市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…被告第3準備書面の履歴表で分かる群馬県と関電工とデキレースぶり

2017-10-17 23:49:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■東電グループの関電工を事業主体とする前橋バイオマス発電施設は、群馬県が定めた環境アセスメントを行わないまま、今年内に竣工し、来年1月からの運転開始に向けて準備が進められています。この暴挙を食い止めようと、当会は地元住民団体とともに、発電施設に隣接する木質チップ製造施設に対する補助金交付の「差止」もしくは「処分の取消」を求める訴訟を2016年7月15日に提起しました。先月9月7日(木)に第4回弁論準備が開かれ、その時の受命裁判官の指揮により、10月13日に被告から第3準備書面として「補助金交付決定の経緯について」と題する書面が送られてきました。

被告第3準備書面が同封された被告訴訟代理人からの封筒。

 これまでの裁判の経緯は次のブログをご覧ください。
〇2017年6月11日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金訴訟6.15弁論準備に向け原告準備書面(2)を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2341.html#readmore
〇2017年6月18日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…6月15日に第2回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2345.html#readmore
〇2017年7月7日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金訴訟で7月7日に原告が差止⇒返還に訴えの変更申立
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2360.html#readmore
〇2017年7月25日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…7月18日に第3回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2373.html#readmore
〇2017年9月10日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…9月7日に第4回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2414.html

■まずはともあれ、被告が送って来た文書を見てみましょう。

*****被告第3準備書面*****PDF ⇒ 20171015_hikoku_junbishomen_no.3.pdf
平成28年(行ウ)第27号 住民訴訟によるバイオマス補助金支払差止請求事件
原 告 小川賢 外1名
被 告 群馬県知事 大澤 正明

            第3準備書面

                    平成29年10月13日
前橋地方裁判所民事第1部合議係
            被告訴訟代理人弁護士 石 原 栄 一
            同          関 夕 三 郎
            同          織 田 直 樹
            同指定代理人     板 垣 哲 夫
            同          束 田 健 靖
            同          折 田 知 徳
            同          武 藤   淳
            同          鈴 木 利 光
            同          石 井 米 吉
本件補助金交付に至る経緯については,別紙のとおりである。
                             以上

*****(別紙)*****
補助金交付決定の経緯について
 日付/出来事
●H26.7.10/被告が、各都道府県・関係市に環境影響評価条例における木質バイオマス発電所建設事業の対象要件等について照会を実施(H26年7月18日回答締切)。
●H27.3.31/被告が「未利用の木質バイオマスを燃料とする工場又は事業場については、排ガス量を計算するにあたっては、含水率(乾量基準含水率)を20%として算出できるものとする」とする群馬県環境影響評価条例施行規則別表第1の適用に関する運用を制定。
●H27.7.10/㈱関電工及び㈱トーセンが被告に前橋バイオマス発電所及びチップ製造施設の概要等に関する資料を提出。
●H27.7.30/㈱関電工が被告に手続き状況を具体的に説明し、その中で前橋バイオマス発電所は環境アセスメント対象事業非該当であることも説明。
●H27.9.14/被告が県議会へ、前橋バイオマス燃料㈱のチップ製造施設に対する群馬県林業・木材産業再生緊急対策事業4億8千万円(基金:4億円、県費8千万円)を含む補正予算案を提出。
●H27.10.7/県議会において前橋バイオマス燃料㈱のチップ製造施設整備に対する群馬県林業・木材産業再生緊急対策事業4億8千万円(基金:4億円、県費:8千万円)の予算が可決成立。
●H27.10.20/前橋市が前橋バイオマス発電㈱及び前橋バイオマス燃料㈱に対し環境配慮計画の提出を要請。
●H27.10.21/前橋バイオマス燃料㈱が被告に森林整備加速化・林業再生基金事業計画を提出。
●H28.5.18/前橋バイオマス発電㈱と前橋バイオマス燃料㈱が前橋市長に「前橋バイオマス発電施設に関る環境配慮計画」を提出。
●H28.5.25/被告が前橋市より「前橋バイオマス環境配慮計画」を受領。
●H28.6.17/被告が前橋バイオマス燃料㈱へ補助金交付予定額を内報。
●H28.6.20/前橋バイオマス燃料㈱が被告に実施設計書を提出。
●H28.6.27/被告が前橋バイオマス燃料㈱へ補助金交付予定額を内示。
●H28.6.28/前橋バイオマス燃料㈱が被告に補助金交付申請書の提出。
●H28.7.4/被告による本件補助金の交付決定。
●H28.8.16/被告が前橋バイオマス燃料㈱へ補助金概算払請求額2億2230万円を支出。
●H29.5.19/前橋バイオマス燃料㈱による補助対象事業が完了。
●H29.5.23/前橋バイオマス燃料㈱が被告に補助事業実績報告書を提出。
●H29.5.24/被告が補助事業の完了確認を実施し,補助金額を4億8000万円と確定。
●H29.5.31/被告が前橋バイオマス燃料㈱へ補助金未払い分の2億4150万円を支出。
**********

■これらを見ると、いかに被告群馬県が、東電グループの関電工に「忖度」して、前橋バイオマス発電に関する重要かつ必要な情報を我々近隣住民や県民に対して開示してこなかったか、あるいは開示しても、一部しか開示していなかった、などなど、その秘密体質がよくわかります。項目順にコメントしてみました。

●H26.7.10/被告が、各都道府県・関係市に環境影響評価条例における木質バイオマス発電所建設事業の対象要件等について照会を実施(H26年7月18日回答締切)。
【当会コメント】どうやら群馬県は、関電工からの打診を受けて、この時手回しよく、他の都道府県や関係自治体に対して、木質バイオマス発電所に関して環境アセスメント条例の適用事例を調べようと、アンケート調査を行ったものと推察されます。

●H27.3.31/被告が「未利用の木質バイオマスを燃料とする工場又は事業場については、排ガス量を計算するにあたっては、含水率(乾量基準含水率)を20%として算出できるものとする」とする群馬県環境影響評価条例施行規則別表第1の適用に関する運用を制定。
【当会コメント】これには明らかに矛盾があります。原告住民が群馬県とのメールのやりとりで、「県が排ガス量を知ったのは、平成27年4月頃」とする説明がありました。関電工が排ガス量を知り得たのは遅くとも同年1月から3月だったはずです。あるいは、関電工がボイラーメーカーに相談したのは平成26年10月からだったので、当然、その時点で排ガス量の見当はつけていたはずです。こうした観点から、本当に平成27年3月31日が排ガス量の特例措置の適用の根拠とされている運用の見直しの制定日なのかどうか、非常に疑問です。

●H27.7.10/(株)関電工及び(株)トーセンが被告に前橋バイオマス発電所及びチップ製造施設の概要等に関する資料を提出。
【当会コメント】7月10日の提出時に誰がどのような資料を提出したのか、確認する必要があります。また、資料を県が受領時に回議書で情報共有化を図ったはずです。その経緯を確認する必要があります。

●H27.7.30/(株)関電工が被告に手続状況を具体的に説明し、その中で前橋バイオマス発電所は環境アセスメント対象事業非該当であることも説明。
【当会コメント】関電工らが平成27年7月10日に群馬県に提出した資料には、「平成27年3月に本経過については群馬県の環境アセスメントの適用対象とならないことを群馬県環境政策課から確認を得た」と書かれているので、なぜ7月30日に関電工はこの事業が再度アセスメント非該当の説明をしなければならなかったのか、極めて疑問です。このあたりの経緯を確認する必要があります。

■以上のように、ますます疑問だらけの群馬県の情報開示体質ですが、この住民訴訟事件の第5回弁論準備期日は来週10月23日(月)午後4時から前橋地裁32号法廷で開かれます。その際に、被告の群馬県にあらためて疑問点を質すことのできる機会があると思われます。

【10月18日追記】
 被告第3準備書面の「補助金交付決定の経緯について」と題する資料に関連して、気づいた事項があります。
 被告群馬県知事は、2015年6月27日、選挙遊説で「宮城地区に木質バイオマス発電所が出来る。県産材センターで曲がった原木、端材を燃料とする」との遊説をおこなっています。
 時系列的な観点から、被告第3準備資料によれば、被告に関電工が木質バイオマス概要の資料を出したのは2015年7月10日となっています。
 明らかに本事業は被告と業者が、「開発ありき」で結託して推進したものと言えます。当会が「官業癒着」の亡国事業と呼んでいるのも、こうした事実に裏付けられていると言えます。


※添付:大澤候補の選挙遊説 PDF ⇒ vmeiv2015627.pdf

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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若宮苑不正給付事件…県が負担した公金分の回収を求めて当会会員が県監査委員の前で10月16日に陳述

2017-10-17 23:34:00 | 高崎市の行政問題
■高崎市の若宮苑を巡る補助金の不正給付を巡り、当会会員が高崎市を相手取って係争中ですが、本来はこうした介護保険制度の根幹を揺るがす事件が起きた場合、行政が率先して是正措置をとらなければなりません。ところが被告高崎市はなんと若宮苑を補助参加させて、不正行為を是正するどころか隠蔽しようと法廷で、公金を使って訴訟代理人の弁護士を起用して、抵抗を続けています。そのため、当会会員は、介護保険制度の元締めであり、補助金の一部も支給している群馬県に対して、不正給付を通報し是正措置を相談しましたが一向に埒があきません。そのため、2017年9月19日に群馬県監査委員あてに群馬県職員措置請求書(住民監査請求書)を提出したところ、9月30日に補正依頼書が送られてきたので、10月2日に補正書を群馬県監査委員事務局に提出しました。その後、10月12日付で監査委員から「証拠の提出及び陳述の機会について(通知)」が送られてきました。

監査委員からの陳述等機会の通知が同封された封筒。
※「証拠の提出及び陳述の機会について」の通知書:PDF ⇒ img_20171015_0005qnqm.pdf

 その通知に基づき、当会会員が10月16日、群馬県庁26階にある監査委員事務局の隣の会議室で、午前11時から追加証拠の提出と陳述を行いました。当日は、当会の小川代表が所用でどうしても出席できず、当会会員の岩崎氏が陳述のため、会場に赴きました。


陳述直前の会場。撮影時間10月16日(月)午前11:05。以下同様。






 当初の陳述時間は11:00〜11:30の予定でしたが、事務局職員が、請求人が提出した新たな証拠のコピーに手間取り、11:08〜11:38に変更になりました。また、陳述会場には別の当会会員が傍聴に駆けつけてくれました。

 冒頭、代表監査委員の丸山委員が挨拶した後に、ほかの2人の委員である橋爪委員と林委員を紹介しました。

■監査委員らが窓を背にして座っている机を正面にみて、右側の職員(こや?)が「陳述内容は、本件内容に係るもの以外は、陳述しないようにお願いします。」といつもの決まり文句を述べました。そして丸山代表監査委員が「それでは、請求人のかたは名前を名乗り陳述をして下さい。」と述べ、陳述が開始されました。以下は陳述内容です。
当会:本日は、陳述の場を設けて頂きまして有難うございます。私は、高崎市の岩崎優です。それでは、陳述させて頂きます。着座にて失礼いたします。

*****陳述内容*****
 高崎市で発生した偽造ケアプランに対する介護保険の財源流用に関する群馬県民の損害について、これから陳述します。

1.はじめに

 介護保険の財源構成は、利用者負担分を除き、その財源の50%を保険料、残りの50%を税金等の公費で支えています(資料12参照)。

 本件住民監査請求の趣旨は、群馬県が高崎市に負担した介護保険の財源を、高崎市が文書偽造のケアプランに介護給付費の支払いをしたことにより、群馬県民全体が損害を受けてしまったものです。よって、失われた群馬県民の財産である負担金を回収するよう群馬県知事に対し、勧告することを求めるものです。本件陳述の目的は、全てが介護保険法違反であるとする根拠について補足的に監査委員の皆さまにご説明することです。

2.高崎市が群馬県の公金を流用した重大性について

 介護保険法第123条1項2号において、「都道府県は、市町村に対し、介護給付(介護保険施設及び特定施設入居者生活介護に係るものに限る。)に要する費用の額について、100分の17.5を負担する」とされています。

 さらに、同法第5条2項において、「都道府県は介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な指導及び適切な援助をしなければならない。」と定められており、群馬県には高崎市の介護保険運営に関与する義務があることを示しています。

 しかしながら、群馬県知事は偽造ケアプランに介護報酬を与える高崎市長の公金流用を黙認している状況にあります。そのため、群馬県民全体の損害という観点から、請求人は損害の補填のための是正措置を群馬県知事に求めました。ところが、群馬県知事は、請求人による求めに対して、行政対象暴力との見方をとり、あろうことか学事法制課をして公費で弁護士関夕三郎を雇い入れさせ、損害の補てんのための是正措置を求める請求人の行動を封殺しようとしました。これこそ、まさに高崎市長による偽造ケアプランに対する介護保険法の違法行為を幇助するものです。

3.新たな証拠の提出について

 皆様が、群馬県知事に対し『勧告』を行っていただけるように、ここで、新たな証拠を提出します。

【新たな証拠:証拠5番】
 今年5月29日に、請求人が介護高齢課保健・居住施設係の金井明係長らに「財源回収についての相談」をしようと市民オンブズマン群馬会員の支援者らと共に県庁を訪れた際、予め金井らが示し合わせて、学事法制課行政対象暴力対策係の職員らを隣接のブースに待機させて盗聴することで、請求人の相談を封殺してしまった経緯を示すYouTube映像を、事実証明書の証拠5番として提出します。
  https://www.youtube.com/watch?v=CqIbgp2Z5-g&feature=youtu.be
なお、これは画像なので、ネットからダウンロードできるように、URL番号のみの提出となります。

【新たな証拠:証拠6番】
 これは群馬県知事が代理人として雇った「弁護士・関夕三郎」が、請求人に送り付けた手紙です。書留郵便で送られてきました。これを受け取った時、請求人は首を傾げました。なぜなら、本件は、高崎市の問題であって、なぜ群馬県が弁護士をつかって請求人に働き掛けてくるのか、さっぱり理解できなかったからです。

4.群馬県の代理人による暴挙・暴言の実態について

 ここで、群馬県の代理人である弁護士関夕三郎が、県民全体の損害をいかに蔑ろにしているか、この人物が代理人として請求人に送り付けてきた手紙の内容についてご説明します。

 当該代理人は「本件に関しては、貴殿がご自分の名義を冒用されたとご主張されるのであれば、刑事処罰を求めるか否は貴殿がお決めになるべき問題であり、群馬県が刑事告発をすることはあり得ません。」と、手紙に記しています。

 しかしながら、仮に、当該代理人の手紙の内容に従って、請求人が刑事処罰を求めないとした場合は、偽造ケアプラン事件の犯罪が、この世に全く存在しなかった事になってしまいます。すると、結果的に、群馬県民全体の損害が補填されることはなくなるのです。

 また、当該代理人は「群馬県が刑事告発をすることはあり得ません。」と手紙に記しています。

 しかしながら、厚生労働省は、老健局介護保険計画課長名で、各都道府県介護保険担当部(局)長宛てに発出した「第3期介護給付適正化計画(老介発0829第1号)」において、「介護給付費通知を受け取った受給者等からの苦情も含めて、保険者、都道府県又は国保連に寄せられた事業者に関する不適切なサービス提供、介護報酬不正請求等の苦情・告発・通報情報等の適切な把握及び分析を行い、事業者に対する指導監督を実施する。」よう通達しています。この通達は群馬県においても通達を受けていることが、請求人による情報公開請求により確認されています。

 さらに厚生労働省は、全国介護保険指導監査担当課長会議資料(厚生労働省老健局・第2分冊)において、「指導や監査において虚偽の答弁、妨害や検査忌避を行う悪質な者については介護保険法に基づく罰則規定の適用、犯罪の恐れがあるものについては、警察、検察当局ともよく協議され、刑事告発等についても検討願いたい。」と、通達しています。

 それにも拘わらずに、群馬県の代理人である弁護士関夕三郎は、「群馬県が刑事告発をすることはあり得ません。」と断言してしまったのです。これでは、群馬県が、県民の損害を補填する義務を放棄したことになってしまいます。公金がかすめ取られることを自ら認めたことになってしまいます。一刻も早く、こうした不良弁護士との雇用契約は即刻破棄すべきです。

 他の自治体ではどうでしょうか。現実に、熊本県などは、「介護事業所・ひまわり」を詐欺罪で刑事告発しているのです。群馬県だけ無法地帯ということはありえません。

 また、当該代理人は、「高崎市長に対する働き掛けについても、介護保険給付に係る事務は保険者である高崎市において行い、介護保険施設に対する指導・監督に係る事務も中核市である高崎市において行うことになっていますので、貴殿が違法な介護保険請求であると主張されている若宮苑の請求については高崎市において検討する問題であって、群馬県がその判断に働き掛けることは基本的にありません。」と群馬県知事の見解を代弁しています。

 しかしながら、これ自体が介護保険法第5条違反なのです。群馬県知事には、失われた群馬県の負担金について回収するつもりがない事が伺えます。

 さらに、当該代理人は、「貴殿が主張されている内容に関しては、現在、貴殿と高崎市の間で住民訴訟が係属中と承知しており、司法の判断がなされることが見込まれますので、このような状況で群馬県が高崎市に対して働き掛けることはあり得ません。」とし、続けて「以上のとおりであり、今後、同様の書面を頂戴し、あるいは、電話や面談で同様のご要望やご質問を頂戴しても、群馬県が本件に関して刑事告発することはありませんし、高崎市長に働き掛けることもありません。」としています。

 しかしながら、これでは群馬県知事が、群馬県民全体の損害補填を自ら放棄してしまうことになり、介護保険法に定めた義務の不作為を宣言したも同然です。

 さらに、当該代理人は、県民の一個人である請求人に対して「失われた群馬県の負担金」の回収をさせようと目論んでいる魂胆が見え見えです。なぜなら、手紙の末尾に次の記載があったからです。

「群馬県としては、貴殿(これは請求人のことです)と高崎市との間の上記住民訴訟で下された司法判断の結果により、何らかの事務処理が必要となった場合には、高崎市からその旨の連絡があるはずですので、その司法判断に即して適切に処理させていただきます。」

 つまりこれは、群馬県知事が介護保険法第5条の規定である地方公共団体の責務を放棄し、請求人が提起した司法判断の結果を待っている〝おんぶにだっこ〟の状態であります。まさに、〝他人のフンドシで相撲を取る〟とはこのことです。

 確かに、請求人は現在係争中であります。しかしそれは、高崎市監査委員に不本意な棄却通知を送り付けられたため、止むにやまれず、訴訟を提起したものです。

 加えて、請求人は、群馬県監査委員の皆さまには、不見識な高崎市監査委員とは違い、まともな監査をしていただけると考えて今回の監査請求に踏み切ったものです。

 だから、請求人は、本日をもって現在前橋地裁で係争中の訴えを取り下げても構わないと思っているのです。

 なぜなら、そもそも一個人が、自費で群馬県民全体の損害の補填をする必要などない筈だからです。

 群馬県民全体の損害の補填を正しく実行させるのは、群馬県監査委員の皆さまの責務であります。

 そして、このことは地方自治法で定められています。

 したがって、委員の皆さまにおかれましては、本件監査請求については現在係争中であることから、司法の判断を尊重し、これに委ねることが妥当であるとする理由等で、棄却をしないようにお願い致します。

 仮に、司法の判断を尊重する場合は、別途、群馬県の公金で改めて司法判断に委ねていただきますようお願い致します。

5.現在係争中の事件について

 ここで請求人が現在前橋地裁で係争中の事件の発端となった住民監査請求について「判断することが出来なかった」高崎市監査委員のレベルの低さについてその背景や経緯、そして結果について説明します。

 若宮苑がケアプラン第2表を文書偽造したにも拘わらずに、高崎市長はこれを隠蔽し、介護給付費を不正に支払いました。

 この文書偽造についての立証は、全国の裁判所から選任鑑定人として指定を受ける東京筆跡印鑑鑑定所の川野一吉鑑定人により偽造が証明されています。

 この鑑定結果については、委員に証拠3番として提出した筆跡鑑定書のとおりです。

 同鑑定書については高崎市監査委員にも提出して監査を実施していただきました。

 ところが、高崎市監査委員は「判断することは困難であり、判断がつかなかった。」との理由で請求人が提起した高崎市職員措置請求を棄却してしまいました。そのため、未だに、高崎市住民の損害はおろか、群馬県民全体の損害が補填されていないのです。

 よって、今回の住民監査請求に基づき、速やかに以下の6点の措置を講じるよう、群馬県監査委員の皆さまは、群馬県知事に対し勧告することを求めたいのです。

一、介護保険法第5条2項の規定に基づき、群馬県知事は高崎市長に対し、必要な助言をするよう群馬県知事に勧告せよ。

二、流用された公金の返還を確実なものとする為に、高崎市長を告発し、失われた県民の財産である負担金を回収するよう群馬県知事に勧告せよ。

三、公金の返還、回収を確実なものとする為に、予備的に法的手段を講ずるよう群馬県知事に勧告せよ。

四、警察に被害届を提出し、公金を文書偽造にて不正に受給したことは、犯罪行為であり群馬県に損害を与え極めて悪質であり、厳しく対処すべき事案である事。

五、ケアプラン偽造により、群馬県の損害を事前に是正するために必要な措置として、介護保険法第69条の39に基づき介護支援専門員の登録の消除を速やかに実施するよう群馬県知事に勧告せよ。

六、文書偽造という刑事事件の犯罪を、事後に是正するために必要な措置として、若宮苑を処分するよう群馬県知事は高崎市長に速やかに助言するよう勧告せよ。

6.追加の事実証明書と添付書類

 今回の住民監査請求で事実証明書及び添付書類を提出しました。このたびの陳述において、関連する情報を追加の事実証明書と添付書類として提出します。

           <追加の事実証明書>
証拠6番:介護保険法第5条2項の規定を蔑ろにする群馬県の代理人である弁護士(関夕三郎)からの手紙     1通

           <追加の添付書類>
資料12:群馬県知事・大澤正明が、弁護士・関夕三郎を代理人と定めた委任状
                           1通
資料13:ケアマネタイムス 【ケアプラン偽造】 三重県の処分事例
                           1通
資料14:ケアマネタイムス 【計画書偽造】 神戸市の指定取り消し事例
                           1通
資料15:全国介護保険担当課長会議資料 (3)介護保険に関する指導監査について                         1通
資料16:苦情申立についての確認結果         1通
 ※平成27.12.21若宮苑の指出栄養士に聞き取り、息子である岩崎優さんにサインをいただいているとの証言。(同意の場所、時刻等は詳細不明)
資料17:調査・報告依頼に対する報告         1通
資料18:栄養士法・第3条(抜粋)          1通
**********

 以上で請求人の陳述を終了いたします。

■陳述が終了したのは11時28分ごろでした。

 すると丸山代表監査委員が他の委員に向かって「何か、今の陳述に対して、質問等はございますか?」と意見を求めました。

 他の委員が「特にないです。」と言うと、丸山委員は「それでは、以上で陳述を終了します。」と宣言し、陳述をした当会会員に向かった「ご苦労さまでした。」と声をかけました。こうして11時31分ごろ陳述がすべて完了しました。

■あとは監査委員が本来の役割である中立の立場でのしっかりとして監査業務を果たしてもらい、遅くとも11月24日までに監査結果通知が届く予定です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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