旅する蝶/新宮 晋/学校法人文化学園 文化出版局/2012年
カナダやアメリカの北部から南下を始め、4000キロを飛び、メキシコの森にたどりつき、そこで越冬し、春にはまた北上を始めるオオカバマダラの絵本。
ただメキシコからカナダに北上するオオカバマダラは、3世代から4世代をかけて出発点に戻るという。
普段目にしている蝶についてどれだけのことを知っているだろうか。
世界には現在、約1万2千~2万種類の蝶がいるという。
小さいイメージしかない蝶も、羽を広げると約30センチもの大きさがある蝶が、ニューギニア島東部の限られた地域に生息するという(アレキサンドラトリバネアゲハというらしい)。
また日本にはハマヤマトシジミという、わずか5ミリほどと、世界でも小さな蝶の中に入る蝶がいるそうである。
日本の蝶は、中国や東南アジアと昔陸続きだったころ、島となった日本に取り残されたという。
ついでにいうと、蝶の正式な数え方は、一頭、二頭というのもはじめて知ることができた。
絵本は、いろいろ調べてみるきっかけにもなる。
ところで、NHKの子ども科学電話相談で蝶はどの程度飛ぶかという質問があって、この絵本のことを思い出しました(2014.8.4)。
NHK日曜日の「ダーウインが来た」で、アサギマダラが取り上げられていました。マーキング調査で実態が少しづつわかってきたようですが、一日80Km、日本列島を縦断。世代交代しながら飛び続けるということ(2015.1.11)。