どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ほらふきカールおじさん トルコへいく

2023年11月30日 | 絵本(日本)

   ほらふきカールおじさん トルコへいく/斉藤洋・文 高畠純・絵/講談社/2021年

 

 「ほんとかなあ・・。」と続いていきますが、”ほらふき”が前提なので、わざわざ いうこともなさそう。

 ・ペガサスにのったカールじいさんが、川を飛び越え、川の半分までとんで、空中で ユーターン。

 ・大砲のたまにのってとんでいく

 ・相手の大砲の弾がとんでくると、それにのって ユーターン

 ・ペガサスの下半身がなくなる

 ・ペガサスの上半身と下半身を、木の枝でつなぐ

 ・ペガサスのせなかから木が生えてくる

 などなど、ほらの連続。

 カールおじさんが、トルコへいったのは、ロシアの友だちからたのまれ、ペガサスという馬に乗ってロシア軍の味方をするため。

 

 本当に平和の時代なら笑ってすませられるが、今のご時世に、わざわざロシア軍従軍がでてくるとは!。21年の出版で、現在の状況を予測できなかったのはわかるが・・。


ポレポレゆきのなか

2023年11月29日 | 絵本(日本)

    ポレポレゆきのなか/たしろ ちさと/大日本図書/2022年


 電車でいっしょなのは、あわてんぼうのやぎくん、お調子者のはりねずみくん、しっかり者のぞうくん。「ゆきまち駅」で おりると ずっとさきまで真っ白。冷たい空気の中、まずは くまロッジで受け付け。

 三人の目的はオーロラ見学。夜までの時間、雪に寝転んだり、雪合戦したり、雪だるまをつくったり。

 さあ、オーロラツアーへいく時間です。しばらく歩いてのぼるので荷物は最小限といわれて あわてたのはやぎくん。リュックの大量の荷物を厳選してナップザックにつめかえると、くまおとうさんを先頭に出発です。ポレポレ、”ゆっくり”と、丘の上へ。

 丘の上で、空を見上げますがまだ見えません。寒さに震えていると、やぎきんがマフラーやホカホカカイロをはりねずみ、ぞうさんに提供し、スープやチーズフォンデュを ほかの人にもあげます。

 そして、空いっぱいのオーロラ。満足してロッジに帰ると、あたたかいココアを いただきながら おしゃべりです。

 

 寒い中、みんなでスープやチーズフォンデュをいただくシーンや、屋根いっぱいに雪が積もるロッジは、見ている こちらもあったかくなりました。

 やぎくん、あわてんぼうどころか 雪山にのぼる準備が万端です。


あひるのおうさま

2023年11月28日 | 紙芝居(昔話)

   あひるのおうさま/脚本・堀尾青史 画・田島征三/童心社/1998年(12画面)

 

 フランスの民話からとありますが、昔話によくみられる流れです。

 王さまに貸したお金を返してもらいに、アヒルは王さまのもとへ。

 途中でキツネとハチと川に出会い、おなかの中!!に入れて、王さまのところへ。

 アヒルが、おうさまから鳥小屋に閉じ込められて、七面鳥から食べられそうになると、キツネ、釜ゆでになりそうになると、川が、くびを きられそうになるとハチが、アヒルを助けます。

 逃げた王さまの冠をかぶると、ぴったり。なまけものの王さまより、はたらきもののアヒルのほうが、よっぽど 王さまらしいと、人びとは 「アヒルの王さま、ばんざあい」と、さけびます。

 

 キツネ、ハチ、川との出会いや、王さまのもとでの戦いぶりが、あっという間で、物足りなさものこりますが、12画面におさめるためには、やむをえないのかも。ただ、田島さんの絵が、十分にカバーしてくれています。


森の精と三人の娘・・ギアナ

2023年11月27日 | 昔話(南アメリカ)

     新編世界むかし話集10/アメリカ・オセアニア編/山室静・編著/文元社/2004年

 

 めずらしいギアナの昔話で、呪術逃走譚です。”ところかわればしなかわる”で、逃げ方もさまざま。

 逃げるのは三人娘の末っ子、追いかけるのはユルパチ(森の精)。一羽のカラングが、あっという間に、若者にかわり、娘といっしょに、ユルパチから逃げ出します。

 はじめは、姉の骨を投げると、もうもうと煙が立ちのぼります。ユルパチがおいつくと、こんどは塩と灰を燃すと、大きなイバラの藪ができ、骨と塩と灰をいっしょにして、火をつけると、そこに大きな川ができて、大きな川を越えられないユルパチから逃げ、母親のいる小屋にたどりつきます。

 姉の骨というのは、暗い中、おじさんというユルパチに騙され、洞穴に連れ込まれた姉妹のふたりが、血を吸われ骨になっていたのです。

 ユルパチの足は指が後ろ向きについている存在。洞窟には、見張り番のオウムがいて、「旦那、旦那、カラングがあなたのカタツムリをつれて逃げていきますよ」と、逃げたことを教える存在。

 ”カラング”には注釈もなく、なにかは不明です。


おばけかぞくのいちにち

2023年11月26日 | 絵本(日本)

    おばけかぞくのいちにち/西平あかね/福音館書店/2006年

 

 人間の家族には、さきちゃんとおとうとのたろうくん、おばけのうちには、さくぴー、たろぼうの姉弟がいます。

 見開きの左側に人間、右側に おばけの一家の日常が 展開します。

 さきちゃんとおとうとのたろうくんがねているとき、おばけのさくぴー、たろぼうは、保育園へ。おばけのさくぴー、たろぼうがねているときは、さきちゃんとたろうくんは、保育園へ。

 おかあさんから、「もう 朝よ。寝ないと足が生えてきて 人間になるわよ」といわれたのに、たろぼうが 保育園のようすをみにいくと 足が生えてきておおあわて。でも、おねしょすると 足が とけて 一安心。

 おばけの暮らしどんなものかも。おばけのおとうさん、朝は ビールを飲んで ごきげん。くものすスープ、どくきのこサラダも おいしそう。

 おばけマートには うそつきばなな、どくきのこ、おしゃべりいわし、かえるのへそも売っています。おばけマートには、人間界のねこも買い出しにいっています。

 兄弟ケンカをするのは、人間もおばけもいっしょです。


ルラルさんの たきび

2023年11月25日 | 絵本(日本)

    ルラルさんの たきび/いとう ひろし/ポプラ社/2023年

 
 料理の腕はなかなかのルラルさん。キャンプで料理しようと思いますが、焚火の火加減がわかりません。そこで庭で ためしに焚火をすることに。
 
 煙があがりますが、ぜんぜん火がでません。そこにブタさんやネコ、ウサギやカメ、ネズミたちが、薪をどんどんのせていきます。
 
 もくもく 煙が出るばかり。あたりが、まっしろ。そこへ さーっと風が 吹き抜けると 大きな炎がばっと あがりました。
 
 すごいすごいと、みんなで叫んで、歌って、踊りだします。
 みんなの おおさわぎが つづきますが 炎は ちいさくなり、みんなで 寝転んだりして うとうと。しばらくして、ルラルさんも うとうと。
 
 料理をわすれてしまったルラルさん。でも、最後の残り火が 宇宙へいざなってくれました。
 
 
 裏表紙でみんなまっているのはマシュマロか!
 
 ルラルさんのうちのまわりには、家がないので、焚火に 好都合。しかし、いまは焚火をしようにもご法度です。せめて、焼き芋ぐらいは させてくれても!

ワニの穴

2023年11月24日 | 昔話(オセアニア)

        新編世界むかし話集10/山室静・編著/文元社/2004年

 

 舞台はサモア島。

 ある夫婦に、十人の息子と、ジーナという女の子がいました。十人の一番上の息子は十、二番目は九、そして末っ子は一という名前。ところが ある出来事から、夫婦は、子どもたちを一から数えることにしました。それは・・。

 子どもたち全員でやり投げをして遊んでいるときに、一の投げた槍がいちばん遠くまでとんで、ワニの穴に落ちました。ジーナが槍をとりもどそうとすると、ジーナはワニの穴に閉じ込められてしまいます。ジーナは、十の兄さんに、家に戻ったら、穴から出られないでいることを両親には話してくれるようお願いします。十は両親からジーナはどうしたかきかれると、「あの子は、九のボ-トに乗って、じきかえってくるだろ。」と、答えます。

 九がワニのところへいって、「ジーナ、どうしたんだ?でておいでよ、ぼくは家へ帰るんだから」というと、ジーナは答えました。「ああ、九兄さん、家に帰ったら、両親にいってよ。わたしがワニにつかまって、穴からでられないでいるって!」。九は両親から妹のことを聞かれると、「じきに、八のボ-トに乗って、かえってくるよ。と、答えます。

 ほかの兄さんも同じことでしたが、最後の一は、すぐに決心して、穴の前にはえていたアダンの木に登ると、空飛ぶ犬のような声を出しました。そして、アダンの実をどっさりちぎると、ワニの穴の入り口に投げ落とします。ジーナはその実がパラパラ落ちる音を聞くと、暑くてたまらないから、穴をちょっとだけあけてくれるようワニに言いました。つぎに、ジーナはアダンの実で、首飾りをこしらえてあげるから外へ出してくれるようワニに言います。ワニは、ジーナが逃げることを警戒し、足を縄で縛りました。実を集めるため、ジーナが外へ出ると、すぐに一がやってきて縄をほどくと、それをアダンの木に結びつけ、逃げ出しました。

 ジーナが帰ってこないのを見て、ワニが縄を引っ張ると、アダンの葉が、みんなで「おお、おお、オホホ!」と叫びました。どうも外には大勢の人がいるらしいぞと、さらにワニが力いっぱい縄を引っ張ると、アダンの木はたおれてしまい、たおれたひょうしに枝が穴につきさって、ワニを殺してしまったのです。

 一が、家に帰って子細を話すと、両親は、「わかった。おまえたちは妹のジーナを愛していないんだ。どうもおれたちが、子どもたちを十から数えはじめたのはまずかったぞ。これからは、一から数えはじめることにする」と、ほかの子どもたちに言い渡したのでした。

 

 アダンの木のことを、はじめて知りました。一から十というのは、名前でなく、数え方だったようです。


みんなの くるみのき

2023年11月23日 | 紙芝居

   みんなの くるみのき/脚本・千世繭子 絵・アヤ井アキコ/童心社/2023年(8画面)

 

 なつが はじまるころ、クルミの木にリスがやってきました。くるみは まだ みどりいろ。だれか先着しています。クマでした。クマは、まだじゅくしていないクルミを 嚙み砕いて おいいしいところだけを ムシャムシャ。

 しばらくしてすずしくなると、クルミが地面におちはじめました。リスがやってくると、こんどはイノシシの親子が 殻もまるごとバリバリ。

 それからすこしたって風がビュービュウーふいて、クルミが もっとたくさん 落ちました。リスがやってくると 殻に 穴が。ネズミたちでした。こんどは、リスも歯で穴をあけると 殻が パカッと、ふたつに 割れて なかの しろい実を 上手に 食べました。

 みんなで、くるみに 感謝、感謝。

 

 クルミの殻を割る苦労の割には 食べるところが少なくて がっかりした 思い出が よみがえりました。

 最近、クマが日本の各地に出没していますが、クルミも不作なのでしょうか。


やきいもとおにぎり

2023年11月22日 | 絵本(日本)

    やきいもとおにぎり/みやにし たつや/すずき出版/2019年

 

 ぶたくんとおおかみくんが おにぎりとやきいもを とりかえっこ。

 ところが、おおかみくんが おにぎりたべて ぶたくんが たべるはずの やきいもくれずに いっちゃった。 

 ぶたくんが ねずみくんに わけをはなし

 ねずみくんは うさぎくんに はなし

 うさぎくんは さるくんに はなし

 さるくんは たぬきくんに  たぬきくんが かばくんに

 

 とちゅう

 おおかみくんが ぶたくんを おにぎりにかえて

 おおかみくんが おにぎりをたべると やきいもになった

・・・・

 話がどんどん変わっていきます。

 

 伝えられた人は 聞いているようで、じつは 自分に 都合のよいところだけ聞く?

 おおかみくんは、オレンジ色の四角のコマに登場

 動物たちが みんな 「くん」づけ。男のほうが 都合よく解釈して いるのかな。

 読み聞かせでも好評です。


2023年11月21日 | 田島征三

    た/田島征三/佼成出版社/2022年

 

 タイトルが”た”の一文字。

 「たがやす」 「たねまき」 「たちまち!! めがでた」

 ”た”のつく言葉遊びかとおもうと・・。

 稲作と人間とのかかわり。

 稲が実ったあと

 「たよる」 「たすける」 「たすけあう」

 「たくわえる」 「たてまつる」 「たたえあう」

 感謝して ”たべる” まで。

 

 ただ ただ たまげました。


カマキリ 散歩中

2023年11月21日 | 日記

 蝶、トンボ、蜂と さすがに昆虫の姿もみえなくなりました。そんななか道路を横切って、野原に向かうカマキリをみつけました。


きのいいサンタ

2023年11月20日 | 絵本(日本)

    きのいいサンタ/さとう わきこ・作絵/金の星社/2023年改訂初版

 

 改訂は今年ですが、初版は40年前の1983年と息の長い絵本です。

 12月24日、サンタさんは、準備万端で、プレゼントをくばるために出発です。とちゅう、すてねこ、すていぬ、すてあひるを、「おまえさんたちのねるところぐらいあるさ」と、いっしょになります。

 プレゼントを配っている間、捨てられている おもちゃのトラック、人形、楽器、そしてないているおばけ!(ここで日付が25日に)、シロクマ、タコ、鬼・・・・をそりに乗せますが、のせきれないほど。のりきれないキツネやクマは 捨てられていたバスに乗せ、サンタハウスへ。

 おやおやサンタハウスには、キリンもシマウマも、ブタも、ヘビ、宇宙人まで。

 そしてクリスマスのおいわいが はじまります。再会あり、ダジャレあり。

 配るより持ち帰りのおおいサンタさんに、「おかえり。おや まあ まあ・・ おまえさんたら・・ またかい! いいかげんにしておくれ」という奥さんですが、サンタさんがかえってくると、特大ケーキ、無数のジュース、果物がならんでいますから、奥さんの苦労のほどがわかります。「またか」といいながら、どっしりとしているのは、「ばばばあちゃん」そのもの。

 漫画風のコマわり。すべて吹き出しのセリフが いい感じです。

 広間に集まった動物たち、数えるのが大変ですが、描くほうはもっと、たいへんでしょう。

 来年も増えると、サンタハウスの増築も必要かな。 

 それにしてもいろんな理由で居場所がない動物たちが、いかに多いことか。そして、いかに ものがポイポイ すてられているやら!。

こじき王・・インド

2023年11月19日 | 昔話(アジア)

  人になりそこねたロバ/インドの民話/タゴール暎子・編訳/ちくま少年図書館67/1982年

 

 ある王国の王さまの楽しみは、狩りにいくことでした。この王さまが狩りにいったとき、あまりに夢中になりすぎ、一行からはぐれて、森の奥にとりのこされてしまいました。

 夜になり雨が降って冷気があたりに漂いはじめました。王さまは助けを求めましたが、ふかく暗い森は、ジャッカルのほえ声いがいはなにも聞こえません。やっと小さな村で一軒の家に宿を頼むと、年老いた農夫は、あたたかくむかえてくれました。あくる朝、王さまは農夫が手入れしてくれた馬にのって都にかえりましたが、別れを告げる前に、一片の紙切れを農夫にわたしました。そこには、何か困ったときは都へきて、この紙を城の門番にわたすようにとかかれていました。

 数年が過ぎたある夏。日照りが長く続き、村じゅうは大変な苦しみでした。穀物は枯れ、家畜はうぎつぎに死んでしまいました。やがて農夫は、ふと旅人がくれた紙切れのことを思い出し、村人を救いたい一心で、紙を片手に、遠い都をおとずれました。

 農夫は、いつかの旅人がチャムダンパ神に祈りをささげているところでした。旅人が王さまと気がつき、農夫は腰を抜かさんばかりに驚いてしまいました。

 王さまは、大声をはりあげ祈っていました。「おお、母なる女神さま、あなたのご加護を心から感謝いたします。でも、これではまだ十分とはもうしません。わたしは、この世のすべての富、すべての幸福がほしいのです」

 王さまの祈りを耳にした農夫は、ゆっくりとそのあとをあとにしました。そして、それまでたいせつに握りしめていた紙切れを城門の前で破り捨て、村へ帰っていきました。門番から紙切れを見せられた王さまは、なぜ自分に会いもせず帰ったのかと、不審がりました。そこで翌日、王自身が家臣を連れ農夫に会いました。

 「王さま、あなたさまほど、この世の富にめぐまれておいでのおかたはありません。それなのにもっと恵んでほしいと女神さまにおねがいになっていられます。わたしはまずしい村のために、今日、明日の食べ物を恵んでいただきたいと思い、あなたさまのお力をお願いにまいったのです。でも、王さま、あなたさまは、わたしずっと上手のおこじきさんでございます。そのような方から、食べ物をいただくわけにはまいりません。」

 農夫の言葉を聞いて、あっけにとられ、声も出ません。やっと落ち着きをとりもどすと、王さまは低く頭を下げ、「そなたのことばで、目がさめた思いがするぞ。いたく恐れ入った」と、申され、数日後牛車に積んだ山のような穀物、野菜、果物が村へとどけられました。また、この村ばかりだけではなく、ほかの村にも、おなじような牛車の列がつづきました。


きっねの恩返し・・鹿児島

2023年11月19日 | 昔話(九州・沖縄)

        鹿児島のむかし話/鹿児島のむかし話研究会編/日本標準/1975年

 

 「きつね」ではなく「きっね」。発言の違いでしょうか。

 五郎作どんが、崖にしがみついている親子のきっねを助けると、あくる日、馬小屋の前におかれていたのが、ぴかぴかの真鍮ででできた「くら」。

 恩返しで「くら」というのも あまり例がないのでは?

 五郎作どんの馬はたいへんりこうな馬。五郎作どんは、いつもいっしょ。山道をくだっていると、馬が急に動かなくなりました。急がないと暗くなるので、たづなを 引っ張るが馬が歩こうとせんし、首をたてにふって、前足をつっぱったまま。

 五郎作どんが、「何かの知らせかもしれん」と思い直し、あたりをよくよく注意してみたが、マムシもおらん。どうにもならんと、たばこをいっぷくしようとしたとき、馬が左手に見える崖のほうを見て「ヒヒーン」「ヒヒーン」と、もう、ふとか声でなく。

 五郎作どんが、「こーらなんかあっど」と、崖に近づくと、親子のきっねが、目の上の前の崖にしがみついて、いまにも谷川に落ちそう。五郎作どんが、なんとか助けると、きっねはうれしそうに、しっぽをふりながらやぶの中へ。

 

 きっねの恩返し、五郎作どんではなく、馬への恩返しでした。


たいこたたきのパチャリントくん

2023年11月18日 | 絵本(日本)

   たいこたたきのパチャリントくん/長谷川摂子・作 スズキコージ・絵/福音館書店/2023年第3刷(初出2000年)

 

 ぐしゃりとつぶれたやかんからでてきたパチャリントくん。おばさんは、なんでもかんでも たたいて 遊ぶパチャリントくんに、太鼓をもたせ、広い世界に遊びにいっておいでとおくりだします。

 パチャリントくんが石につまずいて けとばすと へんないきものが。

 パチャリントくんと ひをふくガンダラッカ、みずふきおとこのマンダラッカが 歩いていくと、黒っぽい町が みえてきました。ガンダラッカが、「サンヨルチュウ。いつも すなに つばをまぜて くろいまちを つくっています」というと、三人で 壊しはじめますが壊しても壊しても サンヨルチュウたちは 別の場所に くろいまちを どんどんつくっていきます。

 ならば、まちをつくろうと マンダラカッタが 砂に 水をかけ 粘土で 町をつくり 色を塗りました。丘に登って まちをみると とてもきれい。

 遠くのほうに ひかっているものが 見えました。卵でした。たまごっぱらは たまごだらけ。みんで 穴をほり 卵を割って どんどん入れ、かきまわすと 卵焼きの山。 ちぎっては たべ ちぎっては たべて トンネルを ほりました。

 砂漠に 日が沈むと、やしのこかげの すなベッドで、横になりました。さて、あしたはどんな旅になるやら。

 

 パチャリントくんの髪は、ちょんまげ風にピアス。ガンダラッカ、マンダラッカは みたこともない いきもの。砂に水をかけて粘土にするのはマンダラッカ、ガンダラッカは  ほのおをふいて 卵焼きを つくります。

 スズキさんのいつものカラフルで強烈な印象の絵。

 カタカナの擬音語が多いので、読み聞かせには苦労しそうです。