患者からのコロナワクチン相談はどう対処?
「コロナワクチンを接種するべきでしょうか?」
最近外来の終わりに、必ずと言ってよいほど患者からこの質問をされます。皆さんの中でも既にそうした経験を持つ医療者もいるかと思います。パンデミック下に急ピッチで生産されたワクチンの副反応に不安を覚える国民が国内外を問わず多くいます。
スイスのダボス会議の主催団体として知られる「世界経済フォーラム」と民間の調査会社「イプソス」による意識調査によると、日本では「ワクチンの接種に同意する」と答えた人は69%(15カ国平均は73%)と先進国の中では比較的低い数値となっています(下記参照)。同意しない理由のうち、「副反応への懸念」と答えた人が62%と多く、副反応への懸念が最も低かったアメリカの2倍以上となりました。
4月には新型コロナの感染で重症になるリスクが高い65歳以上の高齢者への接種が始まる見通しです。国を挙げての事業となるワクチン接種の究極の目標は、集団免疫を獲得し、国内の感染増加を抑え込むことにあります。そのためには、どれだけ多くの人に接種してもらうかが鍵を握ります。
つまり私たち医療者も患者さんが抱えるワクチンへの不安に対して向き合い、的確な情報を提示していくことが必要になるでしょう。ではこうした患者さんに、私たち医療者ができる適切なヘルスコミュニケーションは何なのか、皆さんと考えていきたいと思います。