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新型コロナが流行した3年 未知の敵、我慢と手探り 5類引き下げ、変わる生活様式 「第9波」難しくなる監視

2023年05月07日 17時15分06秒 | ウイルス

新型コロナが流行した3年 未知の敵、我慢と手探り 5類引き下げ、変わる生活様式 「第9波」難しくなる監視

 2023年5月5日 (金)配信毎日新聞社
 
 私たちは「長いトンネル」を抜けたのだろうか。

 2020年3月、新型コロナウイルスの感染者がじわじわと増え始め、衝撃的なニュースが流れた。タレントの志村けんさんが感染して死去。欧米で爆発的に流行していたこともあり、一気に警戒感が高まった。

 4月7日、安倍晋三首相は初の緊急事態宣言を発令した。市民に外出自粛を、飲食店に営業自粛を求めた。感染者数を抑えた代償に、経済は低迷。非正規労働者を中心に、困窮する人々が続出した。

 20年9月に発足した菅義偉政権は、感染対策と経済活動との両立を重視した。感染者数が増えても、観光支援策「GoToトラベル」をできるだけ継続した。ところが、流行の波が再び拡大し、政府はやむなく緊急事態宣言を繰り返した。

 第5波では感染力の強いデルタ株が流行し、重症患者が増えた。病床が逼迫(ひっぱく)し、患者の救急搬送先が見つからない状況に陥った。

 感染力がさらに高いオミクロン株が登場すると、流行の波は当初と比べて桁違いに膨れ上がった。22年夏、1日あたりの新規感染者数は26万人、23年初めには1日あたり死者数が500人を超えた。

 一方、8割の人がワクチンの2回接種を終え、死亡率は下がった。厚生労働省の資料によると、80歳以上の感染者の死亡率は21年7~10月の7・92%から、22年7~8月は1・69%となった。

 政府は8日、感染症法上の位置づけを、季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げる。今後は緊急事態宣言や感染者の隔離などの強制的な措置ができなくなる。ただし、ウイルスの性質が変わったわけではなく、医療の逼迫が起きない保証はない。対策をどこまで緩めるか、手探りが続きそうだ。

 ◇5類引き下げ、変わる生活様式 医療機関広がる受け皿/全数把握→「定点」に/医療費支援、段階的に減少

 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが8日、5類に引き下げられる。発熱などの症状があり感染が疑われる場合、どこで診てもらえるのか。

 5類移行に伴って、原則として季節性インフルエンザと同じように、自分で医療機関を選べるようになる。これまでのように、自治体が指定する「発熱外来」に予約をして受診する必要はなくなる。

 これまで新型コロナ患者を受け入れていたのは、今年2月時点で全国約4万2000の医療機関だった。今月8日には4万4000の医療機関まで増える見込み。政府は将来的に受け入れ先を、約6万4000の医療機関に増やす方針を示している。

 ただ、受け入れ態勢の準備などもあり、診療するかどうかの判断は各医療機関に委ねられるため、受け入れ先がすぐに増えるとは限らない。そこで都道府県は当面、受け入れ可能な医療機関名などを公表する仕組みを続ける。

 一方、入院患者の受け皿も広がる。顔色が明らかに悪かったり意識がおかしかったりした場合、政府は「ためらわずに救急車を呼んでほしい」と呼びかけていて、それ以外はかかりつけ医などへの相談を勧めている。

 このため、新型コロナの入院患者を受け入れてこなかった約3200病院にも受け入れを促し、全国の全病院約8200カ所で受け入れ態勢を整える。

 5類移行により、感染時の療養期間(原則7日間)中に求めていた法律に基づく外出自粛の要請がなくなる。ただし、発症後5日間は他人に感染させるリスクが高いことから、政府は、発症日を除いて5日間は外出を控えることを勧めている。

 小中学校などの登校は「発症後5日経過」「症状が治まってから1日経過」という両方の条件を満たすまでできない。

 5類移行により感染者数の公表方法も変わる。これまでは毎日、報告があった全ての感染者数を公表する「全数把握」だった。今後は全国約5000の医療機関から情報を集め、週1回公表することで流行を把握する「定点把握」になる。

 毎日公表されていた死者数については、月ごとの人口動態統計で公表されることになる。ただ、公表のタイミングは当該月の5カ月後になる(当面は2カ月後にも公表)。

 これまで新型コロナの検査と陽性判明後の診療は無料だった。5類移行後は患者の負担が急に増えないよう、政府は公費による支援を段階的に減らしていく。外来では、飲み薬など薬代への支援が9月末までは続くが、それ以外の医療費は通常の医療と同様になる。

 入院治療でも、9月末まで薬代への公費支援などを続けるが、医療費や食事代などは個人負担にする。

 一方、ワクチン接種について、今年度は秋冬に5歳以上の全ての人が無料で受けられる。高齢者ら重症化のリスクが高い人は、春夏に前倒しして接種を受けられる見通し。

 ◇「第9波」難しくなる監視

 国内ではこれまでに8回の感染の波を経験し、波ごとに感染規模が拡大する傾向が続いてきた。5類移行で感染者数の集計や公表はなくなり、感染拡大が起きた場合に状況は見えづらくなる。

 厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」の4月19日の会合で示された専門家チームの見解によると、献血者の抗体調査の結果、新型コロナに感染した人は42%だった。86%の英国を大きく下回る。こうしたことから第9波について、「第8波より大きな規模になる可能性も残されている」と指摘した。死亡者については、高齢者を中心に「継続的に発生する状況になる可能性がある」としている。

 国は、人が排出するウイルスが流れ込む下水を監視するなど、新たな流行状況の把握の仕組みを検討する。だが専門家チームは「流行状況のモニタリング(監視)の精度は落ちる」としている。

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子の医療拒否、3割「経験」 中核55病院 宗教理由、輸血など 毎日新聞調査

2023年05月07日 17時09分45秒 | 行政

子の医療拒否、3割「経験」 中核55病院 宗教理由、輸血など 毎日新聞調査

 2023年5月5日 (金)配信毎日新聞社
 

 宗教を理由に保護者が子どもへの医療を拒む事例が後を絶たない。毎日新聞のアンケート調査に応じた全国の55病院のうち、約3割の18病院が過去10年間に子どもへの医療拒否を経験し、少なくとも計48件に上った。厚生労働省は子どもへの医療拒否を虐待としているが、成人患者が宗教的信念に反して輸血されたケースでは病院側に賠償を命じた判例もある。救命を最優先とする一方で、信仰への配慮も求められる医療現場の苦悩が浮かぶ。(3面に「宗教と子ども」)

 毎日新聞は2~3月、日本小児科学会が「中核病院小児科」として登録する全国の119病院を対象にアンケートを実施し、55病院が回答した(回答率46・2%)。中核病院小児科は、大学病院や小児医療センターなど小児医療の中核となる医療機関。重篤な患者に対応する3次救急や高度医療を提供している。

 調査結果によると2013~23年、宗教を理由とする子どもへの医療拒否が「ある」と回答したのは18病院。件数ベースでは少なくとも計48件が確認された。

 拒否内容は複数選択で「輸血」が最も多く13件。次いで「投薬」が6件。「予防接種」「受診・入院」「手術」がそれぞれ3件。内容を明らかにしない病院もあった。

 医療拒否への対応は複数選択で「保護者を説得した」が最多の8件。「児童相談所や自治体に通告・相談した」が6件、「転院先や他の医療機関を紹介した」が5件だった。現在、両親との協議が続いている病院もあった。

 「対応に迷ったか」という設問では、8病院が「迷った」と回答。患者である子どもの意思確認の難しさを挙げる意見が目立った。ある病院は「重篤な疾患だったので(患者は)逝去された。小児は基本的に親の影響が強く、本人の意思がわからず、小児科医はじくじたる思いだった」と述べた。

 「親の同意が得られなくても生命の危険がある場合は輸血や治療をするか」との問いには、31病院が「する」と回答。「しない」はゼロで、「どちらともいえない」が16病院。8病院は未回答だった。

 キリスト教系新宗教「エホバの証人」は輸血を拒否する教義で知られる。他の宗教でも投薬や予防接種などを拒むケースがある。55病院のうち50病院は、輸血拒否への対応を定めた独自の指針があると回答した。

 安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけに「宗教2世」の存在が注目される中、厚労省は22年12月、医師が必要と判断する医療行為を子どもに受けさせないことは虐待の一種である「ネグレクト」(育児放棄)に当たるとして、自治体などに対応を求める通知を出した。【菅沼舞、森口沙織、野口由紀】

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がん放射線治療の専用棟 出雲・島大付属病院に完成

2023年05月04日 20時04分31秒 | 大学

がん放射線治療の専用棟 出雲・島大付属病院に完成

2023年5月1日 (月)配信山陰中央新報

 がんの放射線治療をする専用棟が島根大医学部付属病院(出雲市塩冶町)に完成し29日、竣工(しゅんこう)式と内覧会があった。高性能の治療機器を導入して体制を強化し5月1日に運用を始める。

 名称は放射線治療棟で、建物は鉄筋コンクリートの平屋。延べ床面積は約1400平方メートルあり、総事業費は23億7600万円。2022年1月から12月まで工事し、その後は機器の搬入や試運転など準備を進めた。

 総事業費のうち13億600万円は機器の購入に充てCT機器のほか、高精度の治療が可能な最新の治療機器「ラディザクト」を導入した。肺がんなど、呼吸に伴い病巣が動くケースに対応し、放射線を照射できるという。周囲の正常な組織への照射を防ぎ、副作用の抑制が期待される。

 竣工式と内覧会には医療関係者ら約50人が出席した。玉置幸久放射線治療科長(45)は「都市部と同等レベルの医療の提供と、それを操る医師の育成を図りたい」と話した。

 22年の1年間に付属病院で放射線治療を受けたのは420人。これまで1980年建設の高エネルギー棟で治療してきたが、施設が老朽化したのに加え、設備更新の必要があった。

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病に無理解、社会復帰の壁 コロナ後遺症

2023年05月04日 19時59分57秒 | ウイルス

病に無理解、社会復帰の壁 5類移行で関心薄れも コロナ後遺症

 2023年5月1日 (月)配信共同通信社
 
 新型コロナウイルス感染者数が減り、5月には感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ5類に移行する中、後遺症に苦しむ人の社会復帰支援が課題になっている。倦怠(けんたい)感など症状の長期化に加え、職場の無理解が壁になり、復帰の見通しが立たない例も。政府は対策を強化する方針だが、関係者は社会の関心の薄れを懸念する。

 ▽不安

 「座るのもつらく寝ていても布団の中に引きずり込まれる感覚」。東京都の女性会社員(33)は特有の苦しさを明かす。

 昨年1月に感染、2週間で熱は下がったが、けだるさが続いた。トイレに行くのも一苦労、浴室ではシャワーヘッドが持てないほど。在宅勤務しようにもパソコン画面も見られない。後遺症患者らを多く診るヒラハタクリニック(東京)で、後遺症による「準寝たきり」状態と診断された。

 復職するたび体調を崩し休職期間は計8カ月以上に。勤務先の理解もあり、復職後も週2回早退して治療に通う。会社には感謝しているが「本当はどう思われているのか」との不安も抱える。

 生活設計が見通せない患者も。神奈川県内の病院を休職中の40代の男性看護師は「光が見えない」と訴える。2020年12月に発症。呼吸不全などが残り、現在は労災保険の給付を受けている。

 発症時、病棟にはコロナ患者が入院していたが、「院内感染の可能性は低い」とする病院側から労災申請への協力は得られなかった。自ら申請したが、認定されるまでの約半年間は収入源が一切なくなり経済的に困窮。現在も病院側からの生活支援は何もなく、協議は平行線のままだ。

 ▽もや

 聖マリアンナ医科大病院(川崎市)の後遺症外来ではソーシャルワーカーのチームが患者約80人の相談を受けてきた。3月末まで責任者を務めた桑島規夫(くわしま・のりお)さん(46)は、相談の内容は就労関連が圧倒的に多いとし、復職には会社の理解が不可欠と指摘する。

 患者の特徴として、倦怠感のほか頭にもやがかかったようになるブレーンフォグの症状がある人が多いと解説し、「書類を書くのも大変なので、手助けする人は絶対に必要」と話す。自身も後遺症外来の医師とともに、商工会議所で講演するなどして説明してきたと強調。社会にコロナ禍を忘れたいとの雰囲気があるとし、「後遺症で長く苦しむ患者がいることを忘れないで」と訴えた。

 後遺症患者への国の対策は遅れも指摘されていたが、コロナの分類が5類に移行する5月8日からは診療報酬を加算するなど強化される方針だ。

 こうした中、職場復帰や再就職支援などに取り組む自治体も。東京都世田谷区は一昨年、区民を対象に2度にわたって後遺症に関する独自調査を実施した。仕事の不安を抱える人が多いとして、労働相談窓口などと連携し、社会保険労務士らの助言が受けられるサポートを行っているという。世田谷保健所の高橋千香(たかはし・ちか)感染症対策課長は「後遺症は実態が理解されていない。今後も支援を続けていきたい」と話した。

 ※新型コロナウイルス感染症の後遺症

 感染した場合に発熱やせきなどの症状がある程度なくなってからも長く続く症状を訴える人がおり、後遺症として知られるようになった。代表的な症状は筋肉や関節の痛み、疲労感、息切れ、味やにおいの感覚の障害、記憶障害など。感染当初から症状が持続したり、しばらくたってから新たに出現したりすることがある。慶応大の研究チームのコロナで入院したおよそ千人の分析では、3カ月後に46%、半年後に41%、1年後に33%の人が少なくとも一つ以上の症状を訴えた。対応を強化するため、厚生労働省は5月8日から患者を診た医療機関への診療報酬を加算するほか、近く診療する医療機関を取りまとめて公表する。

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宿題を何度もしてしまう

2023年05月04日 19時55分26秒 | ウイルス

宿題を何度もしてしまう 感染後に記憶障害の小学生

 2023年5月2日 (火)配信共同通信社
 
 子どもが新型コロナウイルスに感染しても症状は比較的軽いことが多いと言われてきたが、後遺症に苦しんでいる人が少なからずいることが1日、日本小児科学会の調査で明らかになった。幼い子どもは症状をうまく伝えられていない可能性がある。家族や教育関係者が問題が起きていないか注意深く見守ってあげることが大切だと専門家は訴える。

 千葉県の小学4年生の男児(9)は、検査で陽性が確認されてからおよそ1カ月後に記憶障害が気になり、かかりつけ医や専門病院を受診した。数カ月で症状は良くなったが心に傷は残った。

 「前にできていたことができなくて忘れ物が多くて困った」と当時のことを振り返る。昨年4月に発熱や喉の症状が出て、かかりつけ医に連絡。抗原検査で陽性となりコロナと診断された。

 軽症でしばらく自宅で療養した。登校を再開すると、ランドセルを置いて、手を洗うといった毎日のルーティンをうまくこなせない。頭痛も頻発。同じことを何度も話してしまう。苦労して完成した割り算の宿題を「やっていないんだった」と再び探すこともあった。

 母親は大人の感染者で話題になった記憶力が低下する「ブレインフォグ(脳の霧)」を疑い、かかりつけ医に相談した。

 紹介された専門病院では脳の画像診断で異常はみられなかったものの、コロナの影響の可能性を指摘された。今は症状はほとんど気にならなくなったが、当初、周囲に気付いてもらえなかった上に、受診後も学校などで忘れやすいことへの理解がなかなか得られず、男児は、症状が軽快するまでは「長い時間に感じた」という。

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「Dr.コトー」のモデル、82歳外科医に感謝状

2023年05月04日 19時48分47秒 | 地域

「Dr.コトー」のモデル、82歳外科医に市が感謝状…専門外の治療もこなした40年

 2023年5月2日 (火)配信読売新聞
 
 鹿児島県薩摩川内市は1日、甑島の認知度アップに貢献したとして、人気漫画「Dr.コトー診療所」のモデルになった外科医・瀬戸上健二郎さん(82)に感謝状を贈った。

 瀬戸上さんは1978年5月に下甑島の手打診療所(現・下甑手打診療所)に赴任。2017年3月までの約40年間、専門外の内科や産婦人科の治療もこなし、島民の命と健康を守り続けた。

 田中良二市長から感謝状を手渡され、謝意を伝えられた後、市が甑島の医療従事者確保や医療機器整備などに充てる基金の財源について、今年4月からふるさと納税の寄付でも集められるようにしたことなどの説明を受けた。

 現在、鹿児島市で暮らす瀬戸上さんは「離島医療は一朝一夕でつくり上げることはできない。気長に努力を重ねていくことが必要。微力ながら応援させていただきたい」と述べた。

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ヒトラーとスターリンの映画(後編)を見ている

2023年05月03日 14時18分46秒 | 戦い

今、ヒトラーとスターリンの映画(後編)を見ている。

初めての情報、前編は見てないけど、

民主主義と資本主義の主義を超えて、アメリカからのソビエト援助を希望する。

ソビエト軍とドイツ軍の戦い、ヒトラーとスターリンの戦い、

1943年7月25日にソビエトは勝利する。

なんと、私の誕生の二日後なり。

二人の独裁者の最後まで見ることができる。

人間の歴史のおぞましい事実だけど、それは、1人1人の人間の戦いにも通じている。

おぞましい、人間の、悪行。

 

 

 

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コロナ対策、「感染抑制」と「経済活動」のせめぎ合い…制限緩和巡り専門家と溝も

2023年05月03日 13時53分10秒 | 行政

コロナ対策、「感染抑制」と「経済活動」のせめぎ合い…制限緩和巡り専門家と溝も

 2023年5月2日 (火)配信読売新聞
 

コロナの先へ…危機の教訓<2>

 2020年4月初旬、当時の安倍晋三首相が内閣官房や厚生労働省の幹部を首相官邸に集めた。新型コロナウイルスの感染第1波を受け、初の緊急事態宣言を出す方針は固まっていた。問題は、発令期間だった。

 事務方は「新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく政府行動計画では、3~6か月程度と想定されています」と説明し、判断を仰いだ。

 安倍氏は「宣言を出すなら最大1か月だ。それ以上はあり得ない」と断言した。長期間の行動制限には社会がもたないとの判断だ。

 同席した官僚の一人は、「確かにそうだ。理屈と本番は違うな」と納得したのを覚えている。何もかもが手探りで、コロナ担当閣僚だった西村康稔経済産業相は「まさか町中(まちじゅう)ががらんどうみたいになるとは思わなかった」と振り返る。

 コロナ対策は、「感染者数の抑制」と「社会・経済活動の維持」のどちらを重視するかのせめぎ合いだ。制限緩和の局面では、専門家の発言と政府の対応の食い違いが目立ち始めた。

 政府関係者が今も例に挙げるのが、東京五輪・パラリンピックを巡るやり取りだ。菅内閣が観客上限を最終調整していた21年6月当時、政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長が記者会見などで「無観客」にたびたび言及し、政府内から「政策判断に踏み込みすぎだ」と恨み節も漏れた。

 ただ、菅内閣で厚労相を務めた自民党の田村憲久衆院議員は「感染症の専門家が感染抑制を重視するのは当然だ」と理解を示す。むしろ、社会科学などの専門家をもっと分科会の委員に加えるべきだったと振り返り、「感染症の専門家に引っ張られて政府が政策を決め、たたかれるのは専門家。見ていて気の毒だった」と語る。

 科学者の役目は政策オプションを示すことで、決断する責任は内閣にある。結果への批判も、政治家が引き受けることになる。

 首相からコロナ対応の諮問を受ける基本的対処方針分科会の委員19人の多くは医学系で、経済系4人、弁護士2人と「非医学系」は少数派だ。

 重症化リスクの低いオミクロン株が主流になった22年の第6波。分科会委員の大竹文雄・大阪大特任教授(行動経済学)は会議で、経済低迷による失業や自殺増加などの悪影響にもっと目を向けるべきだと主張し、まん延防止等重点措置に繰り返し反対した。だが多数意見は「賛成」で、結論は「了承」が続いた。

 大竹氏は「行動制限で感染者数は減るかもしれないが、失業者や自殺者が増えるなら、どちらを選ぶのか。科学者や専門家が決める話ではないはずだ」と述べ、会議はあくまでも首相らに判断材料を提供する場であるべきだと指摘する。

 制限緩和に慎重姿勢を示す押谷仁・東北大教授(微生物学)も会議のあり方についてはほぼ同じ考えを持つ。一部の専門家が会議の外で提言を発表する姿には、「政治家が決めることに踏み込みすぎている」と感じていたという。

 政府は25年度以降、国立感染症研究所などを統合し、感染症研究の中核となる国立健康危機管理研究機構を設立する。首相への科学的知見の提供が強化される。さらに、行動制限の社会への悪影響を含め、幅広い専門家の分析を首相らが吸い上げる仕組みの構築が求められる。

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コロナ対策本部、廃止を閣議決定 政府、来月8日で

2023年05月03日 13時21分18秒 | 行政

コロナ対策本部、廃止を閣議決定 政府、来月8日で

2023年4月29日 (土)配信毎日新聞社
 
新型コロナ:コロナ対策本部、廃止を閣議決定 政府、来月8日で

 政府は28日の閣議で、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5月8日に季節性インフルエンザなどと同じ5類に移行することを受けて、政府対策本部を同日付で廃止すると決定した。

 後藤茂之経済再生担当相は閣議後の記者会見で「3年以上にわたり続けてきた新型コロナ対策は新たな局面を迎える」と指摘した。【中村紬葵】

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新型コロナ 都、対策本部を廃止へ 5類移行で「連絡会議」新設 /東京

2023年05月01日 22時15分56秒 | 地域

新型コロナ 都、対策本部を廃止へ 5類移行で「連絡会議」新設 /東京

 2023年4月29日 (土)配信毎日新聞社
 
 都は28日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」へ移行するのに伴い、新型コロナ対策本部を廃止すると発表した。移行後はあらゆる感染症を扱う「感染症対策連絡会議」を新たに常設する。

 都によると、連絡会議は副知事が座長を務め、新たな感染症が確認された時などに情報発信や医療体制のあり方を話し合う。都民への強い呼びかけが必要と判断した場合は、知事が座長の「特定感染症対策本部」などを立ち上げる。

 また、都は5類移行後の新型コロナ対策も公表した。患者のための確保病床は約7400床から段階的に減らし、9月末までにゼロを目指す。軽症から中等症の高齢者らを対象とした医療支援型施設は、8カ所(計692床)全てを当面残す。都ホームページでは、新型コロナの外来診療が可能な医療機関一覧の掲載を続ける。

 28日、最後の対策本部会議を終えた小池百合子知事は「今後の感染防止対策は個人や事業者に自主的な判断をしていただく。コロナ下で得られた知見や経験を生かし、活気あふれる日常にしていきましょう」と都民に呼びかけた。

 都内の感染動向を分析するモニタリング会議も同日で終了した。26日時点の新規感染者数(週平均)が前週より約223人増の約1389人となり、5週連続で増えたと報告された。専門家は「当面は感染拡大が続く可能性が高い」と指摘し、大型連休中の警戒を呼びかけた。

 5類移行後は感染者の全数把握はなくなり、特定の医療機関からの報告による定点把握となるなど、観測できる指標が限られる。都は分析対象の指標を見直したうえで、当面はこれまでと同じ1週間に1回の頻度で感染動向を公表する方針。【黒川晋史】

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がん放射線治療の専用棟 出雲・島大付属病院に完成

2023年05月01日 21時37分03秒 | 大学

がん放射線治療の専用棟 出雲・島大付属病院に完成

 2023年5月1日 (月)配信山陰中央新報
 
 がんの放射線治療をする専用棟が島根大医学部付属病院(出雲市塩冶町)に完成し29日、竣工(しゅんこう)式と内覧会があった。高性能の治療機器を導入して体制を強化し5月1日に運用を始める。

 名称は放射線治療棟で、建物は鉄筋コンクリートの平屋。延べ床面積は約1400平方メートルあり、総事業費は23億7600万円。2022年1月から12月まで工事し、その後は機器の搬入や試運転など準備を進めた。

 総事業費のうち13億600万円は機器の購入に充てCT機器のほか、高精度の治療が可能な最新の治療機器「ラディザクト」を導入した。肺がんなど、呼吸に伴い病巣が動くケースに対応し、放射線を照射できるという。周囲の正常な組織への照射を防ぎ、副作用の抑制が期待される。

 竣工式と内覧会には医療関係者ら約50人が出席した。玉置幸久放射線治療科長(45)は「都市部と同等レベルの医療の提供と、それを操る医師の育成を図りたい」と話した。

 22年の1年間に付属病院で放射線治療を受けたのは420人。これまで1980年建設の高エネルギー棟で治療してきたが、施設が老朽化したのに加え、設備更新の必要があった。

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