一審判断「適切ではない」 元名大生控訴審で専門家
一審名古屋地裁判決は双極性障害(そううつ病)を「犯行に弾みを付けたが、その影響は限定的」と判断、完全責任能力を認めたが、弁護側が請求した京都大の十一元三(といち・もとみ)教授は「自分の直感では軽度と捉えるのは、専門医の判断と異なる」と指摘した。
十一教授はスライドを使いながら、元女子学生にみられる精神障害の特徴などについて説明。一方で正式に精神鑑定したわけではなく、一審判決や鑑定書などを検討した上での印象にとどまると付け加えた。
一審判決などによると、元女子学生は19歳だった2014年12月、知人の森外茂子(もり・ともこ)さん=当時(77)=を名古屋市の自宅で殺害。
12年5~7月には、仙台市で同級生ら男女2人に、硫酸タリウムを飲み物に混ぜ飲ませ、殺害しようとした。また仙台市の民家に放火し、住人を殺害しようとした。