Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲第2番「統合体」を聴く

2022-07-11 22:21:05 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
今回は1903年生まれのルイス・ウンベルト・サルガードが、
1953年に作曲した交響曲第2番「統合体」を取り上げる。
この交響曲は単一楽章制の作品である。
聴いたCDはミヒャエル・マイスナー指揮、
クエンカ交響楽団の演奏である。
小太鼓のクレシェンドする音に始まり、
木管楽器が奏でる民謡風の旋律が奏でられ、
金管楽器も旋律を奏でていくが、
これらは東洋風でもあり親しみやすい旋律である。
木管楽器にはとても哀愁漂う感傷的な旋律が現れ、
それは弦楽器全体で奏でられ、繰り返されていく。
カデンツァ風のヴァイオリン独奏の部分が現れ、
次に現れる旋律も魅力的な旋律である。
前に出てきた旋律も再び現れ、なかなか面白い。
交響曲を聴いているという感じではなく、
構えていくという感じではなく、
どんな音楽になっていくのだろうと楽しく聴ける。
哀愁漂う感傷的な旋律が弦楽器により再び現れ、
徐々に盛り上がりをみせ、明るい感じになっていく。
その旋律は金管楽器に受け継がれていき、
冒頭の旋律が現れたあと、最後盛り上がって終わる。
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ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲第7番を聴く

2022-07-10 18:18:53 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
昨日は松戸のみのり台駅近くにある兄の墓参りに行きました。
兄が亡くなったのは61歳で、私も今年同じ年齢です。
ずっと行くことができなかったのですが、
久しぶりに行き、線香をあげてきました。
さて、今回は1903年生まれのルイス・ウンベルト・サルガードが、
1970年に作曲した交響曲第7番を取り上げる。
聴いたCDはミヒャエル・マイスナー指揮、
クエンカ交響楽団の演奏である。
第一楽章アダージョ・ソステヌート~
アレグロ・コン・アニマは、
木管楽器と弦楽器の響きの序奏で始まる。
やや重々しい感じであるが、そのあと軽快な主部に入る。
弦楽器が速く流れるような旋律を奏でていき
木管楽器も絡んでいき、軽やかさもあるが、
打楽器がせかせるような感じでもある。
最後はテンポアップして盛り上がり、
ティンパニの音が鳴り響いて終わる。
第二楽章アダージョ・ソステヌートは、
木管楽器で始まり、チェロが呼応し、
ハープの音も入り、オーボエが旋律を奏でていく。
やがて弦楽器が旋律を奏でるが、やや悲しげである。
木管楽器は対照的に明るく軽やかである。
ハープの音が神秘的な雰囲気を出し、
最後は金管楽器中心に盛り上がって終わる。
第三楽章アレグレット・ノン・トロッポは、
弦楽器とおどけたようなクラリネットの旋律で始まる。
舞踏的な感じの旋律が弦楽器によって奏でられていき、
木管楽器もそれを引き継いでいき、
打楽器と金管楽器も加わり盛り上がっていく。
中間部は木管楽器中心に音楽が展開され、
ハープの音も絡んでいく。
冒頭の舞踏的な旋律が繰り返され、
打楽器と金管楽器で盛り上がって終わる。
第四楽章アレグロ・マエストーソは、
金管楽器がファンファーレ風の明るい旋律を奏でて始まる。
ハープと鐘の音が入り、木管楽器により旋律が引き継がれる。
弦楽器が奏でる突き進むような旋律とは別に、
冒頭のこの明るい旋律は何度も楽器を替えて現れる。
最後は金管楽器中心にその旋律が奏でられ、盛り上がって終わる。
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ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲第9番「統合体」を聴く

2022-07-03 19:16:28 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
今回は1903年生まれのルイス・ウンベルト・サルガードが、
1975年に作曲した交響曲第9番「統合体」を取り上げる。
交響曲第2番と同様に単一楽章制の作品で、
どちらにも「統合体」という副題が付いている。
聴いたCDはミヒャエル・マイスナー指揮、
クエンカ交響楽団の演奏である。
「アレグロ・クワジのテンポで」で始まる。
力強くリズミックな旋律が弦楽器と金管楽器で奏でられる。
荒々しさと軽快さがみられる音楽が続くが、
独奏チェロが入るあたりから音楽が変化し、
金管楽器などにフーガ風の展開がみられもする。
ファゴットなど木管楽器が活躍するゆったりとした部分を経て、
フルートやクラリネットが活躍する軽快な舞踏風な音楽の部分に入り、
金管楽器と弦楽器中心に盛り上がったところで、
最後はあっさりと予期しないところで終わる。
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ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲第1番「アンデス」を聴く

2022-07-02 22:08:52 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
北アメリカの作曲家の作品をとりあげているが、
ここで南アメリカの作曲家の作品もあげておく。
今回は1903年生まれのルイス・ウンベルト・サルガードが、
1949年に作曲した交響曲第1番「アンデス」を取り上げる。
ルイス・ウンベルト・サルガードはエクアドルの作曲家である。
父が創設した国立音楽院で学び、1924年には卒業したようだ。
卒業後は音楽院の教授として教える一方で、
作曲家としては9つの交響曲を残している。
聴いたCDはミヒャエル・マイスナー指揮、
クエンカ交響楽団の演奏である。
第一楽章アレグロ・モデラート(サンファニート)は、
鐘の音で始まり、木管楽器とハープで民謡の旋律が奏でられる。
繰り返される鐘の音と民謡風の旋律がとても印象的である。
サンファニートとはエクアドルの伝統的な踊りである。
主題は確かに変形され展開されていき、確かに再現部もある。
だが、交響曲というイメージとは違う気がしてしまう。
何とも親しみやすい音楽に気持ちをとられてしまうが、
不思議な感じにさせてしまう楽章である。
最後は金管楽器中心に盛り上がったところで終わる。
第二楽章ラルゲット(ヤラビー)は、
第一楽章冒頭の鐘の音の旋律をホルンが奏でて始まる。
ヴァイオリンが切ない感じの旋律を奏でるが、
ヤラビーとはアンデス地域の哀歌のようで、
メスティーソ層で歌われたもののようだ。
木管楽器やチェロがその旋律を引き継いでいくが、
ここでも親しみやすい民謡的な舞踏的な旋律が奏でられていく。
ロマンティックに盛り上がるところもあり、
ヴァイオリンのソロが入り、最後は静かに終わる。
第三楽章アレグロ・センプリチェ(踊り、ヴィヴァーチェ)は、
オーボエが愛らしい旋律を奏で、金管楽器などの音と呼応する。
木管楽器が中心となって活躍し、舞踏的な旋律を奏でていく。
第四楽章フィナーレ-アレグロ・ヴィーヴォは、
やや荒々しい舞踏的な音楽で始まる。
このあたりはヒナステラを想起させるところある。
アルパソはエクアドル高地のダンス音楽であるが、
旋律はそれをもとにしているようではある。
鐘の音が鳴り、そのあとも荒々しい音楽が繰り返される。
金管楽器中心に高揚したところで最後突然終わる。
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エベンシオ・カステリャーノスの「パカイリグアの聖なる十字架」を聴く

2016-06-29 06:47:26 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
今回取り上げるのは1915年生まれのベネズエラの作曲家、
カステリャーノスが1954年作曲した管弦楽曲、
「パカイリグアの聖なる十字架」である。
父からオルガンを幼い時期に学び、ピアノはカラカスで、
ラファエル・ゴンザレス・グイアに師事した。
その後カラカス大聖堂のオルガン奏者の助手を務め、
やがてはオルガン奏者としての地位を得るようになった。
また聖礼拝堂学校(escuela de santa capilla)で、
作曲法を学び、他の作曲家の影響も受けたようだ。
聴いたCDはヤン・ヴァグネル指揮、
ベネズエラ交響楽団の演奏による。
トランペットの奏でる旋律に始まり、
打楽器の叩く強烈なリズムと、
トランペットの音が絡み合っていく。
そのあと弦楽器と木管楽器が牧歌的な旋律を奏で、
金管楽器や木管楽器が絡んで、盛り上がっていく。
強烈なリズムや各楽器が奏でる旋律が絡み合うところが、
とても印象的であり、ラテン的な盛り上がりがいい。
中間部は静かになって、チェロが旋律を奏で、
ハープの音の上で弦楽器がゆったりとした旋律を奏でて、
それまでとは対照的な感じとなり、
夜の雰囲気を示している感じでもある。
そのあと弦楽器のピチカートから舞踏風の音楽になる。
そして鳥のさえずりを示すような木管楽器の調べ、
それから独奏ヴァイオリンの奏でる甘美な旋律が続き、
鐘の音が鳴り響いた後、ティンパニの音ともに、
ホルンも鳴り響き、重々しい旋律が奏でられる。
徐々に打楽器が強烈なリズムを刻み始め、
それと聖歌風の旋律が絡み合っていく。
そして弦楽器によりフーガ風の旋律が奏でられたあと、
金管楽器と弦楽器により明るく軽快に旋律が奏でられ、
盛り上がりをみせていき、最後力強く終わる。
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