前10時50分ごろ、警察本部へ来庁した■■と名乗る■■1名が、対応した受付の担当職員に対して・・・」と描かれています。これは当会の事務局長の事で、「鈴木」と名乗る「男性」1名が当会の公開質問状を置いて行ったということが書いてあるので、これは確かに受理したという意味だと見られます。

 受理した人物は、一番上のほうの枠のところにある「受理担当者」が「総務課」の「秘書係」の「警部補」の黒塗りされた名前の誰かということが分かります。

 その上の右の方にある枠内に記載されている洋数字の長い番号が見えます。これが受理番号です。これは報告書を作成して登録すると、コンピュータで自動的に番号が付されるような制度になっていることが分かります。

 文書の真ん中より少し下のところに「処理結果備考」欄があります。ここには「同封された『公開質問状』の内容から、警備第二課へ文書を送付する」と記されてあります。

 ということは、警察官の配置で「警護」で配置したので、「警護」という事務を担当している県警本部の警備第二課のことと思われます。ここに当会の公開質問状を送って、この処置をどうするのかについて判断をさせるように、ということになったことが分かります。

 そのさらに下に「最終処理結果」という欄がありますが、右の方に〔対応責任者氏名等〕として、「警備第二課」、「警部」、「小室篤」と「ハンコ」が見えます。ビックリさせられるのは、その下の、「最終処理結果備考」として、「正当な業務であり、問題はない。なお、公開質問状は回答する義務がないため、回答は控えることとしたい」と記されていることです。

 要するに、「姫」の警護のために警察官を配置したことは正当な業務だというのです。しかも、当会の公開質問状に対して「回答する義務がないため回答は控えこととしたい」という意見を付して、最下部に書いてあるように10月29日に「最終措置結果」として「本件は解決」済みとしています。オンブズマンに何ら回答しないで、「解決」と判断するのですから、いかに庶民のヒジョーシキが警察のジョーシキかということを痛感させられます。

 もしこれが、当会が公開質問状の宛先とした群馬県警本部長に上げた文書であれば、本部長のところにハンコが押印されるはずです。文書の様式として、本部長の枠が無ければ、通常の場合、文書の一番上の空いているスペースに本部長が自分の名前を赤鉛筆で書くのが普通です。

 それによって、対応責任者が「オンブズマンからの公開質問には回答義務がないので無視することにしたので、これにて解決済みとします」という最終処理結果について「それでいいよ。承認したよ。回答しなくてもいいよ」と本部長が確認したことが分かるようにしてあるはずです。

 ところが、県議会事務局と同じく、当会の公開質問状に対して、県警は一応受理したことは分かりますが、本部長まで公開質問状が行っていないということは明白です。

*************************

■このようにして、オンブズマンが群馬県警本部長に対して、また群馬県議会議長に対して、2015年10月26日にそれぞれ公開質問状を出しましたけれども、最終目的地のところまで届いていないということが明らかになりました。

 この開示結果への対応について、当会としては、記者発表を含め、何らかの検討をする必要があると感じております。

 なぜなら小渕「姫」後援会の会合に関する今回の当会の公開質問状の県警と県会議長への提出について、新聞であれだけ大きく取り上げたにもかかわらず、調べてみると、このような対応が実態だったからです。

 当然、住民監査請求も検討対象として視野に入ると考えております。

■こうした県警や議会事務局の対応を見越して、当会は、これに先立つこと1週間前に、県警本部へ3件、県知事に2件、議長に1件、計6件の情報公開請求をしていました。

<県警本部あて3件>

 これらのうち、県警への3件の情報公開請求については、小渕「姫」の10月20日の後援会開催時の警護の関係ですが、現地に配置されていた警察関係の人物で、渋川警察署の警備課長がいます。同人の階級は警部です。

 従って、警部以上の階級の人物の名前を隠すことはできないので、この人物の当日の勤務状況、また、何の自動車を使ったのかが分かる情報を当会に提出するように、情報開示請求書を出しました。

 それから小渕「姫」は東京ナンバーの自動車で後援会の会合にやってきたことから、群馬県内に入った時点で県警の警備車が付いた可能性があります。また、この後援会集会における一連の小渕「姫」のみそぎ行事が終わった後、自民党県連の県政会館で行われた記者会見にも警護員がいたのかどうかについて、当会としては未確認ですが、県内にいる小渕「姫」に県警の警護が付いたのかどうか。これが2件目です。

 それからもう1件。つまり3件目が、渋川市内の小渕「姫」後援会の会場にいた警官を、あの場所に配置した正当性を示す情報開示請求です。当時、当会代表は小渕「姫」に公開質問状を手渡そうと、会場に入ろうとして、受付で身分を名乗らされたので「市民団体のオンブズマンです」と言った途端、受付のあるロビーに「警護!警護!」の声が響き渡ったことからも、間違いなく県警は警察職員を「警護」のために派遣したに違いありません。しかし、一塊の代議士の後援会行事を、警察という公権力が警護したとなると、これは非常に問題です。

 当会では、以上3件について情報開示請求をしていたところ、つい最近、県警から「1月28日まで回答を待ってほしい」という内容の延長通知が届きました。一方、県警本部の相談業務報告書では、警備第二部の警部が「問題ない」と言っています。果たして、延長された情報開示の結果がどういうことになるのか、注目したいと思います。

<県知事あて2件>

 次に、「姫」の集会の警護のために、派遣された警察職員らの給料を払っている知事に対して、「県警に支払った給料の区分が分かる予算書」、つまり、県警職員が一代議士の会合に派遣された件と、議長が公用車を使ったこと、議長が県庁職員の運転で現地に行った件の、それぞれの費用に関する情報について開示請求を出しました。

 この県知事あての情報開示請求結果として、前者(県警への支出)については、今年度、つまり27年度の県警の予算書の警察費という中から「給料」というところで、予算として147億円の金額が付いていますが、全警察官の給料として、その中から出している、ということで、予算書の写しを1枚出して来ました。

 これは平成27年1月か2月ごろに開かれた議会に提出された、4月1日以降の予算執行すべき予算書の当該ページでした。だが、この情報すらも、使う予定の金であり、「もう現実に給料日を2回も過ぎているわけですから、既に支出した金額の分かるものを出してほしい」と粘った結果、県側からは「今はまだ県警から(支出結果の情報が)来ていない」という返事がきました。ということで、当会側からは「県警の回答を待ってまた出し直すから」と伝えてあります。

 後者(県議会への支出)については、県知事は、県議会議長をはじめ県議会について、実施機関が県執行部とは別だから、その書類を取る資格もないし、書類を保存する資格もないという理由で公文書不存在としてきました。このように県知事としては、予算の執行を議会費として県議会側に一旦投げたものには、一切関知しないという、こういう姿勢をとっているのです。

<県会議長あて1件>

 そして最後の残りのもう1件が、議長に対して、議長が公用車で職員を運転させて、一代議士である小渕「姫」の会合に出たことはどうなのか?ということで、その事実関係を示す情報開示請求を行いました。

 すると、議会事務局から、公用車の当日の使用日程表と、公用車の使用規定と、そこに確かに行ったことの分かるスケジュールの計3枚が開示されてきました。

*****正副議長・局長 日程表*****

10月20日 曜日:火
時間 / 行事内容 / 場所 / 議長・副議長・局長 / 役割 / 摘要
    調整日               正9:30迎  副9:30迎
 09:30 庁議/5階特別会議室
 10:00 第2回群馬の未来創生安中地域懇談会 安中市役所201会議室 議長○ ●〆10/16 終了11:30
 10:00 靖国神社秋季例大祭(第三日祭) 靖国神社 議長欠 〆10/6 H23~26欠
 11:00 局議 議会101会議室  局長○
 13:30 ミラノ国際博覧会レク(近ツリ■■氏) 議長室 議長○
 15:00 小渕議員後援会会合 渋川ホワイトパーク 議長○
 15:00 一之宮貫前神社弐年遷宮奉賛会設立発起人会 富岡市社会教育館 議長欠 副議長欠 ●〆10/10
        (秘書課運転手対応)

*****群馬県議会公用車使用基準*****(赤字部分は当会が着色)

                    平成22年3月3日
 群馬県議会において管理する公用車に係る議員の使用については、地方自治法及び会議規則、委員会条例に基づく議会活動に際し使用するものとし、具体的な基準は次のとおりとする。
1 公用車の区分
(1)専用車  議長及び副議長用公用車
(2)バス
(3)共用車  専用車及びバス以外
2 使用基準
(1)専用車
  議長及び副議長が、議会を代表して各種団体等の会議、諸行事に出席するとき
(2)バス
 ①地方自治法第100条第13項及び会議規則第122条に基づく議員派遣
 ②会議規則第72条及び委員会条例に定める委員会等の調査等
 ③各党会派の所属に関わりなく、相当数の議員で構成された団体の調査で、公務に準ずる議員活動として、あらかじめ届出がされたもの、又は、会派における県政の重要な課題に関する調査として議長が承認した調査であること。
(3)共用車
 ①地方自治法第100条第13項及び会議規則第122条に基づく議員派遣
 ②会議規則第72条及び委員会条例に定める委員会等の調査等
  ただし、バスの使用が不可能な場合に限る。
 ③常任委員会の委員長等が、議長の代理として、議会を代表して各種団体等の会議、諸行事に出席するとき。
 ④常任委員会の委員長等が、委員会を代表して関係団体等の会議、諸行事に出席するとき。
3 その他
(1)2(2)③については、使用しようとする団体が年度の初めに議会事務局長あて必要書類を提出するものとする。その後、届出されるものについても、同様とする。
(2)この使用基準に定めるものほか、公用車の使用に伴う具体的な手続きは、議会事務局長が別に定める。

*****県会議長スケジュール*****

件名 議長用務
場所 安中市
期間 H27/10/20 08:30 ~ H27/10/20 18:45
内容 レクサス8138
   8:30~12:30 自宅迎え~安中市役所~県庁
   14:20~18:45 県庁~渋川市内~自宅送り
 状態
 公開方法 所属
登録者情報
 所属 議会事務局 総務課
 氏名 本木直司
**********

■開示された県議会事務局の群馬県議会公用車使用基準を読む限り、岩井議長が専用車レクサスを駆って小渕「姫」の後援会の会合に出席をしたのが、「議会を代表して各種団体等の会議、諸行事に出席」をしたのかどうか、がポイントになると思われます。

 このことについては、使用基準を精査するとともに、我々の税金から給料をもらっている議会トップの議長が一代議士の後援会に出席すること、それも公用車を使うこと、さらに公費で給料をもらっている県職員に運転をさせていることから、こうした責任を問うことができる場合は、誰がこの責任を負うべきかを含め、住民監査請求に該当するかどうか、慎重に検討をしてまいりたいと存じます。


【1月10日追記】
 当会からの公開質問状のことなど、どこ吹く風の「姫」が、地元紙の取材に対して、例に追って中身のない回答を述べています。ドリル事件やユーコ・ワイン配布、そして明治座への観劇ツアーによる旅行業違反については、東京地検の不起訴のお墨付きを得たためか、笑顔でインタビューに応じています。それでもまだ、説明責任云々と言っているところを見ると、ほんの僅か、心の片隅に記憶が残っているようです。
**********上毛新聞206年1月8日
【2016国勢展望 本件関係国会議員に聞く③】
衆院5区 小渕優子氏


説明責任も果たしていないのに、2016年の新春取材で明るい笑顔を振りまくオブチ姫。
 ――昨年を振り返ると。
 安倍内閣の最重要課題の経済再生で少しずついい兆しが見えてきて、それを地方創生、地方の経済活性化につなげていく1年だった。選挙区の自治体でも、あらためて自分たちの強みや魅力を再発見する動きがあり、省庁に橋渡しもした。政治資金の問題については、ご迷惑をかけた支援者に引き続き説明していきたい。
 ――安全保障関連法は国論を二分した。
 残念だったことは、法律の議論がもう少しなされればよかったが、イデオロギー論争というか、過剰論になりすぎたきらいがある。大事なのは、この法律をどう運用していくかということ。
 ――環太平洋連携協定(TPP)が大筋合意した。
 選挙区には農家の方が多く、「心配だ」との声を聴いている。引き続き、こうした声にしっかり耳を傾けて行かなければならないと思っている。マイナス面はさまざまなところに生じるであろうから、当然のことながら国として対応するべきだ。
 脳後湯が果たす役割はただ単に農産物を作るだけではない。群馬は水を守り、山を守り、地域を守っている

 ――地元の課題は。
 2014年6月の世界文化遺産登録から1年以上たった富岡製糸場へ、全国からりぴーt-あをいかに呼び込むか製糸場を維持するためには多額の資金が必要で、何かいい仕掛け、アイデアを考えたい。
**********

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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