Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ヨハン・ハインリヒ・シュメルツァーの「フェンシング指南」を聴きながら、横浜から和田町まで歩く

2009-06-30 03:33:24 | バロック音楽器楽曲・室内楽曲編
昨日は横浜から和田町まで歩きました。
途中聴いたのは、1623年頃生まれたシュメルツァーの作品である。
彼はオーストリア生まれの作曲家であり、
1649年以降レオポルド1世の宮廷作曲家を務めたようだ。
1679年にはドイツ系としては初めての宮廷楽長に就任したようで、
ヴァイオリニストとして活躍したばかりでなく、
多くのバレエ音楽や器楽曲を残したようである。
「フェンシング指南」の作曲年代の詳細はわからない。
今回聴いたCDはニコラウス・アーノンクール指揮、
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクムによる。

標題音楽の一つ「フェンシング指南」は、
2つのアリアとサラバンド、クーラント、
フェンシング指南、外科医のアリアからなる短い作品である。
軽快に始まるその音楽は軍隊風な歩みを描写し、颯爽としている。
続くサラバンドやクーラントなどは舞曲風で宮廷的であり、優雅である。
フェンシング指南では突っつきあう闘争的な場面が、
独奏ヴァイオリンと他の弦楽器・通奏低音で描写される。
速いテンポで、激しさ、荒々しさを表現するところは、
弟子のビーバーを想起させるところがある。
最後の外科医のアリアは傷ついた敗者が、
傷に包帯を巻き、悲しい感じでそっと静かに終わる。
皮肉な部分、風刺的な部分がここに表現されるようである。

なお、前回までとりあげたバロック音楽協奏曲・管弦楽曲編の
CD等の情報は、以下のアドレスに載せてあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/baroque_orchestral_music_cd.html
参考にしていただければ幸いです。
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大雨の日、そしてカルロ・ファリーナの常軌を逸したカプリッチョを聴きながら

2009-06-29 05:16:05 | バロック音楽協奏曲・管弦楽曲編
雨が強く降り始めたのと多忙さが重なり、
今日はウォーキングを休みました。
今回取り上げるのは、1600年頃生まれたファリーナの作品である。
イタリアのマントヴァに生まれた彼は、
技巧派のヴァイオリニストだったようで、
1625年にドレスデンに招かれ、1626年から1629年の間、
宮廷のコンツェルトマスターを務めた人物である。
イタリア器楽をドイツやオーストリアに、
普及することに貢献したようで、ボンやウィーンでも活躍した。
常軌を逸したカプリッチョは1627年に作曲されたようだ。
今回聴いたCDはニコラウス・アーノンクール指揮、
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクムによる。

常軌を逸したカプリッチョは標題音楽である。
したがって、弦楽器を使いながら、その技巧を駆使し、
いかに別のものを描写できるかというところが重要なのだろう。
音楽は、最初舞踏風の軽快で華やかな感じで始まる。
まだルネサンス音楽のスタイルがそこに残っているところがある。
主題を変奏しながら、様々なものを描写するようだが、
とりわけ、弦を弓の木の部分で叩くコル・レーニョの奏法、
鶏の鳴き声、猫の鳴き声、犬のほえる声などは、
初めて聴いても比較的わかりやすい感じがする。
またシンコペーションによる部分は、
スペインのギターで奏されるフラメンコなどの
強烈なリズムを連想させるものである。
そのあたりでみせる弦楽器奏法の可能性を引き出そうとする
意欲はすごいものだと思うし、面白いものである。
最後は消え入るようにして静かに終わる。
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ジャコモ・ファッコの協奏曲「和声復興への考察」作品1を聴きながら、二俣川から西谷まで歩く

2009-06-28 07:01:10 | バロック音楽協奏曲・管弦楽曲編
昨日は二俣川から西谷駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1676年生まれのファッコの作品である。
イタリアのヴェネツィアに生まれた彼は、
ヴァイオリニストとして活躍した作曲家である。
シチリアやスペインの宮廷で雇われて活躍したようだ。
協奏曲「和声復興への考察」作品1の第1集は1716年に、
第2集は1718年にアムステルダムで出版されたようだ。
今回聴いたCDはラルテ・デ・ラルコの演奏で、
フェデリコ・グリエルモのヴァイオリンと指揮による。
ここでは協奏曲ホ短調作品1の1についてとりあげる。

第一楽章アレグロは、ヴィヴァルディの協奏曲を思わせる。
しかし軽快でありながら激しさ、荒々しさのある曲で、
ヴァイオリニストとして活躍しただけあって、
ヴァイオリン独奏の部分は素晴らしい。
第二楽章アダージョは、おだやかな牧歌的な楽章で、
ヴァイオリン独奏が中心となって活躍する。
そのヴァイオリンの優雅で甘美な演奏がとてもいい。
第三楽章アレグロは、最初の主題をもとに、
それぞれの弦楽器によって対位法的な展開が行われる。
軽快ではあるが、その主題の展開が面白い。
最後はゆったりとしたテンポになって終わる。
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ウォーキングはお休み、そしてフランチェスコ・ジェミニアーニの合奏協奏曲第5番ト短調

2009-06-27 10:25:28 | バロック音楽協奏曲・管弦楽曲編
昨日は飲み会があったため、ウォーキングは休みました。
今回とりあがるのは、1687年生まれのジュミニアーニの作品。
彼は、イタリアのルッカに生まれ、コレルリ(コレッリ)や
スカルラッティ、ロナーティなどに師事したようだ。
ヴァイオリン奏者としてロンドンやダブリン中心に活躍した。
合奏協奏曲第5番ト短調は1726年に出版された。
師コレルリのヴァイオリン・ソナタ作品5を、
合奏協奏曲用に編曲したものなので、
純粋に考えると彼の作品とはいえない。
コレルリによる原曲は5楽章まであるのだが、
ジュミニアーニはそのうちの1楽章をカットして、
4楽章制の作品にしあげているようだ。
今回聴いたCDはイ・ムジチ合奏団によるものである。

第一楽章アダージョは、悲壮な感じの合奏で始まる。
ゆっくりと歩むようなテンポで弦楽器が奏す旋律は、
叙情的であるとともに気品のある音楽である。
第二楽章ヴィヴァーチェは、軽快なテンポで、
旋律を弦楽器が対位法的に扱いながら、展開していく。
最後はテンポが遅くなって静かに終わる。
第三楽章アダージョは、叙情的な旋律を
弦楽器が奏していく牧歌風の音楽である。
第四楽章アレグロは、ヴァイオリン独奏中心に、
主題を奏でながら、曲は進行していく。
他の弦楽器はそれをそっと支えるように音を加え、
軽快なテンポであっという間に終わる。
師コレルリへの敬愛の気持ちがそこにはあるのだろうか。
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アルカンジェロ・コレルリの合奏協奏曲ニ長調作品6の7を聴きながら三枚町から西谷まで歩く

2009-06-26 05:40:48 | バロック音楽協奏曲・管弦楽曲編
昨日は三枚町から西谷駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1653年生まれのコレルリ(コレッリ)の作品。
彼の略歴については以前に触れたので省略する。
合奏協奏曲ニ長調作品6の7は1714年に出版された。
コレルリの亡くなった翌年に弟子のフォルナーリが、
その遺志をついでアムステルダムで出版した。
今回聴いたCDはジーン・ラモン指揮、
ターフェルムジークの演奏のものである。
今回はCDの中の6つある合奏協奏曲の中の、
合奏協奏曲ニ長調作品6の7についてのみとりあげる。

第一楽章ヴィヴァーチェ-アレグロ-アンダンテは、
さわやかに軽やかに弦楽器全体の合奏で始まり、
弦楽器独奏による掛け合いによる展開していく。
華やかさをみせながら途中ゆったりとしたテンポとなり、
ヴァイオリン独奏と合奏が交互に繰り返され、最後静かに終わる。
第二楽章アレグロは、弦楽器の合奏の部分と
弦楽器の独奏の部分を交互に繰り返し、
軽快で華麗な音楽が展開され、最後おだやかに終わる。
第三楽章アンダンテ・ラルゴ-アレグロは、
合奏の部分と独奏の部分を交互に繰り返し、
ゆったりとしたテンポの中、叙情的な旋律を奏でる。
後半はヴァイオリン・ソロから始まるアレグロの部分となり、
対位法的な展開をみせながら、最後静かに終わる。
第四楽章ヴィヴァーチェは、さっそうとした感じで始まる。
合奏の部分と独奏の部分を交互に繰り返す対比の部分がいい。
短い曲で、最後はおだやかにそして優雅に終わる。
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