ベルナルさんのぼうし/いまい あやの/BL出版/2014年初版
家族も友達もなく、「だれにもうるさくかまわれることのない暮らしは、気楽でいい」といっていた、くまのベルナルさんの帽子に、きつつきが住み着いてしまいます。
はじめは、「出て行ってくれよ!」というベルナルさんがいいますが、ほかの鳥も新しく巣をつくってしまいます。どんどん増える鳥。帽子もそれに合わせて、どんどん高くなっていきます。
いつのまにか鳥たちと仲良くなりますが、ある日、帽子がからっぽになります。
冬をむかえて、暖かいところへ旅立った鳥たち。
しかしそんなこととは知らないベルナルは、「ぜんぜん、心配なんかしいていないぞ」と、強がっていますが、目は、いつも窓の外へ。
くまは冬眠して、冬を過ごします。
やがてトントン!とだれかが、ドアをノックした音で目が覚めます。
外に出たベルナルさんが、みたものは?
つよがりをいっていても、どこか寂しいというのは、よーくわかるところです。また、友達になった小鳥たちを、心配しないといいながらいつも気にかけているのも、素直につたわってきます。
ベルナルさんのまわりが鳥たちの歌声であふれているのを見た町の人々が、これはいいと高ーい高ーい帽子を帽子をかぶりますが、他の人の帽子には、小鳥は巣をつくりません。
ベルナルという名前は、どこからきているのか、気になりました。
見返しに小鳥の家がいっぱい。しかしそのほとんどは窓のドアが閉じられています。しかし、裏表紙の見返しでは、半分くらいに小鳥が顔を出しています。
3月ごろ読むと季節感がピッタリきそうです。