英、水際対策を再び緩和 首相、新変異株と共生強調
【ロンドン、ローマ共同】ジョンソン英首相は5日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う水際対策を再び緩和すると下院で表明した。ワクチン接種の普及や、新変異株オミクロン株がこれまでの変異株より重症化率が低いとの認識を踏まえ「ウイルスとの共生」の姿勢を改めて強調した。
緩和策はワクチン接種を完了した人を対象に、首都ロンドンなどを含むイングランドで入国者に課している渡航前のウイルス検査を免除する。入国後のPCR検査で陰性結果が出るまで求めている自主隔離もなくす。
ジョンソン氏はオミクロン株が主流となった今、流行初期に取った厳しい入国規制は「限定的な効果」しかなく、旅行業界への打撃だと指摘。国内の検査態勢強化と併せ、緩和策を「コロナと共生できるバランスの取れた方法だ」と強調した。
英政府は昨年10月に同様の緩和策を実施していたが、その後のオミクロン株流行を受けて水際対策を強化。一時は南アフリカなどからの航空便の乗り入れを禁止した。
一方、英当局の5日の発表では1日当たりの新規感染者が19万4747人に達し、感染拡大が続いている。
イタリア、フランスでは5日、1日の新規感染者がそれぞれ過去最多の18万9109人、33万2252人を記録。イタリア政府は新型コロナワクチン接種を50歳以上に義務付けることを決めた。