あとがきのなかで、小澤さんが、この本に選ばなかった話にふれている箇所。
これまで、なじめない話もあったのですが・・・・。
冷たく人を嘲笑するだけの話です。とくにおろか者やなんらかの障害のある人をあざ笑うことだけを目的とした話です。平気でそんなことをしていた時代が、どこの国にもありました。
第2次世界大戦後、だいぶたってから、人種差別への人類的反省とともに、そういう差別への反省が生まれてきました。これは人類としての進歩だと思います。いまだに差別思想を克服できないで、日本をはじめ地球上のあちこちで、差別や戦争がおこなわれているのですが。
昔話という古い社会を語る話には、このような思想が残っていることがよくあります。私は、そのような話は、伝承されてきた話であっても、次の世代に残すべきではないと考えています。
大分前に翻訳されたものが新装版として出版されるとき、今の時代を考慮して話を削除したというのもあります。
人を嘲笑するのが目的といえないまでも、結果としてそういうものになるおそれのあるものも目につきます。