沖縄県立中部病院でクラスター 5月下旬、50人感染16人死亡 きょう院長ら会見
うるま市の県立中部病院で5月下旬に、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生し、患者36人、職員14人の計50人が感染した。29日時点で患者16人が亡くなった。30日の県議会一般質問で、照屋守之氏(沖縄・自民)の質問に県が答えた。中部病院は新型コロナに対応する重点医療機関。1日に玉城和光院長らが会見を開き、クラスターについて説明する。
県によると、クラスターの発生は5月25日。県は6月上旬に「うるま市の医療機関で職員1人と患者4人」と発表したが、その後の詳細は発表していなかった。亡くなった16人のうち、6人は公表済みという。照屋氏は「組織的な隠ぺいではないか」と指摘したが、県の大城玲子保健医療部長は「発生状況や遺族への確認手続きを進めているところ」と、隠ぺいを否定した。
発生当初の5月末は院外への感染拡大や診療制限がないとして発表しなかったという。中部病院は6月10日、6月2日から11日までとしていた診療制限を20日まで延長すると病院ホームページで発表した際、クラスター発生についても触れていた。その後、県と中部病院の間では情報を共有していたものの、公表については県も病院も協議しなかったという。
県の対応に医療関係者は「公表は遅過ぎたと思う。(県と病院が)組織的に隠ぺいしたと受け取られても仕方がない」と断じた。