どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

なぞなぞ

2025年01月31日 | いろいろ

    現代アジア児童文学選5/アジアの笑いばなし/ユネスコ・アジア文化センター・編 松岡享子・監訳/東京書籍/1987年

 

 いろんな国の頭の体操なぞなぞ。答えは下にスクロールして・・。

 

1 水を飲んだら死んじまうもの、なあに?(韓国)

2 つかめない、もてない、でも体を生き返らせてくれるもの(インドネシア)

3 一本足の白い男(スリランカ)

4 おまえあっちいけ、わしゃこっちいく。結ぶ野原であいましょう(日本)

5 上は算数、下はブランコ、なあに?(日本)

6 しっているかい、そいつは、空を飛ぶんだぜ、つばさもないくせに、首に糸をひっかけただけでさ。(パキスタン)

7 ふたりの男がエビをとるため、水にとびこんだ。みずから出てきたとき、ひとりの髪の毛はぐしょぐしょだったが、もうひとりは そうじゃなかった。どうしてか?(パプア・ニューギニア)

8 一つの箱にあな七つ。なあに?(ビルマ)

 

 

 

 

 

 

 

1火 2水 3きのこ 4おび 5柱時計 6たこ 7ひとりは、はげだった 8頭、顔


本の福袋

2024年12月24日 | いろいろ

 利用している図書館の貸し出し期間は二週間。

 先日、「本の福袋」があって、冬休み期間に本に親しんでもらうためか、通常よりも長い貸出期間が設定されていました。いまでは珍しくない「本の福袋」ですが、たしかはじめての試み。

 中身は空けてみないとわからないところがミソ。最初は年齢別に区分されていましたが、気がついてかりたのは、幼児むけでした。

 「おやおや、おやさい」「わたし ほんが よめるの」「まるてん いろてん」の、幼児が親しめる三冊。

 数多くの福袋を用意するためには、職員が本の中身を知っていることが前提で、職員の力量もためされるところ。こうした取り組みが継続出来たらいいなと思いました。


東京おすすめ紙芝居マラソン

2024年07月28日 | いろいろ

 昨日、第二回という東京おすすめ紙芝居マラソンの五作品を見ました。

 午前中二時間で八作品、午後は三時間で十二作品、出入り自由でした。紙芝居サークルの発表の場としての試みなのでしょうか。
 観客は五十人以上でしょうか。午後は子どもより大人の方が圧倒的でした。

 いくつかの紙芝居サークルが、たすきをつないでいっていました。ゆったりと間があってすごく聞きやすいのですが、おおぜいの人数だと、紙芝居までの距離が遠く、画はちょっとみにくい感じ。お話し会の進行で、語りや、絵本、紙芝居の組み合わせはかくことができないのですが、どんな紙芝居を選択するかの情報が少ない気がしてます。グループであれば、個々の情報交換ができますが、それも数多くの紙芝居から見れば、きわめて限定的です。

 「紙芝居文化の会」の「おすすめ紙芝居」リストを、資料としていただきましたが、まだまだ知らないものだらけ。ただその反面、自分が読んで面白いと思ったものがはいっていないのは、なんでだろうと思いました。

 こうした催しの内容は、当日会場に足を運んでわかるものがほとんど。上演作品があらかじめわかっていると参加しやすいと思っています。今回はロングランの催しなので難しいのでしょう。

 また、タイトル、作者(脚本、画)が、誰かははじめに話されるのですが、どこの国の昔話(民話)であるかが省略されるのは、必要ないという判断なのでしょうか。


どうがのおはなし会

2024年07月24日 | いろいろ

 


朗読会

2024年02月15日 | いろいろ

 いつもとちがう図書館での朗読会にいってみました(2024.2.14)。数日前、ふらっとはいった図書館で、チラシを見たもの。

 三作品の朗読で、一時間ほど。

 ・柴崎友香「喫茶店」

 ・永井路子「紫式部」

 ・松下竜一「絵本」

 このところもっぱら子ども向けの作品を読んでいるので、「おとな向け」の作品は、いつもとちがい新鮮な感じでした。

 開催したグループは30周年を迎えるとあって、息の長い活動です。

 「喫茶店」は、古い喫茶店で自分の作品の校正をしている小説家が主人公。背中にいる高齢の夫婦のような会話を聞いて、店を出ていく二人をみると、じつは若いカップル。若い人が「なつかしい」と言うギャップ。

 「紫式部」は、スーパーレディの式部が、いじわるとうぬぼれだったのではないかと、清少納言や藤原道長などの例をあげて指摘していきます。

 「絵本」は、ひとりの男(小説家)のもとにおくられてきたなんの変哲もない絵本「ももたろう」の中に はさまれていた手紙から、二人の男の生きざまが明らかになっていきます。12年後の手紙でした。

 

 はじまるまえ、時間があったので図書のコーナーをみていたら、子ども向けは国別にならべられていました。岩波少年文庫などは、文庫のコーナーにおかれているのが多いのですが、国別というのも探しやすいと思いました。作者も国別でした(全部というわけではありませんが・・)。


人形劇団プーク公演

2024年02月04日 | いろいろ

 昨日、店に貼ってあったポスターを見て、人形劇団プークの公演を見ることができました。

 主催は保育園とその父母会の主催で、関係者以外も見ることができそうだったので、申し込んでみたもの。

 普段街中に子どもの姿を見ることはほとんどないので、これだけたくさんの子どもをみて、びっくり。舞台からの呼びかけに、元気にこたえる子どもたちに思わずほっこり。

 人形だけなら見る機会もありますが、舞台装置、音楽があるところがミソ。300議席ほどのホール。

 第一部は、五味太郎のミニミニ劇場。人形が後ろで演技するのではなく、舞台全体をつかったもので新鮮でした。

 第二部は「きつねのコンとこだぬきポン」と、骨格のしっかりした人形劇でした。

 

 こんな企画をした保育園と関係者に感謝です。


たのしすぎる科学の世界

2022年08月26日 | いろいろ

    たのしすぎる科学の世界/金子丈夫・監修/朝日新聞出版/2022年

 

 テレビのクイズ風の番組で、よくネタをさがしてくると思っていると、まだまだ おやっ!と思うことがいっぱい。

 子どもに 披露すると 見直されること 間違いありません。そんな内容が50。

・一億年後、ハワイは日本のすぐとなりにくる

 大陸が移動しているのは理解しているつもりでしたが、日本とハワイの間は、毎年約6cm縮まっていて、計算すると1億年後。

・北海道から沖縄にいくと体重が軽くなる

 もののおもさは地球の重力に引っ張られることで生まれ、体重30㎏の人が沖縄にいくと42gかるくなる。

・紙ひこうきと飛行機、同じ大きさなら どちらが重い?

 B5サイズのコピー用紙でつくった紙ひこうきは約3g。これを大型飛行機と同じ大きさに拡大すると、重さは1000トン。大型飛行機の重さは約400トンなので、紙ひこうきの方が2倍以上重い。

・人間とバナナの遺伝子は50%同じ

・人間をいちばん殺しているのは蚊

 

 ガリレオ、アインシュタインなど5人の科学者の人生がわかるマンガもあり、カロリー、デシベルなどの単位にもふれられています。


一で糸屋のおまきさん

2022年05月23日 | いろいろ

          愛蔵版おはなしのろうそく10/東京子ども図書館編/2010年

 

リズムが楽しい まりつき歌。

 一で糸屋のおまきさん

 二で煮染屋の数子さん

 三で魚屋の鯛子さん

 四でしるこ屋のあん子さん

 五で呉服屋の絹子さん

 六でろうそく屋のてる子さん

 七で質屋のお倉さん

 八で花屋の春子さん

 九で薬屋のきく子さん

 十でじゅず屋の球子さん

 煮染屋は、?となりますが、「八は、花子さん」もありでしょうか。また、十は豆腐屋がでてきてもおかしくありません。

 先日参加した、おはなし会で、いっかいペープサートで歌い?次に名前を歌ってもらうという趣向があり、童心にもどって楽しめました。おはなし会では、合間に手遊びが入ったりと、いろいろな工夫もあります。

 いまは、子どもが、歌いながらお手玉やまりつきで遊ぶ風景はみられませんが、どこかで生きているのもうれしいことです。


一人芝居「天の魚」

2022年04月10日 | いろいろ

 小川町の岩田古民家「やしきぼっこ」で開かれた一人芝居。

 水俣病で、それまでの日常生活が失われた漁師の語りです。

 水俣病の悲惨さはあまりでてきませんが、苦しみを過去の自分と重ね合わせて たんたんと語られた芝居でした。

 高度成長時代、経済のためならば何でもまかり通る時代でしたが、その反面、塗炭の苦しみを味わう人々もいました。

 いま「公害」という言葉はあまり聞かれなくなり、被害の実態が忘れかけていますが、地球温暖化など、自然と人間のかかわりが別の意味で問われています。

 じつは、水銀の影響を受けている、と認められた人は8万人程度いるとされていますが、「水俣病患者」と認められた人は、二千人ちょっといいます。(2021年6月時点)

 同じ症状を持っているのに、水俣病と認められない人たちがいるというのは、水俣病はまだおわっていないのかもしれません。

 

 18時にはじまり、70分の芝居でした。日の暮れるのが遅くなったとはいっても、照明がなく室内はだいぶ暗いまま。後半に小さなスポットライトのあかりがありましたが、大半はロウソクのあかりだけ。

 これまでの上演記録を見ると、上演場所は少人数のところで、今回も20人ほどでした。

 もう少し照明に工夫があってもよさそうに思いましたが、内容からすると、こだわりの薄暗だったのでしょうか。


子どもの本の作家たちの戦時下の記憶

2021年08月20日 | いろいろ

   子どもたちへ、今こそ伝える戦争ー子どもの本の作家たち19人の真実ー講談社2015年

 

 とりあえず、図書館で目についた本を読むことがほとんどです。作家について知ったうえで読んでいなかったのですが、80歳代前後の方は戦時下どのような体験をしていたのでしょうか。

・「ねんどの神さま」で記憶にのこっている那須正幹さんが、この7月22日になくなりました。那須さんは1945年8月6日爆心地から3キロの地点にいました。

 頭と足に軽いけがをしただけといいますが、そのときいっしょにいたおばさんは日傘が燃え、半身大やけどをされたといいます。3歳ですから記憶がないというのもわかるようなきがしますが、そのあとのひどい雨のことはおぼえているといいます。父親も爆心から2キロの校舎で被爆し、教職に戻らず会社づとめをはじめたといいます。お姉さんも動員先の工場で被爆したが、生涯あの日のこと話さなかったという。

・井上洋介さん(1931年ー2016年)は1945年3月10日、東京大空襲にあい、やけだされた人たちの行列の風景をたんたんと描いています。

田島征三さんは、大阪堺市で3歳のとき機銃掃射をうけ、2年後町が空襲にあったが、別の町に移住して助かっています。

 その後住んだ町の廃棄物最終処分場反対運動で、「反対」といえない状況においこまれ、処分場賛成に決まった経験をあげ、「戦争反対」という声も、あしたにあげられるか?と疑問をていしています。

長野ヒデ子さんの病弱の父に赤紙が来たのは1945年5月8日、4歳のとき。母親は「お父ちゃんまでも戦争にいくのだから負ける。」と思ったそうだ。

 1945年8月5日、空爆の予告ビラどおり空襲。

 1945年8月15日 死んだような廃人になって父親が帰ってきた。

 1946年5月23日、父親が井戸で自死。

 父親の出征記録がなく、父親に何があったのか判明しないという。

かこ さとしさんが、戦車工場で部品をつくっていたときのこと。腹が痛み工場付属の病院で、ただの腹痛といわれ安心したら、戦地にいって盲腸になったら麻酔無しで手術されるといわれ、手術することに。手術してくれた先生は出征して帰ってこなかったこと。

 盲腸の再手術で、同室となった水兵(やはり盲腸炎)が、乗っていた戦艦がミッドウエー海戦で沈み、海軍の発表とはちがい、全滅にちかい大敗で、生き残りの水兵の口封じのため、工場に隔離されたことを話してくれた後、憲兵が不意に水兵を連れ去ったこと。

 病院でお世話になったおばさんが、隣近所から非国民と罵られ家に石を投げられ、自宅で自死したことにもふれられています。


江戸小ばなし

2021年02月12日 | いろいろ

    子どもも、大人も楽しめる江戸小ばなし/岡本和明・文/フレーベル館/2005年初版

 

 小ばなし、落語、昔話の底流はおなじでしょうか。

・欲張り

 働き者のおじいさんが、山へ柴刈りにいって帰ってくると、なんと二十四、二十五歳の若者になっていました。滝の水を一口のんだら、若返ったと聞いて、おばあさんが滝に出かけましたが、いつまでも帰ってこないで、おじいさんがいってみると、おばあさんの着物にくるまった赤ん坊が滝つぼのところで、「おぎゃあ、おぎゃあ」と、ないていました。

 昔話の「若返りの水」をもっとコンパクトにした小ばなしです。

・どじょう

 小僧さんが、和尚さんのいいつけでどじょうを買いに行った帰り、近所の子どもたちから声をかけられました。

 「とっくりのなかにはお酒が入っているの?」

 「ちがうよ」

 「醤油がはいっているの?」

 「ちがうよ」

 「じゃあ、なにが入っているのさ?」

 「あててみな」

 「あたったら、なにをくれる?」

 「なかのどじょうを、一匹やるよ」

 落語のようなオチ。

どら息子

 仕事もせず、毎日遊んでばかりいる息子を見かねた親戚が集まって、意見をしていました。

 「お前は親に働かせて、自分ばかり遊んでばかり。そんなことでどうする。親というものは千両、万両だして買えるもんじゃないんだ。これからは、けっして親を粗末にしてはならんぞ」

 すると、息子はすなおに

 「おっしゃるとおり、お金で買えないのが親でございますが、売ろうと思っても、買い手がございません」

・しゃくなひと言

 向こうからやってきた友だちに、「おっ、そこの貧乏神、どこへいくんだ?」と、からかうと、友だちは「これからお前の家へいくんだ」といって、通り過ぎてしまいます。

 用事を済ませて帰る途中、さっきの友だちがやってきたので、こんどは「福の神」、どこへいく?」というと

 「今、お前の家から出て、帰るところだ。」

  貧乏神はご遠慮願いたいのですが、福の神に去られるのも困ります。


もしも魔法が使えたら・・戦争孤児11人の記憶

2021年01月23日 | いろいろ

     もしも魔法が使えたら・・戦争孤児11人の記憶/星野光世/講談社/2017年

 

 日本で歴史の証言として、後世に残すべきものがきちんと記録されているだろうか。

 戦争孤児もその一つ。

 政府は1946年の帝国議会で、戦争孤児の総数を「3千名前後」と答弁したが、48年の調査で孤児は12万人以上いたことがわかったという。病死などとされたその他8万人余りも内訳は不明で、実質的には大半が戦争孤児だと私は考えています。しかもこの調査は、養子になった孤児や沖縄県の孤児、路上にいた浮浪児は含まれていません。実数は、さらに多かったと思います(戦争孤児の会代表 金田茉莉さん)

 戦前、戦後、空襲などで親が死んでしまった後、子どもたちはどのように生きてきたのでしょうか。ここには悲惨な思い出が記録されていました。

・著者は昭和8年生まれ、東京大空襲で両親と兄妹の4人を亡くします。著者は学童疎開で命は助かりますが、残されたのは11歳の著者と8歳の妹、4歳の弟だけでした。

・空腹で、お店からトマトを盗んでにげ、アメリカ兵と若い日本女性がのるジープでひかれ即死。

・施設に入って学校に通わせるという話が持ち上がると、「野良犬を学校に入れるな!」「浮浪児を学校に入れるな!」「あんなバイキンの塊と遺書では、地元の子どもがダメになる!」と、猛反対。やっと学校へいくと、教室はなく、物置を整理した特別教室。黒板にはこどもたちがいたずらした「浮浪児 犬小屋」の文字が。

・上野駅でごろ寝。上野駅の地下道は大勢の孤児でいっぱいで、最後にうめくような声で「母ちゃん、母ちゃん」と呼びながら、毎日のように死んでいく。

・東京大空襲でひとりになり、伯母の家で、お腹をこわしておもらして、雪の夜に氷の張っているバケツの冷たい水をかけられ、親と一緒に死んでくれればよかったのに といわれたこと。

・馬小屋で馬と泣きながら寝ていた弟。その後、弟は家出をして行方不明。妹も黙って親戚の家を出て行方不明。

・両親が亡くなり、兄弟も離れ離れ。別の親戚にあずけられていた弟は、うどんのような回虫を吐いて死んだ。浮浪児になったわたしは「狩り込み」につかまって、山奥に棄てられた。山奥に棄ててきたのは都の職員。

 

 親戚の家で暮らすことになった戦争孤児は、十分な教育を受けさせてもらえなかっただけでなく、虐待にちかい扱いも多かったようです。親戚の家もギリギリの生活で、厄介者がやってきたということだったのかもしれません。

 ここで記録されているのは11人だけです。12万人以上の孤児には、飢餓や凍死で死んでいったものがいたのでしょうが、こうしたおおくの多くの孤児たちの声はもう聞こえません。

 当時の生存者も高齢になっていますが、父母の名前など自身の出自を知ることもできない方も多いようです。

 こうした記録が、民間団体や個人にゆだねられているのはきわめて残念です。


菊酒

2020年08月12日 | いろいろ

          クレヨン王国笑えるむかし話/福永令三/講談社/2010年

 

 落語の中から・・。

 庭先の菊をめでながらの酒もり。そのうち一人の客が、「御秘蔵の菊、失礼ながら。」と、花を少々、盃にちらして飲む。亭主が聞くと「薬どころか、これを飲めば七百歳も生きというから」

 一座のもの、それは妙薬と、われもわれもと菊の花をむしっては飲むので、亭主も気が気ではなくなって、つい、いった。

 「それは結構な寿命のお薬かもしれませんが、ちっとは、ご子息や嫁御の身にもなってごろうじませ」

 

 オチは複雑です。


絵本のかたち

2020年08月04日 | いろいろ

 いろいろな絵本にであって驚くのは、おなじような作りにならないこと。

<絵本を開く> 右からと左からページをめくる二種類。これだけでなく巻物風は広げていきます。文字が縦書きなのが右から、横書きなのは左からというのは目線を考慮したものか。外国のものは、左からと思っていると必ずしもそうなっていません。

<文字と絵> 絵本は文字と絵。文字は活字、手書き文字などがあるが、活字の書体にもいろいろ。手書き文字も一律ではありません。文字の大きさもポイントの一つ。文字がないという絵本もありました。

 文字と絵のバランスもさまざま。見開いたぺージの左に文字、右に絵というのはもっともオーソドックス。しかし最近の絵本にはこうした構成になっているのは少ない。文章部分が枠に入っているもの、絵に直接描かれたものなど。さらに吹き出しを利用したものも。

 絵も油絵、絵の具、色鉛筆、布絵、鉛筆といったものから切り絵があり、さらにCGなど。作者が絵のあちこちにちりばめている遊びも楽しい。

 ページの使い方も、ページが折込になって広げると4ページにもわたる描き方や縦に描かれているものも。

 思いがけない仕掛けにびっくりすることもあります。

<紙質> 絵本の紙質は、雑誌などと比較するとしっかり?したものが使われています。世代を通じて読み継がれている絵本にとっては欠かせません。

<大きさ> 大きさも、小型からやや大きめ、さらに大人二人が必要になる大型絵本など。横に長いもの、縦に長いものも。ただ、収納を考えると大きさがバラバラなのは取り扱いが不便です。

<表紙と裏表紙> 表紙と裏表紙にも工夫があって、表と裏がつながっているもの、さらに本文を補完する裏表紙もあります。見返し部分にはあまり目がいかないのですが、ここにも、さまざまな工夫が見られます。

 舞台が外国では、作者が現地を取材して丹念に描いていることも忘れてはいけないことですし、訳者の方の工夫で、ポイントをついた親しみやすいタイトルになっているものも。

 一冊の絵本に込められている努力に感謝です。


どんな絵本がよまれてる?

2020年01月30日 | いろいろ

 どんな絵本が読まれているのか、ウィキペディアにのっている累計販売数200万部以上のものを現在の時点でみてみました。2000年以降は一点だけ。2008年発行の<だるまさんが かがくいひろし>が257万部とあり、単純計算で年間20万部以上。それ以外は長い年月を積み重ねたもの。

 時代とともに価値観が変わるなか、長い年月にわたって読み継がれているのは、それだけ絵本に普遍的なものがあるということでしょうか。


いないいないばあ       松谷みよ子・作 瀬川康男・絵    1967年 童心社    664万部

ぐりとぐら          中川李枝子・作 山脇百合子・絵   1967年 福音館書店  517万部

はらぺこあおむし       エリック・カール 森比左志・訳   1976年 偕成社    411万部

てぶくろ    内田莉莎子・訳 エウゲーニー・M・ラチョフ・絵  1965年 福音館書店  316万部

おおきなかぶ A・トルストイ・再話 内田莉莎子・訳 佐藤忠良・絵 1966年 福音館書店  307万部

しろくまちゃんのほっとけーき 若山憲               1972年 こぐま社   307万部
 
ねないこだれだ        せなけいこ             1969年 福音館書店  304万部

ぐりとぐらのおきゃくさま   中川李枝子・作 山脇百合子・絵   1967年 福音館書店  299万部

きんぎょが にげた       五味太郎              1982年 福音館書店  275万部

三びきのやぎのがらがらどん マーシャ・ブラウン 瀬田貞二・訳   1965年 福音館書店  270万部
 
じゃあじゃあびりびり      まついのりこ           1983年 偕成社    268万部

ノンタンぶらんこのせて     キヨノサチコ           1976年 偕成社    261万部
 
いないいないばああそび     木村裕一             1988年 偕成社    260万部

だるまさんが          かがくいひろし          2008年 ブロンズ新社 257万部
 
ボードブック/はらぺこあおむし エリック・カール 森比左志・訳  1997年 偕成社    255万部

しろいうさぎとくろいうさぎ ガース・ウィリアムズ 松岡享子・訳  1965年 福音館書店  250万部
 
からすのパンやさん       かこさとし            1973年 偕成社    247万部
 
ノンタンおやすみなさい     キヨノサチコ           1976年 偕成社    245万部

ノンタン!サンタクロースだよ  キヨノサチコ           1978年 偕成社    243万部

ウォーリーをさがせ! マーティン・ハンドフォード 唐沢則幸・訳  1987年 フレーベル館 240万部
 
はじめてのおつかい       筒井頼子・作 林明子・絵     1977年 福音館書店  238万部

ぐるんぱのようちえん      西内ミナミ・作 堀内誠一・絵   1966年 福音館書店  236万部

がたん ごとん がたん ごとん   安西水丸             1987年 福音館書店  236万部

100万回生きたねこ      佐野洋子             1977年 講談社    226万部
 
おしいれのぼうけん       古田足日・作 田畑精一・絵    1974年 童心社    225万部
 
ウォーリーのふしぎなたび マーティン・ハンドフォード 唐沢則幸・訳1989年 フレーベル館 215万部
 
しょうぼうじどうしゃじぷた   渡辺茂男・作 山本忠敬・絵    1966年 福音館書店  214万部
 
タイムトラベラー ウォーリーをおえ! マーティン・ハンドフォード 唐沢則幸・訳 1988年 フレーベル館 209万部

いいおかお           松谷みよ子・作 瀬川康男・絵   1967年 童心社    205万部

ごあいさつあそび        木村裕一             1988年 偕成社    203万部

うさこちゃんとどうぶつえん   ディック・ブルーナ 石井桃子・訳 1964年 福音館書店  202万部

ノンタンおよぐのだいすき    キヨノサチコ           1977年 偕成社    202万部

おつきさま こんばんは     林明子              1986年 福音館書店  200万部

徳間アニメ絵本・となりのトトロ 宮崎駿              1988年 徳間書店   200万部以上