Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

カマルゴ・グァルニエリの交響曲第1番を聴く

2022-07-31 21:35:33 | 古典~現代音楽ブラジル編
今回は1907年生まれのブラジルの作曲家、
カマルゴ・グァルニエリが、
1944年に作曲した交響曲第1番を取り上げる。
聴いたCDはジョン・ネシュリング指揮、
サンパウロ交響楽団の演奏である。
第一楽章「荒々しく」は、トランペットが奏でる旋律で始まり、
このリズミックな第一主題に低音の金管楽器も絡んでいく。
この荒々しい旋律はヴァイオリン、ピアノ、オーボエなど、
他の楽器にも引き継がれていき、シリアスな感じである。
第二主題はチューバによって奏でられて始まる。
トランペットがそれを引き継ぎ、他の楽器に移っていく。
この後各主題は展開されていくが、リズミックなところがいい。
再び最初の主題が現れるが、そのあとも主題は様々な形に変化し、
ティンパニと金管楽器の鳴り響く中、最後力強く終わる。

第二楽章「深遠な」の最初の旋律は夜想曲のような感じで、
ホルンから始まり、続いてファゴット、
他の楽器へと旋律が引き継がれていく。
中間部はバス・クラリネットの奏でる旋律で始まる。
それはトランペットなど他の楽器に引き継がれ、
弦楽器が引き継ぐと打楽器と金管楽器も加わり、
徐々にそしてドラマティックな盛り上がっていく。
この音楽が静まるとフルートがその旋律を繰り返し、
冒頭の旋律が再び現れ、穏やかな感じが戻ってくる。
終わりの方でいったん情熱的に盛り上がりをみせ、
木管楽器中心に旋律を奏でたあと、最後静かに終わる。
第三楽章「とても、陽気に」は、ソナタ形式で書かれている。
第一主題はホルンと木管楽器で奏でられる力強い旋律である。
それを弦楽器など引き継いでいき、リズミックに進行していく。
第二主題はイングリッシュ・ホルンによって奏でられ、
それは抒情的で、旋律は弦楽器がそれを引き継いでいく。
金管楽器がそれに絡んで壮大な感じも加わっていく。
そのあとは展開部に入り、第一主題から変形されていく。
荒々しいリズムと金管楽器と小太鼓の活躍は、
第二次世界大戦中という当時の世界の情勢が関係するのだろうか。
イングリッシュ・ホルンの音が平和を願う声のようにも聴こえる。
最後はこの第二主題が中心となり、壮大な音楽となり、
金管楽器と打楽器を中心に盛り上がったところで終わる。
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アウベルト・ネポムセーノの交響曲ト短調を聴く

2022-07-30 21:52:58 | 古典~現代音楽ブラジル編
28日神保町に行く用事があったので、
帰りに兵六に寄り、一人カウンターで飲みました。
歴史を感じさせる店の雰囲気に圧倒されながら、
芋焼酎を飲みながら、おいしい兵六あげや、
餃子をつまんで、時間を過ごしました。
一人で来ても居心地のいい居酒屋です。

さて、今回は1864年生まれのブラジルの作曲家、
アウベルト・ネポムセーノが、
1893年に作曲した交響曲ト短調を取り上げる。
ネポムセーノはブラジル北東部で育ち、音楽教育を受け、
その後リオデジャネイロに移り、ヨーロッパに7年間留学した。
帰国後はブラジル音楽の伝統にも目を向け、
指揮者や教育者としても活躍した。
聴いたCDはファビオ・メケッチ指揮、
ミナスジェライス・フィルハーモニー管弦楽団の演奏である。
第一楽章アレグロ・コン・エントゥジアズモは、
情熱的で悲しげな第一主題が弦楽器中心に奏でられて始まる。
もう一つの主題は対照的で明るく生き生きとした旋律である。
二つの主題は展開部で変形されていくが、展開の技法は、
ヨーロッパでの留学の経験が生かされている印象を受ける。
再現部は第一主題から始まり、その後の進行も、
ブラームスなどの影響を感じるが、なかなかいい。
最後はティンパニの音とともに盛り上がり、力強く終わる。

第二楽章アンダンテ・クワジ・アダージョは、
弦楽器中心に抒情的な旋律が奏でられて始まる。
木管楽器が絡み、牧歌的な感じにもなる。
最後は木管楽器の響きになかで穏やかに終わる。
第三楽章スケルツォ-間奏曲-スケルツォは、三部形式である。
弦楽器と木管楽器中心に明るく軽快で舞踏的な旋律で始まる。
金管楽器も加わり盛り上がって終わるがこれが繰り返される。
中間部は短い間奏曲であるが、抒情的な旋律が奏でられる。
このあたりはグリーグなどからの影響を感じる。
冒頭のスケルツォ主題が繰り返され、最後力強く終わる。
第四楽章コン・フォーコは、金管楽器と弦楽器で、
力強いト短調の主題が奏でられて始まる。
木管楽器を中心とした軽快な部分も現れ、
これらが交互に現れるが、ドラマティックに進行し、
ブラームスを思わせるところがあるが、
主題の展開の技法はなかなか聴き応えがある。
コーダは長調になり、壮大な感じになり、
金管楽器が鳴り響き、最後は堂々とした感じで終わる。
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ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲第5番「新ロマン的」を聴く

2022-07-24 20:49:24 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
今回は1903年生まれのルイス・ウンベルト・サルガードが、
1958年に作曲した交響曲第5番「新ロマン的」を取り上げる。
聴いたCDはミヒャエル・マイスナー指揮、
クエンカ交響楽団の演奏である。
第一楽章アレグロ・リソリュートは、低弦の奏でる主題で始まり、
やや重々しい感じの旋律は他の楽器に引き継がれていく。
もう一つの主題は木管楽器で始まる感傷的な旋律である。
展開部で各主題は展開されていき、緊張感のある音楽が進行していく。
再現部は第一主題から始まり、最後は息詰まる緊張感の中で終わる。
第二楽章モデラート・アッサイは、ハープとフルートの伴奏に乗り、
ファゴットの感傷的な旋律で始まり、他の木管楽器に引き継がれていく。
弦楽器もその旋律を引き継いでいき、金管楽器も加わり盛り上がりをみせる。
再びファゴットが旋律を奏で、冒頭と同じ流れになるが、
金管楽器で盛り上がって最後は力強く終わる。

第三楽章アンダンティーノ・モッソは、三部形式で書かれている。
フルートなど木管楽器による旋律で始まる。
その静かな感じは打楽器の音で打ち消され、
そのあとはやや荒々しい舞踏的な感じの旋律が奏でられる。
中間部は低弦の奏でる感傷的な旋律で始まる。
木管楽器も絡み、金管楽器・打楽器も絡んでいく。
そのあとは冒頭の木管楽器群の旋律が現れ、再び荒々しい感じになり、
そのあとは木管楽器が中心になり最後静かに終わる。
第四楽章アレグロ・ドラマティコは、弦楽器の力強い旋律で始まる。
途中で木管楽器中心に旋律を奏でていく部分が現れ、
フルートのカデンツァ風の部分があり、
そのあと弦楽器と木管楽器中心に進行していく。
続いて弦楽器中心に力強い旋律が奏でられていき、
打楽器と金管楽器が加わって盛り上がったところで終わる。

こうして、ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲を、
ブログですべて取り上げて、今回で終わる。
最初聴いた時にこれは交響曲なのかと思いながら、
1曲ずつ改めて聴いてみたが、それぞれ個性的である。
しかも1曲ごとに進化を遂げている感じで、
つかみどころのない感じでもある。
エクアドルの民族音楽やポピュラー音楽の要素が、
この中にいかされているのかとも思うが、
一番聴きやすいのは交響曲第1番かもしれない。
価格としては安いCDの組物であったが、
十分に楽しむことができた。
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ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲第6番「弦楽とティンパニのための」を聴く

2022-07-23 19:33:45 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
今回は1903年生まれのルイス・ウンベルト・サルガードが、
1968年に作曲した交響曲第6番、
「弦楽とティンパニのための」を取り上げる。
聴いたCDはミヒャエル・マイスナー指揮、
クエンカ交響楽団の演奏である。
第一楽章マエストーソ-アレグロ・フェスティーヴォは、
序奏のマエストーソは低弦の響きで重々しく始まる。
そのあと主部アレグロ・フェスティーヴォに入り、
ヴァイオリンが生き生きとした主題を奏でる。
続いてヴァイオリン・ソロで始まる室内楽的で、
内相的なもう一つの主題奏でられるが、
そのなかにも最初の主題がチェロなどの奏でる旋律で現れる。
そして、最初の主題がもう一度現れて繰り返され、
もう一つの旋律も奏でられていき、
ティンパニの音とともに最後盛り上がって終わる。

第二楽章アダージョ・エスプレシーヴォは、
ヴァイオリン・ソロの旋律で始まり、
それが他にも引き継がれ、進行していく。
情熱的に盛り上がる部分もみられるが、
室内楽的な響きで簡素な部分もみられる。
最後は消え入るように静かに終わる。
第三楽章アレグレット・ポコ・モッソは、
軽快で舞踏的な旋律が奏でられて始まる。
ティンパニが弱い音で入るが、
続く部分は室内楽的で簡素な感じである。
冒頭の舞踏的な旋律が再び奏でられ、
ティンパニの音ともに軽快に進み、
最後は盛り上がって終わる。
第四楽章アレグロ・コン・ヴィータは、
軽快で生き生きとした旋律で始まる。
ティンパニも加わり、ダイナミックになる部分と
弦楽器のみで簡素だがリズミックな部分が現れる。
ティンパニの叩く音とともに、
盛り上がりをみせて、最後力強く終わる。
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ルイス・ウンベルト・サルガードの交響曲第3番「ラ-レ-シ-ソ-ミ」を聴く

2022-07-18 21:49:45 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
今回は1903年生まれのルイス・ウンベルト・サルガードが、
1956年に作曲した交響曲第3番「ラ-レ-シ-ソ-ミ」を取り上げる。
副題はロココ様式による(五音音階で書かれた) である。
聴いたCDはミヒャエル・マイスナー指揮、
クエンカ交響楽団の演奏である。
第一楽章レント-アンダンティーノ-アレグロ・コン・アニマは、
ホルンのラ-レ-シ-ソ-ミの音で始まり、
ハープシコードとハープの音が入る。
フルートの奏でるラ-レ-シ-ソ-ミの旋律が続き、
これがこの交響曲の中心的な主題になるが、バロック風である。
ロココ様式の音楽といえば、クープランのクラヴサン音楽なので、
ハープシコードの音や、フルートの音がその雰囲気を表現しているのだろう。
弦楽器は室内楽的な音楽を奏でて主部に入る。
弦楽器による明るく軽快な旋律が奏でられ、
ハープシコードの音も入り、雰囲気を醸し出していくが、
主題となる旋律はとても哀愁を感じさせる音楽である。
鉄琴なども活躍し、フルートも活躍していく。
民謡風の旋律が、バロック風の旋律と絡んでいく感じで、
なかなか面白い音楽であり、独創的である。
最後は盛り上がったところで終わる。

第二楽章サラバンド風のグラーヴェは、
金管楽器の重々しい音で始まり、
それにフルートなど木管楽器の軽やかな音が呼応する。
そのあとは弦楽器が中心となり、叙情的な旋律を奏でていく。
フルートがラ-レ-シ-ソ-ミの旋律をロココ風に奏でていく。
弦楽器がそれを支え、金管楽器が盛り上げる。
そして冒頭の音楽を金管楽器が再び奏で、
そのあとの音楽も軽やかな音楽も同じように奏でられ、
この部分が繰り返されていき、最後は静かに終わる。
第三楽章アレグレット・グラツィオーソ・アラ・ブーレは、
軽快で明るいラ-レ-シ-ソ-ミの旋律が奏でられていく。
ここでもフルートなど木管楽器がロココ風の音楽を醸し出している。
中間部はそのあとは弦楽器中心に旋律を奏でていく。
金管楽器が加わり、盛り上がりを見せる部分もあるが、
再び弦楽器が冒頭の明るく軽快な旋律を奏でて、
最後は弦楽器とハープシコードでクレシェンドして終わる。
第四楽章フィナーレ:アレグロ・ジウス(ジーグ風フーガ)は、
ヴァイオリン・ソロが前楽章のラ-レ-シ-ソ-ミの旋律を奏で、
他の弦楽器とフルートが絡んでフーガ風の音楽を展開していく。
徐々に金管楽器も加わりながら、盛り上がりをみせる。
ハープの短くも美しいカデンツァ風の部分があって、
その後打楽器のリズムが刻まれ、主題が様々な楽器で奏でていき、
それからチェロなど弦楽器が主題を奏でて、木管楽器が絡み、
金管楽器が加わり、盛り上がったところで最後終わる。
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