親父の背中プログラム 本格始動
2018年6月21日 (木)配信山陰中央新報
益田市医師会が医師不足解消を目的に企画した若手医師対象の研修制度「親父(おやじ)の背中プログラム」が本格的に始まった。県外から赴任した医師2人が益田地域医療センター医師会病院(益田市遠田町)で勤務しながら、医師会会員の開業医の下で幅広い診療科のスキル習得に励んでいる。「地域医療を支える医師になる」との志を抱き、積極的に現場に飛び込み、研修に打ち込んでいる。
益田市乙吉町の整形外科「あすかクリニック」で5月末、井上貴雄院長(56)が足の小指を骨折した児童の治療をする傍らに、三重県の病院から赴任した内科医の上垣内(うえがいと)隆文医師(29)がいた。
整形外科は専門ではないが、井上院長の手際を食い入るように注視。実際にギプスの固定などに携わることもあり、包帯を巻く時には、「ころころと転がすように」などとアドバイスを受ける。上垣内医師は「やっぱり現場で知ることは多い」とプログラムの意義を実感。井上院長は経験を踏まえ、「診療技術はもとより、患者の心が分かる医者になってほしい」と説く。
上垣内医師と、北海道の病院に勤務していた松原秀紀医師(36)は共に地域医療の道を志し、4月に赴任。5月中旬から地域に出向いて同プログラムを受け始めた。それぞれ1年間と2年間の研修予定だ。
益田赤十字病院と並んで6万人の医療圏域を支える医師会病院は、この5年間で常勤医が16人から11人に減った。高齢化などでニーズが高まる「総合診療医」に向けた経験を積みながら地域医療を支えてもらおうと、益田市医師会が千葉県の合同会社ゲネプロの支援を得て同プログラムを導入。耳鼻科や整形外科など7診療科から研修分野を選び、週3回程度開業医の指導を受ける。給与や費用は医師会が負担する。
医師会病院の狩野稔久院長(63)は、熱心に研修に取り組む2人に期待を寄せながら「プログラムの仕組みや受け入れ態勢をしっかりと整えたい」と力を込める。
上垣内医師は「将来はへき地医療に携わりたい」と意欲に燃え、松原医師も「医師が少ないところでも、住民が安心して医療を受けられる支えになりたい」と誓う。
2018年6月21日 (木)配信山陰中央新報
益田市医師会が医師不足解消を目的に企画した若手医師対象の研修制度「親父(おやじ)の背中プログラム」が本格的に始まった。県外から赴任した医師2人が益田地域医療センター医師会病院(益田市遠田町)で勤務しながら、医師会会員の開業医の下で幅広い診療科のスキル習得に励んでいる。「地域医療を支える医師になる」との志を抱き、積極的に現場に飛び込み、研修に打ち込んでいる。
益田市乙吉町の整形外科「あすかクリニック」で5月末、井上貴雄院長(56)が足の小指を骨折した児童の治療をする傍らに、三重県の病院から赴任した内科医の上垣内(うえがいと)隆文医師(29)がいた。
整形外科は専門ではないが、井上院長の手際を食い入るように注視。実際にギプスの固定などに携わることもあり、包帯を巻く時には、「ころころと転がすように」などとアドバイスを受ける。上垣内医師は「やっぱり現場で知ることは多い」とプログラムの意義を実感。井上院長は経験を踏まえ、「診療技術はもとより、患者の心が分かる医者になってほしい」と説く。
上垣内医師と、北海道の病院に勤務していた松原秀紀医師(36)は共に地域医療の道を志し、4月に赴任。5月中旬から地域に出向いて同プログラムを受け始めた。それぞれ1年間と2年間の研修予定だ。
益田赤十字病院と並んで6万人の医療圏域を支える医師会病院は、この5年間で常勤医が16人から11人に減った。高齢化などでニーズが高まる「総合診療医」に向けた経験を積みながら地域医療を支えてもらおうと、益田市医師会が千葉県の合同会社ゲネプロの支援を得て同プログラムを導入。耳鼻科や整形外科など7診療科から研修分野を選び、週3回程度開業医の指導を受ける。給与や費用は医師会が負担する。
医師会病院の狩野稔久院長(63)は、熱心に研修に取り組む2人に期待を寄せながら「プログラムの仕組みや受け入れ態勢をしっかりと整えたい」と力を込める。
上垣内医師は「将来はへき地医療に携わりたい」と意欲に燃え、松原医師も「医師が少ないところでも、住民が安心して医療を受けられる支えになりたい」と誓う。