■東電グループの関電工を事業主体とする前橋バイオマス発電施設は、群馬県が定めた環境アセスメントを行わないまま、今年内に竣工し、来年1月からの運転開始に向けて準備が進められています。この暴挙を食い止めようと、当会は地元住民団体とともに、発電施設に隣接する木質チップ製造施設に対する補助金交付の「差止」もしくは「処分の取消」を求める訴訟を2016年7月15日に提起しました。先日10月23日(月)にその第5回弁論準備が前橋地裁本館3階31号法廷(ラウンド法廷)で受命裁判官の指揮のもとに当事者である我々原告らと被告群馬県との間で午後4時から約18分間にわたり開かれました。
この前橋バイオマス発電施設は、東電グループの関電工が、群馬県安中市のバイオマス発電計画に挫折していたトーセンに目を付け、東電が放射能汚染木材の処理に頭を悩ませている東電の意向を受けて、放射能汚染木材を毎年8万4千トンも集めて燃焼させるべく計画し、併せて発電した電力をFIT制度に便乗して自ら高額で買い取るうえ、高コストの事業費をできる限り提言するために多額の補助金を投入するという、手の込んだ策略を巡らせたものです。
しかし、群馬県のシンボルである赤城山の南麓に、このような放射能汚染木材焼却施設を造られてしまうと、群馬県の県民及び県土に重大な環境負荷を及ぼすことになることから、施設建設予定地に近接して生活している住民はもとより、ひろく県内や下流域の住民の間からは放射能二次汚染に伴う懸念や不安の声が起きています。
ところが肝心の群馬県や前橋市の行政は、関電工ら事業者らと癒着して、きれいなぐんまちゃんのシンボルである赤城山麓に放射能を巻き散らすこの亡国事業に対して、呆れたことに環境アセスメントを免除したうえに多額の補助金までつけてやるという、とんでもない非常識な「忖度」を平然と行っています。そうした背景のもとで、当会は地元住民団体とともに、発電施設に隣接する木質チップ製造施設に対する補助金交付の「差止」もしくは「処分の取消」を求める訴訟を2016年7月15日に提起して、現在係争中です。
提訴後、裁判所から補助金の一部は既に支払われていることから、支払の有無で峻別してはどうか、と訴訟指揮があり、結局、2016年12月26日に、新たな住民訴訟の訴状を裁判所に提出したところ、今度は、同じ事件で2つの訴状が出ていると被告からイチャモンがつきました。そのため、2017年3月10日の第4回口頭弁論で、最初の訴状を取り下げる羽目になりました。
そして、2017年3月15日に、出直し裁判の第1回口頭弁論が開かれ、同5月10日に第2回口頭弁論が行われましたが、また裁判所からイチャモンがつけられてしまい、法定外の受任裁判の形で、同5月22日に第1回弁論準備、6月15日に第2回弁論準備、7月18日に第3回弁論準備、9月7日に第4回弁論準備、そして10月23日に第5回弁論準備が前橋地裁3階31号法廷で開かれました。これまでの裁判の経緯は次のブログをご覧ください。
〇2017年6月11日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金訴訟6.15弁論準備に向け原告準備書面(2)を提出↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2341.html#readmore
〇2017年6月18日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…6月15日に第2回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2345.html#readmore
〇2017年7月7日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金訴訟で7月7日に原告が差止⇒返還に訴えの変更申立↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2360.html#readmore
〇2017年7月25日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…7月18日に第3回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2373.html#readmore
〇2017年9月10日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…9月7日に第4回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2414.html#readmore
■それでは第5回弁論準備の模様をレポートします。午後4時に地裁3階31号ラウンドテーブル法廷で、原告と被告が待機する中、受任裁判官の佐藤裁判官が入室してきて、さっそく弁論準備が始まりました。
裁判官:席が狭いんですけれども、ではお願いします。前回から引き続いて、被告から第3準備書面、10月13日付の第3準備書面が出てまいりました。こちらは陳述でよろしいですかね?
被告:はい。
裁判官:乙号証で、乙2号証、3号証が出てまいりました。こちらが森林整備加速化林業再生基金の事業実施要領の運用についてというものと、あとは、群馬県の林業・木材産業再生緊急対策事業取扱要領というものが出てまいりました。こちらはこれ写しでよろしいか?
被告:はい。
裁判官:で、こちらも提出ということでよろしいですね?
被告:はい。
裁判官:えーすいません。ちょっと重複してしまうかもしれないが乙3号証の、趣旨のところで、群馬県林業木材産業再生整緊急対策事業補助金交付要綱というものが出てくるんですけれども、これは既に出ている甲24とは同じものなんですか? ちょっと裁判所のほうはですね、どういうその、立て付けになっているのか、どの、あのう、形で、どういうで・・・
被告:交付要綱・・・?
裁判官:・・どういう基準に基づいて補助金が出せるというのかいまいちよくわからない。
原告:調べれば調べるほどいい加減だ。おどろおどろしい制度だね。(苦笑)
被告:(弁護士と職員との間でゴチャゴチャと会話で)出ていない・・・・交付要綱には出ていないか。あれですよね、国と県の関係で話すと・・。国の通知、交付要綱ですよね。こちらも決定権が。
裁判官:県のほうもおそらく(交付要綱が)あるんですよね?
原告:魑魅魍魎っていうやつだね。
被告:ええ、ありますね、はい。
裁判官:そちらも、すいません、あのう、重複してしまいますけど、これできれば出していただくことできますか?
被告:はい、乙4で交付要綱を?
裁判官:はいそうです。えーと、県の交付要綱ですね。えーとそれから、原告から準備書面(4)といものが8月25日付で出てまいりました。こちらですね、ちょっと確認させていただいてですね。前回の準備書面(3)では、請求の趣旨、・・失礼、えーと、前回の訴えの変更の申立て・・・ああ、前回の準備書面(3)か・・・(3)では3ページで、主位的請求として、返還請求することを怠っていることの違法確認を求めると、で(2)として予備的請求として、補助金相当額の支払い請求をすることの義務付けを求めるということだったのですが、今回またちょっと、変わっていまして、今回はその趣旨的・・・。
原告:前回は(裁判官から)ご示唆をいただいたので、逆だというから逆にしたんです。そのまま・・・
裁判官:今回はですね。主位的請求として4号に基づき、補助金相当額の支払いを求めるというのと、予備的請求として今度は交付決定について取消を求めるということで、これは処分の取消ですので、前回、違法確認の訴えだったものが、今回また取消訴訟になっていますよね。
原告:なんでそんなふうになっちゃったのかな。
裁判官:ちょっとやっぱり請求の趣旨が定まらないと、被告のほうでもこれは反論しようがないですし・・・
原告:あれ、違法確認になっていないのですか。すいません。
裁判官:どちらの趣旨になるんですか。
原告:違法確認ということで、ご説明いただいたので主と従を入れ替えたつもりだったんですが、どうも引用したのが、その前のものを引用してしまったようで、申し訳ありません。
裁判官:訴えを全く変えようという意味ではないんですよね?
原告:そうなんです。
裁判官:わかりました。そうすると予備的請求として、今回の準備書面(4)の1ページ目、Iの(2)の予備的請求としてこれまでの主張を維持しつつ地方自治法242条の2第1項2号とありますけれど、これが違法確認の訴えだと3号になりますね?
原告:そうですね。
裁判官:3号に基づいて、被告が為した平成28年7月4日の平成27年度繰越し群馬県林業木材産業云々の補助金の交付決定について、これを取り消したうえで、前橋バイオマス燃料株式会社に補助金相当額を不当利得として返還することを怠っていることの違法確認を求めるということの趣旨だということでいいですね?
原告:はい。
裁判官:今言った趣旨で、出してもらったほうがいいかな。
原告:はい、わかりました。出します。
裁判官:趣旨としては前回から変更するものではないということを確認したので、ちょっとそこの訂正だけ、変更していただいて、一回この準備書面は今回は留保していただいて、趣旨はわかりました。甲号証も39号証から出てまいりましたけれども、これもじゃあ次回準備書面(4)の訂正のものと合わせて提出ということでよろしいか?
原告:はい。
裁判官:えーとですね。まああのう今のところ、原告の準備書面(4)をまあ読ませてもらって、今までの主張をまあ読ませてもらって、まあ争点としては、補助金の交付決定の評定ですけれども、その内容としては、大きく分けるとまずは地方自治法2条14項、また、地方財政法4条1項の、その、最小の経費で最大の効果を上げると、その条文違反していると。
原告:はい。
裁判官:その内容としては何を言うかというと、乾燥方式としては一般的ではない脱水方式を使っていること。いままで実績がないような機械を使っているという話とか、
原告:ええ、使用する機械がころころ変わっているとか、ですね。
裁判官:あとはその放射能汚染された廃材を間伐材に使用する恐れがあると、まあ、そういった主張がその中で、放射能対策が不十分だと、そういったことがその中身として挙げられていると、そういう理解ですね?
原告:はい。
裁判官:あとは、アセスメント、環境アセスメントが実施されるべきであるにも関わらずなされていないという話。あとは、環境配慮計画書、これの内容が不合理であると。まあ、その内容については、前の間伐材の話だとか、放射性物質のその拡散防止策の話と、まあ、かなり・・・
原告:ええ、まあ、重複します。
裁判官:重複しているんですけれど、内容が不合理だという話。あとは、そもそもの本件の森林整備加速化、林業再生事業の、その趣旨にそぐわないような事業者であったり事業内容になっていると、そういった、まあ大まかに言うとそういったことかな、というところが大きい指摘かなと理解をしています。まあ、そういった事業そのものが法令とか条例に適合していないんだから、その交付決定が、まあ無効だという主張になるわけですよね?
原告:そうですね、この間おっしゃったとおり、無効ですね。
裁判官:いちおう違ったら言ってください。
原告:ええ。はい。
裁判官:主張としてはそういう理解を今のところは、裁判所はしているんですけども、被告のほうではそういった理解で・・・なにかあるか? まあ事業そのものがたぶん法令や条例に適合していないのでそれに対する補助金交付というのも、翻って無効になるんだと。多分、ざっくりと言うとそういった主張だと思うのだが・・・とくにそういう理解であることは、まずいですか?
被告:主張の組み立てというか、枠組みは、そのように理解しています。
裁判官:そうすると、まあ内容のところについて、答弁書等でまあいくつか反論していただいてますけれども、なんかそのアセスメントの実施等に関しては、まだ、被告のほうでも反論とかは、無いかな、ということで考えていますので、そのアセスメントを実施すべき事業だったのに、なにか、なんというか、水とバイオマスについては、8割だけ引いたと。
被告;・・・
原告:そうですね、そういう他県の他自治体の調査を踏まえて、(被告は)そういう決断を出されたというんですけれどもね。
裁判官:その運用について補充されるところがあれば、補充していただいて、その他、まあ第3準備書面と第4準備書面、原告の書面、準備書面(3)と(4)のなかで、何か補充し反論することがあれば、補充していただければと思いますが。
原告:すいません。その時期の問題ですね。あのう、関電工にやっていいよと伝えたときに、本当に2割おまけの文書が、公文書が存在していたのかどうか、というのがまだ立証されていなくて、こちらで情報公開の求めで出てきた資料が2部あり、揃っているんですけれども、それも全然違う人が作っていた文書。で、その作成日を見ると、昨年つくったということで。
裁判官:その、えーと、まあ被告のほうでそれについても、必要があれば反論してもらうということで裁判所としてはそもそもそういう運用になっていること自体よくわかりませんので、そこについてとりあえず反論をお願いします。
原告:ホームページで出したのがついこの間だっていうのですから、よくわからないですよね。まあ、口頭で伝えるのが有効かどうかというのは、私もオンブズマンを20年余りやってきてますけれども、文書主義の行政ではありえないことであって、例えばそれを誰がどうしたかということ自体は記録に残っているはずなんですれども、それが出てこないということは、これは後付けでいい加減なことをされたのではないかという、こういう意味でね、問題があります。
裁判官:はい、わかります。あのう、すでに反論いただいているところについては重複している部分は不要ですので。追加して、被告のほうで補充する部分があれば、ということでお願いしても大丈夫ですか?
被告:はい、あと1点よろしいですか?
裁判官:はい。
被告:手続きのことですが、あのう、地方自治法の242条の2の、たしか5項。
裁判官:はい。
被告:えーと、補助参加ですか・・・ 告知ですね。これのタイミングとしては?
裁判官:えーと、まあ請求の趣旨が固まった段階でしていただく形になるかと思うので、次回、訂正の申立書が出てきた段階でということになるかと思いますね。
原告:えっ、(前橋バイオマス燃料が)訴訟参加するんですか?
裁判所:あのですね。今回義務付けの訴えがかかってますので、えーと、この義務付けの主体がバイオマス燃料ですね。
原告:ほう、そうですか。それはそれで。
裁判官:それだからバイオマス燃料のほうに訴訟告知をして、いちおう補助参加するかどうかということを、まあ、そういうことになります。それは被告のほうで、法律の条文がありますので。
被告:はい。
裁判官:ところで次回、原告のほうでその準備書面(4)の訂正申立書と、あとは被告のほうで、補充の主張があれば、反論があればというところで、お願いしようと思います。よろしいでしょうか? あと、先ほどの県の交付要綱を、被告のほうですね。
原告・被告:はい。
裁判官:よろしいですか?
原告・被告:はい。
裁判官:では次回ですけれども、日程に言うと、被告のほうは月曜日がいいですか?
被告:そうですね。
原告:うちのほうはいつでもいいです。
被告:(弁護士と職員の間のやりとりで)どれくらいですかね。1か月半くらいで大丈夫ですかね。大丈夫です、はい。(弁護士から裁判長に)では、えーと、1か月半ぐらいいただいて。
裁判長:12月の8くらいまでで大丈夫ですかね。書面で・・・12月の8日。
被告:12月8日までに出せばいいということで。そういうことですね?
裁判官:大丈夫そうですか?
被告:(弁護士が職員に)余裕を見て15日にしますか?(職員が)ええ、
原告:そのころ忘年会ではないのか?
裁判官:では、次回ですが、22日、まあ1週間後の12月22日と25日でしたら、空いてる日はございますか?
被告:(弁護士と職員らの身内同士のゴチャゴチャ話)そのころは大丈夫ですね、何もないですね。議会もないですしね。(これを聞いて弁護士が裁判官に対して)
25日ですと、3時以降だとありがたいのですが・・・
裁判官:では4時で、きょうと同じ時間帯のほうでよろしいですか?
被告;25日の4時で、はい。
裁判官;よろしいですか、原告のほう?
原告:うーん、どうしようかな・・・そのころ台湾に行こうと思っていたんだけど、まあいいや。いいですよ。
裁判官:いいですか?
原告・被告:はい。
裁判官:では、12月の25日の月曜日の午後4時ということにさせていただきます。
原告:クリスマスですね。
裁判官:そうですね。
被告;弁準(弁論準備の略)でよろしいんですね?
裁判官:はい、同じ弁準でお願いします。
被告:(弁護士が原告に)すいませんね。せっかくの楽しみを。
原告:(台湾行きは)旧正月の年明けにします。
裁判官:それではこれで、
原告・被告:どうもありがとうございました。
(当会注:上記の内容はメモ及び記憶に基づき、記録したものであり、正式な記録ではありません。正式な裁判記録は裁判所作成の調書によります)
■以上の通り、今回の第5回弁論準備は約18分間にわたりやり取りが行われました。次回の第6回弁論準備は12月25日(月)午後4時から前橋地裁3階の31号法廷(ラウンドテーブル法廷)で開かれます。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※第5回弁論準備にかかる裁判資料
**********
●2017年8月25日「原告準備書面(3)」:PDF ⇒ 20170825irj0810hc.pdf
●2017年10月16日「原告準備書面(4)」(今回留保):PDF ⇒ 20171016isjo.pdf
▲2017年9月9日「被告乙2・3号証」:PDF ⇒ 201709092.pdf
201709093.pdf
▲2017年10月13日「被告第3準備書面」:PDF ⇒ 20171015_hikoku_junbishomen_no.3.pdf
この前橋バイオマス発電施設は、東電グループの関電工が、群馬県安中市のバイオマス発電計画に挫折していたトーセンに目を付け、東電が放射能汚染木材の処理に頭を悩ませている東電の意向を受けて、放射能汚染木材を毎年8万4千トンも集めて燃焼させるべく計画し、併せて発電した電力をFIT制度に便乗して自ら高額で買い取るうえ、高コストの事業費をできる限り提言するために多額の補助金を投入するという、手の込んだ策略を巡らせたものです。
しかし、群馬県のシンボルである赤城山の南麓に、このような放射能汚染木材焼却施設を造られてしまうと、群馬県の県民及び県土に重大な環境負荷を及ぼすことになることから、施設建設予定地に近接して生活している住民はもとより、ひろく県内や下流域の住民の間からは放射能二次汚染に伴う懸念や不安の声が起きています。
ところが肝心の群馬県や前橋市の行政は、関電工ら事業者らと癒着して、きれいなぐんまちゃんのシンボルである赤城山麓に放射能を巻き散らすこの亡国事業に対して、呆れたことに環境アセスメントを免除したうえに多額の補助金までつけてやるという、とんでもない非常識な「忖度」を平然と行っています。そうした背景のもとで、当会は地元住民団体とともに、発電施設に隣接する木質チップ製造施設に対する補助金交付の「差止」もしくは「処分の取消」を求める訴訟を2016年7月15日に提起して、現在係争中です。
提訴後、裁判所から補助金の一部は既に支払われていることから、支払の有無で峻別してはどうか、と訴訟指揮があり、結局、2016年12月26日に、新たな住民訴訟の訴状を裁判所に提出したところ、今度は、同じ事件で2つの訴状が出ていると被告からイチャモンがつきました。そのため、2017年3月10日の第4回口頭弁論で、最初の訴状を取り下げる羽目になりました。
そして、2017年3月15日に、出直し裁判の第1回口頭弁論が開かれ、同5月10日に第2回口頭弁論が行われましたが、また裁判所からイチャモンがつけられてしまい、法定外の受任裁判の形で、同5月22日に第1回弁論準備、6月15日に第2回弁論準備、7月18日に第3回弁論準備、9月7日に第4回弁論準備、そして10月23日に第5回弁論準備が前橋地裁3階31号法廷で開かれました。これまでの裁判の経緯は次のブログをご覧ください。
〇2017年6月11日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金訴訟6.15弁論準備に向け原告準備書面(2)を提出↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2341.html#readmore
〇2017年6月18日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…6月15日に第2回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2345.html#readmore
〇2017年7月7日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金訴訟で7月7日に原告が差止⇒返還に訴えの変更申立↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2360.html#readmore
〇2017年7月25日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…7月18日に第3回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2373.html#readmore
〇2017年9月10日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…9月7日に第4回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2414.html#readmore
■それでは第5回弁論準備の模様をレポートします。午後4時に地裁3階31号ラウンドテーブル法廷で、原告と被告が待機する中、受任裁判官の佐藤裁判官が入室してきて、さっそく弁論準備が始まりました。
裁判官:席が狭いんですけれども、ではお願いします。前回から引き続いて、被告から第3準備書面、10月13日付の第3準備書面が出てまいりました。こちらは陳述でよろしいですかね?
被告:はい。
裁判官:乙号証で、乙2号証、3号証が出てまいりました。こちらが森林整備加速化林業再生基金の事業実施要領の運用についてというものと、あとは、群馬県の林業・木材産業再生緊急対策事業取扱要領というものが出てまいりました。こちらはこれ写しでよろしいか?
被告:はい。
裁判官:で、こちらも提出ということでよろしいですね?
被告:はい。
裁判官:えーすいません。ちょっと重複してしまうかもしれないが乙3号証の、趣旨のところで、群馬県林業木材産業再生整緊急対策事業補助金交付要綱というものが出てくるんですけれども、これは既に出ている甲24とは同じものなんですか? ちょっと裁判所のほうはですね、どういうその、立て付けになっているのか、どの、あのう、形で、どういうで・・・
被告:交付要綱・・・?
裁判官:・・どういう基準に基づいて補助金が出せるというのかいまいちよくわからない。
原告:調べれば調べるほどいい加減だ。おどろおどろしい制度だね。(苦笑)
被告:(弁護士と職員との間でゴチャゴチャと会話で)出ていない・・・・交付要綱には出ていないか。あれですよね、国と県の関係で話すと・・。国の通知、交付要綱ですよね。こちらも決定権が。
裁判官:県のほうもおそらく(交付要綱が)あるんですよね?
原告:魑魅魍魎っていうやつだね。
被告:ええ、ありますね、はい。
裁判官:そちらも、すいません、あのう、重複してしまいますけど、これできれば出していただくことできますか?
被告:はい、乙4で交付要綱を?
裁判官:はいそうです。えーと、県の交付要綱ですね。えーとそれから、原告から準備書面(4)といものが8月25日付で出てまいりました。こちらですね、ちょっと確認させていただいてですね。前回の準備書面(3)では、請求の趣旨、・・失礼、えーと、前回の訴えの変更の申立て・・・ああ、前回の準備書面(3)か・・・(3)では3ページで、主位的請求として、返還請求することを怠っていることの違法確認を求めると、で(2)として予備的請求として、補助金相当額の支払い請求をすることの義務付けを求めるということだったのですが、今回またちょっと、変わっていまして、今回はその趣旨的・・・。
原告:前回は(裁判官から)ご示唆をいただいたので、逆だというから逆にしたんです。そのまま・・・
裁判官:今回はですね。主位的請求として4号に基づき、補助金相当額の支払いを求めるというのと、予備的請求として今度は交付決定について取消を求めるということで、これは処分の取消ですので、前回、違法確認の訴えだったものが、今回また取消訴訟になっていますよね。
原告:なんでそんなふうになっちゃったのかな。
裁判官:ちょっとやっぱり請求の趣旨が定まらないと、被告のほうでもこれは反論しようがないですし・・・
原告:あれ、違法確認になっていないのですか。すいません。
裁判官:どちらの趣旨になるんですか。
原告:違法確認ということで、ご説明いただいたので主と従を入れ替えたつもりだったんですが、どうも引用したのが、その前のものを引用してしまったようで、申し訳ありません。
裁判官:訴えを全く変えようという意味ではないんですよね?
原告:そうなんです。
裁判官:わかりました。そうすると予備的請求として、今回の準備書面(4)の1ページ目、Iの(2)の予備的請求としてこれまでの主張を維持しつつ地方自治法242条の2第1項2号とありますけれど、これが違法確認の訴えだと3号になりますね?
原告:そうですね。
裁判官:3号に基づいて、被告が為した平成28年7月4日の平成27年度繰越し群馬県林業木材産業云々の補助金の交付決定について、これを取り消したうえで、前橋バイオマス燃料株式会社に補助金相当額を不当利得として返還することを怠っていることの違法確認を求めるということの趣旨だということでいいですね?
原告:はい。
裁判官:今言った趣旨で、出してもらったほうがいいかな。
原告:はい、わかりました。出します。
裁判官:趣旨としては前回から変更するものではないということを確認したので、ちょっとそこの訂正だけ、変更していただいて、一回この準備書面は今回は留保していただいて、趣旨はわかりました。甲号証も39号証から出てまいりましたけれども、これもじゃあ次回準備書面(4)の訂正のものと合わせて提出ということでよろしいか?
原告:はい。
裁判官:えーとですね。まああのう今のところ、原告の準備書面(4)をまあ読ませてもらって、今までの主張をまあ読ませてもらって、まあ争点としては、補助金の交付決定の評定ですけれども、その内容としては、大きく分けるとまずは地方自治法2条14項、また、地方財政法4条1項の、その、最小の経費で最大の効果を上げると、その条文違反していると。
原告:はい。
裁判官:その内容としては何を言うかというと、乾燥方式としては一般的ではない脱水方式を使っていること。いままで実績がないような機械を使っているという話とか、
原告:ええ、使用する機械がころころ変わっているとか、ですね。
裁判官:あとはその放射能汚染された廃材を間伐材に使用する恐れがあると、まあ、そういった主張がその中で、放射能対策が不十分だと、そういったことがその中身として挙げられていると、そういう理解ですね?
原告:はい。
裁判官:あとは、アセスメント、環境アセスメントが実施されるべきであるにも関わらずなされていないという話。あとは、環境配慮計画書、これの内容が不合理であると。まあ、その内容については、前の間伐材の話だとか、放射性物質のその拡散防止策の話と、まあ、かなり・・・
原告:ええ、まあ、重複します。
裁判官:重複しているんですけれど、内容が不合理だという話。あとは、そもそもの本件の森林整備加速化、林業再生事業の、その趣旨にそぐわないような事業者であったり事業内容になっていると、そういった、まあ大まかに言うとそういったことかな、というところが大きい指摘かなと理解をしています。まあ、そういった事業そのものが法令とか条例に適合していないんだから、その交付決定が、まあ無効だという主張になるわけですよね?
原告:そうですね、この間おっしゃったとおり、無効ですね。
裁判官:いちおう違ったら言ってください。
原告:ええ。はい。
裁判官:主張としてはそういう理解を今のところは、裁判所はしているんですけども、被告のほうではそういった理解で・・・なにかあるか? まあ事業そのものがたぶん法令や条例に適合していないのでそれに対する補助金交付というのも、翻って無効になるんだと。多分、ざっくりと言うとそういった主張だと思うのだが・・・とくにそういう理解であることは、まずいですか?
被告:主張の組み立てというか、枠組みは、そのように理解しています。
裁判官:そうすると、まあ内容のところについて、答弁書等でまあいくつか反論していただいてますけれども、なんかそのアセスメントの実施等に関しては、まだ、被告のほうでも反論とかは、無いかな、ということで考えていますので、そのアセスメントを実施すべき事業だったのに、なにか、なんというか、水とバイオマスについては、8割だけ引いたと。
被告;・・・
原告:そうですね、そういう他県の他自治体の調査を踏まえて、(被告は)そういう決断を出されたというんですけれどもね。
裁判官:その運用について補充されるところがあれば、補充していただいて、その他、まあ第3準備書面と第4準備書面、原告の書面、準備書面(3)と(4)のなかで、何か補充し反論することがあれば、補充していただければと思いますが。
原告:すいません。その時期の問題ですね。あのう、関電工にやっていいよと伝えたときに、本当に2割おまけの文書が、公文書が存在していたのかどうか、というのがまだ立証されていなくて、こちらで情報公開の求めで出てきた資料が2部あり、揃っているんですけれども、それも全然違う人が作っていた文書。で、その作成日を見ると、昨年つくったということで。
裁判官:その、えーと、まあ被告のほうでそれについても、必要があれば反論してもらうということで裁判所としてはそもそもそういう運用になっていること自体よくわかりませんので、そこについてとりあえず反論をお願いします。
原告:ホームページで出したのがついこの間だっていうのですから、よくわからないですよね。まあ、口頭で伝えるのが有効かどうかというのは、私もオンブズマンを20年余りやってきてますけれども、文書主義の行政ではありえないことであって、例えばそれを誰がどうしたかということ自体は記録に残っているはずなんですれども、それが出てこないということは、これは後付けでいい加減なことをされたのではないかという、こういう意味でね、問題があります。
裁判官:はい、わかります。あのう、すでに反論いただいているところについては重複している部分は不要ですので。追加して、被告のほうで補充する部分があれば、ということでお願いしても大丈夫ですか?
被告:はい、あと1点よろしいですか?
裁判官:はい。
被告:手続きのことですが、あのう、地方自治法の242条の2の、たしか5項。
裁判官:はい。
被告:えーと、補助参加ですか・・・ 告知ですね。これのタイミングとしては?
裁判官:えーと、まあ請求の趣旨が固まった段階でしていただく形になるかと思うので、次回、訂正の申立書が出てきた段階でということになるかと思いますね。
原告:えっ、(前橋バイオマス燃料が)訴訟参加するんですか?
裁判所:あのですね。今回義務付けの訴えがかかってますので、えーと、この義務付けの主体がバイオマス燃料ですね。
原告:ほう、そうですか。それはそれで。
裁判官:それだからバイオマス燃料のほうに訴訟告知をして、いちおう補助参加するかどうかということを、まあ、そういうことになります。それは被告のほうで、法律の条文がありますので。
被告:はい。
裁判官:ところで次回、原告のほうでその準備書面(4)の訂正申立書と、あとは被告のほうで、補充の主張があれば、反論があればというところで、お願いしようと思います。よろしいでしょうか? あと、先ほどの県の交付要綱を、被告のほうですね。
原告・被告:はい。
裁判官:よろしいですか?
原告・被告:はい。
裁判官:では次回ですけれども、日程に言うと、被告のほうは月曜日がいいですか?
被告:そうですね。
原告:うちのほうはいつでもいいです。
被告:(弁護士と職員の間のやりとりで)どれくらいですかね。1か月半くらいで大丈夫ですかね。大丈夫です、はい。(弁護士から裁判長に)では、えーと、1か月半ぐらいいただいて。
裁判長:12月の8くらいまでで大丈夫ですかね。書面で・・・12月の8日。
被告:12月8日までに出せばいいということで。そういうことですね?
裁判官:大丈夫そうですか?
被告:(弁護士が職員に)余裕を見て15日にしますか?(職員が)ええ、
原告:そのころ忘年会ではないのか?
裁判官:では、次回ですが、22日、まあ1週間後の12月22日と25日でしたら、空いてる日はございますか?
被告:(弁護士と職員らの身内同士のゴチャゴチャ話)そのころは大丈夫ですね、何もないですね。議会もないですしね。(これを聞いて弁護士が裁判官に対して)
25日ですと、3時以降だとありがたいのですが・・・
裁判官:では4時で、きょうと同じ時間帯のほうでよろしいですか?
被告;25日の4時で、はい。
裁判官;よろしいですか、原告のほう?
原告:うーん、どうしようかな・・・そのころ台湾に行こうと思っていたんだけど、まあいいや。いいですよ。
裁判官:いいですか?
原告・被告:はい。
裁判官:では、12月の25日の月曜日の午後4時ということにさせていただきます。
原告:クリスマスですね。
裁判官:そうですね。
被告;弁準(弁論準備の略)でよろしいんですね?
裁判官:はい、同じ弁準でお願いします。
被告:(弁護士が原告に)すいませんね。せっかくの楽しみを。
原告:(台湾行きは)旧正月の年明けにします。
裁判官:それではこれで、
原告・被告:どうもありがとうございました。
(当会注:上記の内容はメモ及び記憶に基づき、記録したものであり、正式な記録ではありません。正式な裁判記録は裁判所作成の調書によります)
■以上の通り、今回の第5回弁論準備は約18分間にわたりやり取りが行われました。次回の第6回弁論準備は12月25日(月)午後4時から前橋地裁3階の31号法廷(ラウンドテーブル法廷)で開かれます。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※第5回弁論準備にかかる裁判資料
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●2017年8月25日「原告準備書面(3)」:PDF ⇒ 20170825irj0810hc.pdf
●2017年10月16日「原告準備書面(4)」(今回留保):PDF ⇒ 20171016isjo.pdf
▲2017年9月9日「被告乙2・3号証」:PDF ⇒ 201709092.pdf
201709093.pdf
▲2017年10月13日「被告第3準備書面」:PDF ⇒ 20171015_hikoku_junbishomen_no.3.pdf