市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

安中市長選を控えた戸別訪問と文書配布の法的解釈について住民の問合せに対する県選管の見解

2018-01-12 23:34:00 | 安中市長選挙
■2018年1月4日に安中市内全戸に新聞折込された岡田義弘・前市長のお馴染みの意味不明の後援会報について、裏面(こっちが表か?)に同氏の若かりしころの顔写真が大写しのカラー印刷で映っており、今年4月の市長選を睨んで早くも選挙モード突入か?と市民の度肝を抜いた同氏の果敢な宣伝活動に、ザル法とはいえ果たして公職選挙法等に照らして法的に問題や課題はないのかどうか、法に抵触しかねない点があるとすればどのようなことなのか、群馬県内の選挙管理をリードする県選管に問い合わせてみました。読者会員の皆様の参考になれば幸いです。

左上に「室内用」と書かれた立候補予定者の個別氏名と、社会通念上、投票行動としてこれを見る限り誰しも来る4月に執行される市長選を想起させる選挙ポスターもどきの候補者の修正写真。これが1月4日安中市内全戸に新聞折込で配布された。

*****送信メッセージ*****
From: masaru ogawa <ogawakenpg@gmail.com>
日付: 2018年1月5日 19:05
件名: 安中市長選を控えた戸別訪問と文書配布の法的解釈について(ご質問)
To: senkan@pref.gunma.lg.jp

群馬県選挙管理委員会 御中

ご承知のとおり私の居住する安中市においては、4月8日公示、4月15日投開票で安中市長選挙が実施される予定です。

すでに、現職の茂木英子市長が昨年9月15日の市議会本会議と同27日の定例記者会見の場で出馬表明をしております。

一方、前市長の岡田義弘氏は、昨年来、旧松井田町を手初めに、旧安中市内を戸別訪問し、チラシ等を配布しており、私の自宅にも昨年12月30日午前11時ごろ訪れて出馬報告をするとともに、市政、とくに碓氷病院と東邦亜鉛公害防除特別対策事業などについて30分ほど話をしていきました。

そして、年明けの1月4日の東京新聞朝刊の新聞折込みを見ると、岡田義弘氏の後援会報として裏面には同氏の写真を掲載したポスターが印刷されたB4変形サイズのチラシが入っていました。

そこで次の疑問があります。大変お忙しいところ恐縮ですが、貴会の見解をご教示くださるようお願い申し上げます。

<1.戸別訪問について>

質問1-1:
家を一軒ごとに訪問して投票を頼んだり、演説会や候補者の氏名の宣伝をする戸別訪問は、公職選挙法(第138条 第1項、第2項)で禁止されているはずですが、岡田義弘氏の上記の行動について、問題はありませんか。

質問1-2:
選挙運動期間中の戸別訪問と、選挙運動期間以外に行う通常の政治活動としての戸別訪問について、それぞれどのような問題があるのか否かをお聞きしたいと思います。

質問1-3
また、もし同法に違反していると判断される場合には、どのような罰則が適用される可能性があるでしょうか。

<2.文書配布>

公職選挙法142条1項では、公職選挙法で列記されたもの以外は、選挙運動のために使用する文書図画を頒布してはならないと規定しています。また、公職選挙法143条では、選挙運動のために使用する文書図画は、同条各号で認められているもののほかは掲示することができないと規定します。そこで、「文書図画」および「頒布」の意義が問題となります。

選挙期間中のポスティングについては、私自身、警察から「文書違反」の警告を受けたことが有ります。一方で、政治的な主張を広く知らしめるには、やはり文書の配布が一番効率的であるのも事実です。

政党に所属していて、政党が主導したチラシは、新聞折込みなど「不特定多数」への文書配布ができるようです。そこで、質問があります。

質問2-1:

実際、選挙が近づくと、政治活動のチラシやらパンフレットが頻繁に山ほど入ってきます。これらは選挙運動の「事前運動」に当たるのかどうか、いつも疑問なのですが、政治活動という解釈が適用されるという判断が当てはまれば、問題ないのでしょうか。

質問2-2:

今回の岡田義弘氏のポスター付き後援会報については、文面を読む限り、また、戸別訪問における出馬意思の表明と併せて考えますと、立候補を念頭としたものであると考える選挙民は多いと思います。

しかし、実際には岡田義弘氏は未だに正式に出馬表明をしているわけではなく、正式な候補者、つまり立候補者とは、公示または告示日に立候補が受理されて初めて成立するわけですから、それ以前の場合は立候補を予定しているだけでは、候補者とは言えないわけで、そうなると選挙運動でなく政治活動であるとも解すことができます。

但し、事前運動の規定としては、マスコミなどで立候補の意思を表明している「立候補予定者」も対象となると記されています。

今回の、岡田義弘氏のポスター付き後援会報の新聞折込みは、不特定多数への文書配布として、公職選挙法に照らして問題があるのでしょうか。それとも問題ないのでしょうか。

誠に恐縮ですが、1月12日(金)午後5時までにご返事を賜れれば幸いです。

安中市野殿980番地
小川賢

※メール添付PDF ⇒ 20180104co18vtate.pdf
**********

■6日後の1月11日(木)に、群馬県 総務部市町村課選挙・政治団体係にある群馬県選挙管理委員会の担当者から、次の見解が回答として寄せられました。なお、赤色の箇所は当会がポイントと思しき部分をわかりやすく示すために付記したものです。

*****受信メッセージ*****
From: 茂木 直人76 <motegi-na@pref.gunma.lg.jp>
日付: 2018年1月11日 18:34
件名: Re: 安中市長選を控えた戸別訪問と文書配布の法的解釈について
To: ogawakenpg <ogawakenpg@gmail.com>

小川 賢 様

群馬県選挙管理委員会の茂木と申します。
過日御照会の件について、以下のとおり当方の見解等をお送りいたしますので御確認ください。

まず、公職選挙法(以下「法」といいます。)のいくつかの条文及び解釈等について整理し、これらを前提として、御照会の事案に対する見解等をお示しして参ります。

【前提1:選挙運動の定義】
どのような活動等が「選挙運動」に当たるかについて、法においては明確に規定されていませんが、判例においては、例えば、「公職選挙法における選挙運動とは、特定の公職の選挙につき、特定の立候補者又は立候補予定者に当選を得させるため、投票を得若しくは得させる目的をもって、直接又は間接に必要かつ有利な斡旋、勧誘その他諸般の行為をするこという」(S52.2.24最高裁 その他にも複数判例有り)とされています。

詳述しますと、以下①~③のとおりとなります。
①選挙が特定されていること
 ある行為が選挙運動に当たるとされるためには、その行為の対象たる選挙が特定していることが必要ですが、告示前であっても社会通念上、その選挙が客観的に認識し得るものであれば、特定の選挙ということができると解されています(逐条解説公職選挙法-安田充・荒川敦編著 [H21.1.30] 以下「逐条解説」といいます。)。
 判例でも、当該公職の任期満了の接近という事情も選挙の特定を認められるものとされています。(S11.6.8 大審院 等)

②特定の候補者の当選を目的としていること
 特定の候補者のためになされるものであることを要し、ここでいう候補者とは、現に立候補した者のみを指すのではなく、将来立候補しようとする者をも含むと解されています。(S11.7.23 大審院)

③投票を得る又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為であること
 当選を目的としてなされる行為をいいます。(自身の当選はもちろん、他人の当選を目的とすることもこれに当たります。)
「直接に」選挙人に働きかけ、投票を獲得しようとする行為は明確に「選挙運動」に当たると判断できますが、しかし「間接に」必要かつ有利な行為について、その意味する範囲は極めて広いため、その特定(具体的な行為が選挙運動であるかどうかの認定)に当たっては、単にその行為の名目に着目するのみでなく、その行為の態様(その行為のなされる時期、場所、方法、対象等)を総合的に観察し、その実質に即して判断されなければならないと解されています(逐条解説)。

【前提2:選挙運動に当たらない行為】
ただし、選挙に関する行為のすべてが「選挙運動」に当たるものではなく、以下のような行為については、選挙運動には当たらないとされています。

①立候補準備行為
・政党の公認を求める行為
・いわゆる立候補の瀬踏行為
・候補者選考会等の開催行為
・供託物を供託する行為  など

②選挙運動準備行為
・選挙事務所借入れ等の内交渉
・ポスター等を印刷しておくこと
・選挙公報の文案を作成すること など

③政治活動
・政党その他の政治団体等の政策宣伝、党勢拡張のための活動
・立候補予定者等が選挙運動期間前に行う政治上の主義、施策の普及宣伝行為 など

④社交的行為
・退官のあいさつ
・転居のあいさつ など

しかし、これらは投票依頼の目的をもって選挙人に働きかけることがないからこそ、選挙運動とはならないのであって、これらの行為に名を借りて、投票獲得の意図をもって行われる場合には、「選挙運動」に当たると解されます。

【前提3:政治活動と選挙運動】
法にいう「政治活動」とは、政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の立候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを目的として行う直接又は間接の一切の行為のうち、選挙運動にわたる行為を除いた行為を指称するものであると解されています(逐条解説)。

現実的に政治活動には、特定候補者の支持、推薦等を含む行為も存在しますが、そのような選挙運動を含む政治活動については、選挙運動としての規制を受けるものとされています(逐条解説)。

【前提4:選挙運動の期間】
法第129条では、選挙運動のできる期間を定めており、立候補の届出が受理された後から、選挙期日の前日まで行うことができるとされています。これは選挙運動の開始時期を特定することにより、各候補者等が同時(公平)に選挙運動を開始することを法意としており、これ以前に行われる「選挙運動」については、いわゆる事前運動として禁止されます

■以下、判例や逐条解説等を基本として見解等をお示しいたしますが、既に行われた行為等に係る事実認定、法律・罰則の適用や最終的な判断は、各事案の実情等を踏まえて、司法等においてなされることとなりますので、その点あらかじめ御承知おきください。

><1.戸別訪問について>
>質問1-1:
>家を一軒ごとに訪問して投票を頼んだり、演説会や候補者の氏名の
>宣伝をする戸別訪問は、公職選挙法(第138条第1項、第2項)
>で禁止されているはずですが、岡田義弘氏の上記の行動について、
>問題はありませんか。

(1)本条違反が成立するには、
 ①戸別に訪問するという「客観的」な行為が存在すること
 ②これが投票依頼等の目的をもってなされるという「主観的」な意思の存在すること
以上2点が必要と解されています。
ただし後者は、現行犯や行為者の自供など、特に行為者の意思が明白に表示されたような場合は明確に違反と認定されますが、そのような明示がない場合であっても、当該行為の外形から客観的に推測、認定することも可能と解されています(逐条解説)。

氏の活動について、直接投票依頼の言及等があった場合には、上記条文に抵触するおそれがあると考えられますが、投票依頼等の明示がない場合には、主観的に投票依頼の目的を持って行った行為であるか、又はその行為の外形によって客観的に投票依頼を動機とした行為として認定されるか否かによって判断されると考えられます。

>質問1-2:
>選挙運動期間中の戸別訪問と、選挙運動期間以外に行う
>通常の政治活動としての戸別訪問について、
>それぞれどのような問題があるのか否かをお聞きしたいと思います。

(2)まず、選挙運動期間中の戸別訪問については、御指摘のとおり法第138条に抵触する又はそのおそれが高いといえます。

理論上は、候補者等が選挙運動以外の用件等で各戸を訪問する(例えば自身の生業のため)場合も想定されますが、選挙運動期間中に候補者が戸別訪問することは、一般には選挙運動を意図したものであると捉えられるおそれが高いと考えられます。

一方、選挙運動期間以外に行う、個人や政治団体等の政治活動に止まる戸別訪問については、法的に制限されるものではありません。また、当該行為が選挙運動にわたらない瀬踏行為等(上記【前提2】)であった場合にも、制限されるものではないと解されます。

しかし、上記(1)で述べましたとおり、戸別訪問を行ったという客観的な事実があり、加えて投票依頼の意図をもって行われたもの(主観的な意図又は客観的に判断される場合)と認められる場合には、法第138条及び第129条(上記【前提4】)に違反するおそれがあります。

判例では、連続して二軒以上を訪問する目的をもって、各戸に投票を依頼して回る行為は戸別訪問に当たるとされていますが、選挙運動期間以外の時期において、その内容が投票依頼を含むようなもの(選挙運動にわたるもの)であった場合、まず法第129条(上記【前提4】)に抵触するおそれがあり、重ねて法第138条への抵触が懸念されます(観念的競合)

>質問1-3
>また、もし同法に違反していると判断される場合には、
>どのような罰則が適用される可能性があるでしょうか。

(3)法第129条又は第138条違反に係る罰則は法第239条で規定され、一年以下の禁錮又は30万円以下の罰金とされています。

><2.文書配布>
>公職選挙法142条1項では、公職選挙法で列記されたもの以外は、
>選挙運動のために使用する文書図画を頒布してはならないと規定しています。
>また、公職選挙法143条では、選挙運動のために使用する文書図画は、
>同条各号で認められているもののほかは掲示することができないと規定します。
>そこで、「文書図画」および「頒布」の意義が問題となります。
>選挙期間中のポスティングについては、私自身、
>警察から「文書違反」の警告を受けたことが有ります。
>一方で、政治的な主張を広く知らしめるには、
>やはり文書の配布が一番効率的であるのも事実です。
>政党に所属していて、政党が主導したチラシは、
>新聞折込みなど「不特定多数」への文書配布ができるようです。
>そこで、質問があります。

(4)御指摘のとおり、法第142条は、選挙期間中におけるビラ等の文書図画の「頒布」等について規定し、枚数や規格、頒布方法等が同条及び公職選挙法施行令等によって定められています。選挙期間中に当該規定以外の文書図画や方法等をもって頒布する行為はこれに違反することとなり、また、記載内容から、選挙運動のために使用することが必ずしも明らかでない場合でも、その頒布の態様等から総合的に判断して、選挙運動のために用いられるものと認められるものについては、その禁止を免れる行為として、法第146条において禁止されています。

なお、選挙運動期間中において頒布できる文書図画は、規格や枚数のほか、頒布方法についても規定されており、所定の規格等を満たしていても、いわゆるポスティングは、その方法として認められていません。

一方で、選挙運動期間以外の文書図画の「頒布」について、選挙運動を目的としたものでない限りは、特段の制限を受けるものではなく、当該条文にも制限規定は明示されていません。その内容について、選挙運動を含む文書図画を選挙運動期間以外において頒布する行為は、むしろ法第129条に抵触するものと考えられます(上記【前提4】)。

また、法第143条は、主に文書図画の「掲示」(政治活動を含む)について規定しており、こちらも御指摘のとおり、当該規定で認められるもの以外、掲示することが禁止されます。なお、当該条文は、選挙運動期間以外の「政治活動」に係る文書図画の「掲示」に係る制限も併せて規定されています。

政党等が選挙運動期間以外に行う政治活動で、例えばビラの頒布について、上述の解釈同様、特定の選挙について、特定の候補者等に対して投票を依頼するような内容であれば、同様に法に抵触すると解されます。

しかし、政党等の選挙運動期間中の政治活動については、別途法第14章の3「政党その他の政治団体等の選挙における政治活動」に各種制限等が規定されています。選挙の種類ごとにこの制限が異なるため、「市長選挙」に係る規定を前提として以下にお示しいたします。

選挙運動期間中における政党その他の政治団体等に係る「政治活動」について、法第201条の13等で規定されています。原則として特定の行為については制限されますが、市長選の告示日以降であっても、法第201条の9第3項により、当該選挙において所属候補者又は支援候補者がある団体であって、当該選挙を管理する選挙管理委員会に申請して、確認書の交付を受けた団体(いわゆる「確認団体」)については、同条第1項に規定される政治活動に限り、これを行うことができるとされています。

ただし、候補者の氏名又は氏名が類推される事項等を記載した文書図画の頒布などは制限されます。(制限等は法第201条の11以降に規定されています。)

>質問2-1:
>実際、選挙が近づくと政治活動のチラシやらパンフレットが頻繁に山ほど入ってきます。
>これらは選挙運動の「事前運動」に当たるのかどうか、いつも疑問なのですが、
>政治活動という解釈が適用されるという判断が当てはまれば、問題ないのでしょうか。

(5)これも上記同様、純粋に政治活動として行われるものは法の制限を受けるものではありません。
しかし、直接的に投票を依頼する文言等が記載されていない場合であっても、時期や方法、対象などから、特定の選挙について、特定の候補者への投票を促す目的をもって行ったと認められる場合には、事前運動と捉えられるおそれがあります。

>質問2-2:
>今回の岡田義弘氏のポスター付き後援会報については、文面を読む限り、
>また、戸別訪問における出馬意思の表明と併せて考えますと、
>立候補を念頭としたものであると考える選挙民は多いと思います。
>しかし、実際には岡田義弘氏は未だに正式に出馬表明をしているわけではなく、
>正式な候補者、つまり立候補者とは、公示または告示日に立候補が受理されて
>初めて成立するわけですから、それ以前の場合は立候補を予定しているだけでは、
>候補者とは言えないわけで、そうなると選挙運動でなく政治活動であるとも解す
>ことができます。
>但し、事前運動の規定としては、マスコミなどで立候補の意思を表明している
>「立候補予定者」も対象となると記されています。
>今回の、岡田義弘氏のポスター付き後援会報の新聞折込みは、
>不特定多数への文書配布として、公職選挙法に照らして問題があるのでしょうか。
>それとも問題ないのでしょうか。

(6)法には「公職の候補者等は・・・」といったフレーズが頻出しますが、この「公職の候補者等」とは、以下の場合に該当するとされています。
 ①公職にある者(現職)
 ②公職の候補者(立候補者:立候補届出をした者)
 ③公職の候補者となろうとする者(立候補予定者:立候補の意思を有していると客観的に認められる者も含む)

既に立候補の意思を表明したり、政党の公認を受けるなど、明確な事実がある場合はさておき、そのような事実や意思が明示されていない場合には、当該者の内心の問題でもあるため、客観的な判断が困難な場合もあります。

選挙運動期間以外における文書図画の頒布について、個人の主義主張を広めるための(政治活動に止まる)ものであれば、何ら制限を受けるものではありませんが、特定の選挙について、特定の「公職の候補者等」への投票を促す意図をもって行う場合には、(行為の主体が何人であっても)法第129条に抵触するおそれがあります。

なお、繰り返しになりますが、最終的な判断等は司法等の場においてなされることとなりますので、選挙管理委員会としましては、判例等に照らして、法の解釈等をお伝えするに止まることを御了承ください。

長文失礼いたしました。内容的に重複する部分も多くありますが御容赦ください。
御確認の程よろしくお願いいたします。

NMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNM
茂木 直人 【もてぎ なおと】

群馬県 総務部 市町村課
選挙・政治団体係
[群馬県選挙管理委員会]

Naoto MOTEGI
Municipal Administration Division
Department of General Affairs
Gunma Prefectural Government Office
[Gunma Election Board]
http://www.pref.gunma.jp/
mailto:motegi-na@pref.gunma.lg.jp
Phone 027-226-2218
Facsimile 027-243-2205
NMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNM
**********

■どうでしょうか。公選法の運用を熟知した専門家のかたの見解ですが、お分かりになりましたでしょうか?

 最後にコメントとして記載のあるとおり、選管では、最終的な判断を一切しません。選挙違反の告訴・告発を自ら積極的にすることは、これまでの経緯を見ても、まずありえません。

 したがって、直接、金品による買収や酒食などの饗応公選法違反行為を目の当たりにしたら、自ら行動を起こさない限り、選管は何もしません。また、警察や検察に証拠を持ち込んで告訴・告発状を提出しても、すぐに受理されることはまずありえません。

 今回の岡田義弘氏のポスター付後援会報の新聞折込配布と、事前運動としての個別訪問については、選管の見解をもとに検討すると当会としては次のような結論に至りそうです。

① 裏面にデカデカとフルカラーで立候補予定者としての岡田義弘氏の若かりし頃の顔写真を掲載するのは、特定の候補に対する投票行動を選挙民に想起させるため、限りなくクロに近い。

② 今回、岡田義弘氏が当会事務局長の家を訪れたのには、同じ村の選挙民のところに岡田氏が訪問した際に、地元の問題については当会事務局長の意見も是非聞いておいた方がよい、ということでやってきたことが後日判明しました。そのため、連続して二軒以上を訪問する目的をもって、各戸に投票を依頼して回る行為だったとは思われますが、少なくとも当会事務局長の家に来たのは、第三者からのアドバイスであった、ということであれば、政治活動の一環ということになり、シロに近い。


■引き続き、4月8日公示、同15日投開票予定の安中市長選挙に向けた立候補予定者の動きについて、適宜報告してまいります。

【ひらく会情報部】

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昨年のクリスマスに市公社が群銀に支払ったタゴ豪遊のツケ2千万円・・・あと84年間続く?ローン地獄!

2018-01-11 23:33:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■1995年(平成7年)6月3日、安中市を揺るがせたタゴ51億円事件の発覚から今年23年が経過し、また、㈱群馬銀行との民事訴訟における和解が成立してからも、19年が経過しました。この和解は、安中市土地開発公社が主債務者として、安中市が連帯保証人として、平成10年12月9日に成立しました。安中市が債務保証を行うなかで、安中市土地開発公社が㈱群馬銀行に対して、平成10年12月25日に4億円を支払い、同様に平成11年から毎年12月25日に2000万円ずつ支払いを行ってきました。この支払は民法の時効の観点から10年毎に更新されるわけですが、前回は平成20年12月25日に群馬銀行との間で「証」と称する契約書が締結されました。そうした中、今年度も昨年12月25日に、群馬銀行に対して元職員の豪遊の尻拭い金である公金2000万円が、和解金と称して支払われました。この史上最大級の横領事件の真相解明をライフワークにしている当会では、恒例によって、昨年12月27日に次の内容の行政文書開示請求書を茂木英子・安中市長に提出していました。その開示が1月10日に行われました。


*****行政文書部分開示決定通知書*****●通知一式 PDF ⇒ 20180110ajm.pdf

                           安企発第1833号
                           平成30年1月5日
         行政文書部分開示決定通知書
請求者
 安中市野殿980
 小 川  賢   様
                     安中市長 茂 木 英 子  印
 平成29年12月27日に請求のありました行政文書の開示について、次のとおり一部を除いて開示することに決定しましたので、安中市情報公開条例第11条第1項の規定により、通知します。
<開示請求に係る行政文書の内容又は件名>
(1)安中市土地開発公社を巡る巨額詐欺横領事件により、安中市が同公社の保証人として、平成29年12月25日に群馬銀行に対して支払った民事訴訟の和解条項に基づく2000万円の支出にかかわる一切の情報。
(2)市が保証人として、同公社が元職員に対して平成11年に損害賠償請求を起こし、同年5月に勝訴した判決に基づき、元職員及びその親族からこれまでに財産差押や寄贈等を通じて損害金を回収してきた経緯のうち、平成28年12月26日以降、現在に至るまでに為された損害金回収にかかわる一切の情報。

<開示の実施方法>
①閲覧  ②写しの交付  3視聴
<開示の日時>
平成30年1月10日(水)午前8時30分から
<開示の場所>
安中市役所 総務部 行政課
<開示しない部分の概要及び理由>
(開示しない部分の概要)
(1)法人の印影及び口座情報
(2)個人の住所、氏名及び印影
(3)個人の市税の還付金の額
(開示しない理由)
(1)法人の印影及び口座番号は、安中市情報公開条例第7条第3号に規定する法人に関する情報であって、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの(不開示情報)に該当するため。
(2)個人の印影及び口座番号は、安中市情報公開条例第7条第2号に規定する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる住所、氏名その他の記述により特定の個人を識別することができるもの(不開示情報)に該当するため。
(3)個人の市税の還付金の額は、市が一般的に公開をしている情報ではなく、安中市情報公開条例第7条第2号に規定する個人に関する情報であって、特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお、個人の権利利益を害するもの(不開示情報)に該当するため。
<※開示しない理由が無くなる日>
   年 月 日以降であれば開示請求に係る行政文書を開示することができますので、同日以降に改めて開示の請求をしてください。
<事務担当課>
総務部 企画課 企画調整係 電話番号027-382-1111内線(1635)
注1 行政文書の開示を受けるときには、この通知書を提示してください。
 2 ※欄は、あらかじめ加持しない理由がなくなる期日が明示できるときのみ記入してあります。
(教示)1 この処分に不服がある場合は、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に実施機関に対して審査請求をすることができます(なお、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内であっても、この処分の日の翌日から起算して1年を経過すると審査請求をすることができなくなります。)
 2 この処分については、この処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、安中市を被告として(訴訟において安中市を代表する者は、安中市長となります。)、処分の取消しの訴えを提起することができます(なお、この処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内であっても、この処分の日の翌日から起算して1年を経過すると処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)。ただし、上記1の審査請求をした場合には、当該審査請求に対する裁決があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、処分の取消しの訴えを提起することができます。

*****開示等情報の写しの一覧*****


【開示請求の件名】
(1)安中市土地開発公社を巡る巨額詐欺横領事件により、安中市が同公社の保証人として、平成29年12月25日に群馬銀行に対して支払った民事訴訟の和解条項に基づく2000万円の支出にかかわる一切の情報
1●行政文書の名称:資金払戻請求書・預金口座振替による振り込み受付書(兼手数料受取書)
○開示の別:部分開示
○不開示とした箇所:法人の印影及び口座番号
○不開示とした理由:法人の印影及び口座番号は、安中市情報公開条例第7条第3号に規定する法人に関する情報であって、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの(不開示情報)に該当するため。
○開示請求に対する説明:
○枚数:1
2●行政文書の名称:安中市土地開発公社 平成29年度一般会計支出(決裁)伝票
○開示の別:部分開示
○不開示とした箇所:法人の口座番号
○不開示とした理由:法人の口座番号は、安中市情報公開条例第7条第3号に規定する法人に関する情報であって、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの(不開示情報)に該当するため。
○開示請求に対する説明:
○枚数:1
3●行政文書の名称:安中市土地開発公社への情報公開要請について(伺い)
○開示の別:全部開示
○枚数:1
4●行政文書の名称:情報公開申出に係る情報の提出について
○開示の別:全部開示
○送付枚数:1
5●行政文書の名称:安中市土地開発公社からの情報申出に係る情報の回答について(報告)
○開示の別:全部開示
○枚数:1
6●行政文書の名称:情報公開申出に係る情報の提出について(回答)
○開示の別:全部開示
○枚数:1
【開示請求の件名】
(2)市が保証人として、同公社が元職員に対して平成11年に損害賠償請求を起こし、同年5月に勝訴した判決に基づき、元職員及びその親族からこれまでに財産差押や寄贈等を通じて損害金を回収してきた経緯のうち、平成28年12月26日以降、現在に至るまでに為された損害金回収にかかわる一切の情報。
7●行政文書の名称:領収書及び債務承認書の送付について(平成29年12月27日発送分)
○開示の別:部分開示
○不開示とした箇所:
(1)個人の住所、氏名及び印影
(2)個人の市税の還付金の額
○不開示とした理由:
(1)個人の住所、氏名及び印影は、安中市情報公開条例第7条第2号に規定する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる住所、氏名その他の記述により特定の個人を識別することができるもの(不開示情報)に該当するため。
(2)個人の市税の還付金の額は、市が一般的に公開をしている情報ではなく、安中市情報公開条例第7条第2号に規定する個人に関する情報であって、特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお、個人の権利利益を害するもの(不開示情報)に該当するため。
○開示請求に対する説明:
○枚数:3
8●行政文書の名称:損害賠償債務履行用資産(絵画等)の一部売却について(報告)
○開示の別:部分開示
○不開示とした箇所:個人の氏名
○不開示とした理由:個人の氏名は、安中市情報公開条例第7条第2号に規定する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる住所、氏名その他の記述により特定の個人を識別することができるもの(不開示情報)に該当するため。
○開示請求に対する説明:
○枚数:4
9●行政文書の名称:絵画の売却について(報告)
○開示の別:部分開示
○不開示とした箇所:法人の印影及び口座番号
○不開示とした理由:法人の印影及び口座番号は、安中市情報公開条例第7条第3号に規定する法人に関する情報であって、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの(不開示情報)に該当するため。
○開示請求に対する説明:
○枚数:1
10●行政文書の名称:領収書及び債務承認書の送付について(平成29年1月19日発送分)
○開示の別:部分開示
○不開示とした箇所:
(1)個人の住所、氏名及び印影
(2)個人の市税の還付金の額
○不開示とした理由:
(1)個人の住所、氏名及び印影は、安中市情報公開条例第7条第2号に規定する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる住所、氏名その他の記述により特定の個人を識別することができるもの(不開示情報)に該当するため。
(2)個人の市税の還付金の額は、市が一般的に公開をしている情報ではなく、安中市情報公開条例第7条第2号に規定する個人に関する情報であって、特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお、個人の権利利益を害するもの(不開示情報)に該当するため。
○開示請求に対する説明:
○枚数:3
該当行政文書計:17枚  写しの費用:170円

*****【開示資料1】資金払戻請求書・現金口座振替による振込受付書(県振込手数料受取書)*****●開示資料一式 PDF ⇒ 20180110aj.pdf

ご依頼日29年12月25日  資金払戻請求書・現金口座振替による振込受付書(県振込手数料受取書) 1枚中/1枚目
群馬県信用組合 本店営業部 御中
     振込金額(合計)  1件  20,000,00円
ご依頼人名
   安中市土地開発公社 理事長 茂木一義 様
取組指定日  平成29年12月25日
     振込種類   ○総合・給与
○銀行名支店名:群馬銀行安中支店
○種目:別段
○口座番号:■■■■■■
○お受取人(フリガナ):群馬銀行安中支店長(グンマギンコウアンナカシテンチョウ)
○金額:20,000,000円
○手数料:
群馬県信用組合 本店営業部
(ご注意)
1.電信扱の場合には、受取人名等をカナ文字で送信いたします。
  お受取人名はカナ15文字の範囲以内といたします。
2.振込依頼書に記載相違等の不備があった場合には紹介等のため振り込みが遅延する事があります。
3.通信機器・回線の障害または郵便物の遅延などやむをえない事由によって振り込みが遅延する事があっても当組合は責任を負いません。
収入印紙 200円
組合員外且つ5万円(振込金+手数料)以上貼付
検印:
係員:
振替71050.1470

*****【開示資料2】平成29年度一般会計支出(決裁)伝票*****

29年12月25日  Dr¥20000000 ¥20000000Cr現金
注記:群馬銀行安中支店長
整理:No.34
借方:款
   項
   目
   節 民事訴訟解決金
貸方:現金
予算:款 (資)1
   項 3
   目 1
   節 1民事訴訟解決金
予算額:20000000
予算執行累計:20000000
予算残額:0
摘要:証及び和解条項に基づく支払い 平成29年度分
   課長印・小黒 係長印・大森
支払方法:口座振替 群銀/安中 No.■■■■■■■
(別段)
決裁 29年12月8日
 支出負担行為伺
 物品購入(収支)伺
 支出伺
理事長・茂木
副理事長・粟野
常務理事・猿井
事務局長・白石
事務局次長・大野
    神村
起票・水口
起票 29年12月8日
平成29年度一般会計
支出(決裁)伝票
安中市土地開発公社

*****【開示資料3】起案用紙*****

年度   平成29年度
文書種類  発
文書番号  安企第1785号
保存年限  永年
受付年月日 平成 年 月 日
保存期限
起案年月日 平成29年12月27日
廃棄年度
決裁年月日 平成29年12月27日
分類番号  大0  中3  小3  簿冊番号8  分冊番号1
施行年月日 平成 年 月 日
完・未完別
簿冊名称  情報公開に関する書類(永)
完結年月日 平成 年 月 日
分冊名称  情報公開に関する綴
公 開   ○開示 不開示 部分開示  存否応答拒否
起案者   総務部 企画課 企画調整係 職名 主査 氏名 大野祐司 内線(1635)
決裁区分  部長
決裁   部長・粟野 課長・町田 係長・岡田 係・大野 公印・岡田
関係部課合議
課内供覧  境野・丸岡・金井
宛先   安中市土地開発公社 理事長 茂木 一義
差出人   安中市長 茂木 英子
件名 安中市土地開発公社への情報公開要請について(伺い)
 このことについて、平成29年12月27日付けで別紙のとおり安中市土地開発公社の保有する情報について、公開の申し出がありました。安中市情報公開条例第24条第2項では、市(実施機関)が法人設立の際、1/2以上出資した法人に対して、情報の提出を求めることができると規定されています。
 つきましては、別紙のとおり当該申し出のあった安中市土地開発公社が保有する情報について、提出を求めてよろしいか伺います。

*****【開示資料4】情報公開申出に係る情報の提出について*****

                      安企発第1785号
                      平成29年12月27日
 安中市上地開発公社
 理事長 茂木 一義 様
                  安中市長 茂 木 英 子
                   (総務部企画課)
       情報公開申出に係る情報の提出について
 このことについて、平成29年12月27日付けの別紙申出について、安中市情報公開条例第24条第2項により当該情報の提出を求めます。

※ 関係書類の提出につきましては、1月5日(金)までにお願いします。

*****【開示資料5】回議用紙*****

年度   平成29年度
文書種類  収
文書番号  安企第1832号
保存年限  永年
受付年月日 平成 年 月 日
保存期限
起案年月日 平成30年1月4日
廃棄年度
決裁年月日 平成30年1月4日
分類番号  大0  中3  小3  簿冊番号8  分冊番号1
施行年月日 平成  年  月  日
完・未完別
簿冊名称  情報公開に関する書類(永)
完結年月日 平成  年  月  日
分冊名称  情報公開に関する綴
公開    ○開示 不開示 部分開示  存否応答拒否
起案者   総務部企画課企画調整係 職名主査 氏名 大野祐司  内線(1635)
決裁区分  部長
印欄    部長・粟野 課長・町田 係長・岡田 係・大野  公印・
関係部課合議
課内供覧  境野・丸岡・金井
宛先   安中市長 茂木 英子
差出人  安中市土地開発公社 理事長 茂木 一義
件名 安中市土地開発公社からの情報中出に係る情報の回答について(報告)
 平成29年12月27日付けで、安中市土地開発公社宛に情報公開申出に伴う情報提供要請を行ったところ、別紙のとおり回答がありましたので報告します。

*****【開示資料6】情報公開申出に係る情報の提供について*****

                      安土開発第18号
                      平成30年1月4日
安中市長 茂 木 英 子 様
 (総 務 部 企 画 課)
                  安中市土地開発公社
                  理事長 茂 木 一 義
      情報公開申出に係る情報の提出について(回答)
 このことについて、平成29年12月27日付「安中市情報公開条例第24条第2項による情報の提出」の件につきまして、下記のとおり回答いたします。
               記
(1) 別添のとおり提出いたします。
(2) 別添のとおり提出いたします。
(安中市30.1.-4企画課収受)
**********

■以上の回答は、開示請求(1)の「安中市土地開発公社を巡る巨額詐欺横領事件により、安中市が同公社の保証人として、平成29年12月25日に群馬銀行に対して支払った民事訴訟の和解条項に基づく2000万円の支出にかかわる一切の情報」について、昨年当会が行った情報開示請求に対する回答と類似した内容になっています。昨年、一昨年の当会のこの件に関するブログ記事は次を参照ください。
〇2017年1月27日:昨年のクリスマス直前に市公社が群銀に支払ったタゴ豪遊のツケ2千万円・・・あと85年間続くローン地獄!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2218.html
○2016年1月21日:昨年のクリスマスに市公社が群銀に支払ったタゴ豪遊のツケ2千万円・・・あと86年間続くローン返済!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1864.html

 一方、開示請求(2)の「市が保証人として、同公社が元職員に対して平成11年に損害賠償請求を起こし、同年5月に勝訴した判決に基づき、元職員及びその親族からこれまでに財産差押や寄贈等を通じて損害金を回収してきた経緯のうち、平成28年12月26日以降、現在に至るまでに為された損害金回収にかかわる一切の情報」について、昨年は安中市が「債権回収に関して、保有絵画につき換価処分中の情報があるが」と公社において関係情報の存在を示唆しているものの、「公開することにより公社の正当化利益を害する恐れがある」として、公社が提出を拒否したため、実施機関である安中市として開示できる行政文書は不存在であるとして不存在通知書を出してきましたが、今年は、次の資料を開示しました。

*****【開示資料7】公社からタゴあての領収書と債務承認書*****

                      安土開発第16号
                      平成29年12月27日
債務者
■■■■■■■■■■■■■
  ■ ■ ■ ■ 様
              債権者 安中市安中一丁目23番13号
                   安中市役所内
                  安中市土地開発公社
                   理事長  茂 木 一 義
      領収書及び債務承認書の送付について
 標記の件について、前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠償請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務額の一部として、貴殿より金50,000円受領しましたので、別紙領収書をご査収ください。
 また上記により債権元金残額が金2,208,031,500円となりましたので「債務承認書」に住所氏名を貴名刺、押印のうえ安中市土地開発公社宛返送ください。

●債権金額の現在までの経緯
平成11年 5月31日 損害賠償請求訴訟判決       2,223,092,000円
平成11年11月26日 債権差押命令申立(市税還付金)  △■■■■■円(当会注:11,072,200円)
平成18年12月 6日 不動産強制競売配当         △3,808,300円
平成29年 1月16日 一部納付               △30,000円
平成29年 5月16日 絵画一点売却            △100,000円
平成29年12月25日 一部納付               △50,000円
                   連絡先 安中市土地開発公社
                    (安中市役所都市整備課内)
                   担当:大野、水口
                   TEL   027-382-1111(内線1211)

=====領収書=====

            領収書
                     平成29年12月25日
■■■■ 様
           金50,000円
(但し;前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠償請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務額の一部として)

                    安中市安中一丁目23番13号
                     安中市役所内
                     安中市土地開発公社
                      理事長 茂木一義

=====債務承認書=====

            債務承認書
                     平成29年7月28日
債権者 安中市安中1-23-13 安中市役所内
     安中市土地開発公社
      理事長 茂木 一義   様

             債務者 住 所 ■■■■■■■■■■■■■■■■(手書き)
                 氏 名   ■■■■ ●

 私は、貴公社に対し下記債務を負担していることを承認いたします。
              記
(1)残元金2,208,081,500円
(2)平成10年12月9日から完済まで年5分の割合による遅延損害賠償金
(収受第 号29.7.28安中市土地開発公社)

*****【開示資料8】公社から市長あての報告*****

                      安土開発第3号
                      平成29年5月24日
安中市長 茂木 英子  様
(総務部企画課)
                     安中市土地開発公社
                      理事長  茂木 一義
      損害賠償債務履行用資産(絵画等)の一部売却について(連絡)
 このことについて、前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠償請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した債務者(■■■■)の損害賠償債務残額(2,208,181,500円)の一部履行の担保として、平成22年5月14日に絵画等6点の提出を受けておりましたが、そのうちの1点につき売却しましたので報告いたします。
              記
1.売却した絵画     作者名:林 武
2.売却金額       100,000円
3.売却までの経緯    別紙のとおり

=====別紙=====



1.絵画売却までの経緯

●平成22年5月14日
 下記の絵画等6点の提出を受けました。
番号/種類/補足説明事項/備考
1/絵画/作者:立川広己 作品名:薔薇の中で/価格不明
2/絵画/作者:浅井 忠 作品名:山間の部落/価格不明
3/絵画/作者:萬 鉄五郎 ※サイン有り、その他黒字有り/価格不明
4/絵画/作者:高橋 由一 作品名:風景/価格不明
5/絵画/作者:林 武 ※日動画廊社長サイン有り/価格不明
6/版画/作者:東洲斎写楽/価格不明

〇平成23年9月1日
 群馬県立近代美術館訪問。同美術館職員に絵画等を見てもらい意見を伺いました。
 上記訪中の1番から4番までの絵画については、本物の可能性もある。
 5番については、日動画廊社長のサインがあるので、本物の作品と思われる。
 6番については、偽者に間違いない。
 以上の意見をいただきました。

〇平成26年10月1日
 富岡市立美術博物館職員に絵画等を見てもらい意見を伺いました。
 5番については、本物に間違いないとの意見をいただきました。

〇平成28年2月~3月
 県内で絵画等の買い取りをしてもらえる可能性のある画廊3社に絵画等を持参し、訪問しました。
 ①前橋市荒牧町2-15-10 ギャラリーオーツー
 ②前橋市南町3-44-1 阿久津画廊
 ③前橋市大友町1-30-10 正光画廊前橋支店
 絵画等の売却について相談したところ、以下の回答を受けました。
 ・売却方法として画廊が直接買い取る方法とオークションに出品する方法があり、画廊が買い取る場合は原則として鑑定機関において、本物と認定された作品のみ買い取りを行う。オークションも本物でなければ出品できない。
 ・正光画廊が、5番の作品について社長のサインのある日動画廊に照会をかけたところ、本物であるとの回答を受けました。
 ・ギャラリーオーツーを通じて、オークション大手の毎日オークションに6点を出品した場合の評価額を照会したところ、5番が30~37万円で、その他の作品には評価額がつきませんでした。
  またギャラリーオーツ―が6点を買い取りした場合の評価額を算定したところ、5番が40万円で、その他は500円から5,000円でした。
 ・正光画廊より6番の版画は古物商でないと取引がでいないとの回答を受けました。
 ・阿久津画廊からは作品の筋が悪いので、買い取り等に応じることはできないと回答を受けました。

〇平成28年4月8日
 正光画廊を通じて、1番から4番までの4点の絵画の鑑定を依頼する。鑑定機関により4点とも本物であるとの回答を受けることはできませんでした。
 鑑定料金は4点で172,800円でした。
 6番の版画につきましては鑑定できる機関がないので、鑑定に出すことができませんでした。

〇平成28年9月21日
 ギャラリーオーツ―、正光画廊の2社を対象にして、5番林武作品の購入に関する見積もり合わせを最低価格32万円で実施しましたところ、期限までに見積書の提出はありませんでした。

〇平成28年10月31日
 ギャラリーオーツ―、正光画廊の2社を対象にして、5番林武作品の購入に関する見積もり合わせを最低価格20万円で再度実施しましたところ、期限までに見積書の提出はありませんでした。

〇平成28年11月21日
 正光画廊に、5番林武作品について毎日オークションへの出品依頼を行いました。
 売却された際の手数料はオークション会社に売却金額の15%、正光画廊に5%支払うことになります。売却できなかった場合、手数料はかかりません。

〇平成29年3月4日
 毎日オークションが開催されました。15万円からオークションが開始されましたが、応札者はありませんでした。(オークション会社の落札予測価格は20~30万円でした。)

〇平成29年3月13日
 毎日オークションで応札者がいなかったので、別の販売方法があるか正光画廊に問い合わせたところ、委託販売という手法があるとの回答を受けました。
 委託販売とは、画廊に絵画を預けて、画廊が絵画を購入してくれるお客を探し、絵画を売却することができたら、売却金額から画廊の手数料を差し引き、残額を公社に支払うというものです。
 東日本において多店舗展開をしており販売機会が多いと見込まれる正光画廊に公社へ最低支払額を10万円と設定し、5番林武作品の委託販売を依頼しました。

〇平成29年5月16日
 正光画廊より、後者が委託販売を依頼していた5番林武作品を、正光画廊が買い取りをするとの連絡があり、公社通帳に10万円が振り込まれました。

*****【開示資料9】画廊業者から公社理事長あての売却報告*****

供覧:理事長・茂木、副理事長・粟野、常務理事・猿井、事務局長・白石、事務局次長・大野、係長・-、係・水口・磯貝・?・神村
                        平成29年5月16日
安中市土地開発公社
 理事長 茂木一義 様
                 (㈱)正光画廊
                  代表取締役社長 塩野正雄
      絵画の売却について(報告)
 平成29年3月13日付けで、貴公社より委託販売以来のありました絵画につきまして、弊社にて買取をいたしますので、下記のとおり報告いたします。
              記
1.売却作品  作 者  林 武
        作品名  風景
2.買取金額  100,000円
3.振 込 先  金融機関名;群馬県信用組合本店営業部
        口座種別 ;普通
        口座番号 ;■■■■■■■
        口座名義 ;安中市土地開発公社 理事長 茂木一義
              (アンナカシトチカイハツコウシャ リジチョウ モテキカズヨシ)
4.振込日   平成29年5月16日

*****【開示資料10】公社からタゴあての領収書と債務承認書*****

                      安土開発第13号
                      平成29年1月19日
債務者
■■■■■■■■■■■■■
  ■ ■ ■ ■ 様
              債権者 安中市安中一丁目23番13号
                   安中市役所内
                  安中市土地開発公社
                   理事長  茂 木 一 義
      領収書及び債務承認書の送付について
 標記の件について、前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠償請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務額の一部として、貴殿より金30,000円受領しましたので、別紙領収書をご査収ください。
 また上記により再建元金残額が金2,208,181,500円となりましたので「債務承認書」に住所氏名を貴名刺、押印のうえ安中市土地開発公社宛返送ください。

●債権金額の現在までの経緯
平成11年 5月31日 損害賠償請求訴訟判決       2,223,092,000円
平成11年11月26日 債権差押命令申立(市税還付金)  △■■■■■円(当会注:11,072,200円)
平成18年12月 6日 不動産強制競売配当         △3,808,300円
平成29年 1月16日 一部納付               △30,000円
平成29年 5月16日 絵画一点売却            △100,000円
                   連絡先 安中市土地開発公社
                    (安中市役所都市整備課内)
                   担当:赤見、島田
                   TEL   027-382-1111(内線1211)

=====領収書=====

            領収書
                     平成29年1月16日
■■■■ 様
           金30,000円
(但し;前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠償請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務額の一部として)

                    安中市安中一丁目23番13号
                     安中市役所内
                     安中市土地開発公社
                      理事長 茂木一義

=====債務承認書=====

            債務承認書
                     平成29年1月20日
債権者 安中市安中1-23-13 安中市役所内
     安中市土地開発公社
      理事長 茂木 一義   様

             債務者 住 所 ■■■■■■■■■■■■■■■■(手書き)
                 氏 名   ■■■■ ●

 私は、貴公社に対し下記債務を負担していることを承認いたします。
              記
 前橋地方裁判所平成11年(ワ)第165号損害賠償請求事件に係る平成11年5月31日付判決により確定した損害賠償債務
(1)残元金2,208,181,500円
(2)平成10年12月9日から完済まで年5分の割合による遅延損害賠償金
(収受第 号29.1.23安中市土地開発公社)
**********

■今年初めて、公社の債権について、これまで、そして現在の具体的な数値が開示されました。我々安中市民が自虐的な気持ちで呼ぶ不名誉な「タゴ51億円事件」ですが、1995年5月18日の事件発覚から今年で23年が経過するため、次第に市民の意識から風化しているのは事実ですが、元職員が残した負の遺産である103年間に亘る和解金のローン返済は、ここままだと、まだあと84年間継続することになります。

 それでも今回初めて開示されたタゴに対する土地開発公社の債権の推移について、次のことが分かりました。

**********
平成11年 5月31日 損害賠償請求訴訟判決       2,223,092,000円
平成11年11月26日 債権差押命令申立(市税還付金)  △■■■■■円(当会注:11,072,200円)
平成18年12月 6日 不動産強制競売配当         △3,808,300円
平成29年 1月16日 一部納付               △30,000円
平成29年 5月16日 絵画一点売却            △100,000円

**********

 これを見ると、平成11年11月26日の債権差押命令申立(市税還付金)による1107万2200円は、要するにタゴの不法利得(横領等による所得)に対する課税を関東信越国税局が何らかの形で行って、そこから市税分を返還してもらったというイメージです。

 しかし、関東信越国税局は、タゴの不法利得について、市・公社がタゴを相手取った民事訴訟で22.23億円の債務が出来たことから、不法利得への課税を全額放棄したという経緯があったというふうに当会では記憶しています。

 このほかには、タゴが所有していた土地や建物の一部を競売にかけた結果の配当金が380万円しかなく、それ以外には、タゴの親友だった当時甘楽信用金庫(現在のしののめ信金)安中支店職員だった石原保(現在富岡市内在住)が、警察の目を盗んでタゴが骨董倉庫から持ち出した絵画等6点を預かっていましたが、これを平成22年5月に元公社理事・監事だった岡田義弘市長が2期目の安中市長選に当選した直後に、タゴの妻(この前年の2009年9月タゴは千葉刑務所を出所した、とされていますが、既にいち早く仮釈放されていたという巷間情報もあります)に返却を申し出たことで、タゴの妻が、土地開発公社理事長を兼務していた岡田市長に、連絡して「無償での寄附」を申し出たのでした。

 公社では、これを大事に保管していましたが、上記の開示資料8に記されているような過程をたどって、唯一本物だと言われていた画家・林武の作品のみを、正光画廊に10万円で買われてしまったのでした。

■当会は昨年5月の新聞報道で、安中市土地開発公社が林武の油絵を売却したことを知り、さっそく情報開示請求で資料を請求しましたが、肝心の売却先の画廊の名称が、当時は黒塗りだったため、あたりを付けて飛び込み訪問したのが前橋市大友町の正光画廊前橋店でした。

 当会は同店を複数回訪問して、女性の店主に話を聞きました。その結果、安中市土地開発公社は体よく、虎の子の本物の林武の油絵をわずか10万円で手放させられてしまいました。

 正光画廊の説明によると、安中市職員らは、大事そうに包装紙にくるんだ絵画等6点を持参して鑑定を依頼しましたが、結局鑑定料として17万円余りを正光画廊側に支払ったにもかかわらず、本物と認められたのは日動画廊のオーナーのサイン入りだった林武の油絵のみで、安中市は正光画廊の言いなりになって、これを最低価格10万円での委託販売の提案に応じてしまったのでした。

 その後、正光画廊は安中市土地開発公社から依頼された林武の絵画の販売努力もせずに、店頭に展示さえしないまま、2カ月後の2017年5月に、最低価格10万円を公社に振り込んで自分のものにしてしまったのでした。

 当会では、「20万円で売ってくれないか?」と正光画廊と交渉しました。当初、林武の絵画は既に時代遅れで、バブルの当時はともかく、鮮やかな色彩が好まれる現在の絵画市場では価値がないなどと、安く購入した理由を釈明していた正光画廊も、しつこく売却を打診する当会に音を上げたのか、「購入価格が10万円とは言え、販売価格は通常その20倍はくだらない。したがって、200万円、いや300万円の値を付けることになる」などと、態度を豹変させたのでした。

 そして、この絵は誰か買い手がついたのか、と聞いたところ、公社から10万円で買い取り後、前橋店から品川にある本店に送ったので、この絵の消息は定かではないが、多分販売はせずに、オーナーの塩野社長が所蔵している可能性が高い、ということでした。

 結局、タゴが膨大な絵画・骨董品を収集するに際して、金融マンでありながら古物商の免許を有していた親友の石原保にすべて購入を依頼して900点余りの品物のうち、1995年6月3日のタゴ逮捕の直前に、ひそかに絵画等6点を骨董倉庫から持ち出し、石原保が富岡市の豪邸に隠し持っていたうちの、もっとも本物度が保証された林武の絵画を、わずか10万円で手放すことになったのでした。しかも、正光画廊は鑑定料として17万円余りを公社から受け取っており、オーナーは笑いが止まらないことでしょう。

■公社には残りの絵画等5点が保管されていますが、このうち版画は完全に贋作といわれております。その他の絵画4点は、おそらく本物だとは思われますが、同じように画廊業者等に販売委託をすると、いいように騙されるのがオチです。

 そこで当会では、いっそのこと絵画等5点を市役所のロビーに掲載し、その由来を説明した案内板とともに来庁する市民に公開するとともに、1枚当たり20万円以上で販売希望価格を設定し、市財政を憂える市民が現れるまで粘り強く展示し購入者のあらわれるのを待つことが最善の策ではないか、と提案しました。

 しかし残念ながら、安中市の総務部企画課の関係者の皆さんは、安中市土地開発公社は別法人だからというわけなのでしょうか、まったく乗り気ではなさそうでした。

■また、今回初めて分かったことですが、安中市土地開発公社は、103年ローンの原因者である元職員タゴに対して、今年の1月から毎年自宅を訪れて、「少額でもよいから返済してもらえませんか?」と、高崎市西部に住むタゴの家に返済詣でをしています。

 その結果、平成29年1月16日に3万円、同年12月25日に5万円を元職員タゴが納付したのでした。

 この結果、公社の民事訴訟の判決でタゴの債務が確定した平成11年からこれまでに数字上は1506万500円がタゴから返済されたことになります。しかしこれは、群銀への和解金として毎年12月25日に支払っている2000万円に比べると、1年にも満たない、たった9ヶ月分相当の金額に過ぎません。

 また、使途不明金が14億円以上もあるというのに、毎年安中市・公社は群銀に2000万円を払い続けているのに、元職員タゴは、その200分の1の5万円しか市・公社に返済していないのです。

 では、タゴ一家はそれほど返済能力がないのでしょうか?いいえ、そうではありません。事件発覚後、タゴ一家は働き頭の弟の経営する多胡運輸を生活基盤として、事業を拡大していったのでした。その背景には、巨額の使途不明金に群がった政治家や役人、事業家らの存在があり、ひとりで巨額横領事件の責任をひっかぶってくれた元職員タゴへの恩義があったのでした。

 その筆頭は、大勲位の選挙事務所の専任運転手だった人物が社長をしてきた高崎北部運送(現在のホクブトランスポート)と、海賊と呼ばれた男が創業したことで有名な大手石油資本の出光興産の存在です。ともに大勲位とは関係のある企業法人であることから、タゴ一家の生活基盤維持のための大黒柱となった多胡運輸をサポートする必然性を否定できない存在です。

■ところが、こうした手厚いサポートにも拘らず、2008年8月3日早朝5時52分に、多胡運輸所有のタンクローリーが首都高速道路5号線下り線を走行中、熊野町ジャンクション内の急な右カーブを曲がり切れずに横転し、左側側壁に衝突したのでした。このため、東京都江東区の油槽所から埼玉県さいたま市のガソリンスタンドに向けて輸送中だったガソリン16キロリットル、軽油4キロリットルが5時間半あまりに渡って炎上し11時34分に鎮火しました。

 その結果、強烈な火災の熱により上下2階建て構造で上を走る上り線の路面がゆがみ、鉄製の橋桁が長さ40mにわたって変形し、最大60cm沈み込んだのでした。また、熊野町ジャンクションの近隣のマンションの外壁が火災の熱で焼けるという単独車両による事故としては国内史上最大規模の損壊事故となりました。

 首都高速道路は、この事故の被害総額が復旧工事費20億円と通行止めに伴う通行料金の逸失利益25億円の計45億円にのぼることを表明し、事故の3年後に運転手・多胡運輸(雇用者)・出光興産(発注者)・ホクブトランスポート株式会社(元請け)に対して賠償請求を提訴しました。

 さらに多胡運輸が加入していた関東交通共済協同組合(関交組)に対しても日本高速道路保有・債務返済機構から損害賠償請求が提訴されました。関交組に対する訴訟は、1、2審とも関交組の敗訴となり、7年分の利息を含めて11億8000万円が支払われました。

 一方首都高速道路が提訴した訴訟は、出光興産とホクブトランスポートの責任は認めず、運転手と多胡運輸のみに約32億8900万円の支払いを命じる判決が2016年7月14日に東京地方裁判所により出されました。

■裁判の結果を見通したのか、多胡運輸は、2011年12月に本社不動産を近隣の同業者である㈱美正に売却するなどして、2012年度に既に事業を停止していました。そして、案の定、賠償訴訟での敗訴判決が出たため、2016年8月4日付けで前橋地方裁判所高崎支部より破産開始決定を受けました。負債総額は賠償額に相当する約33億円ですが、計画倒産ともいうべき用意周到な破産劇により、実質的に今は㈱美正が、多胡運輸と同じ立場でタゴ一族の舎弟企業としてプロパンガス運送事業を核に、事業を営んでいます。

 したがって、毎年2000万円の返済はやろうと思えば可能なはずですが、実際には毎年3ないし5万円しか支払っていません。これでは、残り22億803万1500円の元金を返済し終えるまでに、毎年4万円返済として、計算上あと5万5202年かかってしまいます。それまで市と公社は存続しているでしょうか?

 今年4月8日公示、同15日の投開票の安中市長選には、タゴが作った公社の決算報告書に監事として署名捺印をした元県議で前市長の岡田義弘氏が出馬を事実上表明しています。

 ぜひ、岡田前市長にはこの問題についてどのように対処するおつもりなのか、機会を見て抱負を伺っておかねばならないでしょう。

【ひらく会事務局からの報告】

※参考情報「絵画等6点に関する当会のブログ記事」
**********
〇2017年6月14日:タゴ51億円事件から22年目・・・数千万円の筈のタゴのお宝絵画1点が10万円になったわけを開示請求
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2343.html#readmore
〇2017年6月10日:タゴ51億円事件から22年目・・・数千万円のはずのタゴのお宝絵画1点がわずか10万円で売却!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2340.html#readmore
○2012年1月5日:安中市土地開発公社巨額横領事件に対する裁判所の判決が如実に示す事件の真相と使途不明金の深淵
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/715.html#readmore
○2011年12月14日:12月22日に迫ったタゴお宝絵画等6点の絵柄不公開控訴審判決に向けて当会が準備書面を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/712.html#readmore
○2011年12月13日:タゴお宝6点の絵柄不公開を巡る控訴審で公社理事長の岡田市長が主張する併任の正当性にレッドカード
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/711.html#readmore
○2011年12月4日:タゴ事件の責任を棚に上げ期限ギリギリで反論してきた安中市岡田義弘市長の居直り
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/710.html#readmore
○2011年11月8日:初回口頭弁論で結審したタゴお宝絵画等6点の絵柄不公開処分取消訴訟の控訴審の判決は12月22日
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/708.html#readmore
○2011年11月8日:巨額使途不明金の一部と思われるタゴお宝絵画等6点の絵柄不公開処分取消訴訟控訴審の口頭弁論が本日開廷
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/707.html#readmore
○2011年11月6日:使途不明金の行方を占うタゴお宝絵画等6点の絵柄不公開処分取消訴訟の二審で争う姿勢を見せた安中市
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/702.html#readmore
○2011年10月14日:タゴお宝絵画等6点の不公開処分取消訴訟の控訴審の日時決まる
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/697.html#readmore
○2011年9月3日:タゴが隠し通したお宝絵画等6点を岡田市長にこれ以上死蔵させないよう東京高裁に控訴
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/688.html#readmore
○2011年8月21日:51億円事件の巨額使途不明金のカギとなるタゴお宝絵画等6点を死蔵する岡田市長を支持した前橋地裁
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/682.html#readmore
○2011年7月24日:タゴ事件の真相を知る岡田市長が答弁書で示したタゴ事件についての「否認」ないし「不知」のオンパレード
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/674.html#readmore
○2011年7月20日:タゴのお宝絵画等6点の絵柄情報不開示で岡田市長を提訴した裁判の第1回弁論で即日終結(速報)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/671.html#readmore
○2011年6月23日:タゴのお宝絵画等6点の秘蔵写真の公開を求めた裁判の期日指定日が7月20日(水)午前10時半と決定
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/661.html#readmore
○2011年6月13日:51億円事件から16周年・・・6月14日放送「なんでも鑑定団」で日の目を見ないタゴのお宝死蔵回避のため提訴
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/654.html#readmore
○2011年5月22日:タゴの「お宝」絵画等6点を死蔵する安中市が、市税滞納処分品をインターネットオークション!?
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/646.html#readmore
○2011年4月11日:TV東京「なんでも鑑定団」の制作会社に直接参加申し込み
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/628.html#readmore
○2011年3月22日:「なんでも鑑定団」の制作担当スタッフを、何がなんでも当会に教えない観光協会と市商工観光課
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/616.html#readmore
○2011年3月21日:タゴが知人に預けた絵画等6点のお宝を「何でも鑑定団」に出し渋る安中市観光協会を訪問して直訴
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/615.html#readmore
○2011年3月9日:安中公社51億事件16周年・・・タゴが知人に預けた絵画等6点を「なんでも鑑定団in安中」で鑑定してもらおう
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/602.html#readmore
○2010年12月17日:警察の捜査をかいくぐり絵画等6点を持ち続けたタゴ事件関係者の氏名を不開示とした岡田市長
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/569.html#readmore
○2010年12月13日:51億円横領金で買った絵画等をタゴから預かった人物の情報不開示を追認した審査会の答申
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/566.html#readmore
○2010年10月11日:タゴが預けていた絵画等6点に係る情報非開示異議申立に対する岡田市長の理由説明への意見書
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/541.html#readmore
○2010年9月23日:タゴから預かった絵画等6点に係る情報非開示の異議申立に対する岡田市長のお粗末な理由説明
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/533.html#readmore
○2010年7月29日:タゴ51億円横領金で購入した絵画等をタゴから預かった人の情報が黒塗りされた理由(その4)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/505.html#readmore
○2010年7月28日:タゴ51億円横領金で購入した絵画等をタゴから預かった人の情報が黒塗りされた理由(その3)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/504.html#readmore
○2010年7月27日:タゴ51億円横領金で購入した絵画等をタゴから預かった人の情報が黒塗りされた理由(その2)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/503.html#readmore
○2010年7月27日:タゴ51億円横領金で購入した絵画等をタゴから預かった人の情報が黒塗りされた理由(その1)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/495.html#readmore
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穏やかな天候のもと1月7日に行われた北野殿恒例のどんど焼き

2018-01-10 23:24:00 | 国内外からのトピックス
■2018年(平成30年)の最初の連休となる1月7日(日)朝、恒例のどんど焼き(ここでは通称「どんどん焼き」と呼ばれます)が地元の安中市岩野谷地区北野殿公会堂の前の広場で開催されました。

点火の準備が整った会場。


ライターで竹の点火棒の先端に巻いた灯油を含ませた布切れにライターで着火。

 朝7時半のどんど焼き点火時には地元住民や消防団関係者ら約45名が立ち会いました。風もほとんど吹かず、静かで快晴の天候に恵まれました。天気予報では午後から下り坂になるとのことでした。確かに正午くらいからやや雲の量が増えたものの、さほどの変化はなく、午前中は穏やかな天気に恵まれました。



7時30分。定刻通り点火。

 定刻の午前7時30分に、地元消防団の立会のもと、どんど焼きに点火されました。


見る見るうちに燃え上がるどんど焼き。



消防団も待機して見守る。

 どんど焼きは毎年地元のつばめ子ども会と同育成会の主催で行われますが、今年の新年会で地元区長と育成会長が報告したように会員数が減っており、来年から区の方で本格的に準備作業を行うことに決まる見込みです。

 したがって、前日の1月6日(土)には朝8時半から10数名の有志が集まり、竹切りや会場設営に汗を流しました。


前日に、育成会長の自宅の裏にある竹林から20本ほど切り出す。

軽トラで4往復して運ぶ。あまりにも長いので2分割にする。

穴を掘って竹柱の位置決めをする。

竹柱を9本束ねて先端から1m下あたりを針金で結わえて縄を5方向から縛り込み、全員力を合わせて引き立てる。

竹柱を固定させるために木の杭を打ち込んで縄で竹柱の根元を杭に縛り付ける。

 おかげさまで今年も立派にどんど焼きのタワーが仕上がりました。







なかなか均等に燃えてくれないのでこうしてまんべんなく燃やす手助けをする。奮闘するのは育成会長。

 北野殿のある岩野谷地区では、岩井地区の場合、すでにどんど焼きの開催を取りやめており、本日は北野殿だけがどんど焼きを執り行うことになっていました。他の地区は翌日朝行われるため、地元消防団の皆さんにも付きっきりで立ち会っていただけました。

 隣の中・東野殿地区のまなづる子ども会の関係者もお祝いに来ていただきました。翌日はこちらからも同地区のどんど焼きに関係者がお祝いに参加する予定です。



それぞれ個性のある繭玉。




歓談する村の住民ら。

 今年94歳になる男性のかたも今年も元気で出席いただき、互いに元気な様子を確認しつつ新年恒例のイベントを楽しみました。


新竹でつくったおちょこ。



おいしい手作りのカブ漬。

2年物のタクワンと恒例の焼き肉。



子ども達も参加して餅つき。

仕上げは大人が。今年も6臼搗いた。


子ども達も参加して餅ひねり。

からみ餅。

きなこ餅。

あんころ餅。

色とりどりの繭玉。

北野殿公会堂の予定書込板。1~2月は行事が目白押し。

 準備に携わっていただいた関係者の皆さま、本当にありがとうございます。

 7時半の点火直後は地元の茂木英子市長も顔を出していましたが、9時過ぎから成人式が始まるということで、途中で退席しました。もうひとり、4月の市長選に出馬を事実上表明している岡田義弘・前市長は、ことしは終始顔を見せませんでした。

 今年は4年ごとの市長選を控えていることから、こうした場所では当然その話題が村の皆さんの会話にも上ります。市内巷間情報によれば、この北野殿から現職と前職のほかにあと2名ほど出馬を模索する動きがあるとのことです。県議1期目の伊藤清・議員の名前も取りざたされています。次回出馬を狙って、とりあえず知名度を上げておく意味で参加するのでは、という見方もまだ一部にあるようです。

 驚いたことに、当会の事務局長に対しても「今度は出るんかい?」という質問が新年の挨拶代わりに飛び出すことがあります。一応、当会の事務局長は後援会の看板の更新手続きをしているため、そうした質問が出るのかもしれません。

 それにしても、なぜ毎回市長選挙となると、この狭い北野殿地区に立候補者が集中するのでしょうか? 実に不思議な現象です。言い換えればそれだけ安中市の抱える課題(東邦亜鉛公害問題やサンパイ処理場乱開発問題、高崎市に近くアクセスに便利な割に進む高齢化問題など)がこの地区に凝縮していると言えるのかもしれません。

【ひらく会情報部】

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東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…12月22・23日に開かれた関電工の前橋バイオマス発電施設見学会

2018-01-09 22:41:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■12月22日から23日にかけて関電工の前橋バイオマス発電所・燃料チップ製造施設の見学会が4回にわたり実施されました。その際に参加された地元住民のかたがたから報告が届きましたので、それらをまとめたものをここに掲載します。なお、関電工は写真撮影を一切禁止としたため、情報開示で群馬県から入手した、補助金支払いに先立って2017年6月頃作成された県による検査報告書に掲載された写真を参考用に文中に掲載してあります。

2月1日から予定されているという稼働開始に向けて準備に余念のない関電工らによる亡国事業現場。



*****関電工の亡国事業見学会報告*****
 近所のかたがたと一緒に最後の4回目の視察会に参加しました。

 午後1時半から開始ということで、車に乗り合わせて入口のゲートを通り、坂を上ると施設に到着しました。最初に待合室に案内されました。


貯木場・作業用建物・燃料保管倉庫

 壁にかかった予定表には、「12月6日産廃、同16日発電所北側フェンス修理、同16日産廃午前1台午後2台、同25日産廃最終日現場内清掃」、そして「運転開始日平成30年2月1日」と書いてありました。どうやら、年内に構内の不要物を搬出し、年明けも残工事と調整運転を続け、来年2月1日から運転開始(運開)に入る模様です。

 まもなく関電工の担当者がやってきて、「お疲れ様です。本日はバイオマス発電所の見学会に参加していただきありがとうございます。希望者がかなりあったため、全員が参加できるように調整しました。そのため人数が多いので細かい説明が行き届かないかもしれないが、ご容赦願います。全体で45分程度での見学会を予定しています。その中で都度聞きたいことがあれば、お聞かせください。細かな説明はシロタのほうから行います」と挨拶がありました。

 続いてシロタ担当による説明が始まりました。
「この待合室から向かって右手に見える銀色の鉄骨の中に入っているのが前橋バイオマス発電所です。燃料は木質チップ専用の発電所となっています。燃料は基本的にはチップだけとなっており、化石燃料は基本的には使用しません。ただし非常時には一部使うこともありますが、通常は木質チップのみとなります。
 能力は発電出力6750kwで、年間発電量は約4300万kw時となります。この近辺を例にとると旧宮城村の電力をこの発電所で賄えるイメージです。
 そしてあちらの奥に見える白っぽい建物が燃料チップの貯蔵・製造所です。本日の見学会はこのあと、この2つの主な設備を回りながら説明します」

 そして「この後、屋外に出て、一緒に移動してもらいますが、見学に際して3点ほどお願いがあります。1つ目は、まだ工事関係の作業員が何人もおり、そういった場所では作業中なので歩きにくいことがあり、ご容赦下さい。2つ目は、手前の方は砂利道になっており、足元の悪いところがあるので留意ください。最後にもう1点は、構内での写真・動画等の撮影は遠慮していただきます」と、情報秘匿体質の関電工らしい注意コメントがありました。

 さらに「発電所では階段で2階部分まで上がっていただきますが、階段を上がるのが大変だというかたは、別途行程で対応させていただきます。あくまでも発電設備なので急な階段もあり無理せずに、安全に注意して見学してください」と注意喚起がありました。

 そして、「一人1着ずつ防寒着を用意したのでよかったらお使いください。ほこりなどで洋服が汚れないようにするためにも使っていただきたいと思います。また、ヘルメットは必ず着用するようにお願いします」とのアドバイスもありました。

 そのあと、(赤城の自然と環境を守る会の)会長さんから次の質問が投げかけられました。
「先日12月7日に、私が関電工の本社まで行って森戸社長と前橋バイオマス発電の野本社長に要望書を渡したがその回答は知っていますか?」

 すると関電工の担当者は「(要望書を)いただいていることはうかがっています。まだ、今日の見学会は一般住民向けレベルの見学会なので、それ以上はわかりません」と答えました。どうやら地元市民団体向けの見学会開催について関電工は積極的ではなさそうです。

 「荷物はすべてお持ちいただいて見学をお願いします。寒い中、45分のコースで案内しますので暖かい格好でお願いしたいと思います。荷物はできれば車のほうにしまってもらい、忘れ物無いようにお願いします」という声に促されて、見学が開始されました。

 ボイラの銘板を見ると、「富士コンストラクション」と「三菱日立パワーシステムインダストリー」の文字が見えました。どうやら、前者がボイラの組立据付工事をおこない、後者が設計と機材調達を行ったようです。(注:両社のデータは記事の末尾参照)

 最初の見学場所はチップ工場からでした。「足元が砂利道なので気を付けて」と言われながら歩くと防音壁が見えてきました。参加者から、「防音壁の工事はこれでおしまいなのでしょうか?上のほうは空いていますけど」と質問がでました。すると関電工は「設定では高さ4mですが、まだ上に足せるようにしています」との回答でした。どうやら、今後、実際に本格稼働させてみて、さらに騒音レベルがオーバーしてしまう場合は、壁の上にさらに防音板を継ぎ足そうというつもりのようです。いかにも付け焼刃というイメージがしてきます。


管理棟・台貫

 そして、チップ工場に到着しました。関電工の担当から「こちらの後方の建物は燃料チップ製造所の管理棟です。入ってくるチップあるいは木材の管理を行う施設です。こちらの緑色の鉄板の部分が台貫です。トラック1台ごとのチップあるいは丸太の重量計測、入りの管理をきちんとやっています。重さを軽量するときに併せて、こちらのポールに付いている機器が放射線の測定モニターです。台貫で重さを計測中に有意な変動があるかどうかを計測します。大きな変動があった場合には、よろしくないチップあるいは丸太なので中には入れずにそのまま帰ってもらうという対策をとります」と説明がありました。







管理棟






計量装置(台貫)

 ここで参加者から「(放射能を検知すると)どこでアラームが立つのでしょうか」と質問したところ、関電工は「発電所の管理室の中の中央管理室です」と答えました。

 さらに別の参加者からは「間伐材でチップを搬入する時は、トラックの荷台の外側は鉄板で覆われているのだから、(放射能が)検知できないのでは?」と質問がありました。関電工は「それはないと思います。大丈夫」というので、「どうやって確認したのですか?」と念押したところ「鉄板では放射能は遮蔽できないので」と関電工の担当が回答しました。

 後方にあるモニタリングポストを見ると、「0.045」という数値が表示されていました。これで施設構内の空間線量を計っているようです。関電工に説明よると、「あれの3倍に振れたら(入りを)止めます。今、0.05なので、あれが0.15になれば入れないということです」なのだとか。

 また、トラックが出ていく時にも台貫で計測し、入って来た時の重さとの差で、搬入した木材の量を測るそうです。(注:これは見学会の最後のほうで、関電工の別の担当者から否定された。搬入トラックは1、2回台貫を入りと出で重量差を測るだけで、あとはナンバー読み取りだけで正味重量を自動計算するため、出るときはフリーパスなのだとか。これでは中から何を持ち出しても自由自在ではないか)

 参加者から「40ベクレルについては、放射能はこれでは測れないのではないでしょうか?」と質問が出ました。40ベクレルのような少ない放射能の量を測ることが困難に思えたからです。すると関電工は「ここに運ばれる前にゲルマニウム半導体でサンプリング計測してそこで40ベクレルを検知すれば、そこの土場からは外に運ばせないという対策を取っています」と参加者の質問の真意をはぐらかして答えました。本当にそのやり方で大丈夫なのかどうか、参加者には判断できませんでした。

 なお、放射能の測定のため、台貫の上で2分程度ここにトラックを止めるのだそうです。なお、モニタリングポストは0.04と0.05の数値を示しており、事務所の南側20mの地点に設置してあります。また、防音壁の裏側に排水溝が設けてあります。







作業用建物兼燃料貯蔵庫

 次に燃料チップ製造・貯蔵施設に移動しました。関電工からは「こちらが燃料チップ製造所・チップ貯蔵エリアです。入って来た木質燃料は、台貫で計量した木質チップはすべてこちらに一度貯蔵します。今ご覧いただいている木質チップの量はおおむね定格運転した場合、1日強程度使用する木材の量となります。それから、チップのほか丸太の形で燃料を搬入するときは、この外側に積んでおきます」と説明がありました。参加者から「破砕はこの中でやるのですか?」と質問があり、関電工は「はい。でも、まだ今は破砕については調整が済んでいません。当面の間、チップ化する作業はここで行われません」と答えました。


燃料乾燥装置(脱水プレス機のこと)

燃料乾燥装置(チップのプレス中)

燃料乾燥装置(チップのプレス機)
※当会注:見学会参加者によれば、実際のチップの脱水プレス機の塗装色は緑色であり、上記の写真はどこか別の施設を撮影した写真を流用している可能性がある。

 参加者から「当面とは具体的にいつごろまでのことを指しますか」と質問がありました。関電工は「私からは申し上げられません。最終的にはここに入れますが、防音対策をとったあとになります」と答えました。確かに、チップ貯蔵施設はよく音が反響します。これでは騒音がスピーカーのように増幅して今います。こうしてしゃべっている声だけでもすごい反響音がします。

 参加者が「破砕する場所は?」と訊くと、関電工は「(建物の)中でやります」と答えました。しかし、実際に破砕機を入れて稼働させてみた場合、どのくらいの騒音になるのかわからないため、防音壁の上を開けておいて、必要に応じて高さを継ぎ足す対策をとるようです。すなわち、現在の防音壁の高さは計算値にもとづく基準だが、将来的に余裕を持たせないといけないのでこのように上を開けておいてさらに壁を高くできるようにしているのだそうです。

 関電工いわく「計算値はありますので、ご不満はあるかと思いますが、これでしばらく騒音測定をさせていただきたい」ということです。発電所の稼働時の騒音レベルをみたうえで、そのあと、破砕用のチッパーを稼働してみて、結局あとで同時稼働になるので、その結果を見て防音壁の高さを最終的に決めるようです。関電工としては柔軟な対応ぶりをアピールを演出したいようですが、言い換えれば付け焼刃的な対応という見方もできます。





貯木場

 貯木スペースについて参加者から「最大で3日分しか置けない感じがしますけど?」と聞かれた関電工は「MAXで5日分くらいだと(トーセンが)言っていました」と答えました。参加者は「チップは何日分ぐらいを1日でできるのですか。稼働時間は?」と質問すると、「フル稼働すれば1日分といってもスペックとしてはもう少し余裕があります。要するにチップは大量につくっておくことはしません。1日ちょっとの分くらい」なのだそうです。なお、チッパーは現在、県内各地の森林組合や素材協の土場で稼働中のようです。参加者からチッパーの稼働場所を訊かれた関電工は「わからない」としらばくれていました。

 次に乾燥施設に来ました。3億7500万円もする脱水プレス機ですが、搬入される木質チップのすべてをこのプレス機にかけるわけではなさそうです。含水率の高いチップのみ、プレス機で圧縮処理をして水分を絞り出して乾燥させてからボイラに送ることになります。なお、プレス機は諸々調整中で、まだ稼働状態にはなっていないとのことです。そのため、ここにあるチップは渋川で加工した水分量のたかい端材をそのまま搬入しているそうで、しばらく保管しているうちに含水率が低くなるとのことです。であれば、プレス機は不要なのではないでしょうか。

 それ以外の木材はチッパーで粉砕するわけですが、現在、チッパーの姿は構内には見当たりませんでした。移動式のため、おそらく県内北部の沼田地域あたりの土場で稼働させている可能性があります。そこで丸太を砕いたチップがこの施設に持ち込まれているようです。しかし、前述のとおり関電工は稼働場所について口をつぐんでいます。

 木質燃料の含水率は都度簡単に測定可能とのことです。また、生木をそのままプレス機にかけることはないとの説明です。プレス機にかけるのは、含水率の高い製材の端材だけで、製材時に水をかけてカットされた端材はビショビショになっているので、そのままプレス機に投入するのだそうです。

 したがって、製材のチップと間伐材のチップは混ぜることはなく、混ぜるのは、ボイラ投入前のコンベアの段階で混ぜるのだそうです。

 再度参加者が、脱水プレス機の稼働開始時期を関電工に尋ねましたが、「今の段階では、なんとも申し上げられません。準備が整い次第というしかありません」と言葉を濁しました。やはり実用に課題があるのかもしれません。

 関電工は「次、先に行きます」と我々参加者らをせかせました。チップ貯蔵施設の天井を見ると火災探知機の有無が分からないので聞いてみると、あるのだそうです。しかし、煙感知器ではなく熱感知器のアラームだと言います。また、参加者が「脱水機はトーセンですか?」と聞くと、関電工は「燃料会社です」と返事しました。

 参加者が「脱水した水の量や(処理用の)浄化槽の水量とかはどれくらいでしょうか?」と訊きました。関電工は「1日の処理能力は45トンの水を処理する能力は有しています」と答えました。

 黄色の筒のようものは燃料工場のほうから発電所へのベルトコンベアだそうです。このベルトコンベアは密閉型で屋根がついています。だから、風でも飛散せず、雨天でもチップが濡れる心配はないということです。チップのベルトコンベアへの投入はフォークリフトになっているようです。






フォークリフト

 次にボイラの視察となりました。10段くらいの階段は傾斜が急なため、足元が悪いとして、上に上がると大変な人は下のほうを迂回して案内されました。二次加熱器とか一次空気などの銘板が見えました。すると関電工の担当者が説明を始めました。

「それではこれが発電所のボイラです。ボイラは燃料チップをあちらから中に投入し、燃焼することにより高温高圧の蒸気を作るのがボイラの役割です。このボイラは流動床式と言って、特徴としてはボイラの火炉の底の部分で約30トンの砂が入っていて、下から一次空気とよばれる燃焼用空気を吹き付けて、バブリングとよばれる、つまり常にボイラの中の砂を巻き上げてやることにより、砂が常に回っている感じとなります。その中に燃料チップを入れて無駄なく燃焼させ切るのが特徴です。その他、このボイラの火炉の部分については、前後・左右・上下に水管という水の入った管があり、その中の水が熱を吸って蒸発して高温高圧の水蒸気になります。それを6面にきちんと張り巡らしてあるため、発生した熱をできる限り無駄なく吸収させることができます。こちらが発電所のボイラです。タービンは向こう側にあります」

 参加者からタービンの騒音について質問がありました。関電工は「回転しているとき、50-60デシベルくらいになります」と言いました。なお、ボイラ施設から発生する音の一番の原因は水の流れる音だそうです。なお、関電工によれば「施設境界における夜間の騒音規制は45デシベルなので十分に達成しています」と鼻高々でした。

 また、参加者が、「この燃焼室では燃料チップは上から落とす形になるのですか?」と質問したところ、関電工の担当者は「そうです」と答えました。参加者が「あれほど落差が必要なのですか?」と質問したところ、関電工は「もうしわけありません。技術的なことはちょっと(わからないので)」と言いました。一般住民への見学会だとタカをくくっているのでないか、と思われる対応です。

 参加者から、「あそこは何が出るのでしょうか?煙突はわかるのですが」と質問がありました。すると関電工は「あそこは脱気器といい、缶水から溶存酸素を取り除くためのものです。酸素があるとボイラの腐食の原因となるため、蒸気と缶水を触れさせて中に溶けている酸素を取り除くための装置です。そのためにごく微量の蒸気を使っています」と答えました。参加者は、「それによって排水として外部に出てくるのでしょうか?」と質問したところ、関電工は「いいえ、取り除くものは酸素だけなので、一緒に空気中に放出されてしまいます」と言いました。

 参加者からは「ここからずいぶん煙が出ますね。このエルボウ(曲り管)からでしょうか?」と質問がありました。すると関電工担当は「大気放出弁があり、起動停止の時に一部開けるところがあります。出ているのは単なる蒸気です」と答えました。参加者は、試運転時に大量の白煙が出ていることを知っているため「ここからずいぶん(白煙が)出ていましたが・・・」と質問したところ、関電工は「試運転なのでずいぶん開けたり閉めたりするので・・・。通常は締めています。だから実際に運転しているときは(白煙)はでません」と言いました。

 また、最近、試運転時にバイオマス発電施設から漂ってくる異臭に関連して参加者から「点火時の助燃剤として重油を使うのですか?」と質問したところ、関電工からは「重油で点火するのでなくて、灯油を使います。」と返事がありました。参加者から「その排ガスも出ますよね?」と質問された関電工担当者は「火を点ける時は小さなバーナーを使います。石油ストーブのようなものです」と言いかけましたが、それをさえぎるように、関電工の案内者は「はい、すいません、次に移りますので」と述べました。

 続いて中央操作室に移動しました。関電工から次の説明がありました。

「営業運転を開始すると24時間運転になります。こちらには2名4班の体制を組み、昼夜2交代勤務で、常時運転員が常駐することになります。発電所の各パラメーターに関する数々のセンサーはこちらで監視ができるようになっています。万一、異常等々が発生した場合は所員により適正に対応します。壁に付いているテレビ画面が、燃料チップの受入ホッパーの映像で、あちらからチップをベルトコンベアでボイラに投入しますが、その貯留状況もここで管理しています」

 参加者から「監視カメラは何か所あるのですか」と質問がありました。関電工は「上の受入ホッパーを見れば、あの1か所だけです。なお、(ボイラ燃焼室内の)燃焼状況は4か所で見られます」と回答しました。

 関電工は次にタービン建屋を案内しました。急な階段を手摺につかまりながら降りていきました。さっそくタービン建屋の説明が始まりました。

 「発電に使った蒸気は、基本的にはボイラにまた戻る仕組みになっています。タービンの後ろに復水器があり、復水器に蒸気を当てることにより温度が下がると水になります。復水器の中に冷却水を送り、冷却水を冷やすという原理になっています。こちらのタービン建屋の中央にある緑色の箱のような機械がタービンです。中には羽根車が入っています。先ほどのボイラで発生させた高温高圧の蒸気をそこに送り付けて、羽根にぶつけて羽根を回転させます。その生じた回転エネルギで手前の発電機が回されて約6750kwの電力を発生させるという形になります。こちらにタービンに入ってくる高温高圧の蒸気は、温度が約475度C、気圧が約6メガパスカル、大気圧の60倍という高温高圧の蒸気が入ってきます。タービンから出ていく時の温度は約50度C、圧力はほぼ0気圧になります。それだけのエネルギがとられて、それが6750kwの電力を生む源になります。タービンで仕事して低温低圧になった蒸気は、今度はタービンの中に復水器という設備があり、そこには別系統から送られてくる冷却水で冷やされて再び液体の水に戻されます。低温の水に戻り、またボイラに入り加熱されるというサイクルを繰り返します」

 参加者から「内側に貼ってあるのは防熱材料なのでしょうか?」と質問があり、関電工は「防音材です」と答えました。また「失われる水分は1割?2割?どれくらいですか?」と参加者が質問したところ、関電工いわく「タービンの中では水分は失われない」とのことでした。また「排水はどれくらいですか?」との質問には、「タービンでは排水は出ない」として、「このあと冷却塔を見学しますが、蒸気を冷やすのに使った冷却水が外に排水されます。後で説明します」との説明でした。

 参加者から「高温高圧なので配管をステンレス鋼というか、高温高圧対応の材料を使っているのですか?」との質問に、関電工は「材質にはステンレスの配管は使いません。普通鋼です」と答えました。

 次にタービン建屋から外に出て、冷却塔へいきました。

「こちらの大きな黒い箱のような設備が冷却塔と呼ばれるものです。先ほど申し上げました復水器で蒸気を水に戻すために使った水が熱を受け取って温度の上がった水となってこちらに流れて来るので、それを冷却塔の中で吹きかけてやり空気と熱交換をさせて、また冷却水の温度を下げて、また復水器に戻るというサイクルになっています。車のラジエータと同じです。よくビルの屋上とかにこういった設備があると思いますが、そういったものと基本的な原理は同じです」

 参加者から「この発電所に入ってくる水は地下水と言いましたか?」との質問に、関電工は「はい、地下水です。1時間当たり65トン、それが24倍なので、すいませんちょっと。1000・・・」と答えました。(当会注:65×24=1560となる計算です)

 参加者と関電工のやり取りは続きます。特に水については周辺の住民にとって非常に重大な問題を抱えているからです。参加者の懸念事項と関電工の回答を詳しく見ていきましょう。

―それがサイクルするとおっしゃいましたよね?
「はい」
―どんどん65×24(トンの水)が地下水から入っているのですか?
「それはまず、地下水を汲み上げさせていただいていますが、だいたい1時間当たり65トンです」
―循環しているとおっしゃいましたよね?
「循環しているのはこの中ですね」
―では常にどんどん、地下水を使っているわけではないのですか?
「違います。1時間当たり1700トンの水がぐるぐる循環しています。24時間汲み上げるんで」
―そんなに使うのですか?水を入れるということは、同じ量が出ていくことでしょう?無くなるから出るんでしょう?
「・・・」
―そんなに水を使って、井戸水を使っているのでしょう?はっきりさせてもらいたいです。
「循環水系統ですが、1時間1400トンが循環していて、冷却等のところで一部僭越として奪われるので、つまり、蒸気として蒸発するとそれが半分の30トンくらいあるので、その減った分を補充します。残った水にもミネラルが含まれているので、あまり循環するとミネラル分が濃くなりすぎるので、残った分も半分をそのまま放水します。なので、65トンを1時間入れて、30トンは蒸発で大気中に出て、残りはブローという形で処理して排水する。もちろん水質チェックしてから排水します。
―65トン入って、30トン蒸発して、残りは排水というけれども、循環するのが無くなるのでは?
「入りと出ではそうなんです。300トンくらいの水をプールに持っていて、このプールの中から建屋の内外を回っているうちに、1時間あたり30トン(の水)が無くなり、途中で30トンが系外に排水として排出されます。全体の水の量は1700トンで、このうち30トンが蒸気となります」
―それはもう予め大丈夫だと確認しているのですか?地下水を使って生活している住民も多数いるので、水が出なくなってしまったよ、という心配はないのでしょうか?
「はい。近隣の井戸の深さも調べてそれよりもっと深い層から採水しており影響はないと考えております」
―影響が100パーセントないとは確実に言えないでしょうから、これが稼働した時、もし苦情があったらどうするのですか?
「適切に対応させていただきます」
―適切に、とアバウトに言われても、生活している人は水がないと生きていけないので。
「それは非常に大事なことだと、我々も認識していますので、はい」
―毎日1500トンくらい水を汲み上げることになりますよね?
「はい、そうなりますね」
―1500トンといえばかなりの量ですね。
「これくらいは普通だと聞いていますので。当社の実績で」
―そんなに大量の水を使ってわざわざ木質チップを発電するなんて、無駄がいっぱいあるんでは?
「エネルギという観点では、水を使うのに要するエネルギより多くのエネルギを発電していますので、エネルギ源という観点では1を超える設備であると考えています」
―だけど木を燃やしてエネルギを作るといいながら、他のエネルギも水も使っていますよね?」
「使っていますが、発生する分に較べたらわずかです」
―僅かとか、そういうイイ加減というと失礼だけど、昔からここより先に住んでいる人ばかりなので。では、水が出なくなったら苦情を言ってもいいのでしょうか?(その場合)うちのせいではないと言うのではないでしょうね?」
「ご連絡いただければ、きちんと調査等々をしたうえで、適切に対処する所存ではございます」
―だけど今、雨の量も少ないそうなので、このへんは渇水の心配があります。なので、こんなにこっち(の事業)に水を取られたら、とても心配です。適切な対処といっても、では(そのような事態の際には)水をくれるのですか?
「そういうケースも考えられます。必要であれば、この発電所を止めざるを得ないことということも有り得ます」
―そんなことをしますか?
「その話をここでしても長くなるので、今、プラントのほうの説明をしているので、急がせてもらえますか?」

 なるべく早く見学会を切り上げたい様子で、関電工は参加住民らに次の場所への移動を促しました。

 参加者からは「300トンのプールがあれば(冷却用水を)完全循環できると思いますか、ダメですか?せっかくの水を捨てることはないと思いますが」と提案がありましたが、関電工は「増減があるのでやはり運用上、バッファー・タンクがないと厳しいので」などと意味不明の回答をしてお茶を濁そうとしました。

 それに対して参加者からは「捨てるということをしなくていいのではないでしょか?無くなったらその分だけ足せばよいのではないでしょうか?」と更に突っ込んだ質問が出ました。すると関電工は「それはさきほども説明したように、地下水のミネラル分の濃縮が発生するので、そうすると配管等に悪さをするので、ミネラルの濃度を一定値以内に保つように(水の)入れ替えをする必要があります」と説明しました。

 参加者は「それは排水しても問題はないのですか?飲んでも影響はないのでしょうか?(入れ替えは)機械を守るために?」と言うと、関電工は「はい、そうです」と、環境よりも人命を重視する返事をしました。

 それを聞いた参加者からは「濾過は可能ですか?」と少しでもミネラル分を濾し取って、貴重な地下水の排水量を少なくするための方策について質問が出ました。しかし、関電工の返事は「濾過ではちょっと・・」という連れないものでした。「技術的に難しいのでしょうか?」との質問にも「はい」と答えた後、さらに「ヒトにはミネラル分はよいのですが、機械にはちょっとダメなもので。ミネラルウォーターというのは、プラントにはよくないので」として、地元や周辺の住民の生活環境よりも、機械の稼働状況の保全のほうを重視している姿勢を示しました。(当会注:通常は、冷却水量の低減をできる限り図るため、ミネラル分の増加した排水をさらにマイクロフィルターや逆浸透膜などにかけて、さらにミネラル分を除去して冷却水をリサイクルし、環境負荷を最小限にするのが適切なエンジニアリングです。しかし、住民の生活環境や周辺の自然環境の保全より、営利を重視する関電工は、そうした対策を取るつもりは毛頭なさそうです)

 さらに参加者からは「地下水のミネラル成分はきちんと計測したのですか?」と質問が出ましたが、関電工は「はい。ただしボイラに影響あるものだけですが」と答えて、ここでも自分のことしか考えていないことを露呈しました。

 粘り強く質問したい参加者の意向と裏腹に、関電工は「では、次の説明に入らせてもらいまーす」といって、それ以上の質問を遮りました。

 「最後に排気関係のご説明をさせていただきます。ボイラでチップを燃焼させた後、当然、排気ガス等々が発生します。木質チップの重量のうちの4割程度は水分なので、それを燃焼させることで水蒸気や、或いは木そのものを燃やしたことによって発生する煤塵、そういったものがボイラから発生します。最終的にはこの煙突から、高さ30mありますが、ここから排出させていただきます。その前段階として、手前の大きな箱のようなものをバグフィルターといいます。こちらのフィルターの濾紙のようなものを通すことによって煤塵関係のものを濾し取ってやる設備です。あの箱の中に長さ6mの筒が約448本、面積にすると1300平方メートル程度になります。それだけのフィルターが入っています。そちらでチリを濾し取っています。フィルターの部分でチリが溜まりますが、定期的に逆洗浄、定期的に空気を逆に流して、下側から筒のすぼまっているほうに煤を落とし、青いコンテナのほうに溜めるという流れになっています。燃焼させた後の灰は乾燥でカラカラになっており、空気で飛散し易いので、その上に灰加湿器が見えますが、そちらで水分を加えてやり、飛散することの無いようにして、コンテナに溜めるようになっています」

 さっそく参加者から質問が出ました。

―フィルターは定期的に交換するのですか?
「検査のたびに判断します」
―上のほうは茶色くなっているがあれは何ですか?
「出口温度が165度くらいあって、ちょっと熱の部分があのような色に変色しているだけです。純粋な熱です。なお、(バグフィルターの箱の)外板の化粧板はステンレス製です」
―フィルターにかけるのは飛灰だと思いますが、主灰はどうするのですか?
「流動床(式ボイラ)の特徴で、主灰は殆ど出ません。全部完全燃焼して主灰は出ないのです。(出るのは)飛灰のみです。燃焼灰はすべてこのバグフィルターを通します。灰以外の石だとか釘だとか、異物については、別途取ります」
―これはエア洗浄の灰ですか?
「はい。フィルターに付いた灰はフィルターに残るので、下から空気を当ててやると排ガスの下のほうに落ちます。あそこに2つ、一つの箱に同じものが2つに分けて入っているのは、単純にひとつだと灰の量がたくさんになった時に、スムースにいちおう通れないので、2つ用意しています。中には1対になっている長さ6m、直径15センチのフィルターが448本入っており、定期的に下から空気を吹き上げて、灰が下に落ちで、それに灰加湿器で水を吹きかけて、最終的に青いコンテナに行きますが、今日のように風が強い日でも、灰が舞わないような設備にしています。すべて灰は青色のコンテナに集約しています」
―で、フィルターを通ったものは煙突に抜けているということですか?
「そうです」
―煙というと上にいくと思うが、いったん下に行ったり上から下に行ったりしているのは?
「煙の方向は配管のルートで上に行ったり下に行ったりいろいろしています」
―設計的なものですか?
「そうです。あと、煙突に向かって上下すると灰がくるのに遅いことがあり、実は、煙突の少し手前に誘引の通風機というものがあり、煙突のほうに全部引っ張るような風を起こすことで、すべて軌道に乗るような設計をしています」
―あれがないと更に煙突をさらに高くしなければないのでしょうか?
「そうです」

 ここでもまた、参加者からのさらなる質問を遮るかのように、関電工の案内者の声が聞こえました。「すいません。時間的に時間が押してきているので・・・」それにも拘らず参加者からは不安や疑問が関電工に寄せられ続けます。

―灰加湿器の働きは?
「流動床には30トンの砂が、800度まで上がるので、基本的に(投入された木質燃料は)完全燃焼させて灰となり、燃えないものは外に出られないしくみになっています。灰は外部に取り出すため、取り扱いの際に水を加えて埃の発生を抑制します」
―点検とは年間何回やるのでしょうか?
「定期点検は1年に1回予定しています。法定点検でボイラのまわりやタービンのまわりは、2年に1回、あるいは4年に1回、法廷点検にならって、期間は20日から1か月くらいかかります」
―そんなに(点検に時間が)かかるものなのですか?
「やはりボイラの点検は、全部を止めて配管が全てしっかりしているかどうかをチェックします。そのため、1年に20日間程度間違いなく止めます。ボイラの場合は2年に一度の周期なので2年目は40日くらい(運転を)止めます」
―毎年、一般検査で20日くらい止めるのですか?
「我々としては、なるべくそこを短くしたいが、法定で決められたものについてはしっかりとやらないといけないので、それなりの予定をしています」
―運転を止めた後、再開する際に重油で火を点けるのでしょうか?最初はこれだけですか?
「最初にボイラを立ち上げる時は非常に冷えているので、いきなりチップを入れても燃えません。バグフィルターの手前にタンクのようなものが見えます。煙突と大きいフィルターの間に小さいタンクがあります。5000リットルと書いてあるが、あそこに灯油が入っています。そこから灯油を送り、(ボイラの)起動バーナーで砂を最初に200度Cまで温めてあげます。200度Cまで上がるとチップを燃やしても、少しずつ燃えることになるので、起動するときのみに使用する設備になっています。(灯油タンクをボイラの)燃焼場所から遠い場所に設置しているのは安全のためです。あまり近いと引火など火災のおそれがあるので」
―事務所の浄化槽というのは、さきほどの45トン(の浄化槽)とは別にあるのですか?
「あくまで、生活排水のものはまったく別です。あれ(45トンの浄化槽)はあくまでも脱水チップ用です。まだ稼働はしていませんが・・・」
―汲み上げる水の量がやはり心配です。
「たとえおひとかたであってもご連絡をいただければ対応します。一応ここの代表電話も入っているし、連絡先に携帯のも入っているのでどちらかでも対応はします。水の汲み上げ量が心配だとおっしゃっていますが、それなりに事前のボーリング調査を何か所もやって埋蔵する水の量は把握していますので、そのへんは・・・」
―だってここは何年も稼働するのでしょう?今後の展望というのは、今までのようなわけにはいきません。そうでなくても水が足りない傾向になっている事態の中で事業をやろうとしているんですよ。そういうことを考えると、水の不足について応対してもらえるのでしょうか?いままで井戸が出ていたところが、出なくなったらどうするのですか?
「まあ、ご連絡いただければきちんと対応します」

 最後に、入口の燃料木材の受入れ場所に向けて歩く途中で、早く見学会を終了させたい関電工は、早くも参加者からヘルメットを回収するとともに「つまらないものですがお餅を用意させていただきました」と、参加者に手土産を配り始めました。

 しかし参加者からは全般にわたる質問が出ました。

―搬入木材の放射能の管理はモニタリングが十分なのでしょうか?
「そういったところにつきましては、入ってくる木材に含まれる放射線の量は基本的に計測します。そういったことで放射線量の高いものは受け入れないという対応をします。それはしっかりやります。そうですね。ご心配な点が何かあれば連絡ください。よろしくお願いします」
―貯木はここだけですか?アスファルトの上はすべて貯木場ですか?
「基本的にはチップの状態であればあの中です。それで、防音壁の前のほうに丸太を積んで、少しでも防音軽減効果を狙って積むことも一応考えています。この(防音壁の)板のままでよいのか、木があのように積み重ねれば軽減するのかどうか、それを確かめてからにしたい」
―ここは浸透性のアスファルトでしょうか?
「えーと・・」
―水はどこから流れていくのでしょうか?アスファルトの上を通った水が入るのですか?
「基本的には雨水を集めているところだと思います。弁で切り替えて3分岐になっています。水を散らばせています。深さは2mくらいあります。結構な深さです。それも計算値でやっていますので。で、ヘルメットも無い状態なので、ここまででご遠慮ください。またいろいろありましたら、またご連絡ください」
―池に入るようになっていないですね。ここを抜けるように作っているだけのようですが、これでは全然浸透しないね。ところであの木はどこからの持ってきたのでしょうか?
「あの木は、具体的にここにあった木というのは、まず群馬県内の県の森林組合さんから持ってきただいた木があちらに貯留されてあります」
―違いますよ。トーセンが持ってきたって聞いていますけど?
「はい、すいまでん。あそこに見えているのが森林組合で、あちらの裏側に置いてあるのはおっしゃるとおり、あの丸太は株式会社トーセンさんの群馬県にある土場から持ってきたものです」
―なんか、(トーセンが)借りていた土地がもう返さなければならなくなったからここに持ってきたと言っていましたけど?
「はい、そうですね。裏にあるものはトーセンの丸太をこちらに持ってきました」
―日光のほうから持ってきているのではないでしょうか?
「群馬県内の木でやっているので、そこは証明書で確認しました。マニフェストで、具体的に間伐材で県有林の場合は売買契約書でトーセンさんが何とか森林組合から買ったというマニフェストがあります」
―それはチップであってもどこの木が元の木だというのがわかるのでしょうか?牛肉のように出身地が?
「はい、チップの状態であのように混ざってしまうと何がなんだがわからなくなりますが、チップで入っても、大もとの木がどこの木でいつ買い付けたというのは、全部分かるようになっています。それが再生可能エネルギ法によるFIT認定で必ず守らなければなりませんので、そちらで確認が可能です」
―あの丸太は重量を測るだけで、(台貫に)乗っかるところだけでいいのですか?
「えーとですね。ちょっとのシロタのほうが、毎回(トラックの出入りごとに台貫に)アップ、ダウン(ごとに係争する)と説明したのですが、通常はここに入ってくるトラックはだいたい決まっているため、実は、車でナンバーは1回、2回で登録するという形をとっている燃料の会社でありますので、最初は1回、2回くらいしっかりと重さを測っておけば、(その後は)その車が来れば、その車の重量何トンだと分かれば、このナンバー(トラックの正味重量は)2トンだというふうにわかるからです。その後は、いちいち出るときの重量は測りません
―だけど例えば、燃料のガソリンタンクが満タンか空かは、誤差のうちなのですか?
「すいません、そこまでは・・・というので、逆に言うとそれは燃料を買う我々側とトーセンさんの間で、それは我々もちょっと懸念するところですが、今のところそこを確認する技術はなくて・・・」

 ここでとうとう痺れを切らせた関電工は「ではすいません。あの、作業がまた始まってしまうので、申し訳ありません。年末の忙しい時期なので本当に恐縮です。短い時間で申し訳ありません。名札と防寒着をまだ返却されていないかたがいらっしゃれば、お願いします」

 最後に参加者の皆さんから、この施設が建設された場所の勾配が急であることの感想が述べられました。これでは貯水池に入らず、周辺や下流に水問題でなにか問題が及びそうだということで、懸念の声が相次ぎました。

 また、木質燃料は間伐材のチップと製材端材のチップの2種類に区分されて保管されていましたが、製材端材は乾燥済みのようでした。脱水プレス機は排水の浄化槽の工事中で、まだ稼働させていない、というより稼働できないことも明らかになりました

 このほかにも、ボイラの騒音や、冷却装置からの騒音、燃焼灰の扱い等々が2月1日からの運転開始を前に、懸念材料として参加者から指摘がありました

 さらに肝心のチッパーなどはどこにあるのか見当たらず、他に転用されているのではないかとい指摘もありました






移動式チッパー、トレーラー・グラップル
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■こうして12月23日の午後に開催された施設見学会では、当初45分の予定でしたが、参加者の皆さんはいろいろな懸念や不安を含めて多くの質問を行いました。そのため予定を30分ほどオーバーしましたが、関電工側では、しきりに早く切り上げようという姿勢が目立ち、真摯に住民の皆さんの抱く懸念や不安の払しょくを最優先にするという対応がいまひとつだったのが気になります。

 また、12月22~23日の見学会は、一般住民向けであり、この問題に当初から取り組んできた住民団体向けの見学会は別途必須です。

 このことについて見学会でも参加者から関電工に要請の声が伝えられましたが、12月27日に住民団体のメンバーに対して、「12月4日付の関電工社長宛の住民団体向けの視察会開催要請について、見学会は計画しない」と口頭で回答がありました。

 これは以前、関電工が住民説明会で、3段階での見学会の開催を約束したことと明らかに反します。
※住民説明会における関電工の見学会開催に関する約束と現時点での進捗状況:PDF ⇒ 20180108wj.pdf


■住民団体の皆さんは、このことについて、前橋市長にも強く申し入れていますが、12月28日付で山本市長からの回答書が届きました。内容は次の通りです。

*****前橋市長からの回答書*****PDF ⇒ 20171228os.pdf
                     平成29年12月28日
赤城山の自然と環境を守る会   横川 忠重 様
赤城南麓の環境と子供達を守る会 井上  博 様
                    前橋市長 山 本   龍
                        (環境政策課)
 バイオマス発電事業について、本市へのご要望事項について回答いたします。
 まず、事業者・行政・守る会の三者による話合いについては、各者の合意が前提となることから、各者少人数による話合いができるかどうか事業者に対し提案しているところであります。
 環境配慮計画の内容に関しましては、事業者に自主管理基準をしっかりと守っていただけるよう、様式を整え報告いただけるような取り決めについて事業者と協議wてまいりたいと考えております。
 事業者は、各種の環境モニターを設置し監視を行うなど環境に配慮した事業計画となっておりますので、まずは事業者に対しまして自主管理基準が守られているかを確認するとともに、大気関係、騒音・振動関係に該当する事項については法令に基づき対応してまいりたいと考えております。
**********

■このように前橋市は事業者である関電工に対して、地元住民団体との話合いについて申入れをしている様子ですが、いまのところ、何も具体的な進展は見られません。

 また群馬県は、前橋地裁における裁判でも、県で定めた環境影響評価条例に基づくアセスメント実施について、相変わらず排ガス量を根拠もなく大幅に棒引きしたことについて、正当化する発言を繰り返しています。

 さらに原価がせいぜい3千万円程度の脱水プレス機を、事業者であるトーセンと関電工らが出資する前橋バイオマス燃料というペーパー会社に対して補助金として3億5千万円(税抜き)もの金額を支払ったりしていることについても、請求書通りに支払っただけだとして、一向に精査をしようとしません。

 引き続き、裁判所の法廷での攻防を通じて、なんとか環境アセスの実施と補助金の返還を事業者にさせるよう群馬県を相手取り、裁判に注力していく所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考URL「株式会社富士コンストラクション」
http://fuji-csr.co.jp/guide/company.html
社名      株式会社富士コンストラクション
住所      〒290-0043 千葉県市原市出津西1-2-10
設立      昭和42年7月28日
資本金     50,000,000円
建設業者登録  (般-11)第5386号、管工事業、鋼構造物工事業、機械器具設置工事業、鳶工事
業種      火力発電ボイラー石油化学の各プラントの機器、鉄構造物、タンク配管等の据付保全工事
役員      顧問相談役   伊藤 幸雄
        代表取締役社長 平井 誠
        専務取締役   長岡 敏郎
        常務取締役   小倉 雅彦
        取締役事業部長 有馬 誠見
        監査役     内田 稔
取引銀行    千葉銀行五井支店、京葉銀行五井支店
年間工事受注高 2,000,000,000円
従業員数    事務職員/6名、技術職員/50名、協力会社/250名(20社)、合計316名

※参考URL「三菱日立パワーシステムズインダストリー」
https://www.ids.mhps.com/
商号      三菱日立パワーシステムズインダストリー株式会社(Mitsubishi Hitachi Power Systems Industries Co., Ltd)
登録所在地   横浜市中区相生町三丁目56番1号JNビル
設立年月日   1961年(昭和36年)10月10日
社長      牧浦 秀治
資本金     10億円
株主      三菱日立パワーシステムズ株式会社(100%)
年間売上高   226億円(2016年度)
従業員数    約620名(2017年4月1日現在)
取引銀行    三菱東京UFJ銀行 横浜支店
保有資格    建設業者登録  特定建設業(電気工事業、管工事業、機械器具設置工事業):国土交通大臣許可(特-24)第24597号、特定建設業(建築工事業):国土交通大臣許可(特-25)第24597号、特定建設業(清掃施設工事業):国土交通大臣許可(特-26)第24597号
        ISO 9001 : 2015認証  登録番号 : JBA-005
計量証明事業  濃度(広島県知事登録 第K-29)
        音圧レベル(広島県知事登録 第K-48)
作業環境測定機関  広島労働局長登録 34-30
本社      〒231-0012横浜市中区相生町三丁目56番1号JNビル
TEL:(045)227-4950
FAX:(045)227-7569
事業内容    ○産業用ボイラ・中小型火力発電プラント・地熱発電プラントの基本計画、詳細設計、 調達、建設、試運転
        ○既設プラントの改造工事、アフターサービス、保全工事
        ○メカトロ、コンピュータ制御装置の設計製作
        ○各種訓練設備・監視計測装置の設計製作
**********

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大同有毒スラグ問題を斬る!…読者投稿「伊香保保育園のスラグにフタをする舗装」は既に壊れていた!

2018-01-08 23:28:00 | スラグ不法投棄問題
■群馬県中にダンプトラックで不法投棄された有害スラグ問題は、未解決なまま2018年新春を迎えました。廃棄物処理法では、大同スラグは「廃棄物として廃棄物処理施設に適正に処理されなければなりません」と定められています。
 しかし、大同特殊鋼株式会社に忖度しているからなのか(?)は定かではありませんが、渋川市を中心とする工事実施主体で構成される鉄鋼スラグ連絡会議は、廃棄物処理法や建設工事の共通マニュアルたる群馬建設工事必携に違反してでも、アスファルト舗装でフタをする有害スラグ対策を実施しています。この度、読者から渋川市で行ったスラグ対策で「早くもアスファルト舗装が壊れている」とする情報提供がありました。

2014年1月28日の毎日新聞に掲載された伊香保保育所の有害スラグ駐車場の様子。

■この駐車場には、有毒なフッ素が含まれている大同有害スラグが敷き詰められていますが、なんと渋川市の予算を使って、アスファルト舗装でフタをする工事が実施されています。

 渋川市がその後、大同特殊鋼にアスファルト舗装代金を請求しているのかどうか?大変気がかりになりますが、読者の方から、この駐車場について早くも「壊れている」との連絡が写真付きで送られてきましたのでさっそく見ていきましょう。

 ホットな情報をご提供くださりありがとうございます。なお、この保育所駐車場について詳しくはこちらをご覧ください。↓↓
〇2014年10月6日:大同有毒スラグ不法投棄調査レポート・・・不法投棄現場(その12)渋川市の対応「ここが変だよ①」
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1416.html#readmore


送られてきた写真の初めは、伊香保保育所の建物が写っていました。この道を挟んで右側が、有害スラグでできている駐車場です。


いかにも子どもが遊びそうな松の木が駐車場に一本は生えていますが、一角に小石が見えていますね。


明らかに一角のアスファルトが壊れています。


白い有害スラグが見えています。大同スラグは膨張する性質があるため、アスファルトが壊れてしまったのでしょうか?


ズームアップした写真も入っていました。サビもポツポツ見えて有害スラグに間違いありません。膨張によりアスファルトを押し上げているように見えます。決して子ども達が掘り下げたようには見えません、また子ども達たちが掘り下げてしまっても子どもに罪はありません。罪があるとすれば、子ども達が集まる施設の有害スラグを撤去せずアスファルト舗装を実施した渋川市のお役人様に罪があるでしょう。


松の周りには元々有害スラグが、パラパラ見え隠れしています。渋川市のお役人様が、スラグがどんなものかを勉強しないまま、アスファルト舗装を実施した証拠です。スラグを被覆する工事でスラグがどんなものか知らずに、どうして被覆工事の検査ができるのでしょうか?ここで声を荒げて言わせていただきます。
撤去はおろか、被覆さえしきれていないではないか?まじめに工事検査しろ!



伊香保保育所駐車場の他の場所は、ご覧のように今のところ壊れていないようですが、なんとなくフワフワしているように見えます。他の場所でもスラグの膨張によりいずれ壊れる場所が出てくることでしょう。

■読者から提供された写真を見ていただきました。末尾参考資料にあげた4年前の毎日新聞を読み返すと、このアスファルト舗装は渋川市の予算で実施されたと記述されています。

 本来であれば、この有害スラグを駐車場に投棄した原因者に撤去させなければなりません。渋川市は行政代執行の形で、アスファルト舗装に係る費用の請求を、スラグを投棄した業者に行ったのでしょうか?

 また、この駐車場に投棄されたスラグは、不法産業廃棄物ですから廃棄物処理法に則り「廃棄物処理施設に適正に処理」しなければなりません。アスファルト舗装費用を請求しないことも問題ですが、それにもまして、保育所の駐車場に投棄された有害スラグを撤去・片づけないのは大変問題です。

 この保育所のスラグ舗装にかかわったお役人様は、廃棄物処理法違反で直ちに刑事告発されるべきなのかもしれません。

■今回、情報提供のあった保育所駐車場や学校などの、日本の将来を担う子ども達が集う施設の有害スラグでさえ、撤去されずにアスファルト舗装でフタをする工事が群馬県内のあちこちで進められています。

 せめて学校や農道の有害スラグは撤去しよう、と考える正義感をもったお役人様は群馬県にはいないのでしょうか?

 有害スラグの排出者の大同特殊鋼(株)や投棄を実行した(株)佐藤建設工業などは、せめて学校や農道の有害スラグを自主的に撤去しなければ世間に申し訳がたたない、というような良心のかけらさえもないのでしょうか?

 大同特殊鋼は、損害賠償請求で裁判に訴えられそうな民間企業のスラグは自主的に撤去しています。学校や農道のスラグを撤去することぐらい簡単にできるはずですが、我が国の将来を担う子ども達たちが受ける人的被害など、気にかける様子は毛頭ないようです。

 それもこれも、権限を持つ肝心のお役人様の意識が低いからなのです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項続く】


※参考記事
**********毎日新聞 2014年01月28日 東京夕刊
有害スラグ:群馬・渋川市、説明なし 保育所駐車場、アスファルト覆う

舗装工事が行われている市立保育所の駐車場。敷き砂利から環境基準を超える有害物質が検出されていた=群馬県渋川市で昨年12月18日、吉田卓矢撮影
 鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」の渋川工場(群馬県渋川市)で出た鉄鋼スラグをリサイクルした敷き砂利から環境基準を超える有害物質が検出された問題で、敷き砂利を使用していた同市立保育所の駐車場について、市が保護者にその事実を明かさずにアスファルトで覆う工事をしていたことが28日、分かった。保護者は「子供に少しでもリスクがあるならば事実を伝えてほしかった」と批判している。【角田直哉】
 敷き砂利の問題は昨年10月、同市の遊園地「渋川スカイランドパーク」周辺の市道から基準の11~20倍の六価クロムが検出され発覚。市は調査委員会を設置し、使用状況の調査や独自のサンプリング分析などを実施した。中間報告では、この保育所駐車場から砂利の環境安全品質基準の最大約8倍のフッ素や、基準未満の六価クロムを検出。周辺土壌からも土壌汚染対策法の基準の3・5倍のフッ素が検出された。
 これを受け、市は昨年12月、同法に準じる形で駐車場の敷き砂利を厚さ3センチ以上のアスファルトで覆う「封じ込め」対策を実施。しかし、有害物質の検出について保護者には説明しなかった。
 市こども課は「駐車場なので子供の口に恒常的に有害物質が入る可能性は低く、健康への影響が考えにくいと判断した。飛散を防止するため早期の工事開始を最優先した」と説明。今後必要があれば、地元への説明会の開催も検討するとしている。

**********毎日新聞 2014年01月28日 06時30分
大同特殊鋼:鉄鋼廃材、違法取引か 群馬県が立ち入り検査
 東証1部上場の鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)が、渋川工場(群馬県渋川市)から出た有害なフッ素や六価クロムを含む「鉄鋼スラグ」を再生資材として業者に販売する際、販売額より高い費用を払っていたことが分かった。高額な処分費用を免れるため、「引き取り料」として支払っていたとみられる。こうした取引は「逆有償取引」と言われ、廃棄物処理法の適用を受ける。群馬県は27日、今回の取引について同法違反の疑いがあるとして同社を立ち入り検査した。
 同社のスラグを砂利として使った渋川市内11カ所からは環境基準を超えるフッ素などが検出されている。
 毎日新聞が入手した契約書によると、大同は2009年7月、大同の子会社を通じて同市内の道路用砕石会社にスラグを1トン100円で販売する一方、砕石会社に対し「販売管理費」として1トン250円以上(出荷量に応じて変動)を支払う契約を結んだ。
 販売管理費は12年6月の契約更新でなくなったが、代わりに、砕石会社がスラグ入り道路資材を建設会社に販売する際、工事現場までの輸送費を大同が肩代わりするほか、資材の在庫置き場の賃料や事務手数料などとしてスラグ代金(1トン500円)より高い費用を大同が負担するようになった。同工場では年間約2万トンのスラグが生じる。
 大同は契約書の内容を認め、「販売代金より製造、運搬のコストが高くなる場合がある」としている。砕石会社の社長は「うちは大同の指示で動いているだけ。リスクを抱えている以上、大同の負担は当然のこと」と話した。【杉本修作、吉田卓矢】

**********毎日新聞 2014年01月28日 06時40分
廃材違法取引疑惑:「スラグなぜむき出しに」園児の親怒り
 鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から出荷された鉄鋼スラグ。同社のスラグからは環境基準を超えるフッ素や六価クロムが検出されており、汚染への不安や戸惑いが住民の間に広がっている。
 渋川市の調査では、大同のスラグを使って1996〜2009年12月に整備された市内11カ所の施設で、土壌汚染対策法が定める環境基準以上のフッ素や六価クロムが検出された。フッ素の環境基準は、検査対象を水に入れて溶け出す濃度が1リットル当たり0.8ミリグラムだが、最もフッ素濃度の高い保育所駐車場で約8倍の同6.6ミリグラムを検出。六価クロムは、遊園地の駐車場で基準(同0.05ミリグラム)の22倍の同1.1ミリグラムだった。いずれもスラグは手で触れられる状態にあった。
 このうちの保育所は2009年12月ごろ、駐車場に砂利として同社のスラグを敷いた。長男を通わせる同市の30代女性は「子どもは砂利に直接触れるし、手をなめることだってある。なんでそんなものがむき出しになっていたのか」と憤った。
 また、前橋市で現在も進められる国道17号の舗装工事の一部で、大同のスラグがアスファルトの下に敷く「路盤材」として使われている。
 大同によると、09年7月以降、大同や子会社が直接、道路や施設の管理者に販売したことはなく、砕石会社や建設会社を通しているという。【杉本修作、吉田卓矢、角田直哉】
 ◇六価クロム
 フッ素は、継続的に体内に取り込むと骨折リスクが高まるとの研究がある。六価クロムは毒性があり、吸入すると鼻や喉に炎症を起こしたり、肺がんを引き起こしたりするとされる。
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