Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

セルゲイ・イワノヴィッチ・タネーエフの交響曲第2番変ロ短調を聴く

2019-11-03 11:43:22 | 古典~現代音楽ロシア編
今日、郵便受けをみると喪中はがきが入っていて、
そんな時期になったんだなと思い、文面を見ると、
以前同じ職場に働いていた同僚が4月に亡くなっていたことを知った。
職場から帰る時に一緒になって、よく世間話をしていた人物だ。
どうしているのかと思っていたら、そういうことだったのか。
また会って話をしたいなと思っていた人を失ったことはつらいです。
今回は1856年に生まれたチェコの作曲家カラビスが、
1877年までに第1楽章と終楽章のスケッチを完成させたが、
結局未完成に終わった交響曲第2番変ロ短調をとりあげる。
今回のものは1977年ウラディミール・ブロクにより補筆完成された版である。
今回聴いたCDはトーマス・ザンデルリング指揮、
ノヴォシビルスク・アカデミック交響楽団の演奏によるものである。

第一楽章導入とアレグロは、木管楽器中心に重々しくゆったり始まる。
その民謡的な旋律が続いたあと、弦楽器に中心が移り、金管楽器も加わり、
壮大な感じになったあと、再び木管楽器が活躍した後、
主部のアレグロに入り、生き生きとした旋律が奏でられる。
やがて、金管楽器も加わり力強く盛り上がり、
続けて牧歌的な穏やかな旋律が奏でられる。
展開部に入り、主部の旋律をもとに変形されていく。
このあたりの展開の手法は若い時期に書かれているものの、
対位法的な手法を使い、優れているという感じを受ける。
師のチャイコフスキーがこの交響曲を完成させるようにと、
言ったことはうなずけるし、その非凡な才能を彼に見出したのだろう。
最後は盛り上がって終わるのではなく、穏やかな感じで終わる。
第二楽章アンダンテは、抒情的な旋律が奏でられていく。
中間部に弦楽器が奏でる旋律はとてもロマンティックである。
金管楽器も加わり華やかになったあとは、穏やかになり、
弦楽器中心に旋律が奏でられ、最後穏やかに終わる。
第三楽章アレグロは、ティンパニの強打のあと、
金管楽器と弦楽器で明るく力強い主題が奏でられ、繰り返されていく。
対位法的な主題の扱いもみせながら、民謡風の主題は繰り返され、
ロシア的な重厚感のある中、最後は盛り上がったところで堂々と終わる。
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リムスキー=コルサコフのドゥビヌシカ作品62を聴く

2016-04-06 19:26:00 | 古典~現代音楽ロシア編
今回取り上げるのは1844年生まれのリムスキー=コルサコフが、
1905年に作曲し06年改訂したドゥビヌシカ作品62である。
聴いたCDはエルネスト・アンセルメ指揮、
スイス・ロマンド管弦楽団の演奏による。
革命歌として労働者や農民たちに歌われたのが、
民謡「ドゥビヌシカ(小さな樫)」であり、
それをオーケストラに編曲したのがこの作品である。
力強く勇気づけられるような旋律で、
金管楽器も加わり盛り上がったところで終わる。
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モデスト・ムソルグスキーの歌劇「ホヴァンシチナ」より前奏曲「モスクワ河の夜明け」を聴く

2016-04-05 06:08:48 | 古典~現代音楽ロシア編
今回取り上げるのは1839年生まれのムソルグスキーが、
1872年から80年にかけて作曲した歌劇「ホヴァンシチナ」より、
前奏曲「モスクワ河の夜明け」である。
聴いたCDはエルネスト・アンセルメ指揮、
スイス・ロマンド管弦楽団の演奏による。
弦楽器の奏でる旋律を木管楽器が引き継いで始まる。
夜明けを思わせるような描写のあと、木管楽器の奏でる旋律は、
ロシア民謡的であり、とても魅力的である。
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アントン・ルービンシュタインの交響曲第1番ヘ長調作品40を聴く

2016-04-03 11:10:50 | 古典~現代音楽ロシア編
今回取り上げるのは1829年生まれのルービンシュタインが、
1850年に作曲した交響曲第1番ヘ長調作品40である。
聴いたCDはロベルト・スタンコフスキー指揮、
スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第一楽章アレグロ・コン・フォーコは、生き生きとした旋律で始まる。
弦楽器で示される明るく軽快な第一主題はメンデルスゾーンを思わせ、
木管楽器で現れる第二主題も明るく、同様である。
提示部が終わると展開部に入り、第一主題から変形されていく。
フルートやクラリネット、弦楽器へと変形された主題が受け継がれ、
再現部を経て盛り上がりをせみたあと、最後は力強く終わる。
第二楽章アレグロは、軽快で力強い主題が弦楽器に示されて始まる。
スケルツォ楽章にあたる楽章といえ、中間部のトリオは流れるように
牧歌風の旋律が奏でられていき、再び冒頭の旋律が奏でられて終わる。
第三楽章モデラートは、弦楽器により重々しく沈鬱な感じで始まる。
曲の雰囲気はメンデルスゾーンの交響曲第4番の第二楽章を思わせる。
中間部は対照的で明るく流れるような感じで、それが終わると再び冒頭の旋律が現れ、
沈鬱な感じの中で、盛り上がりをみせたあと、木管楽器が旋律を引き継ぎ、
弦楽器とホルンの音が残り、最後穏やかに終わる。
第四楽章アレグロは、明るく生き生きとした第一主題で始まる。
牧歌的な第二主題もあわせ、やはりメンデルスゾーン風である印象を受ける。
二つの主題は展開され、最後は明るく盛り上がりをみせて終わる。
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アレクサンドル・スクリャービンの交響曲第1番ホ長調作品26を聴く

2016-04-02 09:07:16 | 古典~現代音楽ロシア編
今回取り上げるのは1872年生まれのスクリャービンが、
1900年に作曲した交響曲第1番ホ長調作品26である。
聴いたCDはステファニア・トツィスカのメゾ・ソプラノ、
マイケル・マイヤーズのテノール、ウェストミンスター合唱団、
リッカルド・ムーティ指揮、フィルハーモニア管弦楽団の演奏による。
第一楽章レントは、弦楽器による淡いゆらめきの音で始まる。
そして、その中からクラリネットの音が現れ、旋律を奏でていき、
それをフルート、ヴァイオリンなどの楽器が引き継いでいく。
自然の風景を思わせるかのように、フルートなど木管楽器が絡んでいき、
やがて独奏ヴァイオリンがゆったりと旋律を奏で、甘美で美しい。
第二楽章アレグロ・ドラマティーコは、力強い旋律から始まる。
甘美的で牧歌的な部分と、金管楽器と打楽器による力強い部分と、
が交互に入り、ドラマティックな展開をしていき、ワグナー風でもある。
第三楽章レントは、再び第一楽章の雰囲気に戻る感じで、
弦楽器のゆらめく音の上でクラリネットが旋律を奏でて始まる。
やがて高揚していくところやそれが静まる部分はワグナー風である。
ロマンティックな部分が溢れており、耽美的である。

第四楽章ヴィヴァーチェは、軽快な弦楽器の旋律に、
金管楽器や木管楽器が絡みながら始まる。
中間部は木管楽器が活躍し、牧歌的な感じである。
再び冒頭の旋律が現れて、最後は可愛らしく終わる。
第五楽章アレグロは、重々しく情熱的な旋律で始まる。
この楽章も耽美的な部分が続き、高揚したあと最後力強く終わる。
第六楽章アンダンテは、フルートのすがずがしい感じの音で始まる。
このあたりは第一楽章の冒頭と同じ感じであるが、これに続いてアルト独唱が、
「おお、神と崇高なる芸術と調和の至高の象徴よ、
そなたの前にわれわれは捧げものとして賛辞を送る」と歌い始め、
続いてテノール独唱が入り、独唱と二重唱が続いていく。
この詩はスクリャービンが自ら書いた芸術の卓越性を讃えるものである。
そして、終わりの方で合唱が入り、芸術を讃えていき、
フーガ的な展開をしていき、高揚したところで終わる。
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