医療研究大賞に田中氏ら タンパク質分解酵素を発見
田中氏は、細胞内の不要なタンパク質を分解する酵素「プロテアソーム」を発見。抗がん剤の開発につながった。
大賞は複数の種類の賞で構成。多剤耐性の結核菌に有効な新薬を開発した大塚製薬は健康・医療戦略推進副本部長賞の受賞が決まった。ゲノム編集技術で最も手軽とされる手法「クリスパー・キャス9」の基礎となったDNAの塩基配列を発見した石野良純(いしの・よしずみ)・九州大教授が文部科学大臣賞に選ばれ、他にも6件の受賞が決まった。
医療研究大賞に田中氏ら タンパク質分解酵素を発見
田中氏は、細胞内の不要なタンパク質を分解する酵素「プロテアソーム」を発見。抗がん剤の開発につながった。
大賞は複数の種類の賞で構成。多剤耐性の結核菌に有効な新薬を開発した大塚製薬は健康・医療戦略推進副本部長賞の受賞が決まった。ゲノム編集技術で最も手軽とされる手法「クリスパー・キャス9」の基礎となったDNAの塩基配列を発見した石野良純(いしの・よしずみ)・九州大教授が文部科学大臣賞に選ばれ、他にも6件の受賞が決まった。
遺伝解析、説明手順策定を 突然の疾患原因判明で提言
現在、次世代シークエンサーと呼ばれる高速のゲノム解読装置の利用が急速に広がっているが、治療法がない疾患の原因遺伝子が見つかり、本人や医師が対応に苦慮する事態が懸念されている。
提言では、こうした場合、どこまで結果を開示すべきかを決めておく必要があるとし、解析を受ける際に患者から同意を得る手順や、その際の説明方法を定めておくべきだとした。患者には、解析結果の通知を拒否する権利があるとしたほか、遺伝子に変異があった場合などに対応を説明するカウンセリングの充実も求めた。
記者会見で学会理事の高田史男(たかだ・ふみお)・北里大教授は「当たり前のように遺伝子解析を受ける時代がすぐに来る。結果の解釈や扱いには専門的知識が必要で、人材育成も進める必要がある」と話した。
インドの大気汚染、1日50本喫煙に匹敵? 年々深刻に
「私が呼吸する権利を」と書かれたマスクをつけた子どもたち数百人が15日、市内をデモ行進した。デモは国連の現地事務所や民間企業などが学校に実施を呼びかけた。参加したクシャ・シャルマさん(13)は「大気汚染のせいで人が亡くなっている。いい加減に気づく時だ」と訴えるプラカードを掲げた。
近年、汚染は進行し続けている。昨年発表された世界保健機関(WHO)の調査によると、ニューデリーの微小粒子状物質PM2・5の年平均濃度は、北京の約1・4倍だった。在印米大使館が公表している数値では、今月に入ってWHOの環境基準(日平均)の40倍の1立方メートルあたり最大1千マイクログラムを記録した地点もある。
秋から冬にかけては風がやみ、野焼きの煙や車の排ガスなどが滞留することで汚染が深刻化する。大気は白くかすみ、交通事故も多発。「呼吸器への影響は1日50本のたばこを吸うのと同じ」と指摘する専門家もおり、地元テレビは「殺人大気」などと報じている。
対策をめぐって、混乱も起きている。当局は一時、乗用車の通行規制の実施を発表。この際、女性の運転する乗用車は対象外とする予定だった。車の代わりに女性がバスなどの公共交通機関を使えば、犯罪に巻き込まれる危険性があるからだ。しかし、国家環境裁判所が「例外は認めない」との判断を下した。このため、女性の安全を重く見て、通行規制そのものが中止に追い込まれた。(ニューデリー=奈良部健)