どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

えほんよんで どこへいきたい?

2025年01月07日 | 絵本(日本)

   えほんよんで どこへいきたい?/服部千春・作 こしがわ かおり/岩崎書店/2024年

 

 モモはおかあさんのおひざで絵本を読んでもらうのが大すき。おかあさんが「さあ、きょうは、どこへいきたい?」というと、絵本の時間。

 「くもに はしごでのぼる」「つきで おひるね」「まじょのおうちで るすばん」「おしろの ぶとうかい」・・えほんのなかのだれにもなれるのです。

 「ひざじゃなくて となりにおすわりでもいいかしら」と、おかあさんがいったのは、おなかがおおきくなって モモが のるにはせまくなってきたから。


 おとうさんが よんでくれるようになりましたが、おかあさんほどではありません。

 モモは、「じぶんでよんでみる」「あかちゃんがうまれたら、わたしが えほんをよんであげる」と、ぬいぐるみのクマに、「どこへいきたい?」ときくと、えほんをよみはじめました。

 そして、あかちゃんが うまれると・・・。

 

 絵本を読むきっかけが、「どこへいきたい?」というのは、魔法の言葉?

 やさしい絵と、絵の中の人物のセリフの手書き文字が、うまくマッチしています。

 自分で絵本が読めるようになっても、おかあさんが よんでくれるのは また別のたのしさでしょう。
 おとうさん、絵本を読むのがじょうずじゃないと モモに いってしまいますが、絵本を読むのは、上手、下手は 関係ありません。

大雪は災害?

2025年01月06日 | 日記

 青森の雪の映像を見ると、あらためて雪国で生活することの大変さが伝わってくる。

 朝は、玄関から道路に出るには雪を除去しないと、出られないし、道路に出ても左右雪だらけ。清掃車の通行や郵便配達にも支障がでていそう。そのほか、樹木の倒木も。電線の切断などもありそうだが・・。

 積もり積もった雪の捨て場所の確保もままならないようだ。

 屋根の雪下ろしで、亡くなる人も出ているが、かといって雪下ろしをやめるわけにもいかない。高齢化がすすむ市町村で、人手は確保できているのだろうか。

 

 当地では、40日ぶりの雨。


だいだらぼっち・・静岡

2025年01月06日 | 昔話(中部)

      静岡のむかし話/静岡県むかし話研究会編/日本標準/1978年

 巨人伝説は、地域の成り立ちと結びついているので、その土地のようすががわかっていないとあまり興味がないかもしれませんが・・。

 だいだらぼっちのすむ秋葉山が、富士山より低いというので、富士山より高い山を一晩で作ろうという話。近江(滋賀)から土運びしてのどが渇き、遠州灘に両足をつっこみ、水を飲もうと左手を海岸近くについて、身をかがめると、左手が砂浜にめりこみ、人間の左手のような湖ができたと。これが浜名湖という。にぎりめしをひとくちパクつくと、ガチッと小石が歯にあたり、その小石をはきだすと、それが浜名湖に落ちて、小さな島に。それが、つぶて島という。

 一晩中汗水かいても。おれんちの秋葉山が低いと、おこっただいだらぼっちが、こもをほうりなげると、こぼれた土が山に。それが館山寺の大草山という。まだ腹の虫がおさまらないだいだらぼっちが、ついでに、もう片方のこもを右足でけりあげ、こぼれた土を、「このやろう、このやろう。」とじだんだふんで悔しがった。あまりにふみ続けたものだから、広い広い原っぱに。それが三方原台地。

 このだいだらぼっちは、あぐらをかくと、四キロ四方が足の下にめりこみ、立つと、頭は雲の上につきでるほどの大男。


おはなしは どこからきたの? 南アフリカのむかしばなし

2025年01月05日 | 絵本(昔話・外国)

   おはなしは どこからきたの?/さくま ゆみこ・文 保立葉菜・絵/BL出版/2024年

 

 子どもたちから”おはなし”をせがまれたマンザンダバは、”おはなし”を探しに出かけます。 ノウサギは、「100だって、1000だってはなせるよ。だけど、ちょっと今はいそがしいんでね」、子どもを背中にのせたヒヒは、「おはなしだって?食べられないものを、ほしがるなんて人間は、かわっているねえ。あたしはそれほどひまじゃないよ」、フクロウは、「せっかくいい気持でねむっていたのに、起こすんじゃないよ」と、相手にされません。

 ゾウに聞くと、ウミワシなら、知っていそうだよといわれ、ウミワシのところへいくと、ウミガメをつれてきて、おはなしがみつかりそうなところへつれていってくれました。

 つれていかれたのは海底の精霊の民がくらすりっぱな宮殿でした。宮殿の王と王妃から、「陸の上がどんなふうなのか、目で見えるように、おしえてもらいたい」といわれ、マンザンダバは、じぶんの家族や、家や村のようす、動物や鳥を 木に彫って、つぎの満月の夜、宮殿へ向かいました。王と王妃はとてもよろこび、感心しました。それから、うつくしい貝殻をだしてきて、「おはなしがほしいときは、この貝がらを耳にあてなさい。そうすれば、おはなしがつぎつぎにきこえてくるでしょう」といいました。

 マンザンダバは、貝がらから聞こえてきたおはなしを、子どもたちだけでなく、村びとたちにも、毎晩かたってきかせました。

 貝がらからからは、たくさんのおはなしがきこえてきました。そのおはなしが、村から村へ、町から町へ伝わっていき、世界中にひろがっていきました。



 南アフリカのズールーの人びとに伝わるむかしばなしといいます。

 木版画の多色刷りという絵は、華やかですが、派手さはありません。


象とフクロウ・・ネパール

2025年01月04日 | 昔話(アジア)

      アジアの昔話6/松岡享子・訳/福音館書店/1981年

 

 象が食べ物を探して森の中へ入っていくと、とつぜん鬼どもがおおぜい集まっているところへでてしまいました。鬼の王は、ちょうど象を一頭たいらげた夢からさめたばかりでした。そこへ象があらわれたので、夢がほんとうになったにちがいないと、すぐに象を食べようとしました。

 象が、最後のたのみとして、殺される前に、親しいともに相談させてほしいというと、鬼どもはよかろうといいました。みちみち象は会うひとごとにたずねました。「夢の中で何かを食べたら、さめたあともそれを食べなければならないなんて、そんなことが道理にあっているでしょうか?」。するとだれもかれも、それは道理にあっているといいます。やっと仲の良いフクロウのところへたどりつき相談すると、フクロウもいっしょに行こうといってくれました。

 フクロウは鬼どものところへつくと、ふかいねむりからさめたふりをして「ああ、今、驚くべき夢を見た。鬼の女王と結婚した夢だ。されば、すぐにも女王と結婚しなければならぬ。して、女王はどこにいる?」

 すると鬼どもは、おこって、声高にさけびました。「ばかばかしい。夢を見たからといって、わしらの女王と貴様を結婚させるわけにはゆかぬわ。」

 するとすかさずフクロウはいいました。「わたしの夢がほんとうにならぬというなら、夢を見たからといって、あなたがたの王が象を食べるというのは、どういうことですかな。あくまでわたしに親友を食うといわれるなら、わたしも、どうあっても、あなたがたの女王と結婚しますぞ。」

 鬼どもはあきれかえって、なんといっていいやらわかりませんでした。そこで象とフクロウは、無事家にかえりました。

 

 象とフクロウ、鬼の組み合わせが微妙です。


はりねずみくんの かくれんぼ

2025年01月03日 | 絵本(日本)

   はりねずみくんの かくれんぼ/はらだ よしこ/講談社/2024年

 

 かくれんぼしているとき、居場所がわからくなって、いっしょに遊んでいたうさぎとりすくんを 大声で よびますが、へんじがありません。

 こころぼそくなったはりねずみを たすけてくれたのは?

 

 なかなか みつからないというわくわく感と どこにいるかわからなくなったときの 不安感、そして、みんなとあったときの安心感という心の動きに 共感です。

 淡くやさしい感じの絵にほっこり。はりねずみ、うさぎ、りすが とてもかわいくえがかれています。あわいピンクの のばらが アクセントになっています。


にょうらひめ・・静岡

2025年01月02日 | 昔話(中部)

     静岡のむかし話/静岡県むかし話研究会編/日本標準/1978年

 

 山小屋を作り、一人で山仕事をしていたおじいさん。
 冬がくることをつげる北風がふきはじめたある日、いろりの焚き木のあたたかさで、ついうとうといねむりをしていました。どれくらいたったか、トントン、トントン、表の戸をたたく音で目をさましたおじいさんでしたが、こんな夜更けに客でもあるまいと、また横になりかけたとき、「ここを、おあけくださいまし。」という声。おじいさんがそっと戸をあけてみると、そこには美しいむすめが一人立っていました。

 「道にまよってこまっています。どうぞ火にあたらせてくださいませ。」むすめは、寒さにふるえてやっとこれだけいうと、その場にうずくまってしまいました。おじいさんは、気味悪さが走りかけましたが、むすめがあまりにも弱っているので、家の中にまねきいれ、炉端の席を進め、雑炊も食べさせてやりました。

 すると、むすめは、「お礼に、めずらしいものをおみせいたしとうございます」というと、ヒョウタンを取り出し、胸の前でひとふりしました。すると中から、マメつぶほどの雑兵やら大将やらが、ぞろぞろでてきました。そして、「今から、関ヶ原の戦いのようすをおみせいたしましょう。」と説明をはじめました。ならべられた兵隊たちは、東軍と西軍にわかれて、戦いをはじめました。
 おじいさんは、時のたつのも忘れて、いっしょうけんめい見入っていました。さて、石田三成がとらえられ、東軍の大勝利がわかると、むすめの説明もそこでおわりました。

 おじいさんが、むすめの正体をきくと、むすめは、「にょうらひめと申す者でございます。今夜のことは、だれにも話してはなりませんぞ。」というと、すっと立ち上がり、外へ出て行ってしまいました。

 にょうらひめとの約束なので、口をつぐんでいたおじいさんでしたが、ある日、おばあさんに にょうらひめのことを、すっかり話してしまいました。約束より、話してしまいたい思いに勝てなかったからです。にょうらひめのいかりにふれたのでしょうか、おじいさんは、それから床にふして起きあがれなかったといいます。

いまも、山小屋があったというところを「にょうらひめ」とも呼ぶという。

 

 にょうらひめは、関ヶ原の戦いで敗れた死者の亡霊だったのかもしれません。


日本にいたゾウ

2025年01月01日 | 絵本(日本)

   日本にいたゾウ/大島英太郎:文絵/福音館書店/2024年/たくさんのふしぎ477号

 

「日本にいたゾウ」のタイトル。え! 日本にゾウ?
 考えてみると、大昔、日本は大陸とつながっていたので、ゾウの化石が見つかってもおかしくはない思いましたが・・

  1900万年前・・アネクテンスゾウ

  1800~1600万年前・・シュードラチデンゾウ

   400万年前・・ミエゾウ(亜熱帯の気候であった)

   200万年前・・アケボノゾウ(ミエゾウより小型化)

   60万年前・・トウヨウゾウ(10万年ぐらいで姿を消した

   34万年前・・ナウマンゾウ(狩りの対象にも)

    5万~2万年前・・ケナガマンモス(ナウマンゾウがいた時代の最後のころ)北海道へ

 

 こうしてみると、かなりのゾウがいたことがわかり、びっくりです。

 これは月刊誌ですが、ハードカバー版が発売されるなら、流れがわかるように年表や地図を追加してもらうと便利です。

 

 2025年のはじめに、古代の日本の姿におもいをはせてみるのも いいかも!