どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

チョコレート・ウオーズ

2020年02月29日 | 絵本(外国)

   チョコレート・ウオーズ/エリス・ドラン・作 三辺律子・訳/光村教育図書/2019年

 

 チョコエッグが 売れに売れて、大金持ちになった うさぎのバニー社長。

 それでも もっともうけようと「とにかく、つくれるだけ つくるんだ」と、社長命令。

 おかげで従業員のニワトリたちは 夜も昼も 働き通し。もっと たまごをうめと、やいのやいの督促。

 おかげで、かたちもサイズもヘン、においがヘン、あじまでヘンと不良品続出。

 それでも社長は、休みなし、はたらけ!はたらけ!

 こうなるとニワトリたちもだまっていられません。「いますぐ きゅうかを」「どうか よるは ねかせてください」「けんこうのために サラダを!」とプラカードを掲げてストライキ。

 こうなっても、一人で工場を動かそうとする社長。工場のあらゆる窓からチョコレートが吹き出してしまい、社長もチョコレートのなかに埋もれてしまいます・・。

 おおくのニワトリが、吹き出しで、いろいろつぶやくのが華やかで、これをおっていくだけでも大変。

 パイプが縦横に張り巡らされて、いかにも工場です。

 ユニコーンのエドガー、社長に物申しています。そして、どんな よくばりバーニーにも やりなおすチャンスはあげなくっちゃ と いいことを言っています。

 今の企業の経営者は、あまりにも労働者をコマのように使いすぎてはいないでしょうか。


ねことおんどり

2020年02月28日 | 絵本(昔話・外国)

       ねことおんどり/うちだりさこ・文 おのかおる・絵/福音館書店/1997年

 

 ロシアの昔話です。

 おばあさんと暮らしていた ねこがクリームをなめ、おんどりは 畑にしのびこんで なんでも ほじくりかえしたので、おばあさんに怒られてしまいます。ねことおんどりは「あんな おばあさんと くらすのは ごめんだ」と、森の中へ小屋を立てて気楽にくらすことにしました。

 ねこが、たきぎを集めにいくとき、きつねが来ても そとを のぞいちゃいけないよ と言い残してでかけますが、おんどりは、きつねにからかわれて、怒って窓から顔をのぞかせてしまいます。まってましたとばかり、きつねは おんどりの くびねっこをおさえ、森へさらっていきました。

 おんどりの悲鳴をききつけて、ねこは おんどりを 救い出します。

 怒りっぽいおんどりは、二度目も我慢できずきつねにさらわれ、ねこに助けられます。

 三度目、きつねにさらわれたおんどりを助け出すため、今度は ねこがグースリひきの衣装できつねの家にでかけ、おんどりを助けます。

 結局、ねことおんどりは おばあさんの家にかえります。

 おんどりときつねは、歌でやりとりするのですが、どんなリズムでしょうか。

 きつね

  おんどりどん おんどりどん あかいとさかの おんどりどん

  てかてか おつむ しょぼしょぼ おひげ

  おまえが あんまり はやおきで

  おおきな こえで うたうから

  おかげで こっちは ねむれない

 おんどり

  こけこっこう こけこっこう

  ひとのことなんか しるもんか

  うたいときゃ うたうんだ

  おまえのことなんぞ しるもんか

 性懲りもなく同じことを繰り返した おんどり。このあとが心配です。

 わかっていても、おなじことを 繰り返すのは 子どもだけでしょうか?

 ところで、ここにでてくるグースリは、ロシアに伝わる弦楽器で、口承叙事詩を語る際に使われていたようである。


カタッポ

2020年02月27日 | 絵本(日本)

 
   カタッポ/文:大原 悦子 絵:山村 浩二/福音館書店/2008年初出2014年

 

 駅にはさまざまな落とし物や忘れ物があります。

 駅長さんは、きょうもかたほうだけの茶色の手袋を 拾いました。背中にはKというイニシャルが。

 落とし物箱には、レッドやミルク色した赤ちゃん用の手袋、緑色の手袋もあって、みんなかたほうだけです。

 持ち主が なかなかあらわれないと そのうち もえるごみとして だされてしまいます。そればかりはイヤだとカタッポくんたちは、持ち主を 見つけるため、落とし物箱から脱出します。

 茶色のKは、幸先よくパン屋さんのレジに 落とし物として、ぶら下げられ ケンちゃんのもとへ。緑色の手袋は、イヌにくわえられ、おしゃれな女の人へ。

 これだけでなく、お地蔵さんの手をあっためたり、カラスの巣で こどもたちを あたためたり、編み物が得意な おばあさんに ベレー帽に編み上げられ お地蔵さんの頭の上にと、カタッポくんたち大活躍です。

 落とし物や忘れ物が思いがけずもどってくるのうれしいもの。
 一度長距離の列車にのっていたとき、ズボンの後ろポケットから財布が落ちたようで、ないのに気がついてあわてて駅の遺失物保管所にかけこんだら、現金がはいっているにもかかわらず、無事手元にかえってきたことがありました。


おばあちゃんからライオンをかくすには

2020年02月26日 | 絵本(外国)

   おばあちゃんからライオンをかくすには/作:ヘレン・スティーヴンズ 訳:さくま ゆみこ/ブロンズ新社/2015年

 

 市長さんの大事な宝物を泥棒からまもったことがあったライオンは、家族の一員。

 家族は、両親とアイリスという女の子と、ライオンです。

 ある週末、両親が出かけるので、おばあちゃんが泊まりにくることになりました。

 家の中にライオンがいたら、おばあちゃんが 腰を抜かしてしまうしまうかも。

 さあ どこに かくせば? カーテンのうしろ?ベッドの下? いい場所はありません。

 いよいよ、おばあちゃんがやってきました。「ちょっとした帽子やなんか」というでっかい でっかい衣装箱を、車に積んでいました。

 すぐに、おばあちゃんがライオンにきがつくと思いきや、目がわるいおばあちゃんは、ライオンをコートかけや、電気スタンド、タオルやソファと間違えたりです。

 おばあちゃんが、スーパーで買ったのはマグロの缶詰22個、ミルク43本、フランスパン24本、バナナ15ふさ、はちみつの瓶57個、ピーナツバターの瓶40個。

 「よなかにおなかが すくかもしれないでしょ」と、おばあちゃんはいいますが、こんなに食べきれるはずありません。

 なにがおきるの?と思っていると・・・。

 なんと衣装箱にないっていたのは くまでした。

 「あんたが こわがると おもっていたのよ」と、眠っていたおばあちゃんも目を覚ましていいました。

 おばあちゃんもおばあちゃんですが、孫のアイリスも、おばあちゃんのDNAを受け継いでいました。

 相手が驚くかもしれないと、ライオンとくまの 隠しあいで ぐっと盛り上がります。

 出だしが、市長さんの大事な宝物を泥棒からまもったことがあったライオンとあったので、先行する絵本があったのかと思ったら「ライオンをかくすには」という前作があったようです。


ごまひとつぶで・・

2020年02月25日 | 絵本(昔話・外国)

       ごまひとつぶで・・/水谷章三・文 岩田健三郎・絵/太平出版社/2001年

 

 貧乏な若者が、都で役人になると旅に出ます。旅の途中で不思議なじいさまから、なにかのやくに たてて みよと、ゴマ一粒をもらいます。

 はじめの宿屋で、ゴマ粒を命より大切なものといって宿屋に預かってもらいますが、ゴマ粒は、ねずみに食べられてしまいます。

 若者は、ゴマを食べたねずみをつかまえてくれと宿屋に頼み、捕えられた ねずみを連れて二軒目の宿へ。

 ここでも、命より だいじなねずみといって、預かってもらいますが、ねずみはねこにくわれてしまいます。

 ところが、ねこは 馬にけられて、死んでしまいます。若者は、それなら馬を連れていくと、馬をつれて、四つ目の宿へ。ここでは黒牛が 馬に とびかかって 馬は逃げてしまい、若者は黒牛をつれて旅を続け・・・。

 最後は、大臣の娘と結婚することに。

 わらしべ長者では、交換がお互いのメリットになりますが、なにかクレーマー風に交換するというのが、大人の目からすると少し気になります。

 若者がでかけるとき、道しるべに”天下大将軍”、”地下女将軍””というのは何を示しているのか気になりました。

 韓国の昔話ですが、日本人のコンビの絵本です。


うみやまがっせん

2020年02月24日 | 絵本(日本)

           うみやまがっせん/上沢謙二・原案 長谷川摂子・文 大島英太郎・絵/福音館書店/1998年初出2009年

 

 猿が釣りをしていると、のっと でてきたのは 大きなタコ。つられてたまるかとタコもまけずと ぐーんと 糸をひっぱります。

 お猿が海の方へずるずる。助けにやってきたのは うさぎ。
 タコは山の方へじわじわ。タコを助けにやってきたのは鯛。

 山からはたぬき、くま、とら。
 海からは、ひらめ、まぐろ、さめ。
 海と山のひっぱりっこは、どっちも どっちで うごかない。

 そこへやってきたのはカニ。
 「これは なんだ」と、いきなり 糸を ちょっきり。
 ころころころころ。ぶくぶくぶくぶく。

 長谷川さんの文の最後は「ちょっきん ぱらりこ ぷう はなしは おしまい」と、昔話風です。

 「やっせ わっせ」「えんやさの よいさ」と、引っ張りっこも、とってもリズミカルです。


紙のむすめ

2020年02月23日 | 絵本(外国)

   紙のむすめ/ナタリー・ベルハッセン・文  ナオミ・シャピラ・絵 もたいなつう・訳/ 光村教育図書/2013年

 

 これまでみたことのない切り絵の世界。地の部分のほかはすべて、透明感のあふれる白。

ため息がでるほどうっとりします。

 なだらかな白い紙の丘に屋根も、窓も、白い紙で出来た小さな家に、白い紙から生まれた娘が一人住んでいました。

 娘が住んでいる家のほかは丘にはだれもいません。ある朝、娘が洗濯物を干していると、大きな紙がとんできました。

 空を飛んでみたいと夢見ていた娘は気球を作り、高く飛びます。それから帆掛け船をつくりますが、空を飛ぶ楽しさも、旅の心地よさも話し合える人はだれもいません。パーテイを開こうと思ってもだれもきません。

 もうなにものこっていなくて、涙が手の上の紙のたねに ポトンと落ちます。紙のたねを 窓の外にすてると、次の朝、大きな紙の木がはえていました。そこには白い紙の葉っぱが いっぱい。

 娘は、紙の葉っぱから、きりん、はりねずみ、ことり、ライオン、ネコなど夢中で切り抜きます。

 でも、なにか足りません。木に残った紙の葉っぱは、あと二枚。

 一枚からはとなりの丘に小さな家を、そしてもう一枚からは橋を切り抜いて、二つの丘にかけます。

 娘が「こんにちは! はじめまして」と声をかけると「やあ、 よろしく」と おとなりさん。

 はじめて話し相手ができたみたいです。

 このふたり これからも切り抜きをつづけますから。どんな世界をつくりあげるのでしょうか。


いたずらラッコとおなべのほし

2020年02月21日 | 絵本(日本)

   いたずらラッコとおなべのほし/神沢利子・文 長 新太・絵/あかね書房/1984年

 

 ラッコのロッコはいたずらがだいすき。いいきもちで ねているおじいさんをワカメでぐるぐるまきにしたり、母さんにだっこされている赤ちゃんの足をひっぱたり。

 そんなロッコに母さんはゆうやけ空をゆびさして「あんなに 空が まっかだよ。いたずらばかりしていたら、天の大男につかまえられて、スープにされてしまうよ」といいますが、ロッコはもうどこかに逃げてしまいました。

 きらきらひかる星を とってきたいなと 遅くまでおきているロッコに おじいさんは、おなべの形に並んだ星をゆびさして、「よる 遅くまでおきてい子は 天の大男に つれていかれるぞ。大男は あのなべで カニのスープを煮るのじゃとよ。おまえも ぐちゅぐちゅ にてもらいたいかな」と、声をかけます。

 ある日、カモメに朝ごはんの カイをとられてしまった友達のレッコをなぐさめるため、ロッコが、仲間たちから離れてウニやカニをとっていると、ロッコとレッコは、天から落ちてきたおおきな鍋で、大男にすくいあげられてしまいます。

 このままでは、カニと一緒にお鍋でスープにされてしまいます。

 カニが鍋のふちを はいのぼろうとしたり、あわをだして 逃げ出そうとしたり、なかなかうまくいきません。鍋の底には星がはめこまれていて、ラッコは星をとって 穴をあけようとします。 ロッコとラッコが夢中で 星をうごかすと 星がぐらっと 動きました。そして その星が くだけて その穴から水が流れ落ち、下の下の海の中へ どっぷーん!

 心配していたおかあさんは、ロッコとレッコのおしりを ばんばん。

 昔、北斗七星は八星でしたが、ロッコとレッコが 星をくだいてしまったので、七星になったというラスト。そういえば北斗七星というのは鍋の形です。

 ロッコは危険な目にあっても 全然反省していないようです。なにしろ いたずらは たのしいですから。

 星のならびから 鍋をイメージするという壮大なスケール。今日の星空は?


しおふきうす

2020年02月20日 | 絵本(昔話・日本)

         しおふきうす/香山美子・文 太田大八・画/教育画劇/1998年

 

 海の水はなぜしょっぱいか?

 日本だけでなく外国にも同じような昔話があります。

 大晦日の日、食べるものもなく、兄のところにお米をかりに行った弟ですが、兄にすげなく断られてかえる途中、ひげのおじいさんから、麦まんじゅうをもらいます。

 「峠の お堂の後ろの穴に こびとたちが すんでいる。こびとたちは まんじゅうをみると 欲しがるが、石臼となら かえてもいいと いうんじゃ」というアドバイスをもらった弟。

 こびとたちが 一本の萱を苦労して運んでいるのを見た弟が助けようとすると、こびとは 麦まんじゅうを みつけ「まんじゅう くれろ まんじゅう くれろ」というので、石臼と とりかえます。

 右に回すとほしいものがでて 左にまわせば でなくなるという石臼。

 米や 塩鮭でお正月をむかえた弟は、さらに 御殿のような家、蔵、馬をだし、百のお膳をだして、村中の人に振る舞います。

 弟がお客に配るお菓子を納戸でだすところを覗き見た兄は、弟たちがぐっすりねている間に、石臼を 盗んでいきます。

 兄が舟で甘い菓子を食い、口直しにちょっぴり塩をだそうとすると、石臼の とめかたを知らなかったので、舟ごと海に沈み、石臼は いまでも塩をだしつづけて・・・。

 兄弟が協力する方が 気持ちが良いという感想は、もっとも。

 こびとたちが、麦まんじゅうを 石臼で出せばいいのにという子どものツッコミも 鋭い。

 困っていると、謎のおじいさんなりお婆さんが、助けてくれたりアドバイスをくれるというのも昔話の”きまり”なのですが、これへのツッコミは?

 わらぐつ、石臼もほとんど見ることができなくなりました。絵本の細かいところを見て、話しあってみるのも楽しみの一つでしょうか。


おかあさんだいすきだよ

2020年02月19日 | 絵本(日本)

   おかあさんだいすきだよ/みやにし たつや:作・絵/金の星社/2014年

 

 子育て中のお母さん、お父さんが 「はやくおきなさい!」「はやく かお あらって!」「ぐじぐじ しないで はやく きがえて! おくれちゃうでしょ」「ぼろぼろ こぼさないの! なんどいえば わかるの はやく たべて」など、一度は 声をかけてしまう言葉。

 自分の子育て中も、やはり おなじことをいっていたかも。

 「もし、こうしてくれたら、もっとおかあさんのことだいすきだよ」という子どもの気持ちが描かれています。

 お母さんは「ぼろぼろ こぼさないの! なんどいえば わかるの はやく たべて」って いうけれど「じょうずに たべられるように なったね。たくさんたべてね」って いってくれたら ぼくね もっと おかあさんのこと だいすきだよ。

 「こんなに どろだらけにして! せんたくもの たいへんでしょ!」って、お母さんは言うけれど「あははは どろだらけで たのしかったでしょ いっぱいあそんで よかったね」って、いってくれたら もっと お母さんのこと だいすきだよ。

 お母さんは「いいかげんにしなさい! ゲームやマンガ ばっかり。すぐに おふろにはいりなさい!」って、いうけれど「きょうは いっしょに おふろにはいって おはなししようか」って、いってくれたら ぼくね もっと おかあさんのこと だいすきだよ。

 ぼくの言い分はもっとも。しかし、これがうまくいかないのも事実です。

 生まれたときは 健康でさえいてくれれば と思いながら だんだん 過大になる言葉がけ。親だって子どもの時代、さんざんいわれて いやな思いをしたはずなのに、わが子におなじ言葉がけをしてしまいます。

 読んであげるというより、子どもを叱ったあとなど、自戒を込めて読みたい絵本でしょうか。


かきやまぶし

2020年02月17日 | 絵本(日本)

    かきやまぶし/内田麟太郎・作 大島妙子・絵/ポプラ社/2008年

 

 絵本の素材もさまざま。昔話はもちろん、落語や講談も。この絵本は狂言がもとになっています。

 艱難辛苦の修行を終えた山伏が、故郷に帰る途中のできごと。

 「とんでいる とりも、はらりんこと、めのまえに いのりおとす ちからが ある」山伏も、腹が減っては戦ができません。

 見つけたのが美味しそうな柿。アムアムアム ただ くえ ただ くえ アムアムアムと、無我夢中でほおばっているところを柿の所有者の地主にみつかってしまいます。

 梢にかくれた山伏。修行を積んでいるので、自分の姿が見えなくなっただろうと高をくくっています。

 ところが地主には、山伏がまるみえ。とうといはずの山伏が柿を盗み食いしていると からかいはじめます。

 「よくみるとカラス」「カラスではなくサルじゃった」「トビじゃった」と猿だのトンビなどと からかいます。そのたびごとに山伏は鳴き声をあげ、しまいには木から落ちて こしを したたか うちつけてしまいます。

 木から落下した山伏が、看病せいと ボロン、ボーロンボロンと 数珠で、いのりはじめ

ると、ここでも地主は だまされたふり。

 いかにも偉そうな山伏を やりこめる地主の方が一枚も二枚もうわて。

 エリート意識が鼻持ちならない人を騙す痛快さは、庶民のもの。どこにも偉そうな人はいるもの。

 山伏の顔とカラス、サル、トビの恰好、さらに地主のあっかんべえ さまになっています。


でんぐりがえる

2020年02月16日 | 紙芝居

          でんぐりがえる/ひろかわ さえこ/童心社/2005年

 

今日は雨、雨の季節の紙芝居でしょうか。

でんぐりかえるが みたものは? ぽとぽと あめの つぶ。

でんぐりかえるが、でんぐりでんぐり ぱちゃぱちゃ げんきな おともだち。

みたものは ゆらゆら てるてる ぼうず。でんぐりがえるからみると さかさま。

こんど みたものは?

 

8枚と枚数も少なく、小さい子向けでしょうか。可愛いかえるが でんぐり でんぐり。

でんぐり返りする前に 読みたい紙芝居です。

雨の場面「ピッチピッチチャップチャップ、ランランラ~ン」
てるてるぼうずの場面「てるてるぼうず、てるぼうず、あーしたてんきにしておくれ」
かえるたちの場面「クワッ、クワッ、クワッ、クワッ、ゲゲゲゲゲゲゲゲ、クワッ、クワッ、クワッ」と歌った実践がありましたから参考まで。


まゆとおおきなケーキ

2020年02月15日 | 絵本(日本)

   まゆとおおきなケーキ/富安陽子・文 降矢なな・絵/福音館書店/2009年初出2014年

 

 ぽかぽかとあたたかな春の日、やまんばかあさんがお客さまを呼んで春のパーティを開くことにしました。

 やまんばかあさんは、やまんば汁と山菜ごはん、まゆは はるのケーキを焼くことにしました。

 まゆちゃんの十倍はあるほどの大きな木鉢に特製の材料を入れて、ながいながいしゃもじで、ぐるぐる ぐるぐる かきまぜます。

 あとは焼くだけ。火などつかいません。お日さまの光です。

 ところが、オタマジャクシのかたちの オタマぐもが、お日さまをさえぎっています。

 これはたいへんと、力持ちのまゆちゃんは、木鉢をもって、がけを かけくだりました。

 でもこんどは、きょうりゅうぐもが じゃまをしています。

 川をぴょーんと ひとっとびして となりやまのふもとまで。ここでも、ほそながい だいじゃの形をした ニョロリンぐもが。

 となりのやまの頂上までかけのぼると、ようやく くもから のがれ お日さまが木鉢をあたためています。

 やがてケーキは だんだん ふっくらと どんどん こんがりふくらんで、でっかいでっかい 世界一大きなケーキが できあがりました。

 お客さまは、鬼、天狗、クマ、タヌキ、サル、ネズミ、ヘビ、カタツムリ、コウモリ、ウサギ、カッパ、イノシシ、キツツキなど。探す楽しみもあります。

 やまんばというと、おっかないおばあさんのイメージですが、わかいお母さんです。大奮闘してつくる やまんば汁の登場がすくないのが残念。

 きつねが、雲からにげる まゆに いつもついているのですが、最後は、からっぽになった木鉢に 寝転んでいます。疲れたのと お腹いっぱいだったのかな。裏表紙は まゆが 木鉢にねていて、やまんばかあさんが、やさしく毛布をかけてあげています。

 まゆちゃん お疲れ様。いい夢を!


しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん

2020年02月13日 | 絵本(日本)

       しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん/高野文子:作・絵/福音館書店/2014年

 

 夜寝る前に男の子が、しきぶとんさん、かけぶとんさん、まくらさんに あさまで よろしくと あれこれ いろいろたのみます。

 しきぶとんさには 「よなかに おしっこが でたがりませんように」

 かけぶとんさんには「わたしの てとあしを さきの さきまで あっためてください」

 まくらさんには、「おっかないゆめを みませんように」

 すると、しきぶとんさん、かけぶとんさん、まくらさん 「まかせろ まかせろ おれに まかせろ」と、頼もしい答え。

 しきぶとんさん「おしっこが よなかに さわぎそうに なったらば まてまてまてよ、あさまで まてよと おれが なだめておいてやる」

 かけぶとんさん「ひるま ころんで ちのでた ひざも なめて さすって あっためて おれが なおしておいてやる」

  まくらさん「おっかないゆめが わいて でそうに なったらば、鼻息で ぷっぷっぷーと吹っふきとばしてくれる」 

 「まかせろ まかせろ おれに まかせろ」というフレーズが、リズミカルで思わずよろしくといいたくなりました。

 快眠のためにかかせない寝具の役割を再発見でした。


しろとくろ

2020年02月13日 | 絵本(日本)

          しろとくろ/きくち ちき/講談社/2019年

 

しろねこが のはらで であうのは ふしぎなことだらけ

なんで くさって たくさん あるの

なんで はなって きれいなの

なんで なんで ちょうは とまったの

なんで なんで かえるは ぴょん ぴょん ぴょん

しろねこと くろねこがであって いっしょに あそんで 

なんで なんで うれしいの

(しろとくろがわかれると)

なんで さみしいの

なんで ねむれないの

なんで なんで あいたいの

でも、また くろねこと であって・・

”なぜ”って 問えるのは人間だけ。さまざまな出発点です。

草や花、蝶や蛙が奔放なタッチで ねこも 白と黒で対照的です。